メディアなどで見かけることがある「立春」。なんとなく「春が訪れる日」ということはわかるけど、実際のところ詳しいことはよくわからないですよね。今回は、立春とは何か、立春の日、立春のころに見られる樹木の種類、立春のころにおすすめの場所など、詳しく紹介!

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 柴﨑光一

建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。

目次

そもそも立春(りっしゅん)とは?

クロッカス

暦(こよみ)の始まりであり、一年の最初の季節とされる「立春」
一年を24つの節気に分けた季節である二十四節気(にじゅうしせっき)の最初の節気とされ、毎年2月4日ごろに訪れます。そのため、一年で最も重要な節気であり、「春の訪れ」を知らせる節気といわれることも。
雨水までの間ごろになるので、2月18 日ごろまでの15日間が立春と呼ばれています。

また、一年を春夏秋冬の4つの季節に分け、さらにそれぞれの季節を6つに分けた二十四節気(4×6=24)は、もともとは古代中国で作られたもので、日数によって分けられていました。
現在では太陽の位置から日割りして、日付を定めているようです。

下記の表が、二十四節気と現在の日付です。

季節二十四節気新暦の日付
立春(りっしゅん)
雨水(うすい)
啓蟄(けいちつ)
春分(しゅんぶん)
清明(せいめい)
穀雨(こくう)
1月節
1月中
2月節
2月中
3月節
3月中
2月4日ごろ
2月19日ごろ
3月5日ごろ
3月21日ごろ
4月5日ごろ
4月20日ごろ
立夏(りっか)
小満(しょうまん)
芒種(ぼうしゅ)
夏至(げし)
小暑(しょうしょ)
大暑(たいしょ)
4月節
4月中
5月節
5月中
6月節
6月中
5月5日ごろ
5月21日ごろ
6月6日ごろ
6月21日ごろ
7月7日ごろ
7月23日ごろ
立秋(りっしゅう)
処暑(しょしょ)
白露(はくろ)
秋分(しゅうぶん)
寒露(かんろ)
霜降(そうこう)
7月節
7月中
8月節
8月中
9月節
9月中
8月8日ごろ
8月23日ごろ
9月8日ごろ
9月23日ごろ
10月8日ごろ
10月24日ごろ
立冬(りっとう)
小雪(しょうせつ)
大雪(たいせつ)
冬至(とうじ)
小寒(しょうかん)
大寒(だいかん)
10月節
10月中
11月節
11月中
12月節
12月中
11月7日ごろ
11月22日ごろ
12月7日ごろ
12月21日ごろ
1月5日ごろ
1月21日ごろ

立春は一年で最も寒い時期といわれていますが、暦では春の始まりであくまで中国の季節がベースです。

そのため、中国と日本で若干の季節の違いがあり、「季節感のずれ」を補足するために日本では「節分(せつぶん)」「彼岸(ひがん)」「土用(どよう)」「八十八夜(はちじゅうはちや)」などの「雑節(ざっせつ)」を取り入れたとされています。

ちなみに、この二十四節気をさらに細かく3分割したものを「七十二候(しちじゅうにこう)」と呼び、72つの節気があります。

2023年の立春(りっしゅん)はいつ頃?

クロッカス

2023年の立春は、2月4日(土)です。
黄道を24等分した二十四節気によって日付が決まるので、毎年2月4日とは限りません。
毎年の立春の時期を知りたい時は、カレンダーをチェックしてみてください。

ちなみに2023年以降の立春は下記の日付となっています。

  • 2024年(令和6年):2月4日(日)
  • 2025年(令和7年):2月3日(月)
  • 2026年(令和8年):2月4日(水)

