プライベートな空間を守るために必須になるのが、お庭の目隠し。
しかしフェンスなどの人工物では圧迫感を与えてしまいがちです。

そこで今回は、目隠しに最適なおすすめの庭木9選を紹介します!
2m・3m・5mといったサイズ展開で、日陰にも強い植木や鉢植えでコンパクトに育てられる常緑樹を選べば、家まわりをおしゃれに彩りながら、自然な目隠しを実現できます。

コニファーをはじめとするやわらかな樹形は、目隠しフェンスやアルミフェンスとの組み合わせもおすすめです。
この記事を参考に、自分らしいお庭づくりに挑戦してみてくださいね!

目次

目隠しに最適な庭木の機能

まずは目隠しに最適な庭木の持つ機能について解説していきます。
庭木で目隠しすることにどのようなメリットがあるのか、十分明確にしておきましょう。

ピンポイントの目隠し

ピンポイントの狭い場所を目隠しする場合、フェンスなどの人工物を設置すると不自然に見えてしまいがちです。
しかし庭木であれば、違和感なく自然に馴染ませることができます。
また、植える土の部分さえあれば、フェンスなどを設置するよりも低いコストで実現可能です。

玄関周りに目隠しを作りたい場合は、あまり樹高の高くならない低木のものがおすすめです。
頻繁に庭木の近くを通る場合は、成長スピードが緩やかで、毛虫などの害虫が発生しづらいのもを選んでおくとよいでしょう。

庭を作る際には、事前に目隠しが必要な場所・方向を明確にしておくことで、庭木がしっかりと映えるようなデザインにできます。
1本の木でピンポイントを目隠しする場合は、単独でも美しさが際立つ木を選ぶようにしましょう。

範囲の大きい目隠し

チャノキの写真
庭木1本では目隠しが足りない場合や、目隠しが必要な方向が複数ある場合は同種の木を寄植えにすることで対応できます。
枝葉を蜜にする生垣と異なり、こちらはある程度枝が透けた状態を保ちます。
異なる種類の庭木を植えてしまうと統一感がなく、枝が込み合った際に不自然な印象を与えてしまうので注意が必要です。

より広範囲の目隠しの場合は、生垣で対応しましょう。
庭が道路に面している場合や、リビングの様子が丸見えになっているような状態では、10m以上の範囲で目隠しが必要になることがあります。
これだけ広範囲の目隠しをフェンスで行ってしまうと、非常に圧迫感があり、冷たい印象を与えてしまいます。
しかし生垣であれば、美しい景観を作りながら目隠しできるため、一石二鳥です。

常緑樹で低木が庭木におすすめ

家と虫眼鏡とアイビー

では一体どのような庭木が目隠しに適しているのでしょうか。
必要不可欠な要素としては、常緑樹で落葉しないこと樹高が高くなりすぎない低木であることの2つです。
落葉樹の場合は冬場に葉がなくなり、目隠しの役割を果たせなくなります。
高木になると、目隠ししたい高さで維持するのが難しくなるので注意が必要です。

その他の条件としては、葉の密度が高いことや、丈夫で萌芽力が高いことなどが挙げられます。
葉の密度が低いと隙間から裏側が透けてしまいますし、病弱な庭木は刈り込みに耐えられません。

サイズ別、目隠しに最適なおしゃれな庭木

CHOICEの文字を手に取る人

それではいよいよ、目隠しに最適な庭木を紹介していきます。
サイズごとにそれぞれ分けて紹介するので、目的に応じてより相性の良いものを選んでください。

高さ2mの目隠しに最適な庭木

まずは2m前後の庭木から紹介していきます。
この樹高のものは、低い生垣などを作るのに適しています。

アベリア

アベリアの写真

アベリアは、公園などの植栽として利用されていることが多い植物です。
庭木としてはそれほどメジャーではありませんが、樹高が低く、好みの形に剪定しやすいというメリットがあります。
白い花が美しく、園芸品種も豊富なため、観賞価値も高い庭木となっています。

アオキ

アオキの写真

アオキは、以前から公園や学校などで利用されてきた庭木です。
光沢のある美しい葉が特徴で、耐陰性があり日陰でも育てられます。
比較的シンプルな姿をしていますが、班入りの葉を持つ品種もあり、お庭の雰囲気を崩すことなく目隠しを作ることができます。

カルミア

カルミアの写真

カルミアは、花や蕾の形が印象的な庭木です。
花はアポロチョコレートに例えられることが多く、蕾は金平糖のような姿をしています。
樹形が乱れにくく、剪定の頻度が少なくて済みます。
ただし、蕾がつき過ぎると十分に養分が行き渡らなくなってしまうため、毎年摘蕾を行う必要があります。

シャラ

ヒメシャラ

6月から7月ごろに咲く繊細な白いツバキに似た花と、上品な樹形が魅力のシャラ。
冬に葉を一斉に落とす落葉樹ですが、夏に涼しげな葉を茂らせ、目隠し効果を発揮する庭木です。
高さ2m程度に育てやすく、品のある樹形が魅力です。
日陰にも比較的強く、家の外壁やフェンス付近に植えると、優しい木漏れ日が差し込むような穏やかな空間をつくれます。

