玄関先に植える低木には、足元ほどの高さから、人の背丈を越えるものまでさまざまです。そのため、庭での役割が植物によって違います。まずは、目的を明確にしてから種類を選びましょう。玄関先におすすめの低木の種類、選び方、植えるときのコツ、育て方までたっぷりと紹介!
目次
「玄関先に植える低木」は、庭に新しい息吹を吹き込み、家を美しく包み込む特別な魅力をもった庭木たちです。玄関アプローチをおしゃれにするためには、植物の選び方や手入れの仕方、それによって得られる効果について知っておきましょう。
この記事では、玄関先におすすめの低木の種類について紹介します。植物の選び方や植えるときに気を付けるべきポイント、さらに管理方法についても解説します。
玄関先に植える低木の選び方
初心者の方でも玄関先に植える低木は、庭の目的や環境、景観、育てやすさ、管理のしやすさを考慮して、理想的な植物を選ぶことが大切です。これらのポイントを踏まえた選択が、美しい庭づくりの一環となります。
①目的にあわせて選ぶ
そもそも庭木には、それぞれ庭としての役目があります。観賞・目隠し・香りなど目的によって適した植物が異なり、必要な条件も違います。
低木を選ぶときは、まず植える目的を明確にしてから、種類を選びましょう。例えば、観賞用であれば花や葉の美しさを重視し、目隠しであれば生い茂る性質の植物が良いです。
②庭の生育環境にあわせて選ぶ
庭の環境に合わせて植物を選ぶこともポイント。日当たりや風通し、土の状態などを考慮します。
植物は生育環境によって生長や健康に大きな影響を受けやすく、育つ場所が良ければ、葉・花・実の色味や数が多くなり、観賞価値が高まります。日当たりが少ない場所には日陰に強い植物を、風通しが悪い場所には風に強い植物を選ぶと良いです。
③庭の景観にあわせて選ぶ
庭の見栄えの良さは、植物の種類や配置に大きく左右されます。庭全体のバランスや雰囲気に合った低木を選ぶことで、美しい景観を演出できます。統一感を持たせ、季節ごとに楽しめる植物を選びましょう。
④管理のしやすさで選ぶ
生長スピードや剪定(せんてい)のしやすさなど、管理がしやすい低木を選びましょう。庭の初心者でも手入れのしやすい植物を選ぶことで、楽しみながら庭づくりもできます。
例えば、耐寒性や耐病性がある植物は管理が比較的簡単で、初心者にもおすすめです。また、住まわれている地域の気候に合った品種を選ぶことも大切です。
生長が早過ぎたり、剪定が難しかったりする植物は手入れが大変になることも。管理のしやすい植物であれば、庭の美しさを簡単に維持できます。
玄関先に植えるおすすめの低木15種類
ここでは、玄関先に植えるおすすめの低木を下記の5つのグループに分けて、15種類紹介します。
- おしゃれな常緑の植物
- 虫が付きにくくて手入れがしやすい低木
- 北側に面した庭でも育てやすい日陰に強い低木
- グラウンドカバーにもなるカラーリーフの低木
- 風水効果が高い縁起の良い低木
おしゃれな常緑の低木
ニオイバンマツリ
4〜7月にかけて咲く花が、紫から白へと変色するニオイバンマツリは常緑で、四季折々の魅力を楽しむことができる低木です。香り高い花が特徴であり、庭のアクセントとして視線を誘導することができます。ただし、強い香りが苦手な方や、湿度が低い環境では管理に注意が必要です。庭づくりにおいては、ほかの植物と組み合わせて使うことで、美しい景観を演出できます。
特徴
- 特性:常緑性で四季折々に花が楽しめる
- 形態:直立性の低木で、葉は光沢があり対生する
- 自生地:ブラジル
- 樹高:1.5~3mほど
魅力
- 紫から白色のグラデーションが美しく、芳香が広がる
- 常緑樹で四季折々の美しい葉姿を楽しめる
- 春から秋にかけて長い期間、花が咲き続ける
庭木としての良さ
- 玄関先や庭のアクセントとして適しており、訪れる人の視線を引く
- 芳香な花が庭全体に香りを広げ、リラックスした雰囲気を醸し出す
