落葉高木のアーモンドの木。
サクラやモモに似た花が咲き、3月〜4月の時期を楽しませてくれることから、庭木や果樹としての人気が高まっている樹木です。
収穫できたアーモンドは栄養が豊富。
ただ、寒さや加湿に弱い傾向にあるので、育て方に注意が必要です。
基本データ
- 分類
- 庭木-落葉
- 学名
- Prunus dulcis
- 科・属名
- バラ科・モモ属
- 別名
- 扁桃(ヘントウ)、巴旦杏(ハタンキョウ)
栄養豊富な実と美しい花が咲くアーモンドの木
アーモンドとは?
ナッツの中の代表的存在であるアーモンド。
そのアーモンド自体はチョコレートやお酒のお供として食用されているため馴染みがありますが、どう栽培されているのか、収穫しているのかについては知らない人が多いでしょう。
じつは、アーモンドはモモやアンズと同じ仲間であり、春にはサクラやモモのようなかわいい花が咲く樹木なのです。
有名な産地はアメリカのカリフォルニア州とオーストラリア、スペインなど。
日本では明治初年にアーモンドが渡来してきましたが、当時はあまり普及せず、現在では小豆島などの少ない地域で栽培されています。
アーモンドの木は温暖で乾燥した環境を好むため、日本での育て方には少しコツがいりますが、庭木はもちろん、鉢植え栽培などで育てることも可能です。
アーモンドの実が収穫できるまで
アーモンドの木は3月〜4月ごろが開花時期。
上手く受粉できたものは花が咲き終わったあとに果実が膨らみ、十分に果実が熟したころ、外側の皮が裂けるようにして種が剥き出になります。
その種の中にある「仁(じん)」と呼ばれる部分がアーモンドの実の正体です。
果実自体はとても硬いため、食用にするのは基本的に仁のみとなります。
アーモンドの木の特徴
温暖な気候を好む落葉樹のアーモンドの木は、樹皮は灰褐色で、葉は光沢のある細長い楕円形です。
開花期が早いことから、先に花が咲いたあとに葉が芽吹きます。
花はサクラやモモのように華やかなピンク色や白色で、サイズが大きいのが特徴。
また、アーモンドの木1本だけでは結実がしにくいので、アーモンドを2本以上を植える、またはモモを近くに植えると、実付きがよくなるでしょう。
「ダベイ」という種類は比較的1本でも結実しやすい種類なので、アーモンドを収穫したい人は要チェックです。
アーモンドの花言葉
花言葉は「希望」「真心の愛」「永遠の優しさ」があります。
アーモンドは宗教画のモチーフや旧約聖書などに登場することから、「真心の愛」や「永遠の優しさ」といった花言葉がついたようです。
また、「希望」の花言葉は、冬の終わりと春を告げるアーモンドの花をイメージしてつけられたと言われています。
アーモンドの木は庭木や花木、果樹としても楽しめる
四季折々の変化を楽しめるアーモンド
アーモンドの木は、春に花、夏は青々とした葉と果実がなります。
そして秋には紅葉、冬は幹だけの情緒溢れる枝ぶりが鑑賞でき、季節ごとに大きな変化を楽しめる庭木です。
花木や果樹としても活躍するので、さまざまな用途で利用できる点もアーモンドならではの魅力。
楽しみ方が豊富な樹木を選びたい人にはぴったりですね。
ビタミンEを多く含むアーモンドの効果・効能
アーモンドは多くのビタミンEを含むことから、抗酸化作用、アンチエイジングなどに効果的と言われています。
また、不溶性食物繊維も豊富なため、腸内環境を整えたり便通を改善したりする効果も期待できるとのこと。
そのほかにも、悪玉コレステロール減少に役立つオレイン酸、血圧を下げるリノール酸、肌トラブルに効果的なビタミンB2があるなど、さまざまな栄養素を含んでいます。
ただし、過剰摂取は胃腸に負担をかけてしまうため、食べ過ぎに注意しつつ、アーモンドを食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
アーモンドの収穫方法・食べ方
アーモンドは8月ごろに収穫時期を迎えます。
外果皮が裂開し始めたときを目安に、果実を収穫していきましょう。
