抜いても抜いても生えてくる、厄介な庭の雑草。草むしりは大変だからと放っておくと、芝生や庭木の生育に悪影響を及ぼすことも…。
庭によく生える雑草の特徴や性質を知り、効果的な対策をしましょう。

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期か ら植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。 公園の設備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植 栽工事に現場代理人として携わる。

小原らいむ
執筆者 小原らいむ

植物が大好きなライターです。小学校の自由研究は「雑草の研究」でした。忙しい毎日でも無理なく楽しめるガーデニングを日々研究しています。雑草&野草・カラーリーフ・球根植物・100円ショップの園芸グッズ。

目次

庭によく生える雑草をタイプ別にご紹介

庭によく生える雑草と予防・駆除の方法をタイプ別に紹介します。

背が高い雑草

背が高い雑草が庭で繁殖すると周囲に日陰ができ、ほかの植物の生育に悪影響を与えることも。

住宅の窓に光が入らなくなったり、風通しが悪くなったりという弊害もあるため、大きくなる前に対処しましょう。

オオアレチノギク

オオアレチノギク

キク科の雑草であるオオアレチノギクは、高さ1m~1.8mほどまで大きくなります。
冠毛のある種を飛ばして繁殖していくため、種ができる夏前までに駆除してしまうのがベストです。

オオアレチノギクは、ロゼットで越冬します。
秋冬の間に手やカマでロゼットを抜いてしまうと良いでしょう。
薬剤を使う場合、地中の根まで浸透するタイプの除草剤が効果的です。

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウ

セイタカアワダチソウは、1950年代ごろに日本各地で急増した外来種の雑草です。
大人の身長を優に越える2.5mほどまで大きくなることもあります。

地下に長く太い根を伸ばしているため、手では完全に抜き取れません。
根絶するには、根まで枯らすことができるグリホサート系などの強力な除草剤がおすすめです。

つる性の雑草

つる性の雑草は、フェンスや周りの植物に絡みつきながら大きくなっていきます。
絡みついたつるを一つひとつ取り除くのは大変なので、小さなうちに駆除しておくと楽です。

ヤブガラシ

ヤブガラシ

ヤブガラシは、つる性の雑草のなかでも特に厄介な植物です。
つる性の茎と巻きひげを伸ばし、ほかの植物に巻きつきながら繁殖します。
ヤブガラシという名前は、ほかの植物(ヤブ)を覆い枯らしてしまうことから付けられました。

ヤブガラシを枯死させるには薬剤が有効ですが、他の植物に絡みついた状態だと周りの植物にまで除草剤がかかってしまいます。
そのため、株がまだ小さいうちに抜き取っておくか、土にまく粒剤タイプの除草剤で駆除しましょう。

カラスノエンドウ(ヤハズノエンドウ)

カラスノエンドウ

カラスノエンドウは、初春から夏にかけて旺盛に生育するマメ科の雑草です。
つると巻きひげでフェンスなどに絡みつき、放っておくとフェンスや壁全体がカラスノエンドウで覆われてしまうことも。

種を飛ばして増えるため、できれば種ができる前に駆除しましょう。

種が地中に残っていると翌年にも芽が出るので、地中に浸透する土壌処理型の除草剤がおすすめです。
防草シートで、種が落ちたり発芽したりするのを予防してもよいです。

イネ科の雑草

日本には非常に多くのイネ科の雑草が存在します。
繁殖力が強いうえ、薬剤に耐性のある種類も多いため、「イネ科に効果的」と表記されている除草剤を選んでください。

スズメノカタビラ

スズメノカタビラ

スズメノカタビラは、踏みつけに強く、庭の芝生をはじめ公園やゴルフ場などでもよく見られます。
小さなうちは葉が芝生と見分けにくく、発見しづらいのも厄介なポイントです。

種で増えるため、結実しないうちに対処してください。
イネ科の雑草に有効な除草剤を選びましょう。
芝生に生えているスズメノカタビラには、芝生は枯らさずに雑草を駆除できる選択性の除草剤が最適です。

「芝生は枯らさずに、雑草を駆除できる除草剤を自分でまくのは怖い。」
「芝生が枯れてしまいそうで不安だな。」という方は、プロに相談するのもいいかもしれません。

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エノコログサ
エノコログサ

エノコログサは「猫じゃらし」とも呼ばれるフワフワの穂が目立つ雑草です。
庭や空き地でよく見られ、夏から秋にかけて種で増殖します。

繁殖力の旺盛なエノコログサですが、根が浅いため手で簡単に抜けます。
比較的駆除が容易な雑草と言えるでしょう。
除草剤を使う場合は、イネ科の雑草に特化した薬剤がおすすめです。

地下茎のある雑草

地下茎(ちかけい)とは、地下に伸びた茎のこと。

地表に出ている部分を刈っても、地下茎が残っているとまた芽が出てきます。
多くの雑草が地下茎を持ちますが、今回は特に地下茎で増えやすい雑草を紹介します。

ドクダミ
ドクダミ

ドクダミは、地下茎で増える雑草の代表種です。
葉や茎には独特のにおいがあり、生薬や茶葉としても利用されています。

ドクダミの地下茎は、横に伸びる性質があり、広範囲に群生します。
完全に根絶するためには土を深く掘り返して根を取り除く必要があります。
株が小さいうちに抜き取るか、根まで浸透する除草剤を利用するのがおすすめです。

