ドライガーデンはDIYででき、つくり方がシンプルなので初心者でもプロが手がけたような空間に仕上げられます。
まずは、適切な土づくりと植物選定のポイントをしっかりと押さえておきましょう。
ドライガーデンのつくり方やコツ、ポイントやおすすめの植物など、たっぷりと紹介!

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目次

サボテンをはじめ、人気のアガベやユッカなど、クールでスタイリッシュな植物が植えられたドライガーデン。新しいスタイルの庭で、近年日本でもDIYでつくる方が増えてきていると思います。

ドライガーデンづくりでは、植える植物にとって適切な土(土壌)をつくることがポイント。特に排水性・通気性・保水性にすぐれた土をつくることで、より長期的に楽しめる美しいドライガーデンをつくれます。

また、ポイントやコツ、さらにつくる上での注意点も押さえておくことで、プロが手がけたようなクオリティの高いドライガーデンをつくれます。

この記事では、ドライガーデンのつくり方について詳しく紹介します。

ドライガーデンの特徴や魅力から、土づくり・つくり方のコツ・ポイント・注意点まで、たっぷりと解説するので、DIYで悩んでいる方も、この記事をぜひ参考にしてみてください。

ドライガーデンのスタイルとは

砂漠地帯や乾燥した気候に適した庭園スタイルであるドライガーデン。植物や使う土などにおいて水を極力使用せず、自然な風合いや質感を活かしたデザインのため、維持管理が比較的簡単で、環境への負荷も低く近年広く愛されています。

ドライガーデンの特徴

耐乾燥性植物を使ってクールでスタイリッシュな風景をつくるドライガーデンは、水を極力使わずに成り立つため、芝が敷き詰められた庭よりも節水効果があり、乾燥した気候や水が制限されている地域では、持続可能な庭づくりの手法として注目されています。

一般的にドライガーデンに使われる植物は、水を蓄え、乾燥した環境においても美しく育つサボテンやアガベなどがあり、植物の配置や素材の使い方によっては、四季折々の風景を楽しむことが可能です。

具体的な実例として、砂漠気候が広がる南西部のアメリカでは、サボテンやアガベなどの多肉植物が活き活きと育ち、石や砂利を活用したデザインが広がっているため砂漠の風景に調和しています。

また1年草とは違って、夏や冬でも枯れることない常緑性の植物を使うので、持続可能性のある庭をつくれるのも特徴です。

サボテン・アガベ・ユッカだけではない

比較的日本では、「ドライガーデン」といわれるとサボテン・アガベ・ユッカなどの乾燥に強い植物が使われることが多いですが、海外ではそれ以外にも使われる植物があります。

例えば、地中海性気候にはオリーブやローズマリーが適しており、これらを活用することで地域に合わせた庭園が実現できます。

ドライガーデンの魅力を知ろう!

クールでスタイリッシュな庭が演出できるドライガーデンは、白や黒のフェンスやモルタル壁など背景がある庭だけでなく、背景のない平坦な場所でも格好良くつくれる魅力もあります。

ここではドライガーデンの魅力について、以下4つを解説します。

  1. 小さな庭でもつくれる
  2. メンテナンスが楽
  3. 追加の植栽がしやすい
  4. 季節ごとの植え替えの必要がない

ドライガーデンの魅力1|小さな庭でもつくれる

限られたスペースでも手軽につくれるドライガーデンは、小さな庭でも簡単に個性的で魅力的な空間を演出することができます。

石や砂利、コンテナプランターなどを利用してスペースを有効に使え、ベランダ・玄関先・バルコニーなど、庭のスペースに制約がある場合でも、コンパクトながらも機能的で美しい庭園が実現可能です。

植物の組み合わせや配置次第で、小さな庭にアクセントを加えることができます。

ドライガーデンの魅力2|メンテナンスが楽

乾燥好む植物を使ったドライガーデンは水やりの頻度が低く、植物の生長がゆるやかなため、忙しい生活でも美しい庭を楽しむことができます。

種類によって違いますが、多くの植物が剪定(せんてい)や肥料やりなどなくても、十分に元気良く育つため、管理の手間があまりかかりません。

さらに、石や砂利を敷いているため、通常の土を使用した庭に比べて雑草の発生が少なく、除草に時間を取られることがあまりないのも魅力的です。

ドライガーデンの魅力3|追加の植栽がしやすい

ドライガーデンは、一般的な庭と比べると植物同士の植え付け間隔が広いため、追加の植栽がしやすいです。

また、土づくりの手間が少なく、植栽スペースが柔軟であるため、植物の寄せ植えもしやすく、庭全体が美しいアレンジメントで彩りやすく、庭が常に新鮮で魅力的な空間をつくれるでしょう。

季節や好みに合わせてお気に入りの植物を植えやすく、庭を変化させる楽しみもありますよ!

