庭木は放っておくと枝が伸び放題になってしまうので、剪定は庭木の手入れに必須の作業です。
しかし、剪定ってどうやったらいいのかわからなくて難しいですよね。
この記事では、おすすめの剪定方法や時期、道具などについて紹介していきます。

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樹木の種類別に生垣の剪定方法や時期、おすすめの道具、注意点をまとめました

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

目次

植木の剪定をしよう!剪定の基本と意味・方法・時期について

庭木の剪定をする際には、「どの木を」「どの時期に」「どんな方法で」「どれくらい行うのか」と言ったことが重要になってきます。
基本にのっとらずに剪定してしまうと、木を弱らせてしまったり、花が全く咲かなかったり、形が不格好になってしまったりと、あまり良いことがありません。
 
そう聞くと難しいと思ってしまう方もいるかもしれませんが、剪定は基本的なことを理解しておけば大概のことはなんとかなるので大丈夫です。
剪定する前にざっくりで良いので、基本的なことを頭に入れておきましょう。

基本の剪定時期

剪定は、木になるべく負担のかからない時期に行う必要があります。
剪定は植物の栄養器官である枝や葉っぱを切り落とすので、多少なりとも木にダメージを与える作業です。
 
大概は多少切ったくらいでどうこうなることはありませんが、樹種や剪定の量によっては弱ったり枯れたりすることになりかねません。
 
花や実をたくさんつけてほしい場合には花芽ができる時期なども考慮する必要がありますが、基本的には落葉樹か常緑樹かでおおまかに決めてしまえば大丈夫です。
まずはその2種類の時期を覚えてみましょう。

落葉樹は葉の落ちている間

落葉樹は、晩秋から冬の間の葉っぱが落ち切った時期に剪定するのがおすすめです。
 
落葉したあとは次に芽吹くまで休眠期間なので、負担が最も少ないためです。
葉っぱが落ちて枝だけになっているので、樹形をつくりやすい時期でもあります。
コブシやハナミズキのように、花芽が葉っぱの芽より大きくてわかりやすい場合はそこを残すか切るか意識しながら剪定してみると良いでしょう。
 
落葉樹の葉っぱは基本的に冬までの使い捨てなので、多少夏場に強剪定してもそこまで問題にならないことも多いですが、徒長枝が出るなどして樹形が崩れる場合も多いので冬以外の剪定はほどほどにしておくのが無難です。

常緑樹は早春の芽吹く前

常緑樹は、春先の芽吹く直前くらいに剪定するのがおすすめです。
落葉樹と同様に冬が休眠期なのは変わりないですが、常緑樹は寒さに弱い種類が多いので、寒い時期に剪定すると負担がかかる場合があります。
 
実際はそこまで気にする必要は無い場合もありますが、木の負担を減らすに越したことはないでしょう。
それ以外の時期に剪定したい場合は、新芽が固まった梅雨ごろか、暑さがおさまってきた初秋ごろに行うのがおすすめです。
 
常緑樹は葉っぱを数年使い続ける前提で作っており、あまりに強剪定をすると弱ってしまう場合もあるので、落葉樹よりは多少剪定時期に気を遣うようにしましょう。

種類別の適切な剪定時期

常緑樹と落葉樹でそれぞれ剪定により負担のかかりにくい時期は決まっていますが、それ以外に樹種ごとに剪定すべき時期がある場合があります。
 
たいていの場合そういった樹種は花木や果樹など花や実を目当てに植える木で、夏や秋に次の年の花芽ができてしまうのでその前に切る、といったものです。
それらのセオリーさえ理解していればあまり剪定時期に神経質になることもなくなるので、しっかり抑えておきましょう。

ウメの剪定時期 

 

ウメは冬から早春に花が咲く木ですが、落葉期と花後の2回剪定を行います。
落葉期の剪定は樹形をコントロールするための剪定で、晩秋から初冬にかけて伸びすぎた枝やひこばえなどを切って樹形を整えます。
 
対して花後の剪定は来年の花付きをよくするための、5月ごろに行う剪定です。
ウメは成長期になると新しい枝を勢いよく伸ばして成長しますが、これらの枝の先端部分にはあまり花芽がつきません。
 
