ドライガーデンの砂利は、こだわって種類を選び、石と組みあわせることで雰囲気をガラリと変え、印象深い空間を演出できます。ドライガーデンの砂利・石の種類と組みあわせ方から、選び方、砂利の量の計算方法、敷き詰めるポイント、おすすめの植物までたっぷりと紹介!

目次

ドライガーデンは、砂利の種類を選ぶことで、受ける印象や雰囲気を大きく変えます。さらに組みあわせる石の種類をこだわることで、クオリティの高いおしゃれなスタイルが生まれます。

また、砂利の敷き詰めや石の配置のポイントを押さえておくと失敗するリスクも減り、癒しのあるクールでスタイリッシュなドライガーデンをつくれますよ。

まずは、砂利と石の種類・組みあわせ方・ドライガーデンのスタイルを知っておきましょう!

この記事では、ドライガーデンの砂利についてたっぷりと紹介します。

ドライガーデンづくりは砂利と石の組みあわせ方がポイント!

乾燥した場所に自生する「ドライ植物」と砂利・石を使って空間を演出するドライガーデン。美しい外観だけでなく、植物の健康や庭全体の機能性、長期的なメンテナンスのしやすさの観点から、砂利と石の組みあわせはドライガーデンにおいて欠かせない要素です。

以下3つのメリットがあります。

排水性の向上
砂利と石は通気性があり、雨水がスムーズに排水されます。水はけの良い環境が整うことで、植物は根腐れを起こしにくくなり、元気に生長してくれるでしょう。

植物の育成に役立つ
砂利は保水性があるため、土壌の乾燥を防ぎながら植物に必要な水分を供給します。石は保温効果があり、夏や冬の気温の変化にも対応しやすくなります。

美観の向上
砂利と石の組みあわせは視覚的にも魅力的で、ドライガーデン全体のデザインにアクセントを。異なるサイズや色調の組みあわせにより、独自の雰囲気を演出できます。

ドライガーデンにおすすめの砂利と石|種類と特徴

視覚的に美しいだけでなく、植物の生育環境を良くするドライガーデンの砂利と石。

しかし、ドライガーデンではさまざまな種類の砂利と砂が使われ、つくりたいスタイルや色あいによって違いがあります。

ここでは、ドライガーデンにおすすめの砂利と石の種類を紹介します。それぞれ特徴や色あいによってスタイルが変わるので、つくりたいドライガーデンをイメージしながら、見てみてください。

ドライガーデンにおすすめの砂利

①甲賀砂利(さび砂利):カリフォルニアスタイル向き

特徴

滋賀県の甲賀市周辺で採れる甲賀砂利は、ヘーゼル色で独特の渋みがあり「さび砂利」とも呼ばれます。粒子が細かく、均一なサイズのものが一般的です。耐久性があり、風化しにくい特長があります。

メリット

ヘーゼル色の美しい色調が、ドライガーデン全体に温かみを与えます。また耐久性が高いため、長期間の使用に便利。

デメリット

細かい粒子のため、水はけが良い一方で、保水性はやや劣ります。

使い方

玄関アプローチや庭のエッジ部分におすすめで、石との組みあわせでアクセントを加えると良いでしょう。

②赤スコリア:アリゾナスタイル向き

特徴

火山地帯で採れる赤スコリアは鮮やかな赤色で、ドライガーデンに特有のエネルギッシュな雰囲気を演出できます。比較的不規則な形状で大小さまざまです。また、軽量なため通気性があります。

メリット

鮮やかな色調が庭を引き締め、視覚的なアクセントになり、軽量で持ち運びが楽なので、大量に庭に敷くときに使いやすいです。

デメリット

不規則な形状のため、歩行面としての利用には注意が必要です。

使い方

庭の花壇や大きなエリアのカバーとして活用でき、植栽と組みあわせて自然な雰囲気を演出できます。

③黒スコリア:ブラックスタイル向き

特徴

黒スコリアは、赤スコリアと同じように火山地域で産出されます。深い黒色をしており、シックで洗練された雰囲気を醸し出します。不規則な形状で、大きさは採石場によってさまざま。また通気性が高くて、保水性が低いです。