ドライガーデンの魅力4|季節ごとの植替えの必要がない

耐暑生・耐寒性のある常緑性植物を使ったドライガーデンは、季節ごとの植替えがあまりありません。気候に左右されず、乾燥に強い植物を使用することで、庭の植物が一年を通して美しく健康に育ちます。そのため、植物の選定やメンテナンスが少なくなり、庭を楽しむための手間が少なくなります。

ドライガーデンは土づくりが大切!必要な材料と割合

ドライガーデンづくりを成功させるには、適切な土づくりが欠かせません。正しい材料とその割合を知り、適切に配合しましょう。

ドライガーデンにおすすめの土と土壌改良剤は、以下5つです。

  • 軽石(中粒):7割
  • ピートモス:3割
  • くん炭:1割
  • 有機石灰:適量
  • 御影石:適量

このあと、各材料についてそれぞれ解説します。

ドライガーデンにおすすめの土壌改良材

乾燥に強い植物が使われるドライガーデンでは、適度に水分を保持し、砂や軽石を用いて通気性を高めた土づくりが大切です。正しい割合の土配合により水はけが良くなるため、多雨時や過湿な状態から植物を守り、根腐れや病気のリスクを軽減します。

また、サボテンやアガベなどは細菌に弱いので、腐葉土や牛ふんなどの堆肥は避け、無菌の土を使いましょう。

ただし、富士砂など黒い土は熱を吸収しやすいため、夏は地面が熱くなり過ぎて植物がしおれたり、葉焼けを起こしたりする場合も。できるだけ、黒以外の土を使うといいです。

軽石(中粒):7割

通気性のある軽石は水はけが良いため、土壌中の水分が溜まりにくく、植物の根が健康に生長できます。

比較的大きく育ちやすいアガベやユッカは中粒サイズのものが良いですが、小さな多肉植物であれば小粒でも大丈夫です。

割合は7割ほどで、日向土などで代用することも可能です。

ピートモス:3割

天然の有機物で土に栄養を与えるピートモスは、優れた保水性をもつため土壌が乾燥しにくく、植物に安定した水分供給ができます。

ただし、土の酸性度が高いので、くん炭や有機石灰を組み合わせて中性に戻すといいです。または、中性のココピートで代用するのもおすすめ。

7割の軽石に対して、ピートモスは3割ほどの量で混ぜ合わせましょう。 

くん炭:1割

粒の1つひとつに小さな孔がたくさんあるくん炭は、通気性・保水性の高い土です。浄化作用があり、有機物の分解をすく芯させる効果もあるため、植物にとって理想的な環境が整いやすく、根腐れなどを起こしにくくなります。

またナメクジやアブラムシが嫌う匂いがあるため、病害虫の被害にもあいにくくなります。

くん炭は、全体の1割ほどの量で混ぜ合わせるのがおすすめです!

有機石灰:適量

まいてからすぐに使える有機石灰は、適量使用することで土壌の酸性度を調整し、植物の栄養吸収をサポートします。土壌と植物の健康を保ちながら、バランスの取れた生長環境をつくれます。

ただし、苦土石灰だとまいてから熱をもつので、1週間ほどあけてから植え付けなければならないので注意しましょう。

製品のパッケージに記載された量でまくようにしましょう。記載がなければ、1平米あたり500gを目安にするといいです。

御影石:適量

花崗岩(かこうがん)と閃緑岩(せんりょくがん)の2種類がある御影石は、土壌に豊富なミネラルを供給するために役立ちます。また、植物の根っこを地面に安定させる役割もあるほか、見た目がきれいなので装飾的な効果もあり、とても便利な土壌改良剤です。

