駐車場の目地の仕上げにはさまざまな素材が採用されますが、中でもレンガは人気のある仕上げの一つです。
当記事ではデザイン性と機能性にすぐれ、メリットの多いレンガについてご紹介します。
駐車場の目地の仕上げについて迷っている方、外構工事や外構リフォームを控えている方はぜひ参考にしてください。
目次
駐車場の目地にレンガを採用することで得られるメリット
まずはレンガを採用するメリットをまとめました。
デザイン性が高い
レンガを採用する理由で一番に挙げられるのが、デザインの良さではないでしょうか。
レンガには多様な色やデザインがあり、多くのおうちの外観にマッチします。
また目地の入れ方やレンガの配置次第で、さまざまな表情を楽しめるのもメリットです。
おうちの外観や他のエクステリアとコーディネートしやすい
駐車場の目地にレンガを採用するなら、玄関アプローチや花壇などにも採用してコーディネートするとおうちの外観に統一感が生まれます。
エクステリアのさまざまな場所に採用できるのも、レンガのいいところですね。
コンクリートと目地がフラットな仕上がりになる
レンガの目地はコンクリートの面と目地がフラットに仕上がるため、ベビーカーや車いすでもスムーズに通行できます。
フラットな仕上がりは、ゴミや砂ぼこりが溜まることもなくメンテナンスの手間もほぼかかりません。
殺風景になりがちなコンクリートに温かみを演出できる
薄いグレー一色のコンクリートだけではどうしても殺風景な印象になってしまいますが、目地にレンガを取り入れるとあたたかな印象をプラスすることができます。
駐車場は外構の中で、比較的大きな面積を占める場所です。
駐車場の印象は、おうちの外観全体を左右すると言っても過言ではありません。
レンガは、外観の印象をアップさせるアイテムにもなりますよ。
雑草が生えにくい
モルタルで固定するレンガの目地は、雑草が生えることがほぼありません。
雑草が生えるには「土」「光」「水」が必要になりますが、これらのすべてをシャットアウトするレンガは雑草除去の手間から解放してくれるすぐれものです。
カラーバリエーション・デザインが豊富
「レンガ色」というと赤みがかった茶色をイメージしますが、近年のレンガは黒っぽいものから白っぽいものまでさまざまな色が販売されています。
またデザインも豊富で角張ったスタイリッシュなものから、角を丸く落としたやさしい雰囲気のものまでさまざまです。
たくさんある種類の中から選べるのも楽しいですね。
使い込むとより味わい深い印象になる
レンガは、使い込むと「劣化する」というよりも「味わい深い」印象になる素材です。
ヨーロッパなどでは、築100年を超えるレンガ造りの建物が多く見られます。
その建物は、どれも劣化よりも趣を感じさせるものです。
駐車場の目地は一度施工すると、その後数十年は使うことになります。
使えば使うほど味わい深くなるレンガは、長きにわたっておうちの外観の印象を素敵に形づけてくれるでしょう。
駐車場の目地にレンガを採用することで起こるデメリット
駐車場の目地にレンガを採用するデメリットをまとめました。
イニシャルコストが高い
レンガを採用する最大のデメリットは、導入時のコストが高いことです。
施工費用は駐車場の広さや使用するレンガにより異なりますが、1㎡あたり1万円前後が相場です。
しかし、一度採用するとほぼメンテナンスフリーで半永久的に使用できるので、ランニングコストを考えるとお得であるとも言えます。
使い続けるとひび割れることがある
レンガは、使い続けるとひび割れることがあります。
レンガによって強度が異なるので、駐車場の目地に使用するのは車が載っても耐えられる耐荷重の高いものがおすすめです。
一度施工するとリフォームが難しい
レンガは目地にモルタルで固定するため、一度施工すると簡単に取り換えることができません。
採用時に気に入っていたデザインが、数年後に気に入らなくなってしまうことはよくあるもの。
採用時には、レンガの種類やデザインに慎重になる必要があります。
レンガの目地はこんな駐車場におすすめ
レンガの目地をおすすめする駐車場をまとめました。
洋風やナチュラルテイストを採用した外観のおうち
レンガは日干しで作られていた時代を含めると、すでに6000年ほど使用されている歴史ある建材です。
