近年は「オープン外構」を採用して、敷地のまわりを塀や門で囲わない開放的なイメージのおうちが多く見られます。
しかしおうちのプライバシーを守るという点で、門扉は重要な役割を果たしてくれます。
特にコロナ禍以降はおうちで過ごす時間が長くなり、これまで以上にプライベートな空間への意識が高まっています。
この記事では門扉の役割や種類についてお伝えします。
エクステリア工事で門扉の設置をお考えの方、新築時にオープン外構にしてみたものの、やっぱり門扉を設置したいなと考えている方は必見です。
ぜひ参考にしてください。
目次
門扉の役割はこんなにあります!4つのポイントをご紹介!
ここでは門扉のすぐれた役割を4つご紹介します。
門扉を設置するかどうか迷っている方へ、門扉にどんな役割があるのかを整理して考えられるようにまとめてみました。
ご参考ください。
安全性を保つ
門扉を設置していれば、小さなお子様やペットが敷地からおうちから不意に飛び出すのを防ぐことができます。
特に敷地の前面道路に車が多く通るようなおうちでは、門扉でガードされていると安心です。
門扉があれば開閉の手間が増えるため、日常の動作がひとつ増えて煩わしくなるという見方もあります。
しかし誰でも門扉を開閉する時におのずと立ち止まるため、無意識のうちに安全な動きで敷地に出入りすることができます。
プライバシーの確保
門扉を設置すると、外部からの視線を遮ることができます。
立地によって隣家や外部の道路から視線が気になるおうちでは、門扉があった方が落ち着いて生活できます。
コロナ禍以降はテレワークなどおうちで過ごす時間が増え、おうちの中に快適なプライベート空間が求められるようになりました。
門扉などで外部からの視線を遮ることで、落ち着きのある空間を演出できます。
門扉はその空間に一役買ってくれる存在です。
防犯性を高める
敷地と外部に境界線がなければ、犯罪者でなくとも誰でも敷地に入りやすい印象を持ちます。
空き巣狙いは犯行の手間が増えることを嫌うため、門扉があるおうちは門扉がないおうちよりも空き巣狙いの対象になる可能性も減るでしょう。
ただし門扉だけ設置していても、その脇の空間をフェンスなどで隔てなければ意味がありません。
門扉を設置する際は、門扉単体ではなく他のエクステリアと合わせて検討しましょう。
意匠性を高める
門扉があることでおうちに高級感を醸し出すことができます。
玄関を出て門扉を開けて外出する。
反対に門扉を開けておうちに帰る。
という一連の動作は、普段されている方には当たり前のことかも知れません。
しかしその光景はおうちを大切に守り、ていねいな暮らしをされているように映ります。
門扉の種類。メリット・デメリットをタイプ別にご紹介
門扉にはどのような種類があるのでしょうか。
ここでは5つの門扉についてご紹介します。
ご参考にしてください。
片開きタイプ
一枚の扉が前後方向に開閉するタイプです。
玄関の前だけでなく、さまざまな場所に採用されています。
○メリット
- 狭い間口にも設置できる
- 玄関の前だけでなく、勝手口や駐車スペースの仕切りとしても適している。
●デメリット
- 間口が狭い場合、家電など大きなものを搬入しづらい
- 扉が開閉するための奥行きが必要になる。
- 扉が開閉するスペースは常に物を置けない
両開きタイプ
左右同じ幅の扉が前後方向に開閉するタイプです。
代表的なデザインで「門」といえばこのタイプを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?そういえば「門」いう漢字も両開きタイプをイメージさせますね。
○メリット
- 間口が広く開放するため、出入りしやすい。
- 左右対称のデザインがおうちにゴージャスな印象を持たせることができる。
●デメリット
- 間口と奥行き、どちらのスペースもある程度確保しないと設置できない。
- 両側の扉を開閉する必要があるため、開閉に手間がかかる。
親子扉タイプ
両開きの左右の扉の大きさが異なるタイプです。
大きい方の扉を「親扉」、小さい方の扉を「子扉」と呼びます。
○メリット
- 普段の出入りは親扉だけを可動させ、大きなものを搬入する場合にのみ子扉を開放するなど、必要に応じて自由に使い分けできる。