これらの新しく伸びてきた勢いのある枝を1/3ほど切り詰めることで、花芽がたくさんつくようになるといわれています。

松の剪定時期

 

アカマツやクロマツなどの松は常緑樹ですが、ちょっと剪定の方法が変わっていて、樹形を整えるために3つの剪定方法があります。
1つは冬の間に樹形を整えるための剪定で、伸びすぎた枝や込み合った枝を剪定します。
 
これの適期は1~2月か、10~12月ごろです。
2つめは「ミドリ摘み」と呼ばれるもので、伸びてきた新芽を手で摘み取るというもの。
 
松の仲間は葉のたくさん着いた新梢が春になると伸びてきますが、枝を伸ばしたくない場合はそれらを手で摘み取って調節します。
3つ目は「もみあげ」というもので、古くなって茶色くなった葉を手で落とし、内側の枝に光を当てるというもの。
これは秋から冬の間に行うのが良いとされています。

ツツジの剪定時期

ツツジは多くが春から初夏ごろに花を咲かせますが、剪定は花のあとに行う必要があります。
 
ツツジは次の年に咲く花芽を6月から8月くらいにすでにつくっています。
冬に剪定するとそれらの花芽も一緒に切ってしまい、花を咲かせなくなってしまうので、花が終わってから花芽がつくられるまでの時期が剪定の適期です。
基本的には花が終わってなるべく早くに剪定をしてしまうのが良いでしょう。
 
これは花や実を楽しむ他の多くの木にも当てはまることで、一部の例外を除けばだいたいが花の後に剪定することで花付きをよくしています。
花木や果樹を植える際はそれぞれの剪定時期について調べてみるようにしましょう。

剪定の種類

剪定の方法には、いくつかの種類があります。
特殊なものは除いて、たいていの庭木に使える剪定の方法として、「枝抜き」「切りかえし」「切り詰め」をご紹介します。
 
これらは枝の密度を下げたり樹形を小さくまとめるために行うことがほとんどで、「枝抜き」→「切りかえし」→「切り詰め」の順番で行うのが基本となります。

枝抜き剪定

枝抜き剪定は、枝を幹の根元の部分から切るというものです。
混みあった枝を間引くような形で整理したり、長く伸びた枝を切って樹形を小さくしたりする目的があります。
 
枝の途中から切らずに根元から切るので、切った断面が見えずに自然な形のまま樹形を小さくできます。
 
根元から切るというのが重要で、枝をちょっと残したり、逆に幹まで切るような切り方をしたりすると、傷がふさがるのが遅くなったり病原菌の侵入口になったりしてしまうので気をつけましょう。

切りかえし剪定

切りかえし剪定は、枝の途中から切って自然な状態のまま短くする剪定です。
大事なのはただ途中から切るのではなく、枝分かれしている部分の根元から切るというもので、枝の先端部より内側で枝分かれしている部分を必ず残して切ります。
 
これによって、ただ棒が突き出たような形にならずに、自然な樹形を維持したまま木を小さくまとめることができます。
どこかの枝を短すぎる位置で切ると、他の枝も短く切らないとバランスが取れなくなる場合があるので、全体の樹形を逐一確認しながら切るようにしましょう。

切り詰め剪定

切り詰め剪定は、枝の途中で切って長さを詰める剪定です。
途中で切ると棒が突き出たような形になって見栄えはあまり良くないので、切りかえし剪定がしづらい枝などで使うようにします。
 
枝の途中で切ると、最も先端の芽から先は光合成できずにやがて枯れてしまうので、そこが病原菌の侵入口になってしまう場合があります。
そのため、切り詰め剪定をするときは芽のすぐ上の位置で切るようにしましょう。

植木の剪定をしてみよう!

