小満は毎年5月21日ごろに訪れ、夏の暑さを感じさせます。さまざまな生き物の成長が活発になり、美しい景色を楽しめる時期でもあります。今回は、小満とは何か、小満の日、小満のころに見られる樹木の種類、小満のころにおすすめの場所など、たっぷりと紹介!
目次
そもそも小満(しょうまん)とは何の日?
日本では一年を24つの季節に分けた二十四節気(にじゅうしせっき)があります。
その8番目に当たる「小満(しょうまん)」は、徐々に夏の暑さを感じ、動物や植物がゆっくりと活動し始める5月中旬ごろに当たります。
暦(こよみ)の上では立夏(5月5日ごろ)の次に当たり、毎年5月21日ごろから6月6日ごろの9節目になる「芒種(ぼうしゅ)」の前日まで続きます。
小満は「万物の成長する気が徐々に強くなり、天地に満ち始める」という意味が込められ、ありとあらゆる生き物が活発になり、次第に成長していく姿が見られる時期です。
ほどよい夏の暑さで梅雨入り前の時期である小満は、秋にまいた麦が実り始めるころです。
穂が実ることで、それを丹精込めて育てた農家がようやく一安心ができ、ほっとできることから「小さな満足」。
すなわち「小満」とされたようです。
そもそも二十四節気とは、1年を4つの季節に分けた春夏秋冬を、さらにそれぞれの6つに分けた節気(4×6=24)のことです。
もともとは古代中国で発案されたもので、日数によって分けていましたが、現在では太陽の位置から日割りして、日付を定めているようです。
下記の表が、二十四節気と現在の日付です。
季節 | 二十四節気 | 月 | 新暦の日付 |
春 | 立春(りっしゅん) 雨水(うすい) 啓蟄(けいちつ) 春分(しゅんぶん) 清明(せいめい) 穀雨(こくう) | 1月節 1月中 2月節 2月中 3月節 3月中 | 2月4日ごろ 2月19日ごろ 3月5日ごろ 3月21日ごろ 4月5日ごろ 4月20日ごろ |
夏 | 立夏(りっか) 小満(しょうまん) 芒種(ぼうしゅ) 夏至(げし) 小暑(しょうしょ) 大暑(たいしょ) | 4月節 4月中 5月節 5月中 6月節 6月中 | 5月5日ごろ 5月21日ごろ 6月6日ごろ 6月21日ごろ 7月7日ごろ 7月23日ごろ |
秋 | 立秋(りっしゅう) 処暑(しょしょ) 白露(はくろ) 秋分(しゅうぶん) 寒露(かんろ) 霜降(そうこう) | 7月節 7月中 8月節 8月中 9月節 9月中 | 8月8日ごろ 8月23日ごろ 9月8日ごろ 9月23日ごろ 10月8日ごろ 10月24日ごろ |
冬 | 立冬(りっとう) 小雪(しょうせつ) 大雪(たいせつ) 冬至(とうじ) 小寒(しょうかん) 大寒(だいかん) | 10月節 10月中 11月節 11月中 12月節 12月中 | 11月7日ごろ 11月22日ごろ 12月7日ごろ 12月21日ごろ 1月5日ごろ 1月21日ごろ |
ただし、中国と日本では若干の季節の流れに違いがあります。
中国の旧暦をそのまま当てはめてしまうと「季節感のずれ」が生じるため、日本では補足で独自の節気である「雑節(ざっせつ)」を取り入れています。
例えば「節分(せつぶん)」「彼岸(ひがん)」「土用(どよう)」「八十八夜(はちじゅうはちや)」などが雑節です。
ちなみに、この二十四節気をさらに細かく3分割した季節(初候・次候・末候)を「七十二候(しちじゅうにこう)」と呼び、72つの「侯(こう)」があります。
小満の七十二候は下記の3つです。
- 【初候】蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ):カイコがクワの葉をたくさん食べる始める
- 【次候】紅花栄(べにばなさかう):ベニバナが咲き乱れる
- 【末候】麦秋至(むぎのときいたる):麦の穂が黄金色に熟す
2023年の小満(しょうまん)はいつ頃?