●デメリット
- 子扉を頻繁に開放しないといけないような人通りの多い場所、大きなものが通る場所では機能が発揮できない。
アコーディオンタイプ
扉がアコーディオンのように伸縮して開閉するタイプです。
「伸縮門扉」とも呼ばれます。
玄関だけでなく駐車スペースのゲートとして設置されるケースも多く見られます。
かつては金属の冷たい印象が強く、おうちと前面道路の「仕切り」というイメージも強かったアコーディオンタイプですが、近年はデザインも豊富になり、スタイリッシュな製品も多く登場しています。
○メリット
- 間口の広さを選ばない。広い間口にも狭い間口にも使用できる。
- 扉を引き込むスペースが必要ないので袖壁部分も不要。
- 傾きのある場所でも設置しやすい。
- 玄関だけでなく、駐車スペースにも設置できる。
●デメリット
- 引き込むスペースがないため、閉じたままのアコーディオンが風にあおられることがある。
- 伸縮部分やキャスター部分が故障しやすい。
- 閉じた時には網目のように透けて見えるので、プライバシーを確保したい場合には適していない。
引き戸タイプ
左右方向に扉が開閉するタイプです。
「スライド門扉」とも呼ばれています。
開き戸タイプが採用されることが多かった中で、近年人気が出ています。
かつての引き戸タイプには扉の下部にレールが必要でした。
レールに砂が噛んでうまく可動しなくなるということもありましたが、近年の引き戸タイプはレールがないものもあり、よりスタイリッシュな印象です。
扉面もアルミ形材やラッピング形材(アルミに木目などのシートを圧着したもの)のほかに、ポリカーボネートなど透過性のある素材を使用したものなどバリエーションが豊富です。
○メリット
- 左右に開閉するため、奥行きのないスペースにも設置しやすい。
- 扉を押したり引いたりせずに開閉できるため、ベビーカーや自転車を押している時、車いすを利用している時にも出入りしやすい。
●デメリット
- 傾きのある場所に設置する場合には、高低差を調整して地面を水平にするなど工事が大がかりになることがある。
- 扉を引き込むスペースが必要になるため、間口の狭い場所への設置は適していない。
- レールのない製品では扉を支えるための袖壁(扉と水平方向の壁)が必要になる。
門扉を選ぶ時の注意点!3つのポイント
ここでは門扉を選ぶ時の注意点3つをまとめました。
設置場所の特性を考える
開き戸タイプの門扉は基本的に敷地側に開閉します。
外側に開閉すると歩行者や通行車両のさまたげになるためです。
そのため開き戸タイプの門扉を設置する場合は、敷地側に扉が開閉するためのスペースが必要になります。
設置場所から玄関までにじゅうぶんなスペースが確保できない場合は引き戸タイプやアコーディオンタイプの門扉などがおすすめです。
人の動線を考える
片開きタイプなど片側から開閉する門扉を設置するときは、右開きか左開きの門扉が開く向きをよく考えましょう。
立地によっては向きを選べないこともありますが、片開きの場合は扉が開く向きで使いやすさがずいぶんと変わります。
目で見て、手で触って決める
門扉はおうちに出入りする時、毎日触れて動かすものです。
カタログや画像だけを見て簡単に決めてしまうのではなく、ショールームなどで実際に触ったり動かしたりして使い心地を試してみましょう。
「思っていたより重く感じる」、「うちには開き戸タイプしか設置できないと思っていたけれど引き戸タイプでも設置できそうだ」など、カタログで見るだけではわからなかった新たな発見があるかも知れませんよ。
まとめ
当記事では門扉の役割や種類についてお伝えしました。
門扉に関わらずエクステリア部材の設置を考えた時は、その必要性や設置費用がかかることを懸念しがちです。
確かに門扉の設置工事には費用がかかります。
しかし考えようによっては、門扉を設置するだけでおうちに「安全性」、「プライバシー」、「防犯性」、「デザイン性」と、いくつものメリットをもたらすことができるのです。
そんなさまざまなメリットを持つ門扉を設置して、あなたのおうちをさらにグレードアップしてみませんか?
静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。