メリット

黒色の独特な美しさがドライガーデンを引き締め、コントラストを生み出し、粒子の不規則な形状が、ナチュラルでオーガニックな雰囲気をつくり出します。

デメリット

保水性がやや劣るため、植物の水分管理に工夫が必要です。

使い方

ガーデンパスやエリア全体の覆いとして使用し、庭全体を引き締めるのに適した砂利です。

④白川砂利:ウエストコートスタイル向き

特徴

主に日本国内で採れ、京都の白川が有名な白川砂利。白色で清潔感があり、ドライガーデンに明るい印象を与えます。細かい粒子から大きな石までさまざまなサイズが存在し、通気性があり、保水性も比較的良好なのが特徴です。

メリット

明るい色調がドライガーデンを広く感じさせ、清潔感を演出します。また通気性・排水性が良いため、植物にとって理想的な環境を提供します。

デメリット

明るい色のため、汚れが目立ちやすいのがデメリット。

使い方

ドライガーデン全体に敷き詰め、白と緑のコントラストを楽しむことができます。

⑤アンバークォーツ:メキシカンスタイル向き

特徴

ブラジルやロシアなどで採れる琥珀色(こはくいろ)のアンバークォーツは、透明感のある石英で、独特の温かみをドライガーデンにもたらします。中粒から大粒で存在感があり、変色しにくいです。

メリット

温かみのある色がドライガーデンを優雅に彩り、自然な雰囲気を醸し出します。また、色落ちがあまりないので長期間美しさを維持することも可能です。

デメリット

比較的もろく、ひび割れを起こしたり欠けたりする点がデメリットです。

上手な使い方

玄関やパティオ周りに敷き、アクセントとして活用するのがおすすめ。

 ドライガーデンにおすすめの石

①岐阜石:ブラウン+ピンク・レッド・ブルー・ホワイト混じりの色

特徴

岐阜県で産出される岐阜石は、風化に強く非常に堅い特性があります。色は採石によってばらつきがありますが、ブラウン色にピンク・レッド・ブルー・ホワイトが混じり、色や模様のバリエーションがあるため、シンプルながらも高級感がただよいます。

不規則な形状が多く自然な雰囲気をもち、耐久性があって変色しにくいのが特徴です。

メリット

色のバリエーションが豊かで、庭に奥行きを与えるほか、耐久性が高いため長期的な利用に適しています。

デメリット

不規則な色と形状のため砂利との組みあわせが難しいです。敷設時にデザインを意識しながら置く必要があります。

使い方

ガーデンパスやエリア全体の舗装として使用し、緑の植栽とのコントラストを楽しむことができます。

②山伏石(新潟桜石):ピンクからレッド色

特徴

新潟県で産出される山伏石は、淡いピンクからレッド色まであり、別名「新潟桜石」とも呼ばれ、優雅で上品な印象を与えます。平らなものが多くて均一な形状をし、耐久性があるため風化に強いです。

メリット

優雅なピンク色が、ドライガーデンに優しさと明るさをもたらします。

デメリット

色が比較的単調であるため、ほかの素材との組みあわせが必要です。

使い方

パティオやテラスの舗装、観賞用の小道などに最適です。

③富士山溶岩石:ブラックとレッド色

特徴

富士山周辺で産出される富士山溶岩石は、ブラックとレッドの2つの色があり、シックで洗練された印象を与えます。

不規則で荒々しい形状が多くて自然な雰囲気をもち、耐久性が高くて変色しにくいのが特徴です。

メリット

表面に無数の小さな穴があるので水はけが良く、湿度が高いときは周辺の水分を吸収し、乾燥し過ぎているときは放出して、ドライガーデンの湿度を調節してくれます。

デメリット

砂ぼこりや小さな砂利など、汚れが表面の穴に詰まり、見た目が悪くなる場合もあります。

使い方

ガーデンパスやエリア全体のカバーとして使用し、緑の植栽とのコントラストを楽しめるでしょう。

④琉球石灰岩:アイボリーホワイト色

特徴

沖縄などの琉球地域で産出され、アイボリーホワイト色が特徴的な琉球石灰岩。清潔感があり、明るく開放的なドライガーデンをもたらします。比較的平らで均一な形状が多く、整然とした印象を与えます。また、通気性があり、保水性も高いです。

メリット

明るい白色が庭に清潔感をもたらし、ほかの素材との組みあわせが簡単です。また平らで均一な形状が整然とした雰囲気をつくり出します。

デメリット

ホワイト色のため、汚れが目立ちやすいです。

使い方

ドライガーデン全体に敷き詰め、白と緑のコントラストを楽しめます。

⑤みかも石:ベージュ+グレー・ヘーゼル混じりの色

特徴

栃木県で採掘されるみかも石は、濃いベージュ色でものによっては、グレーやヘーゼル色が混じり、渋みのある風合いがあります。比較的中粒から大粒で、表情豊かな敷き詰めが可能。さらに 耐久性が高く、変色しにくいのが特徴です。