植木として地植えはもちろん、鉢植えでコンパクトに育てることもできるため、狭いスペースでも気軽に楽しめるのがポイント。
1mほどの若木からスタートすれば、自分好みの高さや樹形に整えやすく、生長過程を眺める楽しみも生まれます。

また、風通しの良い環境下では病害虫被害も少なく、初心者でも管理しやすい点がうれしいところ。
土質は水はけの良いものが適しており、庭植えでも鉢植えでも管理しやすいです。
水やりは乾燥しすぎないよう注意しつつ、特に夏場の乾燥には気をつけます。

落葉するため冬場はすっきりした印象になりますが、その分、夏の目隠し効果が際立ちます。
涼しげな花と秋の紅葉を楽しみながら、夏の目隠しに役立つ庭木としてシャラを取り入れてみてはいかがでしょうか。

ビバーナムティヌス

ビバーナムティヌス

ビバーナムティヌスは、常緑樹で一年中葉を落とさないため、目隠しにぴったりの庭木です。
高さ2m程度に生長しやすく、コンパクトにまとまりながらも、しっかりとプライバシーを守ります。
葉は濃い緑色で光沢があり、庭をおしゃれに演出できる点も魅力です。

春には白い小さな花が集まった花序を咲かせ、秋から冬にかけてはコバルトブルー色の実をつけます。
四季を通して変化を楽しめるため、庭のアクセントにもなります。
花後の管理も簡単で、剪定は花が終わった後に軽く形を整える程度で十分です。

ビバーナムティヌスは病害虫に強い植物で、特別な防除作業をしなくても元気に育ちます。
初心者でも育てやすく、管理が簡単なため、忙しい方にもおすすめです。

おしゃれな生垣としても活躍し、目隠しとして高さ2mの空間をしっかりとカバーしてくれます。
さらに、冬でも葉が茂った状態を保つので、季節を問わず目隠し効果を発揮します。

花後の剪定や、挿し木による増やし方も簡単なため、少しずつ庭に取り入れたい方にも向いています。
秋から冬に実をつける姿や、春の花の美しさを楽しみながら、1年中活躍する庭木としてビバーナムティヌスを取り入れてみてはいかがでしょうか。

ビワ

ビワ

つややかな常緑の葉と、初夏に味わえる果実が楽しめるビワ。
葉は大きく厚みがあり、深い緑色をしているため、しっかりと視線を遮る役割を果たし、高さ2mほどに仕立てれば、しっかりとお庭の目隠しとして役立ちます。
家の外壁やフェンスまわりに植え付けると、日陰にも強い性質を活かして、優しく光を通しながら、外からの視線をカットしてくれます。

コニファーのような針葉樹ほどの密な葉並びではありませんが、やわらかな質感が、目隠しフェンス・アルミフェンスなどと組み合わせたときに抜群の相性を見せ、おしゃれな景観を演出してくれるでしょう。
鉢植えで育てることも可能なので、限られたスペースでも気軽に取り入れることができ、1mほどの小さな苗木からスタートすれば、生長の過程を間近で楽しむこともできます。

ビワは、比較的手入れがラクで、初心者にもやさしい植木のひとつです。
定期的な水やりや剪定を心がけることで、病害虫のリスクを減らしつつ、美しい樹形をキープできます。

果実を収穫できる喜びもあり、家族みんなで育てる楽しみが増えるのもうれしいポイント。
お庭をスタイリッシュに引き立てるビワを取り入れて、季節の移ろいを感じながら、プライベート感あふれる快適なガーデンスペースを目指してみてくださいね!

高さ3mの目隠しに最適な庭木

お庭やテラスの周囲に自然な目隠しをつくるなら、高さ3mほどの庭木がおすすめです。
適度な高さがあるため、プライバシーをしっかり守りながらも圧迫感が少なく、開放感のあるおしゃれな空間を演出できます。
常緑樹を選べば、1年中葉が茂って目隠し効果をキープできるほか、落葉樹なら四季の変化を楽しむ庭づくりができます。

高さ3mの庭木はフェンスや塀と組み合わせやすく、目隠しフェンスやアルミフェンスなどと並べるとデザイン性が高まり、より洗練された印象に仕上がります。
鉢植えにすれば移動や高さ調整がしやすく、スペースに限りがある場所でも取り入れやすいです。

また、コニファーのように密な葉を持つ庭木は、隣家との距離が近い場所や玄関アプローチの目隠しにもぴったり。

ここでは、高さ3mの目隠しに最適な庭木について下記3つ紹介します。

①レッドロビン
②プリペット
③ツゲ

レッドロビン

レッドロビンの写真

レッドロビンは、名前にもあるように新芽が鮮やかな赤色をしているのが特徴の庭木です。
時期に関係なく、刈り込むとその赤い新芽を見ることができます。
刈り込みに強く、初心者の方にも育てやすいため、おすすめです。
ただし、気温の下がる冬場に刈り込みしてしまうと、寒さで枯れてしまうこともあるため注意しましょう。
地域によって気候は異なるため、自信がない場合は夏の終りごろに行うと良いでしょう。

