古くなったウッドデッキは、見た目が悪くなってしまうだけでなく、耐久性も落ちて怪我をする場合もあります。
 
今回は、天然木や人工・樹脂木のウッドデッキのお手入れの仕方、デッキ表面に付いた汚れの落とし方、木材の塗装方法やポイントなどたっぷりと紹介!

目次

ウッドデッキにお手入れが必要な理由とは?

お庭のリラックスできるスペースとなるウッドデッキ。
1年中太陽の紫外線や雨風にさらされ、さらに乾燥や湿気、暑さや寒さの影響を受けているため、劣化しやすく、メンテナンスをしないとすぐに使えなくなってしまいます。
 
デッキ表面の塗装が剥がれると、水分によって木材が腐り、危険な場所になってしまうことも。
そのため、ウッドデッキを設置したあとは、定期的なメンテナンスが必要です。

木材の「割れ」が原因!ウッドデッキの塗装とメンテナンスは大事

 
 

ウッドデッキに使われる木材は、寒暖の影響や水分などによって体積が伸縮します。
伸縮を繰り返していると木材の表面が割れてしまい、雨が降ったときなど水分が中に溜まると、腐朽しはじめます。
 
そのため施行してから数年経ったウッドデッキは、2〜3年に1度のペースで、剥がれてしまった塗装を塗り替えることがとても大事です!

ウッドデッキの種類を知って、メンテナンスをしよう!天然木と人工・樹脂木の違い

庭づくりで使われるウッドデッキには、天然木と人工・樹脂木の2種類の材があります。
 
それぞれにあったメンテナンス方法があり、間違った方法でお手入れをしてしまうと、見た目が悪くなってしまったり、耐久性が落ちてしまう場合も。
2種類のウッドデッキの特徴を知ってから、メンテナンス作業をしましょう。

天然木とメンテナンス

 
 

色味や手触りと、木の温もりが感じられ、ナチュラルな雰囲気が魅力の天然木を使ったウッドデッキ。
「ハードウッド」と「ソフトウッド」の2種類があり、耐久性やコストの違いなどがあります。
基本的にはメンテナンスの方法は一緒ですが、耐久性の違いがあるため、メンテナンスの頻度がそれぞれ違うのが特徴です。

ハードウッドを使ったウッドデッキの場合

 
 

南米に自生するイペの木や、インドシナ諸島に自生するウリンの木など、広葉樹を使ったハードウッド。
木材の繊維が細かいため、丈夫で堅く、耐久性が高いため20年以上ウッドデッキとして使えます。
害虫や腐食にも強いですが、コストがソフトウッドよりも高いのが特徴です。
 
基本的には、塗り替える必要はないですが、長持ちさせるためには、3年に1回ほどのペースで塗装するといいです!ただし、塗装ののり具合が悪く、塗料が剥がれやすいのがデメリット。

ソフトウッドを使ったウッドデッキの場合

 
 

日本も自生するスギの木やヒノキなど、針葉樹を使ったソフトウッドは、ハードウッドよりもやわらかいです。
色あせやひび割れ、腐食などが起こりやすく、防虫防腐対策などメンテナンスが欠かせない木材。
 
しかし、ハードウッドよりも加工がしやすく、価格も安いのが特徴です。
ウッドデッキにした場合は、1年に1回ほどのペースで塗装の塗り替えをします。

人工・樹脂木とメンテナンス


人工・樹脂木は、木材を加工したときに出た木くず(木粉)と、樹脂を混ぜ合わせたできた材です。
天然木を使ったウッドデッキよりも価格が安く、耐久性もかなり高いため、メンテナンスをあまりしなくてもOK!塗装の塗り替えなどする必要がなく、3ヶ月に1回ほどの掃除や洗浄をすれば、見た目のきれいな状態が保て、長きに渡ってウッドデッキとして使えます。

定期的なお手入れが大事!天然木や人工・樹脂木を使ったウッドデッキの掃除方法のポイント

天然木や人工・樹脂木を使ったウッドデッキは、素材に関係なく、日頃の掃除や洗浄などのメンテナンスが大事です。
定期的にお手入れすれば、ウッドデッキの寿命が延び、安全に使うことができます。
 
雨が降った後日や、強い風が吹いたあとなどは、掃き掃除や水洗いなど軽く済ませると、大掛かりな掃除をする手間が減ることも。
または、3〜6ヶ月に1回ほどのペースでやるのもいいです!

