庭木の枝が伸びて電線に触れると、感電や火災の危険があるほか、周囲への影響も無視できません。
剪定だけでは解決しない場合、伐採を考えるべきかもしれません。
この記事では、電線に枝が接触した際の対応策、伐採の適切なタイミング、専門業者への依頼方法、それに伴うコストと利点を詳しく解説しています。
庭木管理のプロの視点から、安全かつ効率的な庭の維持方法を提案します。
目次
庭を眺めるたび、自宅の木々が静かに、しかし着実に電線へと手を伸ばしているのを見て、不安を感じたことはありませんか?もし枝が電線に接触したら、漏電や停電、さらには火災につながる恐れも。
枝が電線・送電線まで伸びてしまったときは、速やかに電力会社・専門業者へ連絡しましょう。早めに対処することが大切なので、電線や送電線に接触する前に剪定(せんてい)・伐採を検討することもポイントです。
この記事では、電線と木の危険な接触を防ぐための最適な対処法を紹介しています。電力会社・専門業者に依頼する際のポイントや、いざというときに自分でできる安全な手順も解説。事前に正しい知識を身につけることで、急を要する状況にも慌てず、適切に対応できるようになります。
電線・送電線まで伸びてしまった樹木の対処方法とは
庭木が家の電線や送電線に触れることは非常に危険です。自家用の電圧は100V程度ですが、送電線には最大6000Vもの高電圧が流れています。これに触れると大火傷を負うだけでなく、命にかかわる感電事故につながる可能性があります。
安全を第一に考え、自分だけで対処するのはやめましょう。電力会社・専門業者へ依頼することを優先して対処することが大切です。
専門の業者は、電線に近接した木の伐採に必要な技術、知識、そして経験を持っています。許容電流や安全規定を熟知しており、事故を防ぐための適切な手順で作業を進めます。自分で伐採を試みると、事故のリスクだけでなく、木が不適切に伐採されることで周囲の環境にも悪影響を及ぼすこともあります。
電線まで伸びてしまった樹木の対処方法
安全は何よりも優先されるべきです。自分での剪定・伐採は避け、電線や送電線まで伸びてしまった問題のある庭木に対しては、電力会社・専門業者に相談しましょう。
- 電力会社の連絡
不安がある場合は、電力会社に連絡して指示を仰ぐことも一つの方法です。電力会社は必要に応じて電線の電流を停止させるなどの措置を講じることが可能です。 - 専門業者への依頼
電線に接触している木の伐採は、専門の業者に依頼するのが最も安全です。適切な設備と保護装備を用い、高圧電線のリスクを管理しながら作業を行います。
自宅の庭の管理において、安全性を最優先に考えることで、より安心して快適な生活を送ることができるでしょう。
連絡情報を一括確認!各所連絡先まとめ
庭木が電線に接触するリスクが心配なら、適切な業者選びが重要です。自宅敷地内の木であれば、電気料金の領収書に記載されている電力会社や通信会社に連絡を。不明な土地の場合は、最寄りの電柱にある連絡先へ連絡しましょう。
電線・送電線にかかってしまった木や枝の伐採はどうする
庭木の枝が電線・送電線にかかってしまったときは、速やかに電力会社や庭の専門業者に連絡することが大事です。特に伐採を依頼する際は、特殊な専門知識を持った業者に相談するのがベストです。
電線にかかった木や枝の伐採は誰がやる?