2023年の小満は、5月21日(日)〜6月5日(月)です。
黄道を24等分した二十四節気によって日付が決まるので、毎年5月21日とは限らないので、気になる方はカレンダーをチェックしてみましょう。
2023年度以降の小満は、下記の日付となっています。
- 2024年(令和6年):5月20日(月)〜6月4日(火)
- 2025年(令和7年):5月21日(水)〜6月4日(水)
- 2026年(令和8年):5月21日(木)〜6月5日(金)
小満(しょうまん)のころ【季節を感じる樹木】
あらゆる生き物が活発に活動し始める時期である小満。
この時期の草木は、真夏に向けて活発に生長する時期なので、さまざまな色の変化を楽しめます。
花・実・葉の色や香りを見たり嗅いだりすることができますよ。
ここでは、小満のころに花を咲かせる・実を付ける樹木を紹介します。
小満のころ|花を咲かせる木
ガクウツギ
学名/英名 | Hydrangea scandens/Hydrangea scandens |
科属 | アジサイ(ユキノシタ)科アジサイ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~2m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 7a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 普通 |
耐陰性 | あり |
樹形がウツギに似て、花びらのように見えるガク(装飾花)が中心の花(真花)の周りに咲くガクウツギ。
小満の時期になると、3枚の純白の装飾花を持った花が葉の隙間から顔を出し、
湿った環境が大好きなので、苗木は腐葉土を掘り起こした土に混ぜ合わせてから植え付けるのがベストです。
USDA zone とは
United States Department of Agriculture Plant Hardiness Zone(米国農務省 植物の耐寒性地帯)の略で、米国農務省が開発した植物の耐寒性レベルを、地域ごとにわかりやすく数字で示した指標です。
寒さの段階を13のレベルに分け、植物がどこまで寒さに耐えられるのかを、数値とマップで明瞭化しています。
アメリカやカナダをはじめ、イギリスなどのヨーロッパも含め、世界で統一された数値です。
庭づくりやガーデニングなどをするうえで、植物がどの地域で、どれくらいの寒さまで耐えられるのかを確認するために使います。
日本では気象庁の観測データを元に、都道府県市町村ごとに細かくレベル分けされています。
USDA zoneを調べるときは、「植物の学名+USDA zone」で調べるといいです。
※指標は、植物を屋外で育てたときの目安。
参考:Japan Plant Hardiness Zone
ヤマアジサイ
学名/英名 | Hydrangea serrata/Mountain hydrangea、Tea of heaven |
科属 | アジサイ(ユキノシタ)科アジサイ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~2m |
原産地 | 日本・台湾・中国 |
USDA zone | 6b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 普通 |
耐陰性 | あり |
山沿いの湿った斜面に自生していることが多いヤマアジサイ。
別名サワアジサイとも呼ばれ、自生しているその環境から呼ばれるようになったようです。
ガクウツギとは違い、4枚の装飾花が中心にある真花の周りに円を描くように咲きます。
イワガラミ
学名/英名 | Hydrangea hydrangeoides/Japanese hydrangea vine |
科属 | アジサイ(ユキノシタ)科アジサイ属 |
特性/形態 | 落葉性低木/つる性 |
樹高 | 7~15m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 5a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | あり |
幹や枝から(気根)と呼ばれる根を出して、岩やほかの樹木をはい登って生長するイワガラミ。
枝の先端からは、1枚の白い装飾花が中心の真花の周りに咲きます。
ウツギ
学名/英名 | Deutzia crenata/Crenate deutzia |
科属 | アジサイ(ユキノシタ)科ウツギ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 2~3m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 4a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | あり |
サクラが咲いてから間もなくすると、しなやかな曲線を描くように伸びた枝の先に、ウツギの花が咲き乱れます。
幹の中心は空洞になっていることから「空木(うつぎ)」と呼ばれるようになりました。
また、4月の和名である「卯月」は、旧暦の4月に咲くウツギの別名「卯の花(うのはな)」が由来とされています。
ウツギ(空木)の育て方や特徴が知りたい方はこちら
エゴノキ
学名/英名 | Styrax japonica/Japanese snowbell |
科属 | エゴノキ科エゴノキ属 |
特性/形態 | 落葉性小高木 |
樹高 | 7~8m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 5b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | あり |
新緑の美しい小満の時期になると、スノードロップに似た白い花が鈴なりにたくさん咲くエゴノキ。
品種によってはピンクの花が咲くものもあり、シンボルツリーに人気です。
エゴノキ(斉墩果、斉墩樹、斉墩木)の育て方や特徴が知りたい方はこちら