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 花の観賞価値が高い
- 花期が長く、四季折々に楽しめる
- 香りが良い
- デメリット
- 強い香りが苦手な方には不向き
- 高い湿度が好ましいため、乾燥した環境には注意が必要
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関先や庭の一部に配置して、訪れる人に花の香りを楽しんでもらう
- ほかの低木や花木と組み合わせ、調和の取れた庭づくりに活用する
エレモフィラ・ニベア
美しい花の姿と優雅な樹形が魅力のエレモフィラ・ニベア。耐寒性が高く、寒冷地でも育てやすいため、四季折々に楽しむことができます。コンパクトなサイズなので、玄関先やポーチに最適で、ほかの植物と組み合わせて庭のバランスを整えるのに適しています。
特徴
- 特性:常緑性で、灰緑色の葉とラベンダー色の花が特徴的
- 形態:均整の取れた低木で、樹形が円錐形をしている
- 自生地:オーストラリア
- 樹高:1~2mほど
魅力
- ラベンダー色の花が美しく、視覚的に庭を彩る
- 寒冷地でも比較的丈夫で、冬の庭にも生気を与える
- 花が咲くと、淡い芳香が広がる
庭木としての良さ
- 低木としてのコンパクトなサイズで、玄関先や庭のアクセントとして使いやすい
- 乾燥にも強く、手入れが比較的簡単
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 優雅でコンパクトな樹形が庭に華を添える
- 寒冷地でも育てやすく、四季折々に楽しめる
- デメリット
- 花は美しいが香りはそれほど強くない
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関先やポーチのアクセントとして植え、訪れる人に心地よい印象を与える
- ほかの色とのコントラストを考え、美しい庭のバランスを取る
ビバーナム・ティヌス(常緑ガマズミ)
四季折々に美しい葉と花を楽しめる優れたビバーナム・ティヌスは、庭のアクセントや仕切りとして、その美しさを最大限に引き立てます。一年中色濃く庭を飾り、手入れも比較的簡単なため、庭づくり初心者にもおすすめです。
特徴
- 特性:常緑性で、深緑色の葉があり、冬にピンクや白の花を咲かせる
- 形態:ロンドンプライドとも呼ばれ、コンパクトながら緻密な樹形をもつ
- 自生地:地中海地域原産
- 樹高: 1.5~3mほど
魅力
- 常緑性で四季折々、美しい葉や花を楽しむことができる
- 冬に咲く花は心地よい香りを放ち、庭に芳香を広げる
庭木としての良さ
- 色鮮やかな花や葉が庭全体を彩り、美しい景観を創り出す
- 高温多湿にも耐え、手入れが簡単
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 常緑性であり、冬でも緑が庭を飾る
- 冬に咲く花が良い香りを広める
- デメリット
- 寒さに弱いため、極寒の地域では保護が必要
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関先やアプローチに植え、季節ごとの変化を楽しむ
- 生垣やフェンスの植栽に活用し、美しい仕切りを作る
虫が付きにくくて手入れがしやすい低木
アカバナトキワマンサク
アカバナトキワマンサクは、虫が付きにくくて手入れがしやすいため、庭づくり初心者にも最適な低木です。美しい花を楽しむことができ、和風や洋風などさまざまな庭への活用が可能です。耐寒性もあり、四季折々の変化を楽しむことができます。
特徴
- 特性:常緑性で、赤紫色の花が美しい
- 形態:美しい花が枝垂れる形状をもつ
- 自生地:中国
- 樹高:1~2m
魅力
- 赤紫色の花が美しく庭を彩る
- 一年中緑の葉が楽しめ、四季折々の変化を楽しめる