電線や送電線に樹木が接触してしまうと、漏電や火災の危険が生じ、急を要する対応が必要です。自分での伐採は絶対に避け、専門技術を持つ業者に依頼しましょう。
伐採作業は非常に危険を伴うため、訓練された専門業者に依頼することが最も安全で効果的です。自分で行うことは大きなリスクを伴い、命に関わる事故につながることもあります。
お庭の窓口では、伐採に対応可能な業者を紹介しており、安全な伐採をお約束します。
電線に接触する危険がある木に対する伐採は専門の技術が必要であり、正しい業者の選定が安全保障の鍵となります。不安がある場合は、電力会社にも相談し、専門家の意見を仰ぎながら適切な措置を講じることが重要です。
剪定・伐採が必要なタイミングと管理方法のコツ
枝が電線・送電線にかかってしまわないためには、庭木の管理が大切です。
ここでは、剪定・伐採が必要なタイミングと管理方法のコツについて紹介します。
①タイミングの見極め:枝が電線に接近したとき
剪定・伐採が必要なタイミングの一つとして、木の枝が電線に接近し始めた場合があげられます。電線に枝が触れる前に、適切な剪定や伐採を行うことが事故防止に直結します。このタイミングでの対応は、将来的な危険を未然に防ぐために極めて大切です。
伐採の適切なタイミングを逃すと、枝が電線に触れた際に発火や停電の原因となり得るため、安全管理が非常に重要です。都市部では電線に接触した木の枝が原因で、小規模な火災が発生したことも。できるだけ安全な距離を保ち、枝が電線に接近した見つけ次第、速やかに専門家に相談しましょう。
②定期的な観察と剪定
木が生長するにつれて、その管理は定期的に行う必要があります。特に電線の近くで育つ木には、年に一度以上の剪定が必要です。庭木の種類や生育環境によっては、枝が予想外に速く生長することもあるので、定期的に観察と剪定を行い、電線に届くのを防ぎましょう。
また定期的に剪定を行うことで、住宅地では、電線との問題が大幅に減少するほか、木の健康を保つと同時に、安全な環境を維持できます。
③専門家との連携
自身での判断が難しい場合や大きな木の管理には、専門家の意見を求めることがおすすめ。特に高い木や電線に近い木の剪定は、高所作業専門の技術と安全対策が必要であり、不適切な手法では事故につながるリスクがあります。専門的な知識と技術が必要とされるため、認可された専門業者に依頼しましょう。
敷地内での工事費用は自己負担が基本!注意点と対策方法
基本的に敷地内で工事が発生した場合は、費用は自己負担となる場合が多いようです。高額な料金がかからないために、下記3つの注意点と対策方法を知っておきましょう。
- 事前の見積もりを取得する
- 地域の補助金プログラムを活用する
- 定期的なメンテナンスの実施
1. 事前の見積もりを取得する
伐採工事における費用を把握し、予算を計画的に管理するためには、事前に複数の業者から見積もりを取得することが重要です。見積もりを比較することで、コストパフォーマンスの良い業者を選び、不必要な出費を避けることができます。
また、事前に複数の見積もりを比較することで、市場価格を把握でき、適正価格でサービスを受けることが可能です。
2. 地域の補助金プログラムを活用する
一部の地域では、電線に関連する樹木の剪定や伐採に対して補助金が提供されている場合があります。地方自治体や公共機関が安全確保を目的とした補助金を提供することで、住民の負担を軽減し安全な環境を促進します。地域の補助金プログラムや助成金を調査して工事費用の一部をカバーしましょう。
3. 定期的なメンテナンスの実施
定期的な庭木のメンテナンスを行うことで、大がかりな伐採が必要になる前に、小規模な剪定で問題を解決することが可能です。
定期的なメンテナンスは、長期的に見てコストパフォーマンスが高く、樹木と財布の両方に優しい対策です。樹木が電線に接触するリスクを低減し、一度に多額の伐採費用が発生するのを防げるでしょう。また大きな出費を防ぐだけでなく、樹木の健康も維持できます。
電力会社と専門業者どちらに頼めばいい?
結果的に電力会社・専門業者のどちらに依頼すれば良いのか。メリットとデメリットを考慮した上で、電力会社に伐採を依頼するかどうかの決定を行うことが大切です。適切な判断を下すためには、これらの点を総合的に評価することがおすすめです。
ここでは、電力会社と専門業者のメリット・デメリットについて、それぞれ紹介します。
電力会社に頼むメリット・デメリット
メリット
- 専門性と安全性
- コストの削減
- 迅速な対応
1. 専門性と安全性
電力会社に伐採を依頼する最大のメリットは、高圧電線などの危険を伴う場所での作業を専門的な知識と技術を持つプロフェッショナルが行うことです。
電力会社の作業員は、高所作業や電線近くでの伐採に関する厳格な訓練を受けており、伐採作業中の事故率は、非専門業者に比べて著しく低いです。
電力会社に伐採を依頼することで、作業の安全性が高まり、事故のリスクを最小限に抑えることができます。
2. コストの削減
多くの場合、電力会社は電線に接触する樹木の剪定や伐採を無料または低コストで請け負ってくれます。電力の安全と供給の維持は公共の利益に資するため、多くの電力会社がサービスの一部として行う場合も。
多くの家庭がサービスを利用できて大きな経済的負担なしに問題を解決できています。電力会社に伐採を依頼することは、コスト効率が良く経済的なメリットが大きく、専門業者を雇うための追加費用を節約できるでしょう。
3. 迅速な対応
電力会社は電線の安全に直接的な責任を持っているため、報告された問題に対して迅速に対応する体制が整っています。送電の安全確保や緊急の事態に対応するため、比較的多くの電力会社が24時間体制で対応しているところが多いようです。
デメリット