Point1. 板目のホコリやゴミは取り除く
 

ウッドデッキの板と板の間に詰まったゴミやホコリには、木を腐らせる菌が含まれていることがあります。
放置していると、木材が乾燥して、劣化の原因にもなる場合も。
 
歯ブラシやほうきを使って、きれいに取り除きましょう!

Point2. デッキ表面の油汚れなどは、ブラシと洗剤を使って落とす!
 

デッキの表面に付いてしまった落としにくい油汚れやしょう油などのシミは、食器用中性洗剤を使って水洗いしましょう。
デッキブラシで軽く擦るようにやさしくきれいに落とします。
 
ただし、強酸や強アルカリ、シンナーなどの成分が入った洗剤は、木材の色あせの原因にもなるので、弱酸性などのタイプを選ぶようにしてくださいね!

Point3. 木材にコケが生えていたら、デッキブラシで
 

古くなったウッドデッキは、木材の表面にコケなどが付くこともあります。
デッキブラシやタワシなどを使って、きれいに落としましょう。
 
コケや緑色の汚れは、放置すると木材の中まで浸透してしまい、デッキブラシで落としにくくなってしまうので、発見次第、すぐに洗浄します。

本格的なお手入れは年に2〜3回のペースがベスト!ウッドデッキのメンテナンス方法

ウッドデッキをきれいな状態で長持ちさせるためには、定期的な掃除や洗浄のほかに、本格的なお手入れをすることもポイント!年に2〜3回のペースで、普段のお手入れでは落としきれなかった汚れを掃除すると、劣化がしにくい丈夫なウッドデッキになります。

高圧洗浄機を使って、普段の掃除で落としきれなかった木材の汚れを除去
 

木材の中に染み込んでしまった汚れなどは、高圧洗浄機を使ってきれいに落とします。
高圧洗浄機がない場合は、デッキブラシで、念入り擦り洗いでも問題ありません。
ただし、高圧洗浄機を使う場合は、先端のノズルをワイド型にして、デッキに傷がつかないように注意して使用しましょう。

ウッドデッキのメンテナンスの手順

Step1. 高圧洗浄機でデッキの表面をきれいに
 

まずは、高圧洗浄機を使って、デッキ表面に付いた汚れやホコリを落とします。
板の溝に詰まったホコリやゴミも取り除くように、デッキの板目に沿って、丁寧に作業してくださいね!

Step2. 油汚れや黒カビは、洗剤や漂白剤で
 

デッキ表面に付いてしまった油汚れや黒カビは、食器用中性洗剤や次亜塩素酸系漂白剤を使って、きれいに落とします。
たわしやデッキブラシで擦ったり、軽く叩いたりすると落ちやすいです。
また、洗剤や漂白剤を使うときは、ウッドデッキの周りの花壇などに植っている庭木や草花に、拭きかからないように注意しましょう。

Step3. 落ちない汚れや傷は、サンドペーパーできれいに
 

高圧洗浄機や洗剤などで落としきれなかった汚れや傷は、サンドペーパーを使ってデッキ表面を軽く削るように除去します。
あまり強い力を加えて擦ってしまうと、デッキ表面が凸凹になってしまうので、取り除ける範囲でやるのがいいです。

木材の表面を保護しよう!天然木の塗装方法とメンテナンスのポイント

天然木を使ったウッドデッキは、長く使用することで、デッキ表面の塗装が剥がれ、ひび割れなどが起こります。
劣化が進行しにくくなるように、1〜3年に1回のペースで、保護塗装をしましょう。
ウッドデッキの塗装は、塗料が乾くまでを考慮して、晴天が2〜4日ほど続く日に作業をしてくださいね!

Point1. はっ水性のある塗料を使う
 

ひび割れした箇所から、水分が木材に染み込むことで、ウッドデッキは腐食してしまいます。
塗料は、はっ水性の高いものを選ぶのがベスト。
水分を弾きやすく、木材が腐りにくいです。

Point2. 同じタイプの塗料を使う
 

ウッドデッキに使われる塗料には、「水性」と「油性」の2つのタイプがあります。
水と油は相反する成分のため、水性塗料を塗った木材に、油性塗料を塗っても弾いてしまいます。
水性塗料を塗ったウッドデッキには、同じ水性塗料を塗るようにしましょう。
 
ただし、塗料でも、ニスやペンキは、デッキ表面に塗膜ができてしまうので、使わないようにします。
ウッドデッキには、油性成分のオイルステインがおすすめです!