収穫した果実は、外の皮を取り除いて核を取り出し、日陰で十分に日干しします。
核の中から仁を取り出してローストすれば、美味しいアーモンドの出来上がりです。
サラダやヨーグルトに入れたり、クリームチーズやハチミツと合わせたりして、一層美味しい食べ方でアーモンドを味わってみてくださいね。
アーモンドの育て方と特徴の詳細情報
- 草丈・樹高
- 3〜4m
- 栽培可能地域
- 東北以南
- 花色
- 白、ピンク
- 開花期
- 3月〜4月
- 結実期
- 7月〜8月
- 耐暑性 / 耐寒性
- 強い/弱い
アーモンドの育て方と特徴の育て方・管理方法
- 植え付け・植え替え
- アーモンドの木の植え付け・植え替えは、12月〜2月が適期です。
土壌はあまり選びませんが、水はけのいい土を好みます。腐葉土や赤玉土を植え穴に入れ、よく混ぜ合わせてから苗木を植え付けるといいでしょう。このとき、深植えは禁物です。深植えすると根腐れを引き起こしたり、花芽が少なくなったりするケースもあるため、必ず浅植えにするように注意しましょう。
アーモンドの木は、鉢植えやコンテナ栽培も可能です。土は赤玉土と腐葉土をブレンドするか、水はけのいい市販の培養土を使用します。鉢底に鉢底石を敷き入れたあと、土を入れてから苗木を植え付けてください。
また、鉢植えやコンテナ栽培では根詰まりを防ぐために植え替えが必要です。少なくとも2年に1度は一回り大きい鉢やコンテナに植え替えすることをおすすめします。 - 肥料
- 肥料は元肥に油かす、骨粉、草木灰などの有機質肥料を施します。追肥の時期は果実の収穫が終わる9月ごろに、お礼肥として化成肥料を適量与えてください。
- 剪定
- 剪定に適した時期は、冬の12月〜2月と夏の7月〜8月の間です。冬は切り戻しや間引き剪定が中心。夏は風通しがよくなるように混み合った枝をカットします。
アーモンド剪定方法は開心自然形がおすすめなので、苗木1年目は主幹を地上から30cm程度の高さにカット。2年目は主枝を2〜4本ほど残して、枝の先端を剪定します。3年目以降も枝が横へ広がるように先端を剪定していくといいでしょう。
さらに、冬の落葉期には主枝が50cm以上になる箇所を切り戻し、徒長枝や混み合った枝も剪定しておくと、全体に日光が行き渡るようになって実付きもよくなるはずです。
- 病害虫
- アーモンドは縮葉病や黒星病、アブラムシ、シンクイムシ、コスカシバなどの病害虫の被害に合うケースがあります。
3月ごろに殺菌剤を散布しておくと、病気の予防・対策に効果を発揮。害虫は見つけ次第捕殺し、日頃から早期の発見・駆除に努めてください。また、果実が若いうちから袋をかけておくと害虫対策に役立ちます。
- 日当たり
- 加湿に弱いアーモンドは、水のやり過ぎに注意が必要です。鉢植え栽培や地植え栽培のいずれも乾かし気味に管理するのが上手な育て方のポイント。基本的には、土の表面が乾いたタイミングで水やりを行いましょう。
ただし、夏の高温期には水分が乾きやすいので、鉢植えは朝と夕方の1日に2回水やりをすると水切れを防げます。冬は加湿になりやすい時期のため、10日に1度くらいのペースで水やりをするといいでしょう。
地植え栽培では、根付いたあとの水やりは不要です。とはいえ、夏の高温期や雨が降らない日が続く場合は、たっぷりと水やりをしてください。
- 水やり
- 加湿に弱いアーモンドは、水のやり過ぎに注意が必要です。鉢植え栽培や地植え栽培のいずれも乾かし気味に管理するのが上手な育て方のポイント。基本的には、土の表面が乾いたタイミングで水やりを行いましょう。
ただし、夏の高温期には水分が乾きやすいので、鉢植えは朝と夕方の1日に2回水やりをすると水切れを防げます。冬は加湿になりやすい時期のため、10日に1度くらいのペースで水やりをするといいでしょう。
地植え栽培では、根付いたあとの水やりは不要です。とはいえ、夏の高温期や雨が降らない日が続く場合は、たっぷりと水やりをしてください。