駐車場を含むエクステリアの中で多く採用されるピンコロ。ピンコロとはどんなものかご存じでしょうか?
ピンコロとは10cm程度の立方体に加工された石のことをいいます。エクステリアの他に街中でもたくさん採用されているポピュラーな石なので、どなたでも一度はご覧になったことがあるのではないでしょうか?そんなピンコロは駐車場のコンクリート目地にも採用できます。
当記事ではピンコロを駐車場のコンクリート目地に採用するとどのようなメリットがあるかをたっぷりお伝えします。この記事を読めばピンコロの魅力がわかり、駐車場の目地やほかのエクステリアにも採用したくますよ!ぜひ最後までお読みください。

目次

ピンコロとはどんな石?ピンコロの特徴を徹底解説!

まずはピンコロの特徴から解説します。参考にしてください。

ピンコロの特徴①:ピンコロとはどんな石?

ピンコロとは10cm程度の立方体に切り出された花崗岩(かこうがん)です。おもに地面の舗装や段差の縁取りなどに使われます。

表面が粗く石特有の凹凸があるため、傾斜地を滑りにくくするための舗装に適しています。また一つの石の接地面積が小さいので自動車などの重いものが載っても割れたり欠けたりする心配がありません。

ピンコロの特徴②:ピンコロにはどんな色がある?

ピンコロ石のカラーバリエーションはおもに以下のとおりです。

●さび石ピンコロ……オレンジがかった色味のピンコロです。明るい色味なのでナチュラルテイストの外観によく合います。

●黒石ピンコロ……黒というよりも濃いグレーのピンコロです。和風にも洋風にもよく合います。濃い色味なのでアクセントにもなりますし、エクステリアを落ち着いた空間にしたい場合におすすめです。

●白石ピンコロ……真っ白ではなく、薄いグレーのような色味です。

ピンコロは単色で使っても綺麗ですが、さまざまな色のピンコロを混ぜて使っても華やかな印象になります。

ピンコロの特徴③:ピンコロにはどんな形がある?

●1丁……10cm程度の立方体(サイコロ型)です。天然の石を、あえて表面に凹凸を残して加工しています。表面の粗さが石そのものの重厚感やあたたかみを感じさせます。

●半丁……1丁のピンコロの厚みを半分にした大きさです。ピンコロに厚みが必要ない場合に採用されます。仕上がりの上部しか見えない石畳などでは半丁でもじゅうぶん強度が保てます。

●2丁……1丁を二つつなげた形です。1丁と交互に使って石畳に模様を出すなど、デザイン性を高めるために使われることが多いです。高さが20cm程度あるので花壇の縁どりなどにも適しています。

ピンコロの特徴④:ピンコロはどうやって入手するの?

ピンコロはホームセンターやAmazonなどのネット通販で購入できます。ネット上には通販サイトを通さずに直接購入できる販売業者もあるので大量にピンコロが必要な場合は要チェックです。

ピンコロの価格はホームセンターなら1個100円前後です。ネット通販なら12個入りが送料込みで約3500~4000円で売られています。

ホームセンターの方が安く買えますが、ピンコロは重いので持ち運びが大変です。重たいものを運ぶ自信がない方や大量に購入する場合は、自宅まで届けてくれる通販での購入をおすすめします。

知っておきたい!ピンコロを駐車場の目地に採用するメリット。

ピンコロを駐車場の目地に採用するとどのようなメリットがあるのでしょうか?ここで解説します。

ピンコロのメリット①:デザイン性が高い。

ピンコロは天然の石を加工しているため、一つ一つの形が少しずつ異なります。

ピンコロを並べるとその不規則さでデザイン性の高い空間が演出できますよ。

ピンコロのメリット②:高級感・重厚感がある。

ピンコロの石特有の凹凸は空間に高級感や重厚感を出してくれます。

ピンコロ自体はさほど高額なものではないので費用対効果が高い仕上げと言えるでしょう。

ピンコロのメリット③:耐久性が高い。

ピンコロは石なのでとても硬く、2~3トンもある乗用車が出入りする駐車場に敷いても割れることはありません。

天然のものなので色褪せることもなく、耐久性にたいへん優れています。劣化しないので撤去しない限り永久的に使えますよ。

ピンコロのメリット④:どんなおうちの外観ともマッチする。

和風のおうち、洋風のおうち。ピンコロはどんなおうちの外観にも合わせやすいのが特徴です。ピンコロは天然の石なので植栽との相性もぴったりです。

ピンコロのメリット⑤:他のエクステリアとコーディネートしやすい。

駐車場のコンクリート目地をピンコロで仕上げるなら、他のエクステリアにもピンコロを採用されることをおすすめします。

玄関アプローチや花壇など、同じピンコロで揃えればエクステリア全体に統一感が生まれます。

ピンコロのメリット⑥:メンテナンスが不要。

ピンコロは地面にモルタルでしっかりと接着するので駐車場の目地から動くことがありません。

目地を砂利で仕上げたものの砂利が散らばるのが気になる方、目地を植栽で仕上げたものの枯れてしまったという方が目地をピンコロにリフォームされる例もあります。

ピンコロは耐久性が高く、雑草が生えたりゴミが入ったりすることもなく、メンテナンスフリーなのでお忙しい方におすすめです。

ピンコロのメリット⑦:駐車位置の基準にしやすい。

2台以上の駐車場では、目地を駐車枠の代わりに入れると車を停めやすくなります。さらに目地をピンコロで仕上ると駐車枠のラインが際立つため、運転者も確認しやすいでしょう。