メリット

自然なベージュ色が庭を引き締め、和やかな雰囲気を醸し出し、種類豊富な大きさが表情豊かなデザインを可能にします。

デメリット

ほかの石よりもやや硬いため、加工が難しいです。

使い方

散在させるとドライガーデン全体に自然なアクセントを与えられます。

⑥白砕石(しろさいせき):白系のグレー色

特徴

比較的愛知県などで採れる白砕石は、純粋なグレーに白味がかった色で清潔感があり、庭を広く明るく演出します。中粒から大粒まであり、幅広い使い方が可能。さらに 軽量でありながら、庭に上品な雰囲気をもたらします。

メリット

庭を清潔で明るい雰囲気に変え、植物の魅力を引き立てるのに役立ち、細かい粒子で均一な表面をつくりやすいです。

デメリット

汚れやキズが目立ちやすいため、定期的な清掃が必要です。

使い方

緑や彩り豊かな花と組みあわせて、和やかで優雅な雰囲気をつくるのにおすすめ。

⑦青砕石(あおさいせき):ブルー系のグレー色

特徴

静岡県産が有名な青採石は、珍しい明るい青みを帯びたグレー色で、シックで落ち着いた印象を与えます。細かい粒子から中粒まであり、使い勝手が良い砂利です。視覚的な引き締め効果があり、植物との相性が良いのが特徴です。

メリット

落ち着いた色あいが庭を引き締め、モダンで洗練された雰囲気を醸し出します。また、粒子の均一性があり、敷き詰めやすいのがメリット。

デメリット

明るい青みがほかの色と相性があいにくく、デザインが難しいです。

使い方

モダンなデザインの庭に調和して、都会的な雰囲気を演出できます。

⑧ブラックロック:ブラック色

特徴

岐阜県で採れるブラックロックは漆黒の色が特徴的で、シックでモダンなドライガーデンをつくりたい方におすすめ。 大きめで平らな形状が多く、重厚感があり、色が長期間変化しにくいため、安定感があります。

メリット

ブラックの色味が庭に深みを与え、植物や砂利とのコントラストが際立ちます。また、水に濡れるとつや感が強くなり、より高級感を感じられます。

デメリット

日光により熱を蓄えやすく、夏場の気温上昇に注意が必要。

使い方

グレー色の砂利と組みあわせて、モダンでスタイリッシュな雰囲気を演出します。

⑨ホワイトロック:ホワイト色

特徴

大理石を大きめにカットしたホワイトロックは、真っ白な色調で清潔感と明るさをドライガーデンにもたらします。中~大粒で、不規則な形状が多いですが、色白が長期間持続しやすく風化に強いです。

メリット

白い色調がドライガーデンを広く感じさせ、清潔感を与え、不規則な形状が自然な雰囲気を演出するでしょう。

デメリット

白さ汚れが目立ちやすいため、清掃が必要。

使い方

ガーデンパスやアクセントとして使うと、ドライガーデンに軽やかな雰囲気をもたらす。

【ドライガーデンのスタイル別】おすすめの砂利と石の組みあわせ方

砂利と石の種類・特徴はわかっても、どれとどれを組みあわせたらおしゃれなドライガーデンがつくれるのかわかりにくいと思います。

ドライガーデンでも、使う砂利や石によって見た目や雰囲気が変わり、捉える印象も変わります。そのため、組みあわせ方次第でいくつかのスタイルが生まれます。

ここでは、スタイル別にドライガーデンにおすすめの砂利と石の組みあわせ方について紹介します。

カリフォリニアスタイル|甲賀砂利×岐阜石

甲賀砂利と岐阜石を組みあわせたカリフォルニアスタイルは、開放的で自然な雰囲気が魅力。甲賀砂利のヘーゼル色が温かみを添え、岐阜石の不規則な形状が自然なアクセントを生み出します。ヘーゼル色とブラウン色のコントラストが、庭全体に奥行きを与え、植栽との調和を生み出します。

また、甲賀砂利を玄関アプローチや庭のエッジ部分に敷き詰め、岐阜石をガーデンの中央やアクセントポイントに配置することで、自然で心地よい雰囲気を演出できるのでおすすめ。

