「祝いの木」の別名を持つギンバイカは、白い花と実がキュートで、シンボルツリーや生垣に人気の庭木。
花がウメに似ていることから、風水では玄関近くに植えると運気が上がるともいわれています。
ギンバイカの花言葉、育て方、剪定方法など、たっぷりと紹介!
基本データ
- 分類
- 庭木-常緑
- 学名
- Myrtus communis
- 科・属名
- フトモモ科ギンバイカ属
- 別名
- マートル、祝いの木、ギンコウバイ、ギンコウボク
ギンバイカ(マートル)の花・実・葉の特徴と花言葉、挿し木の仕方
幹が細くしなやかに伸び、晩春に白い梅のような花を咲かせるギンバイカ。
シュッと細くなった緑の葉とのコントラストが美しく、洋風の庭によくあいます。
芽吹く力が強く、刈り込みにも負けず、育て方も簡単なので、生垣やシンボルツリーにおすすめの庭木です!
●晩春に咲くギンバイカの花と花言葉
5〜6月ごろにかけて、純白の繊細な花を咲かせるギンバイカ。
花びらが隠れるほどの無数の雄しべが長く伸び、まん丸とした5枚の花びらがウメの花によく似ています。
ヨーロッパでは、愛の女神とされるアフロディーテに捧げる花として、結婚式のブーケとして使われることが多いようです。
・ギンバイカの花言葉
ギンバイカの花言葉は「愛」「愛のささやき」です。
●ギンバイカの実と葉の特徴
・ギンバイカの実
ギンバイカは、10〜11月ごろにかけてブルーベリーに似た黒紫の実を付けます。
実は生で食用ができますが、独特の苦味があるため、調理で味付けをしてから食べるのがいいです。
・ギンバイカの葉
葉軸から、先がシュッととがったような細い葉を出すギンバイカ。
ほぼ一年を通して鮮やかな緑色ですが、冬になるとわずかに赤く紅葉します。
葉を揉むように擦ると、ユーカリのような爽やかでフルーティな香りがするため、ハーブとして利用されることも。
●ギンバイカの樹形・樹高・生長速度
庭木に使われる樹木を大きく分けると、地面から出る幹が1本の「単幹樹形」と、幹が複数出てくる「株立ち樹形」と呼ばれる2種類があります。
基本的には、ギンヨウアカシアは株立ち樹形で育つものがほとんど。
生長速度はゆっくりですが、大きくなると3mほどになる場合もあります。
●挿し木で増やそう!ギンバイカの増やし方
ギンバイカを増やしたいときは、枝の一部を切り取って「挿し木」をつくりましょう。
・ギンバイカの挿し木に最適な時期
ギンバイカの挿し木は、剪定で切った枝を使い、7月ごろにつくりましょう。
花が咲き終わった後に挿し木を作ると、発根しやすいです。
・ギンバイカの挿し木の手順
Step1. ギンバイカの新しい枝を、先端から数えて4〜6節目でカットし、先端のやわらかい部分もカットします(10〜15cmほどの長さ)。
これを「挿し穂」といいます。
Step2. 挿し穂の上部に付いた葉を2枚ほど残し、下部の葉は全て摘み取ります。
Step3. 小さめのコップや花瓶に入れた水か、水はけの良い土が入ったビニールポットなどに挿して、涼しい日陰で管理しましょう。
2〜3カ月で根が出ます
玄関先のシンボルツリーや生垣におすすめ!ギンバイカの3つの魅力
ギンバイカはコンパクトな低木に育つので、玄関前や門塀の脇、また狭い庭でも十分育ちます。
また、盆栽のように鉢植えで小さく育てることも可能。
季節ごとで変化する風情ある姿はもちろんですが、管理が楽なもの魅力です!
●ギンバイカの魅力1|風水的に鬼門の方向に植えたい縁起の良い木
ギリシャやイタリアなどのヨーロッパで、愛、不死、純潔を象徴する「祝いの木」として親しまれているギンバイカ。
日本に伝わってからは、縁起のあるウメの花に似ていることから、風水では鬼門の方向や玄関近くに植えると良いとされています。
●ギンバイカの魅力2|花や実など、季節ごとに色や姿の変化を楽しめる
春に鮮やかな緑、夏に白い花、秋に黒紫の実、冬に赤い葉など、季節によって色や姿の変化を鑑賞できるギンバイカ。
常緑樹のため、光沢のある葉は一年中鑑賞できるので、冬でも明るい雰囲気の庭がつくれます!