レンガから感じる趣はナチュラルテイストと相性がとても良く、駐車場以外にもエクステリア全体で人気があります。
シンプルに仕上げたい場合にはレンガの色味をモノトーン(単色)にまとめる、華やかさや可愛らしさを演出したい場合はレンガの色味を複数使用するなど、工夫次第でさまざまな表情を出せるのもレンガの魅力です。
コンクリート駐車場に温かみを持たせたい
薄いグレー一色のコンクリートだけでは、どうしても駐車場が殺風景な印象になってしまいがちです。
そこに暖色系のレンガをプラスすると、おうちの外観全体に温かみが生まれます。
レンガは植栽のグリーンとも相性が良く、花壇や塀にも採用されます。
駐車場以外にも、エクステリア全体でレンガをコーディネートしてみるのもいいでしょう。
目地を駐車する際の基準にしたい
駐車場の目地にライン状にレンガを配置すると、駐車枠の代わりにもなり車が停めやすくなります。
特に車を2台以上所有しているお宅では、駐車場の枠が明確になっていると便利です。
駐車場の目地と駐車枠を兼ねるには、駐車場の設計の段階で目地の位置を決めておく必要があります。
駐車場のコンクリート目地に採用されるレンガの種類
駐車場の目地に採用するレンガにはいくつか種類がありますが、車が載っても割れない耐荷重があることが前提です。
普通レンガ
もっとも一般的に使用されているレンガです。「赤レンガ」とも呼ばれます。
これは、粘度中に含まれる酸化鉄がレンガを赤くするためです。
普通レンガのサイズは、長さ210㎜、幅100㎜、厚さ60㎜とJIS規格で定められています。
アンティーク調レンガ
アンティーク調レンガはあえて古びた加工をしているレンガです。
角を落としたり色を煤けさせたり、さまざまな加工がされています。
近年は加工の技術も上がり、リアルなエイジング加工がされたレンガが、安価で購入できるようになりました。
これに対し、古いレンガ造りの建物を解体した時に出るものを、アンティークレンガと言います。
アンティークレンガは希少で高価ですが、深みや存在感が加工品とは違うと言われています。
コンクリートレンガ
レンガは岩と粘度から作られていますが、コンクリートレンガは名前のとおりコンクリートが原料です。セメントレンガとも呼ばれます。
レンガが焼き物であるのに対し、コンクリートレンガはコンクリート二次製品です。
見た目は加工によってレンガとほとんど見分けがつかないものもありますが、コンクリートレンガはレンガに比べてあたたかみに欠ける印象が否めません。
駐車場の目地にレンガを採用する際の注意点
強度の高いものを選ぶ
人が載るのと違い、駐車場に採用するレンガには相当な荷重がかかります。
駐車場の目地に採用するレンガは、耐荷重の高いものを選びましょう。
ホームセンターなどで売られている1つ100円前後のレンガにはデザインが可愛いものが多いですが、花壇の縁取りに使用するなど車が載ることを前提としていないものもあります。
無理に駐車場の目地に使用すると、割れてしまうこともあるので注意が必要です。
コンクリートとレンガの間に数㎜のすき間を設ける
コンクリートは、気温差によって膨張と収縮を繰り返します。
コンクリートの膨張や収縮でひび割れを起こさないために目地を入れるのですが、膨張時にコンクリートとレンガが干渉してしまう恐れもあります。
干渉しないためには、あらかじめコンクリートとレンガの間に数ミリ程度のすき間を設けておくことです。
下地の砕石の層を厚くする
レンガの下地にはおもに砕石を使用しますが、砕石の層を厚くすることでレンガの沈み込みを防ぎ割れにくくすることが可能です。
特に、厚みのないレンガを使用する場合にはおすすめです。
まとめ
当記事では、駐車場の目地にレンガを採用した場合のメリット・デメリット、採用する前の注意点についてお伝えしました。
レンガは、おうちの外観のいろんなポイントに採用できるポピュラーな建材です。
あるだけであたたかみを演出できる効果的なアイテムでもありますので、上手に利用しておうちの外観の印象をアップしましょう。
静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。