- 対応範囲の制限
- 作業スケジュールの不便
- サービスの質のばらつき
1. 対応範囲の制限
電力会社が伐採を行うのは、主に電線に直接的な影響を与える樹木に限定されるため、敷地内のほかの樹木に対するサービスは提供されないことがあります。電力会社のサービスは公共の安全を目的としているため、個人の庭木全般のメンテナンスは含まれないことがほとんどです。電線から離れた敷地内の庭木に対しては、別途専門業者に依頼しましょう。
2. 作業スケジュールの不便
電力会社による伐採作業は、そのスケジュールが固定されており、緊急でない限り、住民の都合に合わせることが難しい場合があります。電力会社は多くの作業を一括してスケジュールするため、個別の要望に柔軟に応じることが少ないです。
場合によっては事前の予約が必要であり、数週間待たされるケースも。電力会社に依頼する場合、作業のタイミングに柔軟性が欠けることがあります。
3. サービスの質のばらつき
地域によっては、電力会社の提供するサービスの質にばらつきがある場合があります。場合によっては満足のいく結果を得られないことも。
そもそも電力会社によるサービスは地域によって異なり、一貫した質を保証することが難しいです。一部の地域では技術者の不足や資源の制限により、サービスの質が低下していることもあるようです。
電力会社によるサービスを利用する際は、地域によるサービスの質の差を考慮しましょう。
専門業者に頼むメリット・デメリット
メリット
- 高度な専門技術
- 柔軟な対応とカスタマイズ
- 迅速な対応
1. 高度な専門技術
専門業者に依頼する最大のメリットは、高度な技術と経験を持つプロフェッショナルが伐採作業を行うことです。専門業者は高所作業や特殊な機材操作に関する厳格な訓練を受けており、危険な作業を安全に実施できるほか、庭を美しく整えてくれるでしょう。専門業者に伐採を依頼することで、作業の品質と安全性が確保されます。
2. 柔軟な対応とカスタマイズ
専門業者は顧客のニーズに合わせた柔軟なサービスをしてくれるところも多いです。顧客との直接的な契約に基づいて動くため、個々のニーズに合わせたサービス提供があります。時間指定や特定の要望に応じたカスタマイズされたサービスを行ってくれるため、顧客満足度を高めるでしょう。
土日のみ作業を希望する家庭に対して、週末だけ作業を行うカスタマイズサービスを提供している専門業者もあるようです。個々の状況に合わせた柔軟なサービス提供が専門業者の大きなメリットです。
3. 迅速な対応
専門業者は通常、迅速な対応が可能です。緊急の要望にも柔軟に応じることができ、問題が発生した際から、すぐに対応してくれるところも。
専門業者は顧客からの直接的な依頼に基づいて動くため、スケジュール調整が容易です。例えば大風後の緊急の伐採要望に対して、24時間以内に対応してくれる業者もあり、迅速な対応で顧客の信頼を得ています。
デメリット
- コストの問題
- 早期の予約対応問題
1. コストの問題
専門業者に依頼する場合、サービスの質と専門性を反映した高額な費用がかかることがあります。特に複雑な作業が必要な場合、そのコストはさらに上がる場合も。
高度な技術と特殊な機材が必要にればなるほど、それに見合ったコストが発生します。一般的に高圧電線近くでの作業には特殊な設備と保険が必要であり、コスト増加の一因となります。
専門業者を選ぶ際は、コストとサービスのバランスをよく考えて、依頼することもポイントです。考
2. 早期の予約対応問題
人気のある専門業者や特定の時期には、業者のスケジュールが埋まっていることがあり、希望するタイミングでの作業が難しい場合があります。需要が高まる季節や地域では、予約が数週間先まで埋まることも。特に秋の剪定シーズンや春先には、予約が集中しやすいです。専門業者を利用する場合は、早めの予約がおすすめです。
まとめ
電線や送電線に樹木の枝が接触したり、危険なほど近づいたりすると、安全上の問題だけでなく、停電や火災といったリスクをもたらす可能性があります。このような問題に直面した場合、適切な対応は家庭の安全と快適さを維持する上で不可欠です。
まず、電線まで枝が伸びていた場合は、直ちに電力会社に連絡することです。電力会社は、電線に近接する樹木の管理に責任を持ち、必要に応じて無料で剪定や伐採を行います。専門的な対応を通じて、家を危険から守りましょう。
また、電力会社のサービスだけで対応しきれない場合や、より迅速な対応を求める場合は、認定された専門業者に依頼するのも一つの手です。専門業者は柔軟な対応と高度な技術で、特に複雑な状況下でも安全に作業を行います。
さらに定期的な庭木の点検と剪定は、電線への樹木の接触を未然に防ぐためにとても大切です。自分で安全に行える範囲での剪定や、専門業者を定期的に利用することで、樹木が電線に近づくリスクを低減できますよ。
どの方法を選択するにせよ、早期の対応と適切な方法の選定が、安全な住環境を維持する鍵です。
お庭の窓口では、特殊伐採にも対応可能な業者をご紹介しています。高度な技術を持つ伐採業者をお探しの際には、ぜひご相談ください。
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。
リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。 カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。 現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。 植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。