全体に対して1割満たない程度で混ぜ込むだけで十分ですが、たくさん入れることで、乾燥地帯のような水はけのすぐれた土壌をつくれます。植える植物によって量を調節するといいかもしれません。

ドライガーデンの上手なつくり方

庭や家の印象をクールに変えてくれるドライガーデンは、DIY初心者でもつくれ、長い間その景色を楽しめます。

ここでは、ドライガーデンの上手な作り方についてステップごとに紹介します。

Step1. プランを考える

  1. 庭のサイズと形を確認する
    庭の広さや形に合わせてどのエリアをドライガーデンにするかを考えましょう。
  2. 植栽するエリアを決める
    どこに植物を配置するかを考え、陽光の当たり具合や植物の種類を考慮して配置をプランします。
  3. デザインを考える
    ドライガーデンのデザイン要素として、石や砂利の配置、高低差のつけ方などを考えます。

Step2. 土地の準備をする

  1. 雑草を取り除く
    ドライガーデンをつくる場所に生える雑草は、全て取り除きましょう。
  2. 土を掘り起こす
    不要な土や砂利を掘り起こし、ドライガーデンの土や土壌改良材が入るスペースをつくります。

Step3. ドライガーデンの土と土壌改良材を入れる

軽石・ピートモス・くん炭・有機石灰・御影石を植え付け穴に入れて、よく混ぜ合わせましょう。植物に適した状態に整える重要なステップで、丁寧に行うことで美しいドライガーデンを育てる基盤を築くことができます。

ドライガーデンづくりのコツ|高低差を付けて土を入れる

土地に高低差を取り入れることで、庭がより立体的で魅力的になり、植物たちも異なる生長環境で楽しむことができます。

また、高低差を設けることで、雨水などが一箇所にたまりにくくなり、排水性・通気性が向上します。そのため、土が乾きやすくなり植物は根腐れを起こしにくくなります。

Step4. ドライ植物を植え付ける

  1. 植物を選ぶ
    ドライガーデンに適した乾燥の強い植物を選びましょう。
  2. 高低差をつけて配置する
    背の高い植物と低い植物を組み合わせ、高低差をつけて植え付けることで視覚的なアクセントをつけます。

ドライガーデンづくりのコツ|背の高い植物との間には背の低い植物を植える

背の高い植物、また背の低い植物だけでは景色全体が単調になりがちです。背の高い・低い植物の両方を組み合わせることで、庭全体に奥行きとバリエーションを与え、美的なバランスを生み出します。

また背の高い植物が強い日差しを遮り、庭の一部分を涼しく保ちます。同時に、背の低い植物も日差しを適度に受けるため、それぞれの植物が最適な条件で生長できます。

例えば、背の高い植物としてはユーカリや柱サボテン、背の低い植物としてはセダムやローズマリーなどを植えることで、庭に立体感や陰影を生み出し、季節による植物の変化を楽しめますよ!

Step5. 石の配置と砂利の敷設

  1. ドライガーデンに合った石を選ぶ
    ドライガーデンに配置する石は、デザインやテーマに合わせて選びます。
  2. 石と砂利でデザインする
    デザインに沿って、石を土に埋めて配置し、砂利を敷き詰めます。二等辺三角形を意識して配置すると、バランスが良くなります。

ドライガーデンづくりのコツ|植物と石を一直線上に置かず二等辺三角形を意識して配置する

一直線上に石と植物を配置するよりも、二等辺三角形を意識して配置することで、視覚的なアクセントが加わり、庭に立体感が生まれます。

そもそも二等辺三角形は、自然界においても見られる調和のとれた形状です。この形を意識することで、庭全体が自然で調和のとれた印象を与え、自然の中を歩くような感覚を生み出します。

また、石はただ置くだけでなく土に1/3程度埋めて、配置することがポイントです。

ドライガーデンをつくるときのポイントと注意点

DIY初心者でもつくれるドライガーデンですが、いくつかのポイントを押さえることで失敗を防げ、プロが手がけたような庭を演出できます。

ここでは、ドライガーデンづくりのポイントと注意点について解説します。

ドライガーデンづくりのポイント

  1. 完成イメージをもつ
  2. メインの木とサブの木を決める

ドライガーデンづくりの注意点

  1. サボテン・アガベ・ユッカ類は、根を天日干ししてから植える
  2. 除草や掃除はこまめに行う
  3. トゲトゲしくならないように植え付ける

ドライガーデンづくりのポイント

①完成イメージをもつ

ドライガーデンは、まず完成イメージをもってつくることが大切です。ただ闇雲に石や砂利を敷いて、それっぽく植物を植え付けても、空間のバランスや立体感が生まれにくいため、満足のいかない作品になってしまいます。