●ギンバイカの魅力3|上品な生垣やシンボルツリーに
夏に純白の花を咲かせるギンバイカは、芽吹く力がとても強く、枝葉のどこを切っても新しく伸び、細かく密集して生長します。
そのため外から中が見えにくい、しっかりとした生垣ができます。
幹が見えるように剪定をすれば、スタイリッシュで上品なシンボルツリーにもなります。
ギンバイカ(マートル)の育て方と特徴の詳細情報
- 草丈・樹高
- 1〜3m
- 栽培可能地域
- 関東以南
- 花色
- 白色
- 開花期
- 5月〜6月
- 結実期
- 10月
- 耐暑性 / 耐寒性
- 強い/普通
ギンバイカ(マートル)の育て方と特徴の育て方・管理方法
- 植え付け・植え替え
- ●排水性・通気性・保肥性のある土に
乾燥した場所を好むギンバイカは、花をたくさんつけるので、水はけが良くて、有機質がたっぷりと入ったふかふかの土が大好き。
水はけが悪くて硬い土では、根腐れが起こりやすく、枯れてしまうことも。
植え付ける前には、掘り起こした土に腐葉土、赤玉土、バークチップを混ぜて、排水性・通気性・保肥性を良くしておきましょう。
●ギンバイカの適切な植え付け・植え替え時期
ギンバイカの植え付けや植え替えの時期は、3〜4月ごろの春にしましょう。
開花してからでは、株がストレスを受けて弱ってしまうこともあるので注意してくださいね!
●直径2〜5mほどのスペースを確保してから
地面から複数の細い幹を出すギンバイカは、直径2〜5m程度のスペースを確保してから植え付けましょう。
枝葉が横に長く伸びるため、苗木が小さくても、大きくなることを踏まえて少し広めに確保します。
植え付けるときは、根鉢を崩さないよう慎重に!
- 肥料
花がたくさん咲くギンバイカには、植え付けるときに、緩効性化成肥料を植え穴に元肥として入れます。
生長が緩やかになる冬は、2月ごろに寒肥として魚粉か鶏ふんを与えましょう。- 剪定
ギンバイカは生長速度が遅いですが、剪定をしないと、枝葉が混み合いやすく、こんもりとした見た目の悪い姿になってしまいます。
剪定は2年に1回のペースで行い、地面から出てくる幹の数を3本、5本などの奇数にすると、たたずまいの美しい庭木になります!
●ギンバイカの適切な剪定時期|花が咲き終わる6〜7月
ギンバイカの剪定に向いている時期は、花が咲き終わる6〜7月です。
8月には翌年の花芽を付けはじめてしまい、切り落としてしまう可能性があるので、7月下旬までに済ませましょう。
●ギンバイカの剪定の手順
Step1. ひこばえや胴吹き枝を切り落とす
まずは、地面から伸びる幹(ひこばえ)と、幹の根本付近から生えるどう吹き枝を、根元または付け根から全て切り落としましょう。
そのまま残しておくと、花や実の付きが悪くなってしまいます。
Step2. 徒長枝などの不要な枝や枯れた枝を切り落とす
太い枝には、一直線に真っ直ぐ伸びる徒長枝や立ち枝が出やすいです。
枝分かれした付け根から、全て切り落としましょう。
またこのとき、枯れて黒くなった枝も取り除きます。
Step3. 幹が見えるように、過密になった枝葉を透かす
枝葉が重なって過密になっている箇所は、枝分かれしたところから切り落としましょう。
株の内側の幹がうっすらと見えるくらい間引くように透かすといいです。
●生垣のギンバイカは刈り込み剪定で
ギンバイカを生垣として育てる場合は、樹形を四角形に刈り込むだけでなく、円錐型(えんすいがた)やロウソク型にするのもおすすめ!簡単に刈り込みやすく、木の表面の伸び過ぎた枝葉を切り落とすように刈り込むだけです!
1. 上部の面を平らに刈り込む
2. 側面を上から下に向かって刈り込む
3. 木をゆすって、ゴミを落とす
4. 表面に凹凸がないか確認しながら、きれいに仕上げる- 病害虫
基本的には病害虫に強いギンバイカですが、日当たりや肥料の与え過ぎ、過湿によってサビ病などの病気が発生することがあります。
また、風通しが悪いと、カイガラムシなどの害虫が付くとも。
日当たりと風通しが良い場所で、肥料を与え過ぎず、定期的に剪定をしましょう。- 日当たり
乾燥した場所を好むギンバイカは、基本的には自然に降る雨だけの水分で大丈夫です。
ただし、植え付け直後と、苗木が地面にしっかりと根付くまでの2年間は、土が乾燥しないように定期的に水やりをしましょう。- 水やり
乾燥した場所を好むギンバイカは、基本的には自然に降る雨だけの水分で大丈夫です。
ただし、植え付け直後と、苗木が地面にしっかりと根付くまでの2年間は、土が乾燥しないように定期的に水やりをしましょう。
建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。