プリペット

プリペットの写真

こちらは穂のように咲く白い花が特徴プリペットです。
かなり丈夫な庭木で、生垣にも向いています。
葉も十分密度がありますが、樹形が崩れやすいため剪定には気を遣う必要があります。
あまり放置しすぎると風通しが悪くなり、ハマキムシなどによる食害を受けることもあるため注意しましょう。

ツゲ

ツゲの写真

ツゲは、英名でJapanese Boxと呼ばれている、日本に馴染みの深い庭木です。
生垣を作る際にまず名前が挙がるほど、頻繁に利用されてきました。
生長スピードが緩やかで、刈り込みにも十分耐えるため、管理にもそれほど気を使いません。
ただ、枝が密になって風通しが悪くなると、メイガなどの害虫が発生しやすくなる点には注意しましょう。
基本的には6月と9月の2回、剪定を行います。

高さ5mの目隠しに最適な庭木

広いお庭や敷地の境界線にしっかりとした目隠しをつくりたい場合は、高さ5mまで生長する庭木がおすすめです。
背が高く、枝葉が豊かに茂る庭木を植えることで、家まわりのプライバシーを守りながら、自然な風合いのおしゃれな空間を演出できます。
また、常緑樹を選べば1年を通して葉が落ちにくく、目隠し効果を持続できるのも魅力です。

日陰になりやすい場所や目隠しフェンス・アルミフェンスなどの人工物と組み合わせることで、デザイン性と実用性を兼ね備えたお庭づくりが可能です。

コニファーのように葉が密に重なる庭木は、視線を遮る効果が高く、風通しを確保したい場合には、枝葉に適度な透け感のある種類を選ぶのもポイント。
目隠しフェンス ブログを参考に、庭木とフェンスを組み合わせた施工例をチェックすれば、自分の理想に合った庭づくりのヒントも得られます。

ここでは、高さ5mの目隠しに最適な庭木について下記3つ紹介します。

①キンモクセイ
②ミモザ(アカシア)
③フェイジョア

キンモクセイ

キンモクセイの写真

キンモクセイは、非常に香りがよい庭木です。
秋ごろに咲くオレンジ色の花は、温かみがあります。
日当たりの良い場所を好みますが、日陰でも育ちます。
耐寒性が低いため寒い地域には向きませんが、目隠し以外の楽しみも多いのでおすすめです。

ミモザ(アカシア)

ミモザの写真

フワフワとした黄色い花が特徴ミモザ(アカシア)も、目隠しとして有効です。
耐寒性が低く、根がデリケートな庭木ではありますが、お庭の景観を優先したい場合には良い選択肢でしょう。
目隠しとしては、葉がシルバーに近い銀葉アカシアなどがおすすめです。

フェイジョア

フェイジョアの写真

フェイジョアは、花や果実が食べられる庭木です。
受粉させるためには2本以上必要ですが、様々な楽しみ方があります。
葉はシルバーがかって涼し気な印象があり、5m程度の高さになっても圧迫感を与えません。
ある程度の耐寒性もあり、初心者でも育てやすい庭木です。

最適な庭木を探すならsmileガーデンへ

スマホを持つ女性

お庭で落ち着いたプライベート空間をつくるなら、フェンスなどの人工的な仕切りだけでなく、目隠しになる庭木を上手に選ぶことが大切です。
2mや3m、さらには5mまで育つ常緑樹を組み合わせれば、家まわりに自然な壁をつくりながら、圧迫感のないおしゃれな景観を演出できます。
日陰に強い品種や、鉢植えでコンパクトに育てられる植木なら、スペースや環境に合わせて調整しやすく、初心者でもトライしやすいです。

実際、1m程度の小さな苗からスタートして、少しずつ育てることで、理想の樹形に仕立てる楽しみもあります。
コニファーなどの常緑樹は、一年中葉を茂らせるため、季節を問わず目隠し効果をキープ。
目隠しフェンス アルミなどのエクステリア資材と組み合わせれば、ナチュラルな樹木とメンテナンス性の高いフェンスの良いとこ取りで、とても快適な空間ができあがります。

また庭木の目隠しは、何を優先するかを意識しながら選ぶこともポイント。
樹高、生長スピード、日陰への耐性、家とのバランス、手入れのしやすさ、そしておしゃれな雰囲気の演出など、自分の理想や目的に合う樹種を見極めることで、失敗しする心配も減ります。

この記事で紹介した9つの庭木は、さまざまな条件や好みに合わせて選べるバリエーション豊かなラインナップです。
自分らしい庭木選びで、お庭にやさしい木漏れ日を取り入れ、心地よいプライベートガーデンを楽しんでみてくださいね!

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 Matsuri.

熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。

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