次の二十四節気〇〇についてはこちら

立春(りっしゅん)のころ【季節を感じる樹木】

新芽

冬の終わりを告げ、春の訪れを告げる樹木。
寒い季節である立春のころに花を咲かせる樹木は少ないですが、花を愛でるのに向いている木ももちろんあります。

ここでは、立春のころに花を咲かせる樹木を紹介します。

立春のころ|花を咲かせる木

立春のころに花を咲かせる樹木は、以下の種類です。

  • ウメ
  • ジンチョウゲ
  • ネコヤナギ
  • マンサク
  • カワヅサクラ
  • オガタマノキ
  • オウバイ
  • アカシア

ウメ

ウメ

立春の代表的な樹木ともいえるウメの木。
まだ寒い早春のころに白やピンクの花を咲かせ、6月ごろには実が付きます。
個体によっては1月下旬ごろから咲くものもあり、サクラよりも古くから「お花見」の木とされていたようです。

そのため「花木の王者」といわれることも。
芽吹く力が強く、寿命が長いことから縁起の良い木として古くから親しまれている樹木でもあります。

ウメ(梅)の生態が知りたい方はこちら
➡ ウメ(梅)の育て方や特徴
ウメ(梅)の育て方を知りたい方はこちら
➡ ウメ(梅)の木の管理方法

ジンチョウゲ

ジンチョウゲ

個体によっては2月ごろより、空へ立ち上がるように伸びた赤みを帯びた茶色の細い枝葉から赤紫色と白の小さな花がドーム状に集まって咲くジンチョウゲ。

黄色い花が咲くもの、葉の縁(ふち)に黄色い斑が入るものなど品種も多く、和風や洋風などさまざまな庭にあい、春の庭を演出します。
生長スピードがゆっくりで、大きくなっても樹高が1〜2mほどの低木なので、生垣や目隠し用に庭木などにおすすめです。

ジンチョウゲ(沈丁花)の生態が知りたい方はこちら
➡ ジンチョウゲ(沈丁花)の育て方や特徴
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ネコヤナギ

ネコヤナギ

早春にネコのしっぽのような花が互い違いに展開するネコヤナギ。
銀色のふさふさとした花は、雄しべが無数に集まってしっぽのように見えています。

このネコヤナギは、時間がたつと花が長く伸びて次第に黄色く変色します。
ユニークな姿がかわいらしく、個性的な庭を演出するのに一役買ってくれるでしょう。

また、花が咲いたあとはすぐに新芽が芽吹き、鮮やかな緑の葉をトリの翼のように大きく広げます。

マンサク

マンサク

地面から軽やかな曲線を描くように幹が伸び、2〜4月にかけて帯状の黄色い花を咲かせるマンサク。
枝節にうつむきになって咲く花の姿がひかえめで美しく、花が咲くものが少ない立春の時期で貴重な庭木です。

帯状の花びらは、縮れているもの、ねじれているもの、しわがあるものなど、個体によってさまざまで、ユニークさも感じます。
花が咲いたあとの丸い大きな葉は秋になると黄色く紅葉するので、庭木として採用したら季節ごとに色や姿の変化を楽しめるのでおすすめです。

マンサク(万作)の生態が知りたい方はこちら
➡ マンサク(万作)の育て方や特徴

カワヅサクラ

カワヅザクラ

ソメイヨシノよりも早くから花が咲くカワヅサクラは、濃いピンクの花を長く観賞できるため桜の中でも人気の庭木です。

花が咲いたあとにはすぐに新芽が芽吹くので、ピンクの花と鮮やかな黄緑の新葉が相まった姿が上品で美しく、立春の季節にふさわしい景色を演出します。個体によっては1月下旬ごろから咲くものもあり、花が少ない早春の庭では存在感がとても大きいです。

オガタマノキ

オガタマノキ

中心から外側に向かって放射線状に革質な濃緑の葉が展開し、中心から白と紫色の大きな花を咲かせるオガタマノキ。
モクレン科の樹木で、日本に自生するモクレンの仲間の中では珍しい常緑性です。

通常は3月下旬ごろから花の見頃を迎えますが、個体や環境によっては立春の時期に咲くものもあります。
花からはわずかに上品な甘い香りがし、匂いも楽しめる庭木になります。