スギナ
スギナ

トクサ科の雑草であるスギナは、地下茎を広範囲まで伸ばして繁殖します。
スギナの地下茎は生命力が強く、中途半端に掘り起こしても、地中に残った根から再生します。

薬剤が効きにくい強い雑草でもあるため「スギナにも効果が期待できる」と明記された除草剤を選んでください。

北海道など寒い地域に生える雑草

北海道などの寒い地域でも旺盛に生育する、耐寒性のある雑草を紹介します。

ブタナ
ブタナ

ブタナは、日本では北海道の札幌市で初めて発見された外来種の雑草です。
セイヨウタンポポの花に似た小さな花を付けることから「タンポポモドキ」と呼ばれることも。

北海道など寒い地域をはじめとし、日本全国に分布しています。
ロゼットで冬を越すため、発見したら手や除草用のカマで根ごと抜き取ってしまいましょう。
除草剤を使うなら、根まで枯らせるタイプが最適です。

根が深い雑草

根を深く張る雑草は、手やカマでは抜き取ることができず、駆除が大変です。

重機で土を掘り起こさないと根絶できないケースもあります。

ササ

ササ

ササ(笹)は、地下に根を伸ばして増殖するイネ科の植物です。
ササの根は木のように硬く、手や除草用のカマなどでは容易に切ったり抜いたりすることができません。

ササの対策には、地中の根までしっかり浸透するタイプの除草剤が有効です。

家庭菜園でよく見かける雑草

家庭菜園の畑によく生える代表的な雑草を紹介します。

食べる作物を栽培する家庭菜園の畑では、「非農耕地用除草剤」や、農薬取締法に該当しない「無登録の除草剤」は使用しないようにしましょう。

ハマスゲ(コウブシ)

ハマスゲ

ハマスゲは、畑や海岸付近でよく見られるカヤツリグサ科の雑草です。
生命力が強く、芝生に生えると芝生を枯らすほど増殖してしまうこともあります。

地下茎で増えるため、ハマスゲの駆除には根まで浸透するグリホサート系などの除草剤が役立ちます。

コニシキソウ

コニシキソウ

葉の黒い斑点模様が目印のコニシキソウは、地面を這うように茎を伸ばす雑草です。
畑や空き地でよく見られます。

コニシキソウの根はそれほど強くなく、株の根元をつかめば手で抜くことができます。
ただし、広範囲に繁殖したものは薬剤で対処するのがおすすめです。

薬剤が効きにくい強い雑草

薬剤に耐性があり、効果が出にくい雑草もあります。
薬剤が効かない雑草には塩をまくのが有効とする説もありますが、塩は土壌中で分解されないため安易に使用するのはおすすめできません。
住宅基礎に悪影響を及ぼしたり、その場所で何年も植物が育たなくなったりする可能性があります。

オヒシバ

オヒシバ

イネ科雑草のオヒシバは、生命力が強く、薬剤の効きにくい雑草の代表格です。
踏みつけにも負けないため、子供が遊ぶ庭やグラウンドでもよく繁殖します。

除草剤が効きにくいオヒシバですが、根がしっかりと張っているため手やカマでの除草も困難です。
根まで浸透する強力な除草剤を選び、効果を最大限に発揮させるために定められた用法・用量を守って使用してみてください。

ゼニゴケ

ゼニゴケ

ゼニゴケは、湿気の多い庭や外壁、墓地などによく見られる苔です。
苔の一種であるゼニゴケには、通常の雑草用の除草剤では効果が期待できません。
そのため、苔専用の薬剤や、苔にも効果が見込める除草剤を選んでください。

繁殖している範囲が狭ければ、熱湯や酢水をかけて対策しても良いでしょう。
湿った場所を好むので、庭の風通しを良くして繁殖を予防するのも効果的です。

虫が寄りやすい雑草

虫が好んで寄ってくる雑草を放っておくと、周りの庭木や家庭菜園で育てている作物に虫の被害が拡大することもあります。

クズ

クズ

マメ科のクズ(葛)は、ゾウムシ・カメムシ・タマムシなどの虫が付きやすい雑草です。
つる性の茎を壁やフェンスに這わせながら大きく生長します。

クズは、地上に出ている部分だけを刈り取っても残った根から再生するため、薬剤で根から根絶するのが有効です。
巨大化したクズには除草剤も効きにくくなるため、なるべく小さなうちに対策する必要があります。

カタバミ

カタバミ

クローバーに似た姿をしたカタバミは、シジミチョウに人気がある雑草です。
シジミチョウの一種であるウラナミシジミは、エンドウマメなどのマメ科の野菜を食害する害虫でもあります。

家庭菜園を楽しむ庭でカタバミを発見した場合、すみやかに手で除草するか、薬剤を散布して対策しましょう。
小さな種が遠くまではじけ飛んで増えるため、結実する前に駆除してしまいます。

春・夏・秋・冬の代表的な雑草

春夏秋冬の雑草

春・夏・秋・冬によく見られる代表的な雑草は次の通りです。

春の代表的な雑草
スギナ・スズメノカタビラ・ブタナ・セイヨウタンポポ・ヨモギ・ホトケノザ・オオイヌノフグリ
夏の代表的な雑草
メヒシバ・オヒシバ・カタバミ・ドクダミ・コニシキソウ・ハマスゲ・ササ・ヤブガラシ・クズ・オオバコ
秋の代表的な雑草
セイタカアワダチソウ・オオアレチノギク・カヤツリグサ・エノコログサ・ススキ・アキノノゲシ・ヒメムカシヨモギ・ヒガンバナ
冬の代表的な雑草
ゼニゴケ・タネツケバナ・キク科雑草のロゼット

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