人工芝をDIYで設置してみたいけど、失敗しそうでできない。
と不安に感じる方も多いと思います。
しかし、やり方や人工芝の選び方を知っていれば失敗は未然に防げ、庭を美しくつくれます。
この記事では、人工芝のDYIにおける失敗と正しい設置方法を詳しく紹介!
目次
人工芝のDIYで起こる失敗とは
DIYで行う人工芝の設置は、業者の方でなくても初心者でできます。
土間コンのように、コンクリートを使って大掛かりに基礎づくりをするわけではないので、敷地が小さければ手軽に始めやすいです。
しかし、知識やコツを知らないと人工芝の設置後に、思わぬハプニングが起きることも。
例えば、人工芝のつぎ目が目立ってしまったり、芝にカビが発生してしまったり、さらには雑草が生えて庭の景観が悪くなる場合もあります。
おしゃれで美しい庭を長く維持でき、家族や友人と楽しめる場所となるように、上手な人工芝のDIY方法を知っておきましょう!
人工芝のDIYには大きく2つの失敗がある
まずは、人工芝のDIYにはどんな失敗が起きるのか、失敗例を知ってどのように対応するべきだったのかを把握しておきましょう。
またDIYの失敗には、「知識不足による失敗」と「人工芝の選択ミスによる失敗」の2つがあります。
技術においては、初心者でやるため多少のミスは起こることもありますが、知識があるのとないのとでは完成度に違いが出ます。
ここでは、知識不足と選択ミスの2種類の失敗について詳しく紹介します。
【知識不足】人工芝のDIYの失敗例4つ
知識不足による人工芝のDIYの失敗は、主に以下の4つが起きやすいです。
- 人工芝にへこみやしわができる
- 人工芝同士のつなぎ目が目立つ
- 人工芝の縁やつなぎ目から雑草が生える
- 地面に埋まった配管の破損
①〜③の失敗は、人工芝を敷いたあとに起きやすいことで、④は作業中に起こりうるハプニングになります。
しかし、どれも作業中に注意して行えば失敗は起きにくく、知識があれば回避できたかもしれません。
①人工芝にへこみやしわができる
土台となる地面が、でこぼこな状態で人工芝を敷き詰めてしまうと作業終了後に、一部の箇所にへこみやくぼみができることもあります。
放置したままでいると、次第にしわとなりつまずきやすく、見た目も悪くなる場合も。
人工芝は地面に何もしないで直接敷くのではなく、一度地面の上に専用の砂で下地をつくります。
地面がでこぼこな状態にならないように、平らに均す整地作業をしてから人工芝を敷きましょう。
下地である砂にしっかりと圧力をかけることで固い地盤となり、人工芝のへこみやしわを防げます。
②人工芝同士のつなぎ目が目立つ
人工芝には「芝の生えてる向き」があります。
その向きを知らずに、人工芝同時をつなぎあわせてしまうと、完成後につぎ目の部分が目立ち、違和感のある見た目になる場合も。
敷くときは芝の向きを確認してから、つぎ足していくことが大切です。
また芝同士を詰め過ぎると、エッジ部分が重なり合ったり、山なりに突起ができたりすることもあります。
隙間や溝ができないようにギリギリのラインで敷き詰め、ビスを丁寧に打ち込みましょう。
③人工芝の縁やつぎ目から雑草が生える
敷き詰め作業が終わってから数ヶ月ほど経つと、人工芝同士のつなぎ目や縁周りから雑草が生えてくることもあります。
この失敗には以下4つの原因が考えられます。
- 基礎づくり前の除草作業ができていない。
- 防草シートが敷かれていない。
- 防草シートと縁となる壁面に隙間がある。
- 人工芝のつぎ目にジョイントテープが貼られていない。
基礎をつくる前は、除草作業をしっかりと行います。
特に芝の縁周りはわずかな光が差し込むことによって雑草が生えやすいため、丁寧にやる必要があります。
その後、下地の上に「防草シート」を縁と壁に隙間ができないように設置して、人工芝を敷き詰めましょう。
そのとき、人工芝のつぎ目にはジョイントテープを張ってつなぎあわせ、隙間から雑草が生えないように工夫します。
④地面に埋まった配管の破損
防草シートや人工芝を、釘・ビスを使って地面にを固定するとき、地下にある水道管などに気づかずに打ち込み、破損させてしまうことがあります。
敷地内にある水道管は、地面から30cm以上の深さに埋めると決められています。
しかし管の口径や釘の長さ、さらに場所によっては、打ち込んだときに当たる可能性も。
周辺に蛇口がある場合は、管に釘やビス当たらないように、ゆっくりとハンマーで打ち込むようにしましょう。
力強く一気に打ち込むのは危険です!