基本を覚えたら、植木の剪定をしてみましょう!覚えることが多くて難しいと思ってしまうかもしれませんが、とりあえず失敗してもいいからやってみるのがおすすめです。
 
剪定の技術は極めれば極めるほど奥が深いものなので、知識だけ詰め込んでもきりがありません。
木が弱ったり花が咲かなかったりはあるかもしれませんが、剪定だけで木が枯れるようなことはそうそう無いので失敗をおそれず剪定にチャレンジしてみましょう。

まずは全体を見る

 

まずは全体を見て、どれくらいの大きさにまとめたいのか、どんな樹形にしたいのかをイメージしましょう。
 
樹形を小さくしたいのか、花付きを良くしたいのか、丸くきれいに刈り込みたいのかなど、目的によって完成形は大きく変わってきます。
 
なんとなくで良いので、頭の中でイメージを形作ってみると切りすぎたり余計な枝を切ったりすることが少なくなります。

太すぎる枝はなるべく切らない

枝を根元から切るような方法もご紹介しましたが、大人の腕くらいの太めの枝はなるべく切らないのがおすすめです。
 
枝を切ると切り口から幹がせり出してきてふさぐのですが、切り口のサイズが大きいとどうしてもふさぐのに数年単位の時間がかかってしまいます。
必ず病気になるわけではありませんが、病原菌なり腐朽菌なりが入り込むのは防げないので、幹の中身が腐って空洞になったり、思わぬ病気にかかったりする可能性があります。
 
また、それだけの太さの枝ならついている葉の量も相当なものになるでしょうから、木が弱ってしまったり、失った枝葉を補うために徒長枝が伸びて樹形が崩れたりといった可能性もあるので注意が必要です。
 
ただどうしても切らなければならないという場合もあると思うので、そうした場合はそれらのリスクを加味して判断するようにしてください。

途中で確認するのを忘れずに

剪定するのに夢中になっていると、ついつい切りすぎてしまうことがあります。
また、剪定していると一部分だけ切りすぎたりしてついついバランスが崩れてしまうものです。
 
剪定している間は、時々ちょっと離れた場所から全体を見て、バランスが崩れていないか、切りすぎていないか、逐一確認するようにしましょう。

適期以外で剪定したいときは

セオリーとしての剪定に適した時期はご紹介しましたが、夏の間に枝が伸びすぎてしまった場合など、どうしても切りたい場合はあると思います。
そんなときに気を付けるべきポイントについて、ご紹介します。
 
よっぽど枝葉を切りすぎなければ剪定だけで木が枯れてしまうようなことは少ないので、多少の失敗は許容しつつ、あまり神経質にならずに切ってみるようにしましょう。

木の元気を考える

当たり前ですが木は植物なので、葉っぱで光合成を行って自分の栄養をつくっています。
 
また、枝には葉っぱでつくった栄養が詰まっていたり、来年芽吹くための芽がつくられたりしています。
剪定で枝葉を切ることは、それらの器官を切り取って使えなくしてしまうことと理解してください。
 
また、枝先でつくられる植物ホルモンなどもあるので、切ることによってホルモンのバランスが崩れ、ひこばえや胴吹き枝により樹形が崩れる場合もあります。
とはいえ、木にとって葉っぱはある種使い捨ての器官であることがほとんどなのでそう神経質になる必要もありませんが、不適な時期に剪定する際はなるべく剪定量を少なくしておきましょう。
 
特に、弱っている木や松のように芽吹く力が弱い木などでは余計な剪定が致命的なダメージになってしまう場合もあるので、様子を見つつほどほどに剪定するのがおすすめです。

枝が伸びすぎた場合

花や実を楽しむタイプの植木の場合、来年の花芽がついてから剪定するのはちょっと気が引けます。
しかし、夏の間に枝が伸びすぎてしまった場合など、どうしても切りたくなることもあるでしょう。
 
そういうときは軽く整える感じで剪定してしまうのがおすすめです。
剪定後に勢いよく伸びる徒長枝には花芽がほとんどつかない場合もあるので、そのような枝は優先的に切ってしまいましょう。
 
実際、何をどれくらい切っていいかはケースバイケースなことが多いので、思い切って剪定してしまって次の年に花の数が減ってしまったらその教訓を活かす、というような感じでやってみるのが良いかと思います。

病害虫対策で行う場合

 