いつまで経っても完成しないという場合もあるので、まずは雑誌やインターネットでイメージを膨らませ、どんなドライガーデンをつくるか決めてから作業に取り組みましょう。

②メインの木とサブの木を決める

メインの木とサブの木を決めて植物を植えることで、空間のバランスが取れ、印象的なドライガーデンを演出できます。メインの木は庭全体の中心的な存在となり、サブの木はそれを引き立てつつ、全体のアクセントを構築します。

例えば、メインの木にはユッカ・ロストラータのようなシンプルで存在感のある植物を選び、サブの木にはアガベや低木を配置することで、異なる高さや形状の植物が調和を生み出し、庭全体に奥行きが出るでしょう。

ドライガーデンづくりの注意点

①サボテン・アガベ・ユッカ類は、根を天日干ししてから植える

乾燥地帯に自生する植物は細菌に弱く、土の過剰な水分によって病気や根腐れを引き起こすこともあります。特にポットから出した根はちぎれて傷み、そのまま植えてしまうと細菌に感染してしまう場合も。

植物を植える前に、まずは根鉢を崩して3〜5日ほど天日干し、根を消毒して安定させるといいです。また、土づくりのときに殺菌剤も混ぜ合わせておくと、より環境の良いドライガーデンをつくれます。

②除草や掃除はこまめに行う

ドライガーデンづくりにおいて、除草や掃除はとても大切です。美観の維持だけでなく、植物の健康状態を良く保つことができ、病害虫の被害も最小限に抑えられます。雑草や落ち葉が増えると、植物の光合成や栄養の吸収が悪くなることもあるので、できるだけ除草と掃除を行いましょう。

③トゲトゲしくならないように植え付ける

サボテンやアガベなどはトゲをもっているので、密集するようにたくさん植えてしまうと庭を楽しむ際にケガの原因となります。特に子どもやペットがいる場合、安全性を確保するためにはトゲのない植物を選ぶことも大切です。

ドライガーデンにおすすめの植物|初心者でも育てやすい品種

ドライガーデンの植物は、耐乾燥性・耐寒性が高く、生長が緩やかで管理がしやすいものが初心者でも育てやすいのでおすすめです。サボテンやアガベ、ハーブなどを取り入れ、手間をかけずに美しい庭を楽しんでください。

ここでは、ドライガーデンにおすすめの植物を以下3つを紹介します。

  • クールでスタイリッシュなドライガーデンに定番の植物
  • 華やかさのあるドライガーデンに向いた植物
  • あると個性的なドライガーデンに向いたトロピカル感のある植物

クールでスタイリッシュなドライガーデンにおすすめの植物

カレックス

乾燥に強いカレックスは、多くの品種が存在し、異なるバリエーションを楽しめます。季節によって変わる色や形状をもっており、年間を通じて庭に美しい変化をもたらすため、庭のデザインに幅広いアプローチが可能です。

例えば、カレックス・エバーゴールドは、その独特の緑と白のストライプ模様で知られ、庭にアクセントを与える優れた植物の一つです。

ドライガーデンの魅力を引き立て、手入れもしやすいため、庭づくりの際におすすめの植物です。

ニューサイラン

ニューサイランは乾燥に強い特性をもつ一方で、寒冷地でも比較的耐えることのできる強い植物です。

さまざまな品種が存在し、葉の形状・色・サイズが異なるため庭のデザインに個性を加えることが可能です。

例えば、ニューサイランの品種である「レインボーメイデン」は、その豊かな赤紫の葉で知られ、庭全体に鮮やかな色をもたらします。

また一度植え付ければ比較的手入れが簡単で、特にドライガーデンでは土壌改良が必要ないため、管理が容易です。

サボテン

特有の形状と乾燥に対する耐性から、ドライガーデンにおいて人気で定番なサボテン。

本来、砂漠地帯に生息する植物であり、水分を蓄える能力が高いため、ドライガーデンのような水が少ない環境に適しているほか、メンテナンスのしやすさが魅力的です。

さまざまな種類が存在し、その形状も多様なため、庭のデザインにバリエーションを加えることができます。特にゴールデンバレルカクタスは、金色のバルーンのようなサボテンで、庭に独自の視覚的な要素をもたらします。

