シンボルツリーを選ぶ上で、気になってくるのが虫の被害。苦手な方にとっては特に大きな問題です。この記事では、虫を寄せ付けない木が持つ特徴や対処法についても触れながら、「虫を寄せ付けないシンボルツリー」について紹介していきます。

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目次

虫を寄せ付けないのはなぜ

植物の中には、虫が嫌う匂いを放つものが存在します。
特にハーブ類のような強い匂いを持つものに多く見られ、その成分は防虫剤として利用されることもあります。

また匂い以外にも、花や実が目立たないものや、葉が虫にとって食べにくい形状をしているものは虫がつきにくくなります。

ただし、絶対に虫が寄り付かない木というのはありません
木は自力で移動することができないため、繁殖には虫や鳥といった生物を利用しています。
そのため、これらを完全に寄り付かなくある行動を取ることはありません。

どんな虫が寄って来るのか?

庭木の種類によって、寄ってくる虫は多少異なりますが、ケムシやカイガラムシなどは多くの庭木に発生します。

ケムシは葉を食害して木を弱らせてしまいますし、毒を持つものは駆除するのも大変です。

カイガラムシは植物から栄養を吸い取って生長を阻害し、排泄物が病気の原因となる害虫です。
その上成虫は薬剤の効果が薄く、対処に手間がかかります。

それ以外にも、ガやカメムシといった虫が卵を産み付けるためにやってきたり、ハチや蝶が蜜を吸いにやってくることもあります。

虫がよってきた場合の対処法

対処法

もしも虫がよってきてしまった場合には、直接取り除くか、薬剤を散布するなどして対処する必要があります。

まだ数が少なければピンセットや割り箸を使用して捕獲したり、1つの場所に固まっていれば枝や葉ごと取り除きましょう。
毒を持つ虫もいるため、必ず肌の露出が少ない服装で作業します。

数が多い場合は、殺虫剤を使うのが効率的です。
しかし虫の種類によっては効果が薄かったり、木が薬害を受けてしまうことがあるので注意しましょう。

自分で庭木の消毒(虫や病気の予防)をする方法は以下の記事で詳しく解説しています

また、上記の方法はあくまで一時的な対処法であり、普段から予防が最も重要です。
風通しが悪くならないよう剪定を行ったり、こまめに木の様子を確認しておきましょう。

特に虫を寄せ付けないシンボルツリー

ここまで、虫を寄せ付けない木の持つ特徴や寄って来る虫の特徴、虫が寄ってきた場合の対処法について解説してきました。

そしてこの項目では、特に虫を寄せ付けないシンボルツリーについて紹介していきます。
ただ先程触れたように、絶対に虫が寄り付かない木は存在しません。
そのため、シンボルツリーごとの注意すべき虫についても紹介します。

オリーブ

オリーブ

オリーブは洋風ガーデンによく使われる庭木で、生長の早さやその存在感からシンボルツリーとしても人気です。
常緑樹なので冬でも葉を観賞できますし、初夏に咲く花や果実も楽しめます
オリーブの葉や実には、オレウロペインなどの成分が含まれており、多くの虫がこれを嫌います。

ただし、オリーブアナアキゾウムシやハマキムシなどには注意が必要です。
オリーブアナアキゾウムシは木に穴を空けて卵を産み、幼虫の食害によってオリーブの木を枯らすこともあります。
オリーブの周りに木くずのようなフンが落ちている場合や樹皮表面に黒い染みがある場合は、オリーブアナアキゾウムシが居る可能性が高いです。
早期発見で被害を最小限に抑えましょう。

オリーブの詳しい解説はこちら

オリーブアナアキゾウムシ

オリーブアナアキゾウムシ

シマトネリコ

シマトリネコ

シマトネリコは、非常に生長が早く扱いやすいことから、シンボルツリーとして人気のある常緑樹です。
以前は耐寒性の低さがネックになっていましたが、近年では暖冬化が進み、関東地方でも越冬できるようになったと言われています。
常緑樹ではありますが、寒さによって紅葉することもあり、季節によって様々な姿を楽しむことが可能です。