害虫の被害が出たときは、適期でなくても剪定をした方が良い場合もあります。
病気の原因を取り除いて蔓延を防止したり、風通しを良くして今後の被害を予防したりするためです。
 
たとえば枝や葉っぱに菌がつく病気の場合、放っておくとそこからさらに感染が広がる場合があるので、病気の出ている部分を剪定して対処することがあります(病気の種類によっては対処にならないこともあります)。
 
この場合、剪定した菌のついた枝葉は焼却処分して感染源にならないようにすることと、剪定に使った刃物はきちんと消毒するのが大事です。
また、害虫でも枝の中身を食べるものや葉っぱをつづって巣のようにするものなどがあります。
 
そうしたものに対しても剪定で害虫のいる枝葉ごと切り取ってしまって対処することが可能です。

おすすめの剪定道具

剪定に使う道具にはいくつかの種類がありますが、それぞれ長所や使い道があります。
 
どれも揃えておくに越したことはありませんが、それぞれの特性を知っておけば余計なものは買わなくてすむし、それぞれの長所を活かした使い方ができるので、ご紹介していきます。

剪定バサミ 

剪定バサミが一番オーソドックスに使われる剪定道具です。
ハサミの片側にだけ刃がついており、刃を押し付けて枝を切るようなつくりになっているのが一般的です。
 
この構造上、刃の進む方向と同じ方に枝を曲げると普通に切るより太い枝が切れるため、大きさに対してかなり太い枝まで対処ができます。
剪定をするにあたって、これが一本あれば一通りの作業ができるので、とりあえず最低限これは用意しておくと良いでしょう。

木鋏

木鋏は、持ち手が大きくて刃が小さいハサミのようなつくりをした道具です。
使い方は剪定バサミとあまり変わらないですが、剪定バサミより細かいところまで刃が届き、一本一本丁寧に切れるという特長があります。
 
剪定において必須の道具ではありませんが、作業ごとに剪定バサミと使い分けていけば便利に使うことができます。

刈り込みバサミ 

刈り込みバサミは、大きなハサミのようなつくりをしていて、両手で持ってザクザク刈り込むことができる道具です。
 
主に丸や四角に刈り込んで仕立てるときに使う道具で、生垣の管理をする際などにこれが一本あるととても役に立ちます。
普通の庭木の剪定をする際には使いませんが、生垣やトピアリーをつくる場合などに用意しておくと良いでしょう。

高枝切りバサミ

高枝切りバサミは、長い棒の先に小さなハサミがついていて、高い位置の枝を切れる道具です。
 
大きくなりすぎた木の上の方の剪定に役立ちます。
切る位置が高ければ高くなるほど操作が難しくなりますが、ものによっては数m以上の高さの枝を切ることができます。
 
脚立を立てれば剪定バサミで対処できる場合もありますが、高枝切りバサミは脚立を立てられないような場所でも対処できるし、脚立より安全性も高いので一本持っておくと安心です。

自分でやる?プロに頼む?

ここまでは剪定を自分でやるために必要な内容を解説しましたが、自分でやる以外にプロに頼むという選択肢もあります。
 
自分で剪定するのが不安な場合や、やる気はあるけど時間が無いという場合などは、プロに頼むことも選択肢に入ってくるでしょう。
どちらにもメリットデメリットがあることなので、それぞれ解説していきます。

自分でやるメリットデメリット

自分でやる場合のメリットは、何といってもお金がかからないことです。
また、自分で失敗しながら経験し、勉強していくことで、プロに頼らなくても剪定ができるようになります。
 
ただその過程で木を枯らしてしまったり、花が全然咲かないということもあるでしょう。
また、庭が広いとどうしても時間がかかってしまうというのもあります。

プロに頼むメリット

プロに頼む場合、もちろんある程度業者を吟味する必要がありますが、基本的にはそれぞれが仕事の中で培った技術があるので、安心して任せることができます。
 
また、切る時期や切り方など、仕事の邪魔にならない範囲でアドバイスをもらえるかもしれません。
プロの技術を見ておくと非常に参考になるので、自分でやるにしろ一度プロに頼んでみるのもおすすめです。

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