駐車場の地面が土のままだとタイヤで地面が削れたり、雨の後に水たまりができたり、雑草が生えたり、地面を綺麗に保つことが難しくなります。そのため駐車場にはコンクリートやインターロッキングなど、何らかの舗装をするケースがほとんどではないでしょうか。
中でもコンクリートはどんな建物のデザインにも合う外構工事のすぐれものです。外構工事費用に必ずといっていいほど採用されるコンクリートは、外構工事費用の3分の1を占めるとも言われています。
コンクリートはシンプルでありながら施工には高い技術が必要です。当記事ではコンクリート駐車場に必要になる目地についてお伝えします。目地とはコンクリートに入れる切れ目のことを指しますが、脇役のように感じるコンクリート目地も実は重要な役割を持っています。またコンクリート目地をレンガや植栽で装飾すると、ただのコンクリートの切れ目でなくおうちの外観のアクセントにもなります。ご新築や増設等でコンクリート駐車場をお考えの方は必見です。ぜひ最後までお読みください。

目次

コンクリート駐車場にはなぜ目地が必要なの?知っておきたいコンクリート目地の役割。

コンクリートには目地が必要です。その理由と目地の役割について解説します。

コンクリート目地の役割①:コンクリートは温度によって伸縮する。

コンクリートは温度変化で収縮します。1mのコンクリートに10℃の温度変化があれば約0.1㎜伸縮すると言われています。これは10mのコンクリートで冬0℃、夏直射日光で50℃まであがれば5㎜も動く計算です。

敷地の中で建物の次に広い面積を持つ駐車場のコンクリートが5㎜も動いたら、駐車場だけでなく建物の基礎に影響を与え、ヒビや破損などの原因になる可能性もあります。

コンクリート目地の役割②:目地はコンクリート駐車場の水はけをよくする。

駐車場を含むコンクリートの地面には1%(1mにつき1cm下がる)の水勾配を設けるのが一般的ですが、目地に透水性のあるものを採用すればさらに水はけはよくなります。

透水性のあるコンクリート目地には砂利・玉石、ドライテック、人工芝などが挙げられます。駐車場の水はけが悪い場合は透水性の高い目地がおすすめです。

コンクリート目地の役割③:目地は駐車場に個性を出すアクセント。

駐車場は敷地の中で建物の次に面積が広い場所です。そのため外から見た時に目立つ場所でもあります。駐車場の一番の目的は「車を停めること」ですが、その場所に個性を持たせることでおうち全体の外観をグレードアップできますよ。

コンクリート駐車場はこうして作られる。コンクリートの厚みや必要な目地の数を解説。

駐車場のコンクリートはどのように打設され、どれぐらいの目地が必要なのでしょうか?ここでご紹介します。

コンクリート駐車場の解説①:一般的な駐車場ではコンクリートの厚みは10cm。

雪がさほど降らない地域では、駐車場のコンクリートの厚みは10cmで施工されることがほとんどです。厚さ10cmのコンクリートの下にさらに砕石の層が10cmあります。

つまり土の状態から地面をコンクリートにする場合、コンクリートの層と砕石の層を合わせて土を20cm掘削する必要があります。

寒冷地の駐車場やトラックや農耕機械などを停める駐車場ではコンクリートの厚みを15cm程度にする必要があり、さらに掘削の量が増えるため工事費用も高くなります。

コンクリート駐車場の解説②:10㎡または3mおきに目地が必要。

10㎡以上の地面をコンクリートにする場合、3辺が3m以下になるように目地を入れます。

2台用の駐車場だと約6メートル四方の広さになりますので、間口・奥行どちらにも最低1本は目地が必要です。

目地を入れる位置はピッチどおりでなく、あえて不規則にすると駐車場のデザイン性が高くなります。ただデザイン性を高くするためにたくさんの目地を入れすぎるとコンクリートの強度が下がってしまうので注意しましょう。

コンクリート駐車場の解説③:駐車場のコンクリート打設工事は運搬費や残土処分費がかさむ。

コンクリートの打設工事で費用が高くなるケースは「狭小地での工事」、「搬入経路が狭い場所での工事」、「高低差がある場所での工事」などが挙げられます。

駐車場のコンクリート打設工事は車が出入りする場所なのでこれらにはほとんど当てはまらないはずです。反対に駐車場は面積が広く生コンや残土の量も増えるため、それらの運搬や処分費用が高くなります。

運搬や処分の作業は職人さんの手で行われるため、基本的に費用を抑えることはできません。

コンクリート打設工事費用はこうして決まる!少しでも安くするコツを伝授。

建築部材の値上がりが著しい昨今、少しでも工事費用は抑えたいもの。特にコンクリートは駐車場を含む外構工事に絶対に欠かせないものなので、費用を抑えられればお得感もアップします。ここではコンクリート打設工事を安くするポイントについてお伝えします。