アガベ

独特の形状と強健な性質なアガベは、ドライガーデンにおいて人気で定番な植物の一つです。

アガベは乾燥に強く、水が不足しても生育できる特性があるため、一般的に手入れが簡単でメンテナンスがあまりありません。多くの品種は、独特なロゼット状の葉をもち、そのバラのような美しい形状が庭に個性的なアクセントを加えます。

アガベ・アメリカーナ(アメリカン・センチュリープランツ)は、その大きなロゼットと鋭い先端をもつ特徴的な植物で、庭に個性的な魅力をもたらします。

ユッカ

地面から太い幹が伸び、その先に鋭く尖った細長い葉が無数に伸びるユッカ。その独特な形状や頑丈な性質から、ドライガーデンに欠かせない植物です。

ユッカは耐干ばつ性が高く、乾燥に強いため、ドライガーデンの条件に適しています。一般的に手入れが簡単で、水やりや肥料の管理の手間があまりかかりません。ユッカの独特な形状や葉の模様は、庭に独自のアクセントを加え、視覚的な魅力を提供します。

例えば、ユッカ・フィラメントーサは、その繊細な葉と優雅な形状が特徴で、ドライガーデンに洗練された雰囲気をもたらします。

コルジリネ

コルジリネは耐乾燥性に優れ、多彩な品種が庭にさまざまな表情をもたらします。特にアウストラリス種はその美しい赤紫色や赤銅色の葉が、ドライガーデンにおいて魅力的なアクセントとなり、視覚的な興味を引くアイテムにもなるでしょう。

コルジリネの中でも代表的な、コルジリネ・オーストラリス・レッドスターは、その優雅な赤銅色の葉が特徴で、ドライガーデンに豊かなカラーバリエーションをもたらします。さらに耐寒性が高いため

ソテツ

日本にも広く自生しているソテツは、ヤシのような形状が格好良く、つやのある濃い緑の葉が美しいため、ドライガーデンのメインの木になります。

ソテツは乾燥に強く、寒冷地でも育つ耐寒性があり、花や実など四季折々の美しさを庭で楽しむことができます。少ない水で生育することができるため、ドライガーデンに適しています。

例えば、ソテツの一種であるサゴヤシは、その小型でコンパクトな形状と緑色の葉が、ドライガーデンにおいて、全体に独自の視覚的な効果を与え、空間を引き締めます。美しいアクセントとなります。

ココスヤシ

抜群の耐乾燥性と風格ある外観から、庭にエレガントなシンボルツリーとして植えることができるココスヤシ。優雅な樹形と美しい葉の配置が特徴で、庭全体に上品で独自の雰囲気を演出できます。

砂質の土地に適しており水分を保持する能力が高いため、乾燥した環境でも健康的に育つことができます。また、ココスヤシは風に強く、庭の中で風に揺れる様子が風情あるため、オープンな環境や広い空間にも適しています。

例えば、ドライガーデンの中央にココスヤシをメインの木として配置し、周囲には砂利や小石、ほかの耐乾燥性の植物を組み合わせることで、独自のデザインを生み出すことができるでしょう。

サバルヤシ

太く真っ直ぐと伸びた幹の先から繊細な細い葉が展開するサルバヤシは、エレガントな雰囲気があり、リゾート感のあるドライガーデンを演出できます。

サルバヤシは独特な形状の葉をもっており、庭のデザインに奥深さを加え、ほかの植物との組み合わせや配置でさまざまなスタイルを表現できます。鮮やかな緑の葉と風に揺れる様子は、庭全体に生命感と動きをもたらし、視覚的なアクセントとなることも。

サルバヤシを庭の一隅に植えて、ほかの耐乾燥性の植物や石と組み合わせると、夏の日差しや風に負けない美しい景観を演出できるでしょう。

オリーブ

シルバーグリーンの葉が美しく、庭に地中海の雰囲気を取り入れることができるオリーブはドライガーデンにおいて定番であり、その美しい葉や丈夫な性質から理想的な植物です。

比較的オリーブは乾燥に強く、少ない水でも大きく生育でき、庭のシンボルツリーとして育てられます。また、寒さに耐性があるため 寒冷地にも適応し、四季折々の庭の美しさを楽しめるでしょう。

アーベラ (Arbequina) やピッチョリーノ (Picual) などのオリーブの品種は、そのコンパクトなサイズと美しい葉で、ドライガーデンのアクセントになるのでおすすめです!

