「人工芝ならメンテナンスがなさそう」と思われがちですが、実は年に2回ほど定期的な掃除やブラッシングが必要です。
今回は、人工芝の普段・シーン別の適切なお手入れ方法と、長もちさせるための人工芝の選び方・使い方、さらに張り替えの目安について紹介します!
目次
人工芝はお手入れが必要!庭やベランダでやるべきこと
水やりや肥料やりなどの管理がない人工芝。
天然芝よりも手間が少なく、日当たりや風通しを気にせずに施工ができるため、庭をデザインしやすいです。
しかし、全くお手入れが要らないというわけではなく、数ヶ月に1度はお手入れをして汚れを落とし、きれいにする必要があります。
合成樹脂でできているため、長期間使用することで芝やシート部分が劣化し、破損することもあります。
また、人工芝のお手入れには日常的にやることと、状況別で汚れたときにやることの2つがあります。
人工芝の寿命は5〜8年以上!耐久性は商品によって
屋外で使うことが多い人工芝は、ほとんどの商品が5〜8年ほどの耐久年数があります。
商品によっては10年以上使用できるものもあるようです。
しかし、屋外で紫外線に長くさらされているため、芝が変色したり破損したりする場合も。
駐車場や玄関アプローチなど施工する場所・環境によっては、数年で張り替えをする必要もあります。
少しでも耐久性を落とさないために、日頃のお手入れや掃除をきちんと行いましょう。
人工芝の日常的なお手入れは、掃除とブラッシングのみ
基本的な人工芝のお手入れは、半年に1回の目安で掃除と芝のブラッシングをします。
芝の上に溜まったチリ・ホコリ・ゴミ・落ち葉をほうきや掃除機で取り除きましょう。
また、デッキブラシなどでブラッシングをして、つぶれて倒れてしまった芝を整えます。
ゴミの放置は人工芝を早く劣化させやすいので注意してくださいね!
大掛かりな作業は不要!汚れたときはすぐに掃除する
基本的に管理が楽な人工芝は、大掛かりな作業は不要です。
芝の表面に汚れが付いたときなどに、ぬれたタオルなどで軽く拭き取る程度で問題ありません。
ただし、ジュースなど飲み物やBBQなどで落ちた油汚れなどは、できるだけ早めに掃除をしましょう。
場合によっては洗剤やクリーナーを使ってきれいにする必要もあります。
【普段】人工芝のお手入れ方法
人工芝はきちんとお手入れをすれば、もともとの耐久年数よりも長く使える場合もあります。
「耐久性があるから何もしなくていい」と思うこともあるかもしれませんが、お手入れをすることに越したことはありません。
ここでは日常的にやる人工芝のお手入れ方法を3つ詳しく紹介します。
- 芝をブラッシングをする
- ホコリや落ち葉を掃き掃除する
- 溜まった砂や砂利を除去する
基本的にどの作業も、半年に1回を目安に行いますが、時間があるときや目に付いたときなどにもやるといいです。
人工芝のお手入れ1|芝をブラッシングをする
人工芝の施工後、芝は2年ほど経つと平らに寝てしまい、人がよく通る箇所ではへこんだ状態になりやすいです。
ふんわりとしたやわかい感触がなくなり、庭の見栄えも悪く明るい雰囲気が損なわれる場合も。
特に玄関アプローチや駐車場、室内から庭に続くドア・ウッドデッキ周辺は傷みやすいので注意します。
足で踏んで感触が硬いなと思うときなどは、デッキブラシを使って芝を起こすようにブラッシングをしましょう。
倒れている向きとは反対の方向に向かってブラッシングをします。
あまり強い力をかけてしまうと、葉がぽろぽろと抜けてしまうので、やさしくブラシをスライドさせるように行なってくださいね!