【選択ミス】人工芝のDIYの失敗例4つ
人工芝の選択ミスによるDIYの失敗は、主に以下の4つがあげられます。
- 天然芝のようなリアル感がない
- 人工芝にカビが生える
- 人工芝に虫がわく
- 芝の色あせと劣化の早さ
人工芝は各メーカ会社によって、芝の葉の色・質・感触や基盤の性能が異なります。
さらに値段も違い、安価過ぎるものを選んでしまうと、劣化するのが早かったり、リアル感のない芝に見えたりする場合も。
適切ではない人工芝の選び方で起こる失敗を詳しく解説します。
①天然芝のようなリアル感がない
施工後によくある失敗の一つに、人工芝がビニールっぽく見え、天然芝のようなリアル感が出ないことがあります。
安っぽくも見えてしまい、単なるプラスチックでできた緑のカーペットに思えることも。
芝の葉の形・長さ・色などのバリエーションが豊富な人工芝ですが、安価過ぎると質感が落ち、本物のようには見えにくいかもしれません。
また、合成樹脂でできているものがほとんどなので、プラスチック独特の光沢が光の反射によってできます。
そのため、本物とは遠い芝となるようです。
よりリアル感を出したい場合は、安価過ぎるものをできるだけ避け、つや消しタイプのものを選ぶといいです。
②人工芝にカビが生える
人工芝の水はけが悪くなると、芝の表面にカビが生えることもあります。
商品によっては、基盤となる裏面のシートに水抜き穴があるものとないものがあります。
水抜き穴がないタイプだと水はけが悪く、芝の表面が乾かないためカビ菌が繁殖しやすいです。
人工芝は水抜き穴がある排水性のあるもの選びましょう。
ただし、水抜き穴がなくても、裏面のシートが不織布を使ったものなどは、排水性が良い場合もあります。
③人工芝に虫がわく
人工芝の下は湿気が溜まりやすいため、虫が集まり住処にする場合もあります。
そのため人工芝のつぎ目から衛生害虫や不快害虫が湧き出ることも。
湿気が溜まりやすい水抜き穴がない人工芝は、害虫の住処になりやすいようです。
また、水抜き穴があっても裏面のシートが蒸れやすい製品だと虫は発生するようです。
虫を発生させたくない場合は、湿気が溜まりにくい人工芝を選び、地面に差し込んでできる防虫・殺虫をするといいです。
④芝の色あせと劣化の早さ
太陽の下で常に日光にさらされていることが多い人工芝。
強い紫外線を浴び続けることで、芝は色あせ徐々に劣化していきます。
永続的に使用できる人工芝はありませんが、購入してから2年ほどで劣化してしまう場合は、選び方が間違っていたかもしれません。
人工芝の寿命は、約5〜8年ほどといわれています。
しかし、安価なものだと紫外線対策がされていない場合もあるため、すぐに色あせや劣化がしやいです。
直射日光によく当たる場所に人工芝を設置する場合は、「UV加工」と表記されたものを選ぶようにしましょう。
人工芝の上手なDIY方法|失敗しないコツを知ろう!