Point3. タイミングは木材の木肌が見えたら


塗料を塗るタイミングは、デッキ表面の塗装が剥がれて、木肌が見えるようになったら!基本的には1〜3年ほどの目安で塗り替えますが、住んでいる地域の気候や気温湿度によって、木材のダメージが違うので、タイミングがわからないときは、デッキ表面の塗装の具合を確認しましょう。

ウッドデッキの塗装方法

Step1. サンダーをかけて、水洗い

 

塗装をする前に、まずはウッドデッキ全体にサンダーをかけて、デッキ表面をならしましょう。
凸凹の状態では、ムラができてしまい、見た目が悪くなってしまいます。
その後は、水をまいてホコリを洗い流し、1〜2日ほど乾かしてくださいね。

Step2. デッキ表面に塗料を1回塗る

 

よくかき混ぜた塗料を、ハケを使ってデッキ表面に薄く塗ります。
塗料を拭き取るように塗ると、ムラができにくいです。
また、窓枠やサッシなど、塗料が付かないように養生することも忘れないように!

Step3. 半日塗料を乾かしたら、再度塗り直す

 

ウッドデッキ全体に塗料が塗れたら、半にほど乾かします。
ベタつきがなくなったら、再度もう一度塗料を全体的に塗って乾けば、メンテナンスの終了です!

DIYか業者ならどっちがおすすめ?ウッドデッキのメンテナンス費用やそれおぞれのメリット

ウッドデッキのメンテナンスはDIYでもできますが、難しいと思う方や、手間がかかりすぎて面倒だと思う方は、業者に依頼することも検討しましょう。
 
仕上がりが良く、ウッドデッキ全体の補修までしてくれます。
しかし、価格がそれぞれで違うので、業者に依頼する場合は、担当の方とよく相談して決めることが大切です。

DIYの費用とメリットとデメリット

 
 

DIYでウッドデッキのメンテナンスをすると、費用の相場は約1〜5万円ほど。
高圧洗浄機やサンダー、塗料、そのほかの道具などを買いそろえた分になります。
 
塗料自体は1万円程度で購入できるものが多いので、道具があればさらに安く済む場合もあります。
そのため、業者に依頼するよりも、安くできるのが最大のメリットです。
 
ただし、人件費がかからない分1人で作業する量が多く、メンテナンスが全て終了するまで、5〜7日ほどかかってしまったり、塗装のムラやだまができて仕上がりが悪かったりする点がデメリットです。

業者に依頼する費用とメリットとデメリット


 

業者に依頼したメンテナンスの費用は、約4〜30万円ほどかかります。
人件費がかかる分、DIYよりも高額になる場合が多いです。
 
しかし、ウッドデッキ自体の補修までしっかりとやってくれるため、仕上がりはとても良いです。
また、作業人数も多いため、施行期間が短く、2日ほどで終わることがほとんど。
 
DIYで失敗してしまった方や、メンテナンスの手間が大変だと思う方は、業者に依頼するのがおすすめです。
しかし、早朝から作業を始めて、機械音などを出す場合もあるため、騒音のストレスや近隣の家への気配りなどがデメリットになります。

木材に付いた汚れ落としなど、メンテナンスを定期的に行って、見栄えの良いウッドデッキに!

ウッドデッキは掃除や洗浄など、簡単にできるメンテナンスを定期的にすることが大切です。
また、天然木に限らず、人工・樹脂木も同じように、こまめなお手入れが必要です。
 
小さなことがきっかけで、木材が劣化してしまうので、晴れた日は、時間があったら掃き掃除や拭き掃除をする習慣を身につけるといいかもしれません。
ぜひ、メンテナンスをして、見た目の美しいウッドデッキで、ゆっくりと過ごせる庭づくりをしてみてくださいね!

ウッドデッキのお手入れや、リフォームはスマイルエクステリアへ!

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高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 柴﨑光一

リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。 カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。 現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。 植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。