庭木としての良さ
- 虫がつきにくく、耐寒性もあり手入れが簡単
- 日当たりの悪い場所でも育つ
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 一般的に虫に強いため、手間いらずの育てやすさ
- 常緑性で四季折々美しい花を楽しめる
- デメリット
- 酸性土壌を好むため、土壌に注意が必要
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関先やアプローチに植え、鮮やかな花で訪れる人を楽しませる
- 生垣や仕切りに利用し、庭全体に統一感をもたせる
リューカデンドロン・レッドデビル
リューカデンドロン・レッドデビルは耐乾燥性があり、手入れがしやすく、独特の葉の美しさが庭に個性的で魅力的な雰囲気を与えます。耐寒性もあり、庭づくりの中で使いやすい低木の1つです。
特徴
- 特性:常緑で、葉の形状が独特で鮮やかな赤色を発する
- 形態:直立した成長し、高さは一般的に2m未満
- 自生地:南アフリカ
魅力
- 赤い葉がほかの植物とは一線を画し、庭に個性的で美しいアクセントになる
庭木としての良さ
- 乾燥に強く、水切れしにくいため手入れが比較的簡単
- 虫害が少ないため、手間をかけずに育てられる
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 寒冷地にも適しており、四季折々の美しい姿を楽しめる
- 乾燥に強いため、水やりの頻度が低く、庭づくりが手軽
- デメリット
- 成熟するまでには時間がかかるため、すぐに密な生け垣として使用するには時間がかかる
庭の低木としての上手な使い方
- 庭の中でほかの植物と対比させ、個々の美しさを引き立てる
- 乾燥に強い性質を活かし、ドライガーデンにおすすめ
ウェストリンギア・スモーキー
手入れが簡単で、耐乾燥性・耐寒性があるウェストリンギアは、四季折々の美しい姿を楽しめる低木です。庭のアクセントや生垣、鉢植えとして多様な使い方ができ、庭づくりにおいて頼りになる存在です。
特徴
- 特性:乾燥に強く、耐寒性がある
- 形態:直立した低木
- 自生地:オーストラリア
- 樹高:1~2m
魅力
- 独特の灰緑色の葉があり、四季折々で美しい姿を見せる
- 春になると小さな白い花が咲き誇る
庭木としての良さ
- 乾燥に強く、手軽に育てられる
- 寒冷地でも育つため、広範囲で栽培可能
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 乾燥に強いため手入れがしやすく、水やりの手間が軽減
- 寒冷地でも育つため、広い地域で利用可能
- デメリット
- 土質の悪い場所では育ちにくい
庭の低木としての上手な使い方
- 葉の密度があり、生垣や仕切りとして庭を美しく仕上げる
- 鉢植えで育て、玄関先やテラスなどに置くことで空間にアクセントを加える
北側に面した庭でも育てやすい日陰に強い低木
ヤツデ
ヤツデは北側に面した庭や日陰でも育てやすく、美しい緑が庭全体を引き立てます。耐寒性があり、手入れも比較的簡単なため、庭づくり初心者にもおすすめの低木です。
特徴
- 特性:常緑で大きな掌状の葉をもち、耐寒性がある
- 形態:横に広がった株立ち樹形
- 自生地:日本原産
- 樹高:2〜3m
魅力
- 大きな葉が特徴的で、庭に存在感を与える
- 寒冷地でも育つため、北側に面した庭でも安心して植えられる
庭木としての良さ
- 日陰でもしっかりと生長し、緑の魅力がある
- 大きな葉が視覚的なアクセントとなり、庭全体を美しく彩る
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 日陰に強く、北側に面した庭でも美しい緑を楽しめる
- 寒冷地でも育てやすい
- デメリット