人工芝のお手入れ2|ホコリや落ち葉を掃き掃除する
芝にホコリが絡まっていたり枯れ葉が落ちている場合は、ほうきで掃除をしてきれいに取り除きましょう。
手触りや見た目が悪くなってしまうだけでなく、芝の品質や耐久性が落ちる場合もあります。
奥に入り込んでしまったゴミなどは、掃除機で吸い取るか、ブロアー(送風機)で浮かしから取り除きます。
無理にほうきで掃こうとすると、芝が破けたり抜けたりする場合も。
人工芝のお手入れ3|溜まった砂や砂利を除去する
芝の奥まった箇所には砂や砂利、さらに土ボコリなどがたまりやすいです。
放置したままでいると水抜き穴に詰まってしまい、水はけが悪くなります。
雨上がり後に、芝の一部が水たまりのように浸水する場合もあるので、半年に1回以上は掃除をしましょう。
デッキブラシや掃除機で掃除するといいですが、高圧洗浄機のほうが汚れと一緒に除去できるのでおすすめです!
【シーン別】人工芝のお手入れ方法
普段のお手入れだけでは、人工芝は早く劣化してしまいます。
飲み物や油汚れが付いたときなどにも、すぐに掃除しましょう。
ここでは、シーン別での人工芝のお手入れ方法を6つ紹介します。
- 飲み物をこぼしたときは水拭き
- 油汚れは洗剤を使って拭く
- ペットや動物のフンは取り除き、水で流す
- 土や泥はホウキと水できれいに
- 人工芝にカビが生えた場合は、中性洗剤を使う
- 雑草が生えたときは、除草剤をまく
1. 飲み物をこぼしたときは水拭き
ジュースやお酒など飲み物をこぼしてしまったときは、すぐにぬれたタオルで拭き取りましょう。
そのまま放置してしまうと芝がベタつき、劣化も早くなる可能性があります。
こぼした量が多いときは、ホースを使って水で洗い流すといいです。
2. 油汚れは洗剤を使って拭く
庭でBBQをしているときや、ストーブの灯油を給油しているときなどに、料理やオイルが人工芝にこぼれることもあると思います。
芝に油が付着した場合は、まず乾拭きのタオルで拭き取りましょう。
次に食器中性洗剤を含ませたスポンジやタオルで、残った油汚れを丁寧に除去します。
最後は水で洗い流します。
ただし、洗剤液が残った状態で水洗いしてしまうと、周辺の花壇に流れる場合もあるので、しっかりと拭き取ってから水で流してくださいね!
3. ペットや動物のふんは取り除き、水で流す
人工芝の上にペットや動物のふんを見つけたときは、ふんを取り除いてから水洗いをします。
臭いが強く残ってしまった場合は、水を流しながらブラシやモップでさっと拭き取りましょう。
また芝で寝転がったりする方は、除菌剤をさっと吹きかけとくといいですよ。
4. 土や泥はホウキと水できれいに
ガーデニングや畑仕事をしているときに、土や泥が付いてしまった場合は、乾いた土を掃除機で、どろはほうきで掃除しましょう。
乾いたものが芝の奥に入り込んでしまうと、水抜き穴に詰まることもあります。
5. 人工芝にカビが生えた場合は、中性洗剤を使う
飲み物・土・ふん・人間の皮脂などが人工芝の中にたまっていると、芝の表面にカビが生えることもあります。
特に梅雨の時期など温度や湿度が高い日は、水が乾きにくい芝の根元近くで、結露によって菌が繁殖しカビが発生しやすいです。
カビが発生したときは、中性洗剤・消毒除菌剤を使ってタオルで拭き取りましょう。
消毒除菌剤はカビの繁殖も防ぐため、掃除後に予防として人工芝に吹きかけとくといいです。
また、取り除きにくい黒カビの場合は、塩素系漂白剤や市販で売っているカビ取り剤で除去しましょう。
6. 雑草が生えたときは、除草剤をまく
人工芝の縁やつなぎ目からは、しばしば雑草が生えることも。
手で抜き取りたくなりますが、根っこで雑草は増え続けるものが多いので、できるだけ除草剤をまいて除去しましょう。
除草剤が人工芝にかからないように、葉や茎をつたって根に浸透させます。
徐々に雑草は減ってなくなりますよ。
人工芝を長もちさせるコツ|選び方・使い方について
人工芝の寿命が少しでも長くなるように、施工前と使用中における使い方のコツを知っておきましょう。
- 水はけの良い人工芝を選ぶ
- 土台は平らに均す
- 防草シートを敷く
- 歩道には別の素材を使う
- 重いものは置かない
普段のお手入れも劣化が早まるのを防ぐので、庭で楽しんだあとは、掃除をしてきれいにするといいです。
Point1. 水はけの良い人工芝を選ぶ
たくさんの商品が、各メーカーごとでラインナップされている人工芝。
種類も多いためどれが良いのかわかりにくいですよね。
日頃のお手入れが、できるだけ楽になるように水はけの良い人工芝を選ぶのがおすすめです。
水はけが悪い人工芝ではゴミや水がたまりやすく、カビがよく生えることもあります。
耐久性も落ちやすくなるので、底に水抜き穴があいてある人工芝を選ぶようにしましょう。
また、芝の葉が短いものの方が乾きやすく、湿気がたまりにくいので、カビも生えにくいです!