駐車場の目地以外にも!いろんな場所に採用されるピンコロ。

ピンコロは駐車場の目地以外にもさまざまな用途があります。ここでご紹介します。

ピンコロが採用される場所①:花壇の縁取り

ピンコロは花壇の縁取りによく採用されます。花壇の縁は土の重みを支える強度が必要ですが、石でできたピンコロなら問題ありません。

花壇の面積にもよりますがピンコロの段積みはDIYでも比較的簡単に施工できます。モルタルを使ってピンコロを積み上げるDIYは大がかりではありますが達成感も大きいはずです。世界に一つしかない花壇づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

ピンコロが採用される場所②:玄関アプローチ

玄関アプローチに石畳のようにピンコロを敷設します。

ピンコロは縦横に規則正しく並べても可愛いですが、扇型の青海波(せいがいは)模様に並べるとヨーロッパの石畳のような趣を演出できますよ。

ピンコロが採用される場所③:階段など段差の縁

玄関ポーチの階段の縁にピンコロを採用するとナチュラルでかわいい仕上がりになります。

またピンコロは玉砂利の洗い出しと相性がいいのでセットでの採用がおすすめです。

ピンコロが採用される場所④:立水栓の受け皿

近年はお庭の立水栓にこだわる方が増えています。おしゃれな立水栓はお庭のアクセントにもなりますね。ピンコロ石で立水栓の受け皿を作れば、オリジナリティあふれる立水栓になりますよ。

ピンコロはこうして施工される!施工の手順を紹介!

ピンコロはどのようにして施工されるのでしょうか?ここではピンコロの施工の手順をご紹介します。ピンコロの施工をDIYでやってみたいという方もぜひ参考にしてください。

ピンコロ施工の手順①:駐車場の目地にピンコロを並べる。

駐車場の目地に実際にピンコロを並べてみて、ピンコロの間隔や高さのおさまりを見ます。ピンコロとピンコロの間隔は1cmぐらいあればじゅうぶんですが、モルタルのコテの幅より大きめにすると後の作業がしやすいです。

ピンコロ施工の手順②:目地の底にモルタルを入れる。

駐車場の目地にピンコロを入れてみて、ピンコロがコンクリートより低いようだったら目地の底にモルタルを入れて高さを出します。

ピンコロを駐車場の目地に採用する場合、仕上がりはピンコロの上部しか見えないので1丁のピンコロ(サイコロ型のもの)ではなく、半丁(厚みが半分のピンコロ)でもOKです。その場合は高さをモルタルで調節する必要があります。

高さの仕上がりはコンクリートよりピンコロをやや高くおさまるようにすると綺麗に見えます。また一からモルタルを練るのが面倒だという方には、水を混ぜるだけで使えるインスタントモルタルがおすすめです。

ピンコロ施工の手順③:ピンコロの目地にモルタルを入れる。

ピンコロのすき間にコテを使ってモルタルを詰めます。

コテは目地用の細い物を使います。内部に空洞ができないように上からしっかりと押さえます。

作業しているとピンコロの表面にもモルタルが付きますが、完全に乾く前に洗い流せば綺麗になるのでこの時点では気にしなくて大丈夫です。

ピンコロ施工の手順④:余分なモルタルを刷毛やデッキブラシで洗い落として完成!

目地からはみ出したモルタルを水で湿らせた刷毛で洗います。

ピンコロの上に乗っているモルタルを刷毛で拭き落とすような感じで洗い流して完成です。

DIYでモルタルを扱うのはやや大がかりになりますが、その分達成感は大きく満足度は高いはずです。

扱うピンコロの量にもよりますが、目地が4本ぐらいまでの駐車場ならインスタントモルタルが簡単でおすすめです。インスタントモルタルはホームセンターやネット通販などで購入できます。価格は3キロ入りで700円程度です。

まとめ

当記事では駐車場の目地に使われるピンコロについてお伝えしました。

ピンコロは素敵なエクステリアでよく見かけます。長持ちし、飽きのこない素材なのでエクステリアにこだわりを持っている人ほど採用されるのかも知れませんね。

コンクリートの駐車場はどうしても殺風景になりがちなので天然物のピンコロを使うと空間にあたたかみが出ます。外構工事は何かと費用がかさみますが、一度施工するとなかなか変える機会はありません。費用面だけを重視せず長く愛着の持てるエクステリアを作りあげたいものですね。

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 らいち

大阪生まれ大阪育ち。古めの建築物が大好きです。暇さえあれば、団地建て替えの現場を見物に行って萌えています。