DIYで人工芝の設置を失敗しないように、正しい施工方法とそのコツについて知っておきましょう。
人工芝の施工手順は、以下4つの手順になります。
- 除草後、地面を平らに均す
- 下地材をまき、転圧する
- 防草シートを設置
- 人工芝を敷き、固定する
基本的には難しい作業はなく、道具をしっかりとそろえれば問題ありません。
しかし、細かい作業や注意しなければならない箇所があるので、雑にならないように丁寧に1つ1つ作業をこなしましょう。
初心者の方は、できるだけ2人以上で作業するとやりやすく楽ですよ。
Step1. 除草後、地面を平らに均す
人工芝を敷く敷地に生える雑草は、ねじり鎌・スコップ・ジョレンなどを使って全て除去します。
特に防草シートと隙間ができやすい、縁周りに生える雑草は根からしっかりと取り除きましょう。
心配なときは、除草剤をまきます。
除草ができたら、トンボを使って地面を平らに均します。
Step2. 下地材をまき、転圧する
下地材である「川砂」と「固まる土」を均した地面に投入し、しっかりと混ぜ合わせます。
下地材が敷地全体に行き渡るように、トンボで広げながら平らに均しましょう。
その後、下地が固い地盤となるように、足のかかとを使って転圧作業をします。
ハンマーのように一気に振り下ろすのではなく、1箇所ずつぎゅっと押しつぶすようにゆっくりと転圧しましょう。
広い敷地の場合は、業者が使う転圧機をレンタルするといいです。
Step3. 防草シートを設置
防草シートを設置する前に、周辺に蛇口があるか確認しておきます。
確認後、防草シートを下地の上に敷き、角度や長さを調節しながら敷き詰めます。
U字釘の間隔は1m程度あけて打ち込みます。
U字釘で固定するときは、はじめにハンマーでゆっくりと釘を斜めに打ち込み、軽く刺したところで管に当たっていない感覚を確かめましょう。
DIYのコツ1|防草シートは余裕をもたせて設置
防草シートは2〜3cmほど余裕をもたしてカットするといいです。
防草シートをつぎ足すときは、シート同士が3cm程度重なるように配置して、U字釘を打ち込みます。
また、釘を一本先に打って固定しておき、シートの角度や長さを決めると作業しやすいです。
Step4. 人工芝を敷き、固定する
防草シートの上に人工芝をU字釘で固定し、角度と長さを調節しながら敷き並べていきます。
芝をつぎ足していくときは、つぎ目が山なりになって目立たないように、詰め過ぎに注意しながら敷き並べましょう。
U字釘は人工芝の縁周り、つぎ足し箇所に1m間隔で打ち込むといいです。
また、つぎ足す人工芝のエッジにはジョイントテープを貼り、隙間から光入らないようにしましょう。
DIYのコツ2|U字釘に挟まった芝を出す
人工芝をU字釘で固定するときは、芝を強く叩かないようにハンマーで小刻みに叩きます。
一気に打ち込んしまうと葉が潰れてしまう場合もあるので注意します。
釘の頭が地面から1〜2cmほどの高さになったところで、軽く叩き止めます。
U時釘に巻き込んでしまった芝の葉を、別の釘でかき出しながら、最後まで打ち込みましょう。
釘を打ち込んだ周辺を、ハンマーでやさしく叩きなじませます。
人工芝の選び方|DIYで失敗しないためのポイント
完成後に水たまりができたり、カビが発生したりなど、トラブルやハプニングが起きないように、人工芝の選び方についても把握しておきましょう!