アリゾナスタイル|赤スコリア×山伏石

乾燥した砂漠地帯の雰囲気を再現したアリゾナスタイル。赤スコリアと山伏石を組みあわせて使うことで演出でき、パッションを感じられる印象強い空間を演出できます。

赤スコリアの鮮やかな色あいがアリゾナの土地をイメージさせ、山伏石の平らで整った形状がシンプルかつ洗練された印象を与えます。また、赤スコリアの不規則な形状が、自然の起伏を模倣し、山伏石が整然とした空間をつくり出します。

赤スコリアをガーデン全体に広く敷き詰め、山伏石をポイントや歩行面に配置して、アリゾナの広大な風景を表現できるでしょう。

ブラックスタイル|黒スコリア×溶岩石

黒スコリアと溶岩石を組みあわせたブラックスタイルは、シックでモダンな雰囲気が特徴。黒スコリアの深い色調が重厚感を演出し、溶岩石の荒々しい形状がユニークで洗練されたデザインを生み出します。また、黒と灰色の組みあわせが都会的でありながらも、自然の要素を残しています。

黒スコリアをガーデン全体に敷き詰め、溶岩石をモザイクのように配置して、モダンで都会的な雰囲気を演出できます。

ウエストコートスタイル|白川砂利×岐阜石

清潔感と優雅さが融合したウエストコートスタイルは、白川砂利の明るい色調が開放的であり、岐阜石の不規則な形状がナチュラルなアクセントを添えます。また、白川砂利が都会的な明るさをもたらし、岐阜石が自然の要素をブレンドするでしょう。

白川砂利をガーデン全体に広く敷き詰め、岐阜石をポイントやエッジに配置すると、清潔感とナチュラルさを両立させ、白い砂浜のビーチリゾートのような雰囲気を演出します。

ドライガーデンの砂利と石の選び方

ドライガーデンの砂利と石を選ぶときは、テイスト・施工箇所の条件・予算の三つの要素をバランスよく考慮することが重要です。これらの要素を組みあわせて理想的なドライガーデンを実現しましょう。

ここでは、砂利と石の選び方について下記3つのポイントを解説します。

  1. ドライガーデンのテイストにあわせて選ぶ
  2. 施工する箇所で色・サイズを選ぶ
  3. 予算にあわせて選ぶ

ドライガーデンのテイストにあわせて選ぶ

農林水産省の報告によれば、庭のデザイン(ドライガーデン)が住宅や環境に調和することが、心地よい空間をつくり出すために重要であるとされています。ドライガーデンのテイストにあった砂利と石を選ぶことで、庭全体が一体感をもち、美しい景観を生み出します。

施工する箇所で色・サイズを選ぶ

庭の構造や素材の配置によって視覚的に捉えられる印象が変わります。砂利や石は、施工する箇所で色・サイズを選ぶと庭の使い勝手や美観を向上させ、よりクオリティの高いドライガーデンを演出できるでしょう。施工箇所にあわせて砂利と石の色・サイズを選ぶことで、空間のバランスがとれ、機能性も向上しますよ!

予算にあわせて選ぶ

庭を新たにつくり直すにも多くのお金がかかり、施工する箇所が広ければ広いほど、高額な費用がかかる場合も。予算にあわせて適切な砂利や石を選ぶことで、コストパフォーマンスを最大化し、長期的な管理がしやすくなります。最終的には、お金と相談しながら砂利と石を選ぶことが大切です。

ドライガーデンの砂利|必要な量と費用の計算方法

ドライガーデンの砂利の必要な量と費用を計算するには、庭の面積、敷く厚さ、砂利の単価、配送料などを考慮する必要があります。これらのステップを踏んで計算することで、的確な予算を立て、効果的に庭をデザインできますよ!

ここでは、ドライガーデンの砂利の量と費用の計算方法について紹介します。

Step1. 砂利を敷く面積

まずは、砂利を敷く面積を測りましょう。

縦(m)×横(m)=砂利を敷く面積(㎡)

庭の形が複雑な場合は、エッジや曲線部分も考慮に入れてください。

Step2. 砂利の量を計算

次に、面積に対して、砂利の敷く厚さをかけると必要な量を算出できます。

種類によって必要な量が変わりますが、砂利の敷く厚さは5cm~10cm程度が一般的です。

面積(㎡)×厚さ(cm)=砂利を敷く量(㎥)

Step3. 砂利の量から費用を算出

最後に、砂利の単価・配送料・その他コストを考慮して、砂利の総費用を算出します。砂利の単価は種類や産地によって異なるので、しっかりと確認しましょう。

砂利の量(㎥)×砂利の単価(円/㎥)+配送料・その他コスト(円)=砂利の総費用(円)