オウバイ

オウバイ

オウバイは中国を原産とするモクセイ科ソケイ属の樹木で、立春のころにウメのような黄色い花を咲かせます。

地面から無数に伸びる幹は、つるのように長く伸び枝垂れるように生長します。
多種類の植物が植えられた洋風の庭によくなじみますが、濃い色の岩を使った和風や和モダンの庭にもあいおすすめです。
小さく仕立てれば花壇や鉢植えで育てられ、寄せ植えで楽しむこともできます。

アカシア

アカシア

「ミモザ」の別名でも呼ばれることもあるアカシアは、早春に黄色いぼんぼんのような花をふさ状に咲かせるオーストラリアの樹木です。
フサアカシアやギンヨウアカシアなど大表的な品種が多くあり、現代の庭のシンボルツリーとなる庭木です。

「友情」や「真実の愛」の花言葉をもち、繊細な印象のある細い葉を無数に出す姿が美しいです。
切花などフラワーアレンジメントとしても使われることがあります。

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➡ ミモザ(ミモザアカシア)の育て方や特徴
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➡ ミモザ(ギンヨウアカシア)の木の管理方法

立春(りっしゅん)といえば【行事や食べ物】

立春の食べ物

季節の変わり目でもある立春のころは、縁起を良くするために昔から行われている行事や食べられているものがあります。

ここでは、立春のころに行われる行事と食べ物について紹介します。

立春の行事

立春大吉

立春大吉

一年の始まりである立春に、招運来福を願う意味があるとされる立春大吉
禅宗のお寺などでは、鬼(邪気)が入ってこないように「立春大吉」と書かれたお札を家の入り口に貼る風習があるようです。

目の高さよりも高い位置に貼り付けるのが一般的で、家の玄関や勉強部屋など重要な部屋の入口に貼り付けます。
立春大吉のお札は、お寺や神社などでも購入でき、自分で書いて貼っても大丈夫です。

節分

節分

日本では昔から、季節の変わり目には「鬼が現れる(邪気が生じる)」と信じられていました。
そのため、節分の時期になると豆まきをしたりヒイラギの枝にイワシの頭を刺したりして、鬼(邪気)を追い払う風習があります。

節分行事は正確には立春前日の行事なので、2023年の節分の日は「2月3日(金)」です。大みそかや元旦のように、節分と立春は密接な関係があり、立春の日が変動すれば節分の日も変わります。

立春の食べ物

恵方巻き

恵方巻き

節分の時期になると良く目にすることが多くなる恵方巻き
節分の夜に、その年の吉とされる方向(恵方)を向いて願い事を思い浮かべ、言葉を発せずに最後まで食べ切ると願いが叶う」という言い伝えがあります。

「鬼が現れる(邪気が生じる)」といわれる季節の変わり目に食べることで家に鬼(邪気)を入れることがなくなり、縁起が良いことから節分に食べるといわれることも。

ちなみに、2023年の恵方巻きの方角は「南南東」のようです。

豆腐

豆腐

日本では昔から体を清める力があるといわれている豆腐。
立春の時期には、「立春大吉豆腐」といわれる豆腐があり、厄払いの意味として食べるという習慣があるようです。

節分の豆まきと同じように、大豆からできている豆腐は節分の日と次の日の立春に食べることで罪を洗い流すことができ、清めた体には幸運が訪れるといわれることも。

立春朝搾り

立春朝搾り

立春朝搾りには、立春の朝にできたばかりの日本酒をその日のうちに飲み干して新しい春を迎えられるという言い伝えがあります。
節分の夜から一晩もろみを搾り続け次の日の立春に飲むことで無病息災を願い、神社でお祓いすることで縁起を良くすることができるようです。

