インド北部を原産とする常緑樹で、白い花と黄色い実が特徴。実は料理や飲料、化粧品など様々な製品の原料として重宝されている。
果樹としては家庭でも育てやすく人気がある。
日本では瀬戸内海を中心に、西日本の一部地域で栽培されている。
基本データ
- 分類
- 果樹
- 学名
- Citrus limon
- 科・属名
- ミカン科 ミカン属
- 別名
- ライム、シトロン、ブッシュカン
- 草丈・樹高
- 2〜4m
- 栽培可能地域
- 関東以南
- 花色
- 白
- 開花期
- 5月から10月にかけて
- 結実期
- 10月から4月にかけて
- 耐暑性 / 耐寒性
- 耐暑性:強い 耐寒性:弱い
黄色い酸っぱい実が特徴の常緑樹
黄色い果実をつける常緑樹
レモンは皆さんご存知の通り、黄色く酸っぱい果実を付ける果樹です。
常緑で冬でも葉が落ちることはなく、1年中緑を楽しめます。
元々はインド北部を原産地としており、ミカン科に属します。
レモンが日本に入ってきたのは明治の初め頃で、西日本の一部地域を中心に栽培されてきました。
出荷されるレモンの半分は、瀬戸内レモンが有名な瀬戸内海の島々で作られています。
レモンは寒さに弱く、基本的に関東以北では庭植えすることができません。
鉢植えのレモンが流通していますが、これは冬場に鉢を屋内に入れることを前提としています。
家庭でも育てやすい果樹の1つ
レモンは病害虫に多少強く、農薬を使わずとも育てられるため、家庭栽培におすすめの果樹の1つです。
適した環境であれば、1本の木で200個以上のレモンを収穫することができます。
開花期は5月が山場と言われていますが、レモンは周年開花のため10月頃まで開花と結実を行います。
レモンの花は、白く可愛らしい印象です。
実はもちろんですが、花も楽しめるのがレモンの魅力と言えるでしょう。
蕾はぷくっとした形状で紫色をしています。
レモンの花言葉、名前の由来
レモンの花言葉には、「誠実な愛」「思慮分別」「熱情」などがあります。
この内の「熱情」はレモンの実につけられた花言葉で、レモンが持つ強い酸味に由来していると言われています。
また、レモンという名前はヒンドゥー語の「limbu」に由来するもので、これが訛って変化するうちに、英名の「Lemon」になったと言われています。
漢字の「檸檬」は、中国の生薬の名前をそのまま当てはめたものです。
レモンは見ても良し、食べても良し
レモンの旬は夏じゃない!?
レモンと聞いて夏をイメージする方も多いかもしれませんが、実は冬に旬を迎えるんです。
国産のレモンは10月から4月を収穫期としており、スーパー等では6月頃まで国産のものが販売されています。
気候の異なる外国産のレモンは、6月以降に多く出回るようになります。
レモンを使った料理
皆さんはレモンというとどんな食べ物を思い浮かべるでしょうか?定番のレモネードやジャムなど、レモンは様々な料理で活躍します。
ここではいくつかピックアップして、簡単なレシピを紹介していきます。
・レモネード
最もシンプルにレモンの味を楽しむことができるのが、レモネードの魅力です。
まずは氷を入れたグラスに1/4ほどにカットしたレモンを入れ、メイプルシロップを加えましょう。
最後に水か炭酸水を入れて完成です。
メイプルシロップは小さじ1/2程度を基準として、好みに合わせて調整してください。
爽やかなレモンの酸味が、疲れを癒してくれます。
・レモンステーキ
レモンステーキは、長崎名物の料理です。
牛ロースに玉ねぎ、レモンの輪切りをのせて焼くだけで作れます。
味の決め手はレモンソースで、醤油、酒、みりん、レモン汁などを混ぜた、さっぱりとした味がクセになります。
レモンの品種
レモンには様々な品種が存在し、それぞれ育てやすさや味が異なります。
ここでは初心者向けのレモンを中心に3つの品種を紹介します。
・リスボン
リスボンはポルトガルを原産国とする品種です。
レモンの中で寒さに最も強く、日本の気候にも適しています。
収穫できる量も多いため、初心者におすすめできる品種です。
味は酸味が強く、少し緑がかった果肉をしています。
ただし、リスボンはトゲが多いため、剪定や収穫の際は注意しましょう。
・ジャンボレモン
ジャンボレモンは、その名の通り大きい果実ができる品種です。
1kgを越える果実ができることもあります。
ある程度耐寒性があり、実りやすいためおすすめです。
果実は平均しても800gほどで、非常にインパクトがあります。
・マイヤーレモン
マイヤーレモンは、レモンとオレンジが自然交配したことによって生まれた品種です。
果実の表面が通常のレモンよりも滑らかで、オレンジに近い印象があります。
味も酸味が抑えられており、甘みがあるのが特徴です。
熟すとオレンジ色に変化していくなど、レモンらしさは薄れますが、こちらも耐寒性が強く初心者におすすめできます。
レモンの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
レモンの木の植え付けは3月から4月にかけてが適期です。
実付きの苗を購入した場合は、一度収穫してから次の春に植え付けを行いましょう。
場所は日がよく当たり、水はけが良い場所を選びましょう。
風が強く吹かないことも重要です。
植え付けの際は縦横50cmほどの穴を堀り、腐葉土と赤玉土をすき込みます。
土を2/3程度戻したところで苗を植え、支柱を立てておきましょう。
あとはしっかり水やりを行ってください。
植え替えも植え付け同様3月から4月に行います。
基本的には2〜3年に1度、根詰まりを防ぐことを目的として植え替えます。
肥料
庭植えにする場合は、元肥として有機質肥料か速効性化成肥料を、追肥として6月・11月に速効性化成肥料を施しましょう。
鉢植えの場合は3月・6月・10月に有機質肥料か緩効化成肥料を施します。
剪定
剪定は植え付けと同じ3月から4月頃に行いましょう。
この際、必ず日当たりをイメージしながら枝を切り詰めてください。
切り詰める枝は前年の秋に伸びたものや、病害虫の影響を受けたものです。
病害虫
レモンの木は潰瘍病になることがあります。
これはミカンハモグリガの食害や風によるこすれ傷などが原因で起こるものであり、症状が思いと落葉します。
害虫はミカンハモグリガ以外にも、アブラムシやカミキリムシなどの被害を受けることがあります。
幼木を大きくするためには、入念にこれらを駆除することが重要です。
日当たり
庭植えの場合、連日日照りが続くような夏場は水やりが必要です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたのを目安に、鉢から水が流れ出るくらいの水をしっかりと与えましょう。
水やり
庭植えの場合、連日日照りが続くような夏場は水やりが必要です。
鉢植えの場合は、土の表面が乾いたのを目安に、鉢から水が流れ出るくらいの水をしっかりと与えましょう。
熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。