- 生長が早いため、場所によっては高さを制御する必要がある
庭の低木としての上手な使い方
- 北側や高い建物に面した庭の日陰に植え、暗い場所を魅力的に飾る
- 背の高い木とのコントラストを楽しむ
マホニアコンフューサ
秋から冬にかけて咲く黄色いふさ状の花が美しいマホニアコンフューサは、香りで庭を彩る理想的な低木です。寒冷地にも適応し、手入れが比較的容易なため、庭づくり初心者にもおすすめです。
特徴
- 特性:常緑で、複数の小さな葉が集まり、直立した株立ち樹形
- 形態:高さ2~4mほどに成長し、花序は直立した房状
- 自生地:中国原産で、日本でも広く栽培されている
魅力
- 常緑性で四季折々に美しい緑を楽しめる
- 冬季に黄色い花が咲き、芳じゅんな香りを庭に広げる
庭木としての良さ
- 直立した樹形と美しい葉の相まった姿が庭の中で目を引く
- 寒冷地でも元気に成長し、冬の庭に活気を与える
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 寒冷地でも育てやすく、冬季においても色鮮やかな葉を楽しめる
- 冬に香る花が庭に優雅な香りをもたらす
- デメリット
- 開花時期にスズメバチなどが集まりやすい
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関周りやアプローチに植え、訪れる人を出迎えるポイントに
- ほかの低木や花木と組み合わせ、季節ごとに変化する庭を演出する
クロバナロウバイ
クロバナロウバイは独自の香りと美しい花で庭を彩ります。日陰にも強いため、北側に面した庭でも元気に生長し、視覚と嗅覚の両方で楽しませてくれる理想的な低木です。
特徴
- 特性:茎や葉が特有の香りを持ち、赤褐色の花が美しい
- 形態:株立ち樹形
- 自生地:北米東部
- 樹高:2〜3mほど
② 魅力
- 特有のスパイシーな香りがあり、庭全体を漂わせる
- 赤褐色の花がユニークで、視覚的な魅力がある
③ 庭木としての良さ
- 花の美しさや独特の香りが庭を特別なものにする
- 日陰に強く、北側に面した庭でも元気に生長する
④ 庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 特有の香りが漂い、癒しの空間を演出
- 独特の花色が庭を個性的に演出
- デメリット
- 長時間の直射日光が必要
⑤ 庭の低木としての上手な使い方
- 玄関周りやアプローチに植え、香りで訪れる人を出迎える
- 日陰のある場所に配置し、庭のアクセントとして活用
グラウンドカバーにもなるカラーリーフの低木
セイヨウイワナンテン・レインボー
四季を通じて美しい色彩を楽しむことができるセイヨウイワナンテン・レインボーは、庭木としての利用だけでなく、グラウンドカバーとしても活用が可能です。生長スピードはゆっくりですが、その繊細な美しさは庭に特別な魅力を与えます。
特徴
- 特性:多季節にわたり美しい色合いの葉を楽しめる
- 形態:横に広がる低木
- 自生地: 東北アメリカ
- 樹高:2〜3mほど
魅力
- 季節ごとに異なる色合いの葉が楽しめ、庭を彩る
- 密生した葉が地面を覆い、美しいグラウンドカバーとなる
庭木としての良さ
- 春はピンク、夏は緑、秋は赤く紅葉し、冬は紫色と変化に富んでいる
- 寒冷地でも元気に育ち、冬の庭にも彩りを添える
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 葉の美しい色合いが庭を美しく演出
- 地面を覆い、雑草の発生を抑える
- デメリット
- ほかの低木に比べて生長が緩やか
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関周りやアプローチに植え、四季折々の色彩で訪れる人を迎える
- 庭の一部として、ほかの植栽とのコントラストを楽しむ