朝生菓子

朝生菓子

立春の朝に作って、その日のうちにでき立てを食べる立春生菓子
春の生菓子らしい桜餅やうぐい餅、さらには大福などを作って食べるのが一般的のようです。

そもそもこの生菓子に使われる餅やアズキには邪気を払うパワーがあるとされ、立春の朝に食べることで縁起を担ぐことができるといわれています。

立春(りっしゅん)の時期に【おすすめの場所】

自転車と人

一年で最も寒い時期とされる立春ですが、この時期でしか見られない・楽しめない場所がたくさんあります。

ここでは、立春の時期におすすめの場所を3つ紹介します。

あぶだ福寿草の里

立春の時期には、群馬県下仁田町にある「あぶだ福寿草の里」で、ウメとフクジュソウの花のコラボレーションを観賞してみてください。
どちらも春の訪れを告げる縁起の良い花で、同時に楽しめる場所です。
園内では、地元の農産物が販売されているほか、フクジュソウの鉢植えも販売しています。

あぶだ福寿草の里

  • 所在地:〒370-2622 群馬県甘楽郡下仁田町中小坂2598
  • 開園期間:2023/02/19(日)〜3/19(日)※フクジュソウとウメの開花状況に応じて変更あり
  • 開園時間:AM9:00〜PM4:00
  • 料金:大人 400円、小学生 100円、小学生未満 無料
  • 駐車場:無料駐車場あり(3ヵ所)

河津桜まつり  

2月上旬ごろには満開となり、お花見のシーズンを迎えるカワヅサクラ。
静岡県河津町にある河津駅および河津川付近では、毎年「河津桜まつり」を開催し8,000本のカワヅサクラの満開の姿を楽しめます。

おまつりの期間中は露天販売やイベントもあり、食べ歩きながらカワヅサクラの花を観賞できます。
夜には、ライトアップをしている箇所もあるので、1日過ごすことも可能です。

河津桜まつり

  • 所在地:〒413-0513 静岡県賀茂郡河津町浜155-2(河津駅周辺と河津川沿い)
  • 開催期間:2023/02/01(水)〜2/28(火)
  • 開催時間:各イベント AM9:00・10:00〜、夜桜ライトアップ PM6:00〜9:00
  • 料金:有料駐車場料金のみ 大型車1台1,000円、普通車200円
  • 駐車場:有料駐車場あり(多数)

ふなばしアンデルセン公園 

千葉県船橋市にある「ふなばしアンデルセン公園」では、立春の2月にクリスマスローズやシクラメンなどの花をオランダの風車とともに一望することができます。
年間来場者数は約90万人と人気で、広い園内を散策することができます。

園内にはコースが設けられ、大人から子ども、さらには冒険や景色散策コースなど目的にあわせたコースを選ぶことも可能です。
立春の時期に行けば、さまざまな色とりどりの草花を体を動かしながら楽しめます。

ふなばしアンデルセン公園

  • 所在地:〒274-0054 千葉県船橋市金堀町525
  • 開園期間:年中(休園日は年によって変更あり)
  • 開園時間:AM9:30〜PM4:00 ※時期によってはPM5:00まで
  • 料金:一般900円、高校生600円、小・中学生200円、幼児(4歳以上)100円
  • 駐車場:有料駐車場あり(多数)

まとめ

暦の始まりであり、一年の始まりとされる立春は、一番最初に迎える季節で重要な季節です。
一年が始まるからこそ、縁起を担いで無病息災を願いたいと思いますよね。
そのため、家に邪気が入らないよう縁起の良いことをしたり、飾ったり、食べたりして立春を過ごすことをとても大事に感じられる方もいるでしょう。

また立春の時期には、冬の終わりを告げ春の訪れを知らせる樹木があり、庭木として楽しむことも。
ウメやマンサクの木などを庭木として植えれば、寂しくなりがちな冬の庭を彩り温かみのある景色を演出してくれます。

ぜひ立春を楽しんで、新しい一年を健康でいられるように過ごしてください。

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