コンクリート打設工事を安くするポイント①:工事業者と直接契約をする。

家を建てたハウスメーカーに紹介されるまま外構工事を依頼すると、その工事費用には必ず仲介手数料が含まれています。

ハウスメーカーやビルダーを通さず直接業者に工事を依頼すれば中間マージンを削減できます。

コンクリート打設工事を安くするポイント②:自社で施工する業者に工事を依頼する。

工務店やビルダーなどでは直接工事を依頼しても外部の職人を雇ったり下請け会社に仕事を回したりする場合があります。

その場合は自社で工事をする業者よりも工事費用が高くなります。コンクリートの打設工事を自社で行い、自社から職人を手配してくれる業者に依頼することが大切です。

コンクリート打設工事を安くするポイント③:コンクリートの厚みを減らす。

雪がさほど降らない地域では駐車場のコンクリートの厚みは10cm程度で施工されることがほとんどです。

しかし一説にはコンクリートの厚みを8cm程度に減らしても耐久性は確保できるという意見もあります。厚みを減らす分、使用するセメントが少なくて済むので工事費用が少しだけ抑えられる計算です。

厚みにかかわらずコンクリートの施工にかかる手間は変わりません。またコンクリートの厚みを減らして万が一ひび割れを起こした場合施工をやりなおすことは難しいので、厚みを減らす場合はご自身で責任を持って依頼することが大切です。

あなたならどれを選ぶ?コンクリート駐車場の目地の種類。

コンクリート駐車場の目地の仕上げ方にはさまざまな種類があります。ここでご紹介します。

駐車場のコンクリート目地①:砂利・玉石

コンクリート駐車場の目地に砂利や玉石など小さめの石を入れる仕上げです。ポピュラーな仕上げで、目地に入れるだけなのでDIYでも簡単に施工できます。

砂利・玉石はカラーバリエーションも豊富なのでおうちの外観に合わせやすいのも○。ただ地面に固定されていないため、散らばりやすいというデメリットがあります。

特に車のタイヤが載る部分だけをコンクリートにしている駐車場など、コンクリート以外の部分が広い場所にはあまりおすすめできません。

駐車場のコンクリート目地②:レンガ

外壁や塀などおうちの外装に採用されることの多いレンガは、コンクリート駐車場の目地にもぴったりです。

コンクリートの伸縮の影響を受けないように施工の際にはコンクリートとレンガのすき間を5㎜程度空けるのがポイントです。

駐車場のコンクリート目地③:植栽

タマリュウや多肉植物のセダムなど、耐陰性が強く水やりの手間がかからない植物をコンクリート駐車場の目地に植える仕上げです。無機質なコンクリートに天然の植物が加わることで殺風景な印象がなくなります。

駐車場のコンクリート目地④:プラスチック成型伸縮目地材

「エキスパンタイ」、「スーパーメジ」、「シーズタイト」など、プラスチックでできたコンクリート駐車場専用の目地材です。

表面に見えているプラスチックの下(埋まって見えない部分)はスポンジのようになっていて、コンクリート駐車場の伸縮の影響を受けにくい構造になっています。どんなおうちの外観にも合う、メンテナンスの手間がかからないなどの理由から外構業者の方もよくおすすめされています。

駐車場のコンクリート目地⑤:ドライテック

ドライテックとは水を通すコンクリートです。目地をドライテックでしっかりと埋め固めても水はけがよく、砂利のようにばらばらになることがありません。ホームセンターでも売られているのでDIYでも施工できますよ。

駐車場のコンクリート目地⑥:ピンコロ

ピンコロとは花崗岩をサイコロ状に切り出したものです。レンガのように平滑な仕上がりではなく、表面に石特有の凹凸があるので表情に温かみがあります。

ピンコロは駐車場以外にも玄関アプローチや花壇などにも採用されます。コンクリート駐車場では目地だけでなく間口付近にも施工するとよりデザイン性が高く、おうちの外観がグレードアップします。

駐車場のコンクリート目地⑦:人工芝

駐車場の目地を植栽で仕上げたいけど枯らせてしまうのが嫌だ、水やりなど面倒なことしたくないという方には人工芝がおすすめです。

近年の人工芝は人工だと気づかないほどリアルに作られています。綺麗な状態を長く保つためにはポリエチレン製の高密度タイプがおすすめです。

まとめ

当記事ではコンクリート駐車場の目地についてお伝えしました。

普段の生活の中でコンクリート駐車場の目地を気にする機会はほとんどありませんが、駐車場は外から見た時に自然に目に入るポイントなのでおうちの印象を決定づけるものになります。

エクステリアの細部にまでこだわるには時間もエネルギーも必要ですが、エクステリアが満足のいくものに仕上がるとおうち全体が大好きな場所になりますよ!

駐車場を含むエクステリアのプランで悩むことは人生のうちにそう何度もありません。「楽しく悩める」という貴重な時間を大切にして、大満足の駐車場を作ってくださいね!

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 らいち

大阪生まれ大阪育ち。古めの建築物が大好きです。暇さえあれば、団地建て替えの現場を見物に行って萌えています。