基本的には病害虫に強いシマトネリコですが、ハダニやカイガラムシには注意が必要です。
ハダニは数が少なく固まっていればテープなどでまとめて、数が多ければ殺虫剤を使用しましょう。
殺虫剤は卵にも効果があるものがおすすめです。

カイガラムシは成虫になると薬剤が効きにくくなるため早急に対処しましょう。

シマトネリコの詳しい解説はこちら

ハダニ被害

ハダニ被害

ミモザアカシア

ミモザ

木を覆い尽くすように咲く黄色い花が特徴のミモザアカシアも、虫の寄り付きにくい庭木の1つです。
花は香りが良く、香水やアロマオイルの素材として利用されることもあります
花だけでなく葉の美しさも特徴的で、銀色がかったその色からシルバーリーフと呼ばれています。
マメ科で根が浅く、風や雪で倒れてしまうこともあるので注意しましょう。

こちらはイセリアカイガラムシやミノガに注意が必要です。
イセリアカイガラムシは白色のふわふわとした姿をしています。
ミノガは小さい幼虫のうちは薬剤でも対処可能ですが、ミノになってしまうと難しくなるため、見つけ次第取り除きましょう。

ミモザアカシアの詳しい解説はこちら

キンモクセイ

キンモクセイ

キンモクセイは、ジンチョウゲ・クチナシと並ぶ三香木に数えられ、秋を感じさせるその香りは香水に利用されます。
香りだけでなく花の美しさも特徴的で、木全体がオレンジ色に染まった姿は圧巻です。
刈り込みに耐える丈夫さから垣根に利用されることの多いキンモクセイですが、シンボルツリーにも適しています。

キンモクセイも病害虫の少ない庭木ですが、ハダニやカイガラムシには注意しましょう。
ハダニの被害を受けたキンモクセイの葉は黄色っぽいくすんだ色になり、見た目が悪くなってしまうため、見つけたら早めに対処しましょう。

キンモクセイの詳しい解説はこちら

フェイジョア

フェイジョア

フェイジョアはシンボルツリーとして人気の高い庭木の1つです。
果樹でありながら虫が寄り付きにくく、「果樹を育てたいけど虫が苦手」という方に最適な庭木となっています。
果実はジャムやスムージー、果実酒などがおすすめです。
フェイジョアは花も食べることが可能で、サラダの彩りやデザートの飾り付けに使用できます。

フェイジョアに寄り付きやすい虫としては、アブラムシやハダニ、ハマキムシなどが挙げられます。
アブラムシはすす病という病気を媒介させ、被害を受けると葉が真っ黒になってしまいます。
繁殖スピードも早いため普段から異常がないかチェックしておきましょう。

フェイジョアの詳しい解説はこちら

常緑ヤマボウシ

常緑ヤマボウシ

しゅっと真っ直ぐと伸びた幹から傘を広げるかのように枝葉が伸び、初夏に風ぐるまのような白い花をたくさん咲かせる常緑ヤマボウシ
初夏に咲く白い花のあとは、秋には赤い実がなり、視覚的な楽しみを提供するだけでなく、実を食べることもできます。
庭全体に明るい印象を与えるだけでなく、生長が緩やかで、剪定によって美しい樹形を保つことが簡単なので、庭の管理がしやすい点も魅力的です。
常緑樹のため四季を通じて美しい緑の葉が見られ、特に虫を寄せつけない特性を持つため、手間をかけずに庭を美しく維持できる優れたシンボルツリーです。

常緑ヤマボウシが虫がつきにくい木といわれる理由には、葉の厚みと硬さが関係しているといわれています。
葉は丈夫で、虫が食害しにくい構造をしているため、アブラムシ・ハダニ・毛虫といった一般的な害虫の被害を受けにくいです。
また、湿気を嫌う環境を好むため、通気性の良い場所に植えることで、虫の発生をさらに抑えることもできます。

耐寒性も高く、日本の広い地域で栽培可能虫を寄せつけないその特性と美しい姿は、庭を彩りながらも手間を省きたいというニーズに応えてくれるおすすめのシンボルツリーです。
鉢植えでしっかりと管理すれば、低木のままでコンパクトに育てることもできますよ!

常緑ヤマボウシの詳しい解説はこちら

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 Matsuri.

熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。