エゴノキ(斉墩果、斉墩樹、斉墩木)の詳しい剪定などの管理方法が知りたい方はこちら
ハクウンボク
学名/英名 | Styrax obassia/Fragrant Snowbell |
科属 | エゴノキ科エゴノキ属 |
特性/形態 | 落葉性小高木 |
樹高 | 6~12m |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 5b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | あり |
エゴノキの仲間であるハクウンボは、枝から無数の鈴のような白い花が、雲のように咲き乱れます。
木全体はエゴノキよりも大ぶりで、秋になると鈴なりに実が付きます。
カキノキ
学名/英名 | Diospyros kaki/Persimmon |
科属 | カキノキ科カキノキ属 |
特性/形態 | 落葉性小高木 |
樹高 | 5~10m |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 7b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | なし |
古くから庭の果樹として親しまれ、アマガキやシブガキをはじめ多くの品種が誕生しているカキ。
あまり花を観賞することはありませんが、小満の時期にはカンパニュラ(ツリガネソウ)のようなかわいらしい花が咲きます。
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ガマズミ
学名/英名 | Viburnum dilatatum/Linden arrowwood、Linden viburnum |
科属 | ガマズミ(レンプクソウ)科ガマズミ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 2~5m |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 5a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | あり |
小満の時期に白い小さな花がドーム状に集まって咲いたあと、秋に赤い実が付くガマズミ。
縁がノコギリ状にギザギザになった葉は貝殻のようで、夏の青葉も美しいです。
ヨーロッパや中国を原産とする常緑ガマズミ(ビバーナム・ティヌス)は、秋にコバルトブルーの実を付け、切花でよく使われます。
ガマズミ(ビバーナム)の育て方や特徴が知りたい方はこちら
カンボク
学名/英名 | Viburnum opulus var. sargentii /Sargent viburnum |
科属 | ガマズミ(レンプクソウ)科ガマズミ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 2~5m |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島・シベリア |
USDA zone | 3b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | あり |
ガクアジサイのように真花の周りに装飾花が咲くカンボクは、カエデに似た葉が特徴。
小満の時期に白い花、秋には赤い実と紅葉が楽しめ、1本植えてあるだけで季節感のある庭を演出できます。
オオデマリ
学名/英名 | Viburnum plicatum var. plicatum f. plicatum/Japanese snowball |
科属 | ガマズミ(レンプクソウ)科ガマズミ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~3m |
原産地 | ヤブデマリの園芸品種 |
USDA zone | 5a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
枝先に丸くまとまって花が咲くオオデマリ。
ガクが花のように見えるアジサイとは違い、オオデマリは「花びら」が変形して装飾花になっています。
ナワシロイチゴ
学名/英名 | Rubus parvifolius/Japanese bramble、Australian raspberry |
科属 | バラ科キイチゴ属 |
特性/形態 | 落葉性低木/つる性 |
樹高 | 1m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 7a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | あり |
ナワシロイチゴは、日本に自生するキイチゴです。
ナワシロ(苗代)とは、田んぼに水が入った状態のことを意味し、その時期にナワシロイチゴはピンクの花びらが閉じた花を咲かせます。
コゴメウツギ
学名/英名 | Stephanandra incisangea /Neillia |
科属 | バラ科コゴメウツギ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~2m |
原産地 | 日本・台湾・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 5a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | あり |
日本の里山に自生していることが多いコゴメウツギ。
枝の節々に伸びた小枝の先にウツギに似た小さな白い花を咲かせます。
寒さ・暑さにとても強い性質で、過酷な環境でも耐え抜く強い生命力があります。
カシワ
学名/英名 | Quercus dentata/Japanese emperor oak、Daimyo oak |
科属 | ブナ科コナラ属 |
特性/形態 | 落葉性中高木 |
