庭づくりや植栽選びを考えている方は、「どの植物が庭に合うのか」「手入れが難しくない木はあるのか」など、悩むことが多いですよね。
特に初めての庭づくりだと、植える場所や管理方法を間違えると、植物がうまく育たないのではないかと不安になることも。
植栽選びは、庭の雰囲気を左右する大切な要素の1つです。
だからこそ、選ぶ際には慎重になります。
しかし、植物の特性や育つ環境をきちんと理解し、適切な場所に植えれば初心者でも育てやすく、庭全体が生き生きとした空間に変わります。
特に枯れにくい木や手入れが簡単な木を選ぶことで、長く美しい庭を保つことができます。
さらには、季節ごとに違った表情を見せる庭木を選べば、庭づくりがさらに楽しくなりますよ。
今回は、枯れにくく初心者にも扱いやすい庭木の特徴から、日当たりや風通しなど場所ごとのおすすめの植栽まで詳しく紹介します。
育てやすく、管理が簡単な植物を選ぶことで、初心者でも安心して庭を楽しむことができるはずです。
庭づくりを成功させるための植栽選びのコツを、たっぷりとお届けします!
目次
植栽のおすすめの選び方
植栽を選ぶときには、庭やリビングからの景観を意識しながら、植える木の特性や管理のしやすさを考えることが大切です。
特に落葉樹が植えられた庭木は、四季を感じられるだけでなく、お庭全体の雰囲気を引き締めてくれます。
ここでは、植栽のおすすめの選び方について下記3つを紹介します。
- 目的に合わせて選ぶ
- 場所に合わせて選ぶ
- 住宅のタイプに合わせて選ぶ
目的に合わせて選ぶ
植栽を選ぶときには、まず「どんな目的で植えるのか」を明確にすることが大切です。
庭や玄関周りに植える木は、ただの観賞用だけではなく、目隠しや日除け、さらには実を収穫する楽しみもあります。
シンボルツリーとして目立たせたいのか、それとも周囲からの視線を遮るための目隠しが必要なのか。
花を楽しむためなのか、実を収穫したいのかなど、目的に合った植栽選びが、庭を作る上で欠かせないことの1つです。
シンボルツリーとして目立たせたいなら、ある程度の大きさまで育つ中高木の樹木を選びましょう。
剪定の手間を考えながら選ぶと、長く美しい姿を楽しめます。
また目隠しが目的の場合は、常緑樹がおすすめ。
葉が一年中茂り、しっかりと視線を遮る効果が期待できます。
花や実を楽しみたい方は、季節ごとの変化が感じられる落葉樹を選ぶのもいいかもしれません。
どの目的であっても、自分の庭に合った植栽を選ぶことで管理もしやすく、長く楽しめる庭づくりができますよ!
シンボルツリーとして
シンボルツリーとして植える木は、庭や玄関の印象を決める重要な存在です。
家の顔ともいえるシンボルツリーは、庭全体のデザインを引き締め、季節の変化を楽しむポイントにもなります。
シンボルツリーとして樹木を1本、庭の中心に植えることで視線を集め、ほかの植物との調和を生み出せます。
また、植え方次第で日除けや風除けの役割を持たせることも可能です。
シンボルツリーとして人気なのは、樹形が美しいものや生長が早過ぎないもの。
シマトネリコやオリーブのように、手入れが簡単で風格がある木は、初心者でも扱いやすいです。
定期的に剪定をすることで、理想の形を保ちながら長く楽しむことができるのも、シンボルツリーの大きな魅力です。
目隠しとして
目隠しとして植栽を選ぶときには、常緑樹がおすすめ。
1年中葉を茂らせてくれるため、隣家や道路からの視線をしっかりと遮ることができます。
高さのある木を植えることで、プライバシーを守りながら庭に落ち着きをもたらしてくれるのが大きなメリットです。
目隠し用の木として人気なのは、シラカシやソヨゴなど。
これらは病害虫に強く、手入れの手間も少ないため、初心者でも管理がしやすいです。
また、目隠し効果を調節しやすいのも魅力の1つ。