アベリア・カレイドスコープ
アベリア・カレイドスコープは四季折々の葉の変化が楽しめ、コンパクトなサイズで植栽しやすい特性があります。庭においては、季節感を演出するアクセントとして利用でき、手入れも比較的容易です。
特徴
- 特性:季節ごとに葉色が変化し、独特の模様が楽しめる
- 形態:円錐形の低木
- 自生地:園芸品種
- 樹高:1mほど
魅力
- 春は新芽が赤く、夏は緑、秋には赤やオレンジ色に変化し、四季折々の美しい模様を楽しめる
庭木としての良さ
- スペースを取らずに植栽でき、庭の小さなエリアにも適している
- 夏には小さな花が咲き、甘い香りを庭に漂わせる。
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 葉の模様が独特で、庭にアクセントを与える
- 比較的耐寒性があり、寒冷地でも育てやすい
- デメリット
- 成熟するまでに多少の手入れが必要
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関周りやアプローチに植え、季節ごとの変化を楽しむ
- 小さな庭やポット栽培に最適
コプロスマ・レインボーピンク
一年中美しい色合いを楽しめ、庭の境界やコンテナプランターとして人気のコプロスマ・レインボーピンク。耐寒性があり手入れが簡単なため、庭づくりのアクセントとして活用できます。
特徴
- 特性:常緑性低木で、葉は小さく細かな質感がある
- 形態:密生した低木
- 自生地:ニュージーランド
- 樹高:0.3〜0.5mほど
魅力
- 葉が鮮やかなピンクや緑、クリーム色に変化し、一年中美しい色彩を楽しめる
庭木としての良さ
- 密集した葉が地面を覆い、美しいカーペットのような景観を作り出す
- 寒冷地でも冬になるとピンクが強調され、庭に鮮やかな彩りをもたらす
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 寒冷地でも比較的丈夫で、冬季にも美しい葉の色を維持する
- 剪定が少なく、庭の一部として手入れがしやすい
- デメリット
- 成熟するまでに時間がかかり、初期の植栽では地面を完全に覆うまでに時間がかかる
庭の低木としての上手な使い方
- グラウンドカバーとして庭の境界線に植え、美しい生け垣やフェンスの代わりとして活用する
- 鉢植えやコンテナで栽培し、バルコニーやテラスのデコレーションに使用する
風水効果が高い縁起の良い低木
オタフクナンテン
風水的な効果が高いといわれるオタフクナンテンは、四季折々の美しい姿で庭を飾ります。その縁起の良さから、家庭や商業施設の庭づくりに取り入れられ、庭全体に幸運をもたらす存在として愛されています。
特徴
- 特性:常緑で、冬でも赤く色づく葉が美しい
- 形態:無数に枝分かれした株立ち樹形
- 自生地:東アジア
- 樹高:1m未満
魅力
- 寒冷地域でも冬季に赤く色づくことで、庭に華やかな彩りを添える
- 中国では縁起が良い植物として重宝され、家庭やビジネスでの使用が広がっている
庭木としての良さ
- 春には新緑、夏には深緑、秋には赤く色づき、冬には赤い実が楽しめる
- 独自の姿勢や葉の色が庭全体のバランスを整え、景観を引き立てる
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 縁起の良い植物として、家庭やビジネスの庭づくりに適している
- 生育が旺盛で、剪定などの手入れが比較的容易
- デメリット
- 株の内側の葉が混み合って枯れやすい
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関先や門の横に植え、訪れる人を華やかに迎える
- 庭のほかの樹木や草花と組み合わせて四季折々の変化を楽しむ
アメジストセージ