樹高 | 10~15m |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 5b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | あり |
冬に葉が一斉に落ちる落葉樹に分類されるカシワですが、葉は冬になっても茶色くなって付いたままです。
そのことから、日本では古くから「神が宿る木」として信じられているようです。
クロバナロウバイ
学名/英名 | Calycanthus floridus/Eastern sweetshrub、Carolina all spice、Spicebush |
科属 | ロウバイ科クロバナロウバイ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~3m |
原産地 | 北アメリカ |
USDA zone | 4a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | あり |
地面から複数の細い枝が真っ直ぐと伸び、小満の時期に赤褐色の花が上向きに咲くクロバナロウバイ。
北アメリカに自生し、冬に黄色い花が咲くロウバイの仲間です。
ゴンズイ
学名/英名 | Euscaphis japonica/Euscaphis japonica |
科属 | ミツバウツギ科ゴンズイ属 |
特性/形態 | 落葉性小高木 |
樹高 | 3~6m |
原産地 | 日本・台湾・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 6a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | あり |
小満の時期に黄緑色の小さな花が、枝先から立ち上がるように咲くゴンズイ。
9〜10月には、赤い実が自然に割けて中から黒い種が飛び出します。
サイカチ
学名/英名 | Gleditsia japonica/Japanese locust |
科属 | マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属 |
特性/形態 | 落葉性高木 |
樹高 | 8~15m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 6a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | あり |
サイカチは、黄緑の花の房(ふさ)が下へ垂れるように咲き、秋になると螺旋(らせん)を描いた大きな豆ができます。
豆は最大で25cmほどまで生長することもあり、日本で一番大きな品種といわれることも。
ザクロ
学名/英名 | Punica granatum/Pomegranate |
科属 | ミソハギ科ザクロ属 |
特性/形態 | 落葉性小高木 |
樹高 | 5~6m |
原産地 | 西アジア・中東 |
USDA zone | 8a |
耐寒性 | 強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | なし |
秋に甘酸っぱい味のする赤い実ができるザクロ。
実を収穫するためのザクロと、八重咲など花を楽しむ花ザクロの2つがあります。
ちなみに「紅一点」の「紅」とは、ザクロのことを指します。
シモツケ
学名/英名 | Spiraea japonica/Japanese meadowsweet、Japanese spiraea |
科属 | バラ科シモツケ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1m |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 3a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
枝先に小さなピンクの花がドーム状に集まって咲くシモツケ。
花の色は個体差によってそれぞれで、薄いピンクのものもあります。
昔、現在の栃木県である「下野国」で初めて発見されたことから、シモツケ(下野)と名付けられたようです。
センダン
学名/英名 | Melia azedarach/chinaberry tree、pride of India |
科属 | センダン科センダン属 |
特性/形態 | 落葉性高木 |
樹高 | 5~10m |
原産地 | 日本・台湾・中国・朝鮮半島・ヒマラヤ周辺 |
USDA zone | 7a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | なし |
比較的暖地の海岸沿いに自生していることが多いセンダンは、小満の時期になると5枚の花びらをもった赤紫色の花を咲かせます。
秋に熟すクリーム色の実は、葉が落ちた冬でも残るので、風情のある美しい景色をつくります。
タニウツギ
学名/英名 | Weigela hortensis/Japanese weigela |
科属 | スイカズラ科タニウツギ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 3~4m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 4a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 普通 |
耐陰性 | あり |
北海道西部や日本海側の山部に自生しているタニウツギは、日本の固有種。
ツツジやサツキのようなピンクの花が満開になる姿が美しく、思わず見とれてしまうほど圧巻です。
ヒメシャラ
学名/英名 | Stewartia monadelpha/Tall stewartia、Orangebark stewartia |
科属 | ツバキ科ナツツバキ属 |
特性/形態 | 落葉性高木 |
樹高 | 6~15m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 6a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | あり |