華やかさのあるドライガーデンに向いた植物

クールでスタイリッシュな雰囲気があるドライガーデンですが、色味のある花が咲く植物を植えれば、華やかで美しいスタイルを付け加えられ、より個性的な空間を演出できます。

マリーゴールド(多年草品種)

秋に華やかな黄色やオレンジ色の花を咲かせるマリーゴールドは、明るくてドライガーデンを演出できます。多くの品種は1年草でこぼれたタネで毎年花を咲かせます。

基本的に植え替えをすることはありませんが、枯れた草を掃除する手間があるので、多年草の品種を植えるのがおすすめ。ミントマリーゴールドやレモンマリーゴールドが、初心者でも育てやすい多年草タイプです。

ユーフォルビア

砂漠から湿地までさまざまな環境に自生し、品種によって形態がさまざまなユーフォルビア。サボテンのような多肉質なものや木質化したもの、さらに草花に分類するものなど、形態のバリエーションが豊富です。その中でも耐干ばつ性・耐寒性の品種はドライガーデンに最適です。

ユーフォルビア・キャラシアスやユーフォルビア・ブラックパールなどが育てやすくておすすめです。

ディアネラ

マダガスカルやポリネシアに自生するユリ科のディアネラは、日陰に耐性があり、半日陰でも育つ丈夫な植物です。そのため、高木の足元を隠す「根締め」となり、土の温度上昇を防ぐ効果を得ることもできます。

品種によって開花時期が違いますが、4〜7月ごろにかけて美しい紫の花を咲かせ庭を上品に彩ります。

オステオステルマム

ガーベラやガザニアのような花が咲くオステオスペルマは、開花期間が長く、紫・白・橙・黄・ピンクなど色のバリエーションが豊富です。ドライガーデンに色のアクセントを加えられ、より空間に動きが付き統一感も出ます。

オステオスペルマム・バーベリエやオステオスペルマム・フルティコサムは多年草なので、植え替えもないのでおすすめです。

アガパンサス

6〜8月ごろにかけて、複数にまとまった青紫色の花が地面から真っ直ぐと咲くアガパンサス。優雅なたたずまいが美しく、涼しげな印象もある夏の花です。

南アフリカを原産とするアガパンサスは乾燥にとても強く、耐寒性も高いためドライガーデンにピッタリです。

ラベンダー

ドライフラワーのような紫色の花が、4〜7月ごろにかけて咲くラベンダーは、清涼感のある甘い香りがあり、リラックス感を感じられるドライガーデンを演出できます。

品種によって寒さ・暑さに強いもの、花も形や香りの強さが違いますが、どれも乾燥にとても強いので、ドライガーデンでも育ちやすいです。

レプトスペルマム

オーストラリアやニュージーランドに自生するレプトスペルマムは、繊細な緑の葉を隠すように無数のウメに似た花を咲かせます。1〜2mほどの低木でほうきを逆さにしたような樹形になり、ドライガーデンの背景づくりに役立つ樹木です。

乾燥に対する頑健さがあり、長期間美しい姿を保ちます。

ティーツリー

枝垂れた枝の先端付近に、白いワタのような花がたくさん咲き、満開時には雲がかかったような姿になるティーツリー。糸のように細い葉からは、シトラスの香りがただようため庭にアロマをもたらします。

オーストラリアに自生するティーツリーは乾燥に強く、庭全体に爽やかな雰囲気を演出します。

ヒメツバキ

細身の小さな葉が密集するように展開し、その枝先に白いツバキに似た花を咲かせるヒメツバキ。そのしとやかな姿から和風の庭で使われますが、中でも品種改良して誕生したヒメツバキ・エリナはドライガーデンでもなじむ繊細な美しさがあります。