ドライガーデンの砂利を敷き詰めるときのポイント

ドライガーデンにおいて、土づくり、植物選定、砂利の配置が欠かせません。これらのポイントをしっかり押さえ、バランスよく庭を構築することで、美しさと機能性を兼ね備えた理想的なドライガーデンが実現します。

1. 土づくりをしっかりと行う

土壌の排水性・通気性が不足すると、植物の根が窒息しやすくなり、根腐れや病気のリスクが高まります。適切な土づくりによって、植物の健康を維持でき、美しいドライガーデンを長く観賞できます。

十分な排水性・通気性・保水性を確保するために、砂質土壌を基にし、必要に応じてくん炭や有機石灰を混ぜあわせましょう。

2. 植える植物を選ぶ

ドライガーデンでは乾燥と寒さに耐性がある植物を選ぶことが大切。サボテンや多肉植物をはじめ、オーストラリア大陸・アフリカ大陸・地中海沿岸部諸国に自生する植物などが良い選択肢です。

3. 石を植えめてから砂利を敷き詰める

石をドライガーデンに配置するときは、地表に置くのではなく、地面に1/3程度埋めてから、砂利を敷き詰めましょう。石と植物の配置が調和し、自然な雰囲気を演出できます。

ドライガーデンの砂利・石と組みあわせたい植物

ここでは、ドライガーデンの砂利・石となじみやすいおすすめの植物を紹介します。

ここで紹介する植物は、どれもドライガーデンに適した特徴をもち、砂利や石との組みあわせで美しい空間を演出することができます。好みやスタイルにあわせて植物を選んでみてください。

①サボテン・アロエ・アガベ

乾燥に強く、多くの種類が観葉植物としても人気のサボテン・アロエ・アガベ。多様な形状やサイズがあり、鮮やかな花を咲かせるものもあります。

葉の中にたくさんの水分を含むサボテン・アロエ・アガベは乾燥した環境に適しており、ドライガーデンの乾燥した砂利と石の環境と相性が良いです。石や砂利のコントラストが、奇抜な形状を引き立てるでしょう。

②ユッカ・ドラセナ・コルジリネ

細長い葉をもつユッカ・ドラセナ・コルジリネは乾燥に強く、比較的寒さにも耐性があるため、ドライガーデンに向いています。時期を迎えると花茎を伸ばし、美しい花を咲かせることもあります。

それぞれ砂利や石と組みあわせると、庭に独自のアクセントを与え、石の間に配置すると、太陽の光によってより魅力的に輝きます。

③カレックス・ディアネラ・コンドロペタラム

繊細な葉が美しいカレックス・ディアネラ・コンドロペタラムは、乾燥だけでなく湿気のある場所でも育つ強い草花です。高木や低木の足元を隠す根締めに使いやすく、ドライガーデンのアクセントとして使うのがおすすめ。

砂利と組みあわせることで、葉の繊細さが優雅な雰囲気を与え、ドライガーデンに自然な緑をもたらします。

ただし、コンドロペタラムは極端な乾燥に弱いので、日陰になる場所で定期的に水やりして管理するのがポイントです。

ドライガーデンに敷き詰めるものは砂利でなくても良い

ドライガーデンには、砂利を敷き詰めることが一般的とされていますが、現代の庭事情ではそうではありません。

デザインによっては、ウッドチップを敷き詰めてデザインすることもあり、色やサイズなどをこだわればドライガーデンの雰囲気を損なうこともあまりありません。

また、石だけを配置するのではなく、流木なども使って配置することでより現地のような自然を再現でき、リアリティのあるドライガーデンを演出できます。

まとめ:今後のドライガーデンの楽しみ方

ドライガーデンの砂利は庭のデザインやメンテナンスにおいて、重要な要素です。

庭の美しさだけでなく、植物の健康や庭全体の機能性にも影響し、用途にあわせた選定や定期的なメンテナンスを行うことで、理想的なドライガーデンを実現できます。

また、好みのスタイルやデザインにあわせて砂利と石の種類を選び組みあわせることで、プロが手がけたようなクオリティの高いドライガーデンをつくれ、洗練された空間を演出できます。

完成した作品には、ガーデンライトを付けて、より大人の雰囲気を感じるドライガーデンを演出してみましょう。長い間、美しい景色を観賞でき、身近に癒しを感じられます。

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 柴﨑光一

建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。