ナツツバキよりも花や葉が小さいですが、肌触りの良い滑らかな幹が際立って美しいヒメシャラ。
光沢のある赤茶色の幹と、ツバキのような白い花が相まった姿は、人を魅了する美しさがあります。
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ナツハゼ
学名/英名 | Vaccinium oldhamii/Oldham blueberry |
科属 | ツツジ科スノキ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~3m |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 5a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
初夏に鈴なりにつぼ型の小さな花が咲いて、8月過ぎに黒紫の実が付くナツハゼ。
ブルーベリーの仲間で、生で食べることもでき、「日本のブルーベリー」とも呼ばれます。
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ナナカマド
学名/英名 | Sorbus commixta/Japanese rowan |
科属 | バラ科ナナカマド属 |
特性/形態 | 落葉性高木 |
樹高 | 6~10m |
原産地 | 日本・樺太諸島・朝鮮半島 |
USDA zone | 5a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
シモツケが大きくなったような姿になるナナカマドは、小満のころには白い小さな花がドーム状に咲きます。
秋にはローズヒップのような赤い実が熟し、枝先にたくさん付きます。
ニシキギ
学名/英名 | Euonymus alatus/Winged spindle、Winged euonymus、Burning bush |
科属 | ニシキギ科ニシキギ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~3m |
原産地 | 日本・中国 |
USDA zone | 3b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | あり |
秋に葉が燃えるように真っ赤に紅葉するニシキギは、スズランノキとニッサボクとあわせて世界3大紅葉樹に数えられます。
幹や枝には、翼のような羽が無数に生え、「カミソリノキ」の別名をもちます。
ツリバナ
学名/英名 | Euonymus oxyphyllus var. oxyphyllus/ Korean spindle tree |
科属 | ニシキギ科ニシキギ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~4m |
原産地 | 日本・中国・朝鮮半島 |
USDA zone | 5b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | なし |
「片思い」の花言葉をもつツリバナは、小花が集散状に集まって吊り下がる花が特徴的です。
秋には熟した赤い実がパッと割れ、中からタネが吊り下がる姿もユニークです。
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エニシダ
学名/英名 | Cytisus scoparius/Scotch broom |
科属 | マメ科エニシダ属 |
特性/形態 | 常緑性低木 |
樹高 | 1~3m |
原産地 | 地中海沿岸部・カナリア諸島・アフリカ・インド |
USDA zone | 5a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 普通 |
耐陰性 | なし |
エニシダは、ヨーロッパおよび周辺の地域が原産のマメ科の植物。
初夏には黄金色に色付いた花が満開になり、秋にはサヤエンドウのような豆が付きます。
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学名/英名 | Olea europaea/Olive tree |
科属 | モクセイ科オリーブ属 |
特性/形態 | 常緑性小高木 |
樹高 | 2~7m |
原産地 | 地中海沿岸部 |
USDA zone | 8a |
耐寒性 | 強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
オリーブオイルが取れるオリーブの木は、小満のころには白やクリーム色の花を観賞できる花木でもあります。
モクセイ科の植物なので、フローラルな甘い香りも楽しめます。
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カラタネオガタマ
学名/英名 | Michelia figo/Banana shrub、Port wine magnolia |
科属 | モクレン科モクレン属 |
特性/形態 | 常緑性低木 |
樹高 | 3~5m |
原産地 | 中国 |
USDA zone | 7a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
小満の時期にバナナのようなトロピカルな甘い香りが楽しめるカラタネオガタマ。
花びらの外側はクリーム色で内側は紅色をした花は、光沢のある緑の葉と合わさると色彩感がとても強いです。
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カルミア
学名/英名 | Kalmia latifolia/Lambkill、Sheep-laurel、Lamb-kill、Calf-kill、Kill-kid、Sheep-poison |
科属 | ツツジ科カルミア属 |
特性/形態 | 常緑性低木 |