秋に紫の花が空へ真っ直ぐと咲くアメジストセージは、独特の香りで庭を飾り、耐寒性があるためさまざまな環境で育てやすいです。蜜源植物として生態系に貢献し、庭に自然の営みを取り入れるのに適した魅力的な低木です。
特徴
- 特性:夏から秋にかけて、長い穂状の花が咲く。耐寒性があり、日当たりを好む
- 形態:常緑亜低木で、株が大きくなると茎が木質化する
- 自生地: メキシコ原産
- 樹高:0.6〜1.2mほど
魅力
- 紫色の綿毛のような花穂が、秋の庭を彩る
- 特有の香りがあり、庭に心地良い香りを広げる
庭木としての良さ
- 花穂が美しく、秋には鮮やかな紫色で庭を演出
- 花が蜜を分泌し、蝶やハチなどの生態系を良くする
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 寒冷地でも育ちやすく、冬場にも美しい花穂を楽しめる
- 地域の生態系に貢献し、庭に生命を呼び込む
- デメリット
- 過湿気になりやすい環境では根腐れが発生する可能性がある
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関やガーデンの一部に植え、秋の花穂で目を引くアクセントに
- 耐寒性があるため、ほかの季節にも花を楽しむ寄せ植えに
ギンバイカ・バリエガタ(斑入りギンバイカ)
ギンバイカ・バリエガタは美しい葉と香りが魅力で、風水的な意味合いもあります。玄関先や庭のアクセントとして、観賞用や香りの演出に最適な低木です。注意が必要な寒冷地以外では手入れも比較的容易で、庭づくりに役立つでしょう。
特徴
- 特性:常緑で、葉には白い斑があり、花は白く香りがある
- 形態:上に真っ直ぐと伸びる単幹樹形
- 自生地:地中海沿岸部
- 樹高:1〜2mほど
魅力
- 白い模様入りの葉が視覚的なアクセントとなり庭を飾る
- 白い花・青い実が美しく、葉はハーブになる
庭木としての良さ
- 常緑で一年中美しい葉を楽しめる
- ギンバイカは風水では縁起が良いとされ、邪気を払う効果が期待される
庭木(低木)におけるメリット・デメリット
- メリット
- 容器栽培で玄関先やテラスにも適している
- 白い花が咲くと良い香りを広げ、リラックス効果がある
- デメリット
- 寒冷地では冬季に霜害が起こる可能性がある
庭の低木としての上手な使い方
- 玄関先に植え、美しい葉と香りが訪れる人を迎えます
- ほかの低木や花木と組み合わせ、季節感ある庭を演出
玄関先の低木の植え方|空間デザインを良くするコツ
ここでは、玄関先に植える低木の植え方について紹介します。空間デザインを意識したコツについても紹介するので、ぜひ挑戦してみてください。
1. 間をあけて植える
植物を玄関先に植える際、適切な配置や配置間隔が大切です。その中で、「間をあけて植える」ことは、庭やエントランスを美しくデザインする上での重要なポイント。
植物同士の適度な間隔を保つことで、庭全体が整然とし、見る者に安らぎや美しさを与えます。また、間隔を空けることで十分な陽光や風通しが確保され、植物が健康に生長しやすいです。
2. 石や岩と組み合わせて植える
玄関先の低木を植えるときには、石や岩を取り入れることで庭全体のデザインが一層引き立ち、植物と石の組み合わせによって美しさや機能性が向上します。石や岩の配置は植物の生長にもプラスの影響を与え、総合的な庭づくりに役立ちます。
石や岩と低木との対比が生まれ、庭全体が豊かな表情をもつほか、土壌を保護し、雑草の発生を防ぎます。また石は温度を調整し、湿度を保つ役割も果たし、植物の健康をサポートするでしょう。
例えば、低木を植えるスペースに岩や石を散りばめ、それらを植物の周りに配置することで、庭が一体感を持ちながらも多様な質感や形状が楽しめます。これにより、単調さを防ぎ、視覚的な興味を引きます。
3. 高低差を付けて植える
高低差を意識的に取り入れて低木を植えるのも、空間デザインにおいて重要なことの1つです。