中国の野生のツバキとヒメサザンカを掛け合わせて誕生したヒメツバキ・エリナは、一般的なものよりも葉や花が細くて小さく、密集せずに展開します。その涼しげな姿は、ドライガーデンのメインの木を引き立たせるサブの木として活用ができるでしょう。

グレビレア

光沢のある赤やオレンジの雄しべが長くくるっと無数に伸び、ブラシのような雰囲気があるグレビレア。地面から緩やかなアーチを描くように伸びた幹から、やわらかい枝先が伸び咲くビビットな花が、アクセントカラーとなり、温かみのあるドライガーデンを演出できます。

グレビレアの中でも、スパイダーフラワー系種のものは寒さに強く、日本でも屋外で冬越しができます。特にグレビレア・ロスマリニフォリアは耐寒性が高く、ひかえめな花の色合いがドライガーデンによくなじむでしょう。

プロテア

花の中でも圧巻の美しい姿で存在感の強いプロテア。その中でもキングプロテアは「花の王様」ともいわれ、ドライガーデンでも一際目立つ存在で、メインの木・シンボルツリーにおすすめです。独特の王冠のような花形には視覚的な魅力があり、見る人をひきつけるでしょう。

また、プロテアは、「クラスター根」と呼ばれる特殊な根を出し、リン酸の肥料成分が少ない場所でも育ちます。そのため、肥料やりがあまりなく、少し放置気味で育てるのがベストです。

バンクシア

空に向かって枝先から円柱状の花を咲かせるバンクシア。葉よりも特大サイズのユニークな花が印象強く、華やかでクールなドライガーデンを演出できます。また、その美しい花と硬い厚みのある葉が風に揺れるとかさかさと音を立て、動きを庭に加えます。

あると個性的なドライガーデンに向いたトロピカル感のある植物

現代のドライガーデンは、多彩なデザインで「ドライ植物」といわれるような植物だけでなく、観葉植物・庭木・切花で使われるようなものも使われます。

ここでは、1つ植えてあるだけで、個性的でトロピカルな演出をしてくれる植物を紹介します。

ハラン

  • 大きな葉が特徴的で、トロピカル感を演出。
  • 乾燥にも強く、庭に陰影をもたらします。

アスパラガス

  • 繊細な緑の葉があり、ナチュラルで爽やかな印象。
  • 乾燥に強く、育てやすい特性があります。

ナンテンレモンライム

  • 葉の形状と香りがトロピカルな雰囲気を醸し出す。
  • 乾燥に対しても比較的強く、小型の果樹として庭に適しています。

マホニアコンフューサー

  • 豪華な花があり、トロピカル感を強調。
  • 乾燥にも強いため、ドライガーデンに適しています。

クワズイモ

  • 大胆な葉の形状がトロピカルな雰囲気を醸し出す。
  • 乾燥に強く、地下の塊茎から新しい芽が出るため、繁殖が容易です。

オーガスタ

  • 豊かな緑色の葉が視覚的な興味を引きます。
  • 乾燥に強く、庭にエレガントでトロピカルな雰囲気をもたらします。

シュロチク

  • 独特な形状の葉がトロピカルで、庭に奥行きを与えます。
  • 乾燥に対して強く、アクセントとして配置すると良いでしょう。

ディクソニア

  • ディクソニアは、適度な湿度と陰影を好みますが、比較的耐乾燥性があり、ドライガーデンに適しています。
  • 特有の葉の形状と質感があり、庭に独自のアクセントを与えます。

まとめ

クールでスタイリッシュなドライガーデンは、排水性・通気性・保水性のすぐれた土づくりを行い、乾燥・寒さに耐性のある植物を選ぶことが大切です。植物は根腐れを起こしたり病気にかかったりすることが少なくなり枯れずに済みます。

また、植物と石は二等辺三角形を意識して配置し、石は土に埋めてデザインしていくことがコツです。石と砂利の色合いと組み合わせ方にまで意識すると、よりプロが手がけたようなドライガーデンを演出できます。

さらに、現代のドライガーデンは「ドライ植物」だけにこだわる必要はなく、熱帯や温帯の植物も加えて植えることで、より個性的なドライガーデンをつくれます。葉・花・樹形などさまざまな形や色合いを組み合わせることで、癒しを感じられるすてきな空間を演出できるでしょう。

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高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 柴﨑光一

建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。