樹高 | 1~5m |
原産地 | 北アメリカ・キューバ |
USDA zone | 4a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | やや弱い |
耐陰性 | なし |
細くしゅっと伸びた枝先に、パラソル型のピンクの小さな花が集まって咲くカルミア。
カナダなど北アメリカでは海岸近くのゴツゴツとした岩場に自生し、強風や潮風にとても強いです。
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ギンバイカ
学名/英名 | Myrtus communis/Myrte |
科属 | フトモモカ科ギンバイカ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 1~2m |
原産地 | 地中海沿岸部 |
USDA zone | 8b |
耐寒性 | 強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
しゅっと尖った葉には、ユーカリのような爽やかな香りがあり、料理の香り付けとして使われることもあるギンバイカ。
ヨーロッパでは古くから酒に浸して香り酒としてたしなむこともあり、「世界最古のハーブ」ともいわれるようです。
小満の時期には純白の梅のような花が観賞できます。
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タイサンボク
学名/英名 | Magnolia grandiflora/Southern magnolia、Bull bay |
科属 | モクレン科モクレン属 |
特性/形態 | 常緑性高木 |
樹高 | 10~20m |
原産地 | 北アメリカ |
USDA zone | 6b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
モクレンの中でも一際大きく巨木になるタイサンボクは、環境によっては樹高が30mを越すことも。
フローラルな甘い香りのある白い花は、開花すると直径25cmほどまで大きくなります。
サツキ
学名/英名 | Rhododendron indicum/Rhododendron、Azalea |
科属 | ツツジ科ツツジ属 |
特性/形態 | 常緑性低木 |
樹高 | 1m |
原産地 | 日本 |
USDA zone | 7b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | とても強い |
耐陰性 | あり |
4月にツツジが咲いた後、小満の時期になると朱色のサツキの花が木全体を隠すように密になって咲きます。
庭木や街路樹で、最も植えられる樹木で、昔から親しまれています。
ジューンベリー
学名/英名 | Amelanchier canadensis/Canadian serviceberry、Chuckle-berry、Currant-tree、Juneberry |
科属 | バラ科ザイフリボク属 |
特性/形態 | 落葉性高木 |
樹高 | 7~6m |
原産地 | 北アメリカ |
USDA zone | 3a |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
6月初旬ごろになると、甘酸っぱい赤いブルーベリーのような実がたくさん付くジューンベリー。
主にカナダの野山で見られ、寒さにとても強い果樹です。
樹形が美しく、春には花も楽しめ、育て方も簡単なので庭木に人気です。
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ユスラウメ
学名/英名 | Prunus tomentosa/Nanjing cherry、Korean cherry、Manchu cherry、Shanghai cherry |
科属 | バラ科サクラ属 |
特性/形態 | 落葉性低木 |
樹高 | 3~4m |
原産地 | 中国・朝鮮半島・モンゴル |
USDA zone | 3b |
耐寒性 | とても強い |
耐暑生 | 強い |
耐陰性 | なし |
軽やかな曲線を描くように伸びた枝の節々に、小さなサクランボに似た赤い実が付くユスラウメ。
果実は生食ができ、甘いもの・甘酸っぱいものと実によってさまざまです。
木をゆすって収穫していたことから「ユスラウメ」と名付けられたといわれています。
小満(しょうまん)といえば【行事や食べ物】
小満の行事
衣替え
小満の時期に当たる6月1日は、全国で衣替えの日と認識されています。
四季がある日本では夏服と冬服があり、平安時代より衣替えの習慣があったとされているようです。
現在でも学校や職場などで広く行われている行事でもあり、熱中症予防対策にもなります。
汗をかくような暑さが続くときは、我慢せずに涼しげな格好をしましょう。
潮干狩り
小満のころは、潮の干満差が大きくなるため大潮となります。
潮が大きく引いた時期なので、たくさんの貝が取れやすく潮干狩りに向いています。
アサリやハマグリ、マテガイやアカガイなどさまざまな貝が取れるので、
立夏の食べ物
サクランボ
多くのバラ科の植物は春に花を咲かせたあと、小満のころに実を付けるものがあります。
その中でも旬といわれるのがサクランボ。
西アジア原産のセイヨウミザクラはサクランボが収穫でき、「サトウニシキ」もこれに分類されます。
ラッキョウ
中国をはじめ、チベットやヒマラヤ地方を原産とするラッキョウは、小満の時期に収穫される代表的な野菜です。
独特な匂いと酸味が特徴的ですが、漬物として食べることで暑さをしのぐことができるようです。
また、今日では早採りで葉付きのものを「エシャロット」と呼び分けています。
小満(しょうまん)の時期に【おすすめの場所】
小満の時期が終わるころは、地域によっては梅雨入りに差し掛かるところもあります。
雨でお出かけが中止になってしまう前に、素敵な場所に足を運んでみてください。
ここでは、小満の時期におすすめの場所を3つ紹介します!