庭やエントランスがより魅力的で立体的なデザインになり、視覚的なアピールだけでなく、訪れる人々に空間を感じさせ、心地よい印象を与えます。
- 視覚的な引き立て:地面からの高低差が低木を強調し、視線を引き寄せる
- 空間の立体感:庭全体に奥行きが生まれ、一層立体的で魅力的な雰囲気が出せる
- 自然なアクセント:地形変化により、自然な雰囲気が生まれ、庭がより魅力的になる
4. 葉形や葉色のコントラストを意識して植える
葉形や葉色のコントラストを活かした低木の植栽は、庭やエントランスにアートのような美しさをもたらします。植物の多様性が視覚的な興味を引き、季節ごとに異なる魅力を醸し出すことで、住まいの雰囲気を豊かにします。異なる特性を持つ植物を上手に組み合わせ、庭をデザインすることで、美しい空間が生まれるでしょう。
5. 視線がいく場所に花の咲く低木を植える
玄関先に低木を植える上で、視線がいく場所に花の咲く低木を選ぶことは、美しさと心地よさを追求するために重要です。訪れる人々に印象的でポジティブなエクスペリエンスを提供し、玄関先を魅力的な空間に変えることが期待できます。
例えば、バラやシャクナゲなどの花が美しく咲く低木を、玄関アプローチや通行の多いエリアに配置することで、通りがかる人や訪客が自然に立ち止まりやすく、その美しさに魅了されやすいです。
低木でおしゃれな玄関アプローチをつくるポイント
ここでは、低木でおしゃれな玄関アプローチをつくるポイントについて、下記3つを解説します。
- 通行の邪魔にならないように意識する
- 下草の花も取り入れる
- 植物に向かない場所には砂利を敷く
通行の邪魔にならないように意識する
通行の邪魔にならないように低木を配置することは、安全性とエレガントな雰囲気を両立させる鍵です。広々とした通行スペースを確保しつつ、植栽によっておしゃれなアプローチを演出することで、玄関先が魅力的で心地良い空間となります。通行者の動線や安全性を考慮した配置が、庭やエントランスのデザインを一層引き立てますよ。
例えば、アプローチの端には低木を寄せ、中央には花壇や舗装でスペースを広げることで、通行スペースを確保しつつ、おしゃれな雰囲気を演出できます。また、動線に沿って低木を配置することで、視線を引き込みつつ通行スペースを確保できます。
下草の花も取り入れる
下草の花を取り入れることで、色味のある美しい玄関アプローチをつくれ、訪れる人々に季節感や華やかさを提供できます。手入れが行き届いた美しい花壇や配置により、玄関先は賑やかでおしゃれな雰囲気に包まれ、来客を温かく迎え入れます。庭やアプローチに花を取り入れることは、プロの手で美しいデザインを創り出すポイントの1つです。
アプローチの端にはシーズンごとに咲く花を配置し、中央には通行スペースを確保することで、美しさと機能性を兼ね備えたデザインが可能です。春にはチューリップやヒヤシンスが、夏にはサルビアやガーベラが、秋にはコスモスやキクが彩りを添えるのでおすすめです。
植物に向かない場所には砂利を敷く
植物に適さない場所に砂利を敷くことで、玄関アプローチは清潔感があり、お手入れも容易になります。美観的かつ実用的な要素を組み合わせたデザインは来客を魅了し、機能性を向上させます。砂利の敷設は、おしゃれなアプローチをつくる上で重要なポイントといえます。
例えば、アプローチの植栽スペースと歩行エリアを砂利で分け、歩行エリアには舗装を施すことで、美しい庭空間と機能性を兼ね備えたデザインが可能です。雨天時でも歩きやすく、植物に不向きな湿度の高いエリアでもお手入れがしやすくなりますよ。
玄関先に植える低木の管理方法
玄関先の低木は「植えたら終わり」ではありません。ケアをしっかりと行い、長い間庭の美観を維持しましょう。
ここでは、玄関先に植える低木の管理方法について解説します。
水やり|乾燥が続くときだけ与える