Point2. 土台は平らに均す
人工芝を敷く前に、まずは土台となる地面を平らに均します。
でこぼこのままだと人工芝と地面との間に隙間が生まれ、浮き沈みができてしまいます。
雨が降ったあとには水たまりができやすく、つまずいて怪我もしやすいです。
人工芝のズレにもつながるので、土台は水平器で確認しながら作業しましょう。
水が流れる傾斜も忘れずにつくります。
Point3. 防草シートを敷く
地面の上に人工芝を直接敷いてしまうと、芝と芝や壁との隙間から雑草が生えることもあります。
商品によっては、芝を突き抜けて雑草が出てくる場合も。
施工前に必ず防草シートを敷いてから、人工芝を敷き詰めるようにしましょう。
Point4. 歩道には別の素材を使う
人がよく通る場所には、タイルストーン・レンガブロック・木材・石など別素材を施工してから、人工芝を敷き詰めるといいです。
人工芝の劣化を防ぎ、通常よりも寿命を長く延ばせます。
また、駐車場などは、車のタイヤが乗らない箇所に人工芝を敷くような設計デザインにするといいです。
Point5. 重いものは置かない
人工芝の上にプランターや植木鉢、道具棚やグリルスタンドなど重量のあるものは、できるだけ置かないようにしましょう。
長い間置いてあると芝がつぶれてあとになり、耐久性が低下する場合も。
また、雪が降り積もった日も、重さでつぶれてしまうので、雪かきは必ずします。
重いものを置く場合は、あらかじめ施工前にものの配置する箇所を決め、残ったスペースに人工芝を敷き詰めます。
どうしても芝の上に置く場合は、定期的にものを移動させて、跡が残らないようにブラッシングをしましょう。
人工芝の張り替えの目安
人工芝が5〜8年以上過ぎて寿命となった場合は、新しいものに張り替えるときです。
張り替えは、以下の3つの状態のどれかに当てはまる場合が目安となります。
- パイル(芝の部分)が摩耗によって擦り切れ、部分的にはげたり基盤シートが露出したとき
- 人工芝のつなぎ目や中心が補修できないくらい破けているとき
- 人工芝の破損が大きく、グラウンドとして機能していないとき
これ以外でも、芝の色味が薄くなって庭の景観が損なわれたときなど、気になるようであれば張り替えをするといいです。
まとめ
人工芝の日々のお手入れは、掃き掃除やブラッシングがけのみで、大変な作業はなく、手のあいたときにするだけでOK!最低でも半年に1回のペースで行えば、人工芝は耐用年数を超えて使用できることもあります。
シーン別で芝が汚れてしまったときは、その都度すぐに対応すれば問題ありません。
設置する場所によってお手入れ方法は変わず、庭だけでなくバルコニーや、マンションのベランダでも同じように作業します。
天然芝のように季節ごとに様子をうかがうことは必要ないかもしれませんが、少しでも長く使えるようにお手入れはしっかりとやりましょう!
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。
建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。