高幡不動尊金剛寺(たかはたふどうそんこんごうじ)
東京都日野市にある「高幡不動尊金剛寺(たかはたふどうそんこうごうじ)」は、関東3大不動の1つに数えられる寺院で、毎年6月になると紫陽花祭りが開催されます。
境内から山にかけて200種類以上のヤマアジサイが開花し、青・赤・紫などさまざまな色の変化を楽しめます。
ヤマアジサイだけでなく7,500株以上のアジサイも咲いているので、風情のある色彩豊かな景色を楽しめるかもしれません。
- 所在地:〒191-0031 東京都日野市高幡733
- 開園期間:毎年6月1日〜30日ごろ
- 駐車場:無料駐車場あり
小豆島オリーブ園(しょうどしまおりーぶえん)
瀬戸内海に浮かぶ小豆島には、100年の古い歴史をもつ「小豆島オリーブ園」があります。
3ヘクタールの広い園内には約2,000本以上のオリーブの木が栽培されていますが、その中でも1917年に日本で初めて根付いたとされる最も古い「オリーブの原本」も存在します。
オリーブの開花時期には、爽やかな甘い香りと瀬戸内海の景色の両方を楽しめるのでおすすめです。
- 所在地:〒761-4434 香川県小豆郡小豆島町西村甲2171
- 開園期間:年中無休
- 開園時間:8:30〜17:00
- 料金:入園料無料
- 駐車場:駐車場あり(50台)
ヒメシャラの純林(箱根神社)
芦ノ湖周辺にある箱根神社の本殿の後ろには、神奈川県の天然記念物に指定された「ヒメシャラの純林」が広がります。
境内には約125本の大木のヒメシャラが自然に生えています。
樹高25m、直径30cm以上にもなる大振りなヒメシャラは、小満の開花時期になると満開で圧巻です。
花が見られなくても美しい幹肌も観賞でき、自然の美しさを感じることができます。
- 所在地:〒250-0522 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根80-1
- 開園期間:年中無休
- 開園時間:8:15〜17:00
- 料金:入園料無料
- 駐車場:駐車場あり
まとめ
5月21日〜6月6日ごろまでの時期を指すことが多い小満は、ヤマアジサイやウツギなどが、かわいらしい花を咲かせたり、ジューンベリーなど食べれる実が付いたりする植物が多い季節です。
夏の本格的な暑さを感じるころなので、外に出れば汗をかくこともありますが、自然の美しさを堪能できる時期でもあります。
また、梅雨入り前なのでお出かけもしやすく、さまざまな場所で観光スポットが賑わっています。
観光スポットへ足を運び、美しい景色を堪能して日頃の疲れを癒してみるのもいいかもしれませんね。
ぜひ小満の時期には、色鮮やかな花・実・葉が観賞できる場所へ訪れてみて、自然に触れ、おいしい料理を満喫してみてください!
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。
建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。