水やりは、植物の生育状態や季節に合わせ、適切なタイミングで行うことが大切です。必要以上の水分は植物にとってストレスとなりますが、乾燥も根腐れや生長不良の原因となる場合も。
玄関先に植える低木の水やりは、植物の特性や気象条件を考慮し、バランス良く行うことが美しい植栽を維持する鍵となります。
例えば、夏の暑い日が続く場合、玄関先に植えた低木は土が乾燥しやすくなります。この時期には、朝夕など適切なタイミングで十分な水を与え、根元から湿らせるように心掛けましょう。逆に、寒冷な冬には低木は休眠期に入るため、過剰な水分は避け、土がやや乾燥している程度で十分です。
肥料やり|低木の生長期にあわせる
低木の肥料やりは、生長期に合わせた栄養供給が肝心です。春から夏にかけて窒素を中心に、秋には花芽の形成をサポートするリン酸やカリウムを重点的に与えることで、四季折々の美しい植栽を楽しむことができます。
また、過剰な施肥は植物に逆効果となるため、適量を守りつつ管理することが大切です。
剪定|適切な時期に行う
植物の生長・健康や庭の美観を良くする上で欠かせない剪定は、適切な時期に行うことが大切です。季節や植物の種類によって適した剪定の仕方が異なるので、植物ごとに適切なガイドラインに従って実施することが望ましいです。低木は健康で美しい状態を保ち、玄関先の景観を良くすることができるでしょう。
例えば、冬になる前に落葉樹の剪定を行うことで、春になったときに新芽が健康的に生長しやすくなります。また、花木の場合は花後に古い花を摘み取ることで、次の花芽の形成を促進します。
除草・掃除|春から秋の間は定期的に行う
春から秋にかけての期間、低木周辺の定期的な除草・掃除は、植物の健康維持や庭の美観を保つうえでとても大切です。雑草の生長を抑え、通気性や日光の取り込みを向上させることで、低木がより良く育ち、玄関先の美しい雰囲気を維持できます。
冬越し|寒さに弱い低木は寒冷紗をかける
低木の冬越しは植物の健康を維持し、春先に美しい状態で生長させるために欠かせない管理方法です。寒さに弱い低木には寒冷紗をかけ、凍害から保護することで、庭の樹木が健康で美しい状態を保つことができます。
玄関先に植える低木に関するよくある質問
最後に、玄関先に植える低木についてよくある質問をまとめたので、疑問や不安に思っている方は参考にしてみてください。
玄関先に植える低木はどの季節に植えるのが良いですか?
低木を玄関先に植える際は、秋が最適です。秋に植え付けることで、植物は冬に備えた頑丈な根を発達させ、春には早く生長を始めます。これにより、庭に美しい景観をもたらし、低木が健康で繁茂する条件を整えることができます。
玄関先の低木にはどのくらいの間隔で植えるべきですか?
玄関先の低木を植えるときは、植物の種類や生長サイズによりますが、一般的には樹高の約半分から1倍の間隔を確保すると良いでしょう。
各植物が充分なスペースをもち、庭が美しく調和したデザインになります。植物同士が適切な距離を保つことで、生長の妨げとなりにくく、管理もしやすくなりますよ。
玄関先の低木の手入れはどのように行えばいいですか?
玄関先の低木の手入れは、定期的な水やり、肥料の施し方、剪定、除草・掃除、冬越しの対策が必要です。これらを丁寧に行うことで、低木は美しく健康的に育ち、庭全体が魅力的な景観になります。また、手入れを怠らないことで、植物は病気や害虫からも守られ、長寿命で健康的な状態を維持できるでしょう。
まとめ
玄関先に植える低木は植物の選定から手入れまで、さまざまな要素を考慮する必要があります。これらのポイントを押さえ、丁寧な管理を行うことで、美しい庭を育て上げ、玄関先が一層素敵な空間となります。
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。
建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。