DIYで人工芝を設置する場合は、以下4つのポイントチェックして芝を選ぶぶといいです。
- 水はけの良い人工芝を選ぶ
- 紫外線対策がされた人工芝を選ぶ
- 葉が短いものがおすすめ
- つや消しタイプが本物に近い
値段は商品や各メーカー会社、さらに性能や機能によって違います。
安価過ぎるものは、リアル感が低い場合もあるので、なるべく現物を見て確認するようにしましょう。
Point1. 水はけの良い人工芝を選ぶ
水はけが悪く、湿気が溜まりやすい人工芝では、カビや害虫が発生しやすいです。
シートの裏に水抜き穴があるかどうか確認してから選びましょう。
また、シートの浸透性も大事で、不織布やポリウレタンコーティングがされたものも水はけが良くおすすめです。
Point2. 紫外線対策がされた人工芝を選ぶ
紫外線対策がされていない人工芝は、すぐに劣化して2〜3年ほどで寿命を迎える場合もあります。
直射日光がよく当たる場所に人工芝を設置する場合は、「UV加工」「UV対抗性」「UV防止」など、詳細がきちんと書かれた人工芝を選びましょう。
Point3. 葉が短いものがおすすめ
人工芝の葉は、商品によって長いもの・短いものとあります。
表面にカビを発生させたくない場合は、葉の短いタイプを選ぶと、芝の中に湿気がたまりにくく、菌が発生しにくいです。
葉の長さが3cm程度のものが肌触りが良くて、湿気も溜まりにくいです。
湿気がたまりやすい北側や、北西側に人工芝を設置する場合におすすめ!
Point4. つや消しタイプが本物に近い
天然芝のような本物に近い人工芝を設置したい場合は、葉の表面につや消しが施されたものを選びましょう。
光の反射を防ぐことで、プラスチック感が弱まり、リアル感が増します。
また、芝が一定方向に向いたものではなく、ランダムに織り込まれたものがより本物に近いですよ!
失敗を避けよう!人工芝のDIYに必要なもの
人工芝のDIYに必要な道具や材料は、整地作業と設置作業でそれぞれ違います。
完成した人工芝の見た目が悪くなったり、トラブルが起きたりしないように1つ1つ確認し、全てそろえてから作業に取り組みかかりましょう。
人工芝の整地作業で使う道具と材料
人工芝の土台をつくる整地作業では、以下の道具と材料を使用します。
- ねじり鎌|除草作業で使用。スコップやジョレンなどでもOK!
- トンボ|地面や下地材を平らに均すために使います。
- スコップ|下地材をまくときに必要にです。
- 川砂|下地材となる材料。ホームセンターでも購入できます。
- 固まる土|下地材となる材料。水分を含むと固まる砂です。
除草作業するときは、ねじり鎌だけで取り除くのもいいですが、下地材を投入する前に、除草剤をまいておくのもいいかもしれません。
また、除草剤を使いたくない場合は、木酢液(もくさくえき)の原液をまいて雑草の種や根を死滅させることもできます。
環境には優しいですが、匂いが強烈なので、周辺の近所に迷惑がかからない確認してからまくといいです。
人工芝の敷き詰め作業で必要な道具と材料
土台ができたら、人工芝の敷き詰め作業です。
下記の道具と材料が必要になるので、きちんと道具をそろえてから作業に取り組みましょう。
- 人工芝|芝の葉が3cm程度の長さがベスト。
- 防草シート|人工芝の下に必ず敷こう!
- U字釘|人工芝と防草シートを固定します。
- ハンマー|U字を釘打ち込むのに必要です。
- 定規|人工芝と防草シートをカットするときに使います。
- カッター|人工芝と防草シートをカットに使用。ハサミでもOK!
- 油性ペン|きれいにカットするには必需品です。
まとめ
人工芝のDIYは、土台の作り方・芝の選び方・設置の仕方とコツを知っていれば失敗せずに、おしゃれな庭を演出できます。
正しい知識をもっていることで、作業に不安になることが少なくなり、怪我や失敗するリスクも減ります。
もし失敗をしてしまっても残念がらず、失敗したことから学ぶことが一番大事ですよ。
また、何度挑戦しても自分にはできないという場合は、無理にやる必要はなく、業者に依頼して設置してもらいましょう。
ぜひ人工芝をDIYで設置して、家族や友人と楽しめるようなすてきな庭をつくってみてくださいね!
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。
建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。