密に植えればしっかりと視線を遮り、剪定で透け感を調整すれば、風通しの良い空間を作ることもできます。
視線を遮りながら、庭全体のデザインを美しく保つ目隠し用の植栽は、機能性とデザイン性を兼ね備えています。
花の鑑賞目的として
花の鑑賞目的で植栽を選ぶなら、四季折々の美しい花を楽しめる木を選ぶのがいいかもしれません。
例えば、春にはユキヤナギやサクラ、夏にはギンバイカなど、季節ごとに異なる表情を見せてくれる庭木が人気で、庭に色彩を加え、季節感を引き立ててくれるのが魅力的です。
花の鑑賞目的で植える木は、手入れが比較的楽なものを選ぶと長く楽しめます。
特に落葉樹は、花が咲き終わった後も葉の色や形が変化するので、一年を通して楽しめる点がメリットです。
また、鉢植えにしてリビングからも眺められるようにすれば、外だけでなく室内でも色とりどりの花を長く楽しめます。
花の彩りが庭に加わることで、庭全体が華やかになるので、四季を感じる庭づくりにぴったりです。
実の収穫目的として
実の収穫を目的として植栽を選ぶ場合、自宅で育てた果実を楽しむ喜びがあります。
庭で栽培できる実のなる木は、家庭菜園とは違った楽しみ方ができるのが魅力です。オリーブやブルーベリーなどは、実を収穫して食卓に並べたり、保存食として活用することも可能です。
実の収穫を楽しむ木は、比較的育てやすく、手間もかからないものを選ぶと安心です。
例えば、オリーブは洋風の庭にもぴったりで、果実だけでなくシンボルツリーとしても人気があります。
また、定期的に実が収穫できるので、ガーデニングの楽しみが増えます。
実のなる木を選ぶことで観賞用だけでなく、家族で収穫を楽しむという新しい庭の楽しみ方が広がります。
パートナーやお子さん、さらには親戚や近所の方々と庭で過ごす時間がもっと充実しますよ。
場所に合わせて選ぶ
植栽を選ぶときには、植える場所に適した植物を選ぶことも、庭づくりを成功させるポイントです。
庭やリビングからの景観だけでなく、場所によって日当たりや風通し、スペースの広さが異なるため、それぞれの環境に合った木を選ぶことで植物が元気に育ち、手入れも楽になります。
初心者の方にとっても、場所に合わせた適切な選択が、庭を美しく保つために必要なことです。
また庭の植栽において、場所に合わせて適切な植栽を選ぶことで、庭全体のバランスが整い、メンテナンスの負担を軽減しつつ、美しい空間を長く楽しむこともできます。
ここでは、植栽を選ぶ際に大切な「玄関横」「外構」「門柱前」のそれぞれに適した選び方を解説します。
玄関横
玄関横に植栽を選ぶ理由は、家の顔としての役割を持つからです。
訪れる人の目にまず入る場所なので、見た目が美しく、家全体の印象を引き締める木を選ぶことが大切です。
シンボルツリーとしての役割を果たすだけでなく、家の雰囲気を華やかにする効果も。
また、常緑樹を選ぶことで、1年を通して玄関横の景観がおしゃれな雰囲気を演出できます。
特に風通しが良い場所では、ヤマボウシやシマトネリコなどの樹木がベスト。
育てやすく、管理が比較的楽なため、初心者でも安心して育てられるほか、季節ごとの変化も楽しめ、家の印象がぐっと良くなります!
外構
場所に合わせて植栽を選ぶときには、建物の外に設置される構造物や、建物の外周りに設置される工作物など、外構で決めるのも1つの選択肢としてあります。
1本植えるだけで建物の印象を引き立てつつ、複数植えれば機能的な役割を持たせることが可能です。
基本的に道路に面した場所では、防風や防音、目隠しとしての効果も期待できるため、常緑樹や高木が人気です。
特にシラカシやカイズカイブキなどは、1年中葉を茂らせ、視線を遮りながらも外構に調和するためおすすめです。
また、外構に植栽を取り入れることで、無機質な建物やフェンスの雰囲気を和らげ、自然を感じられる空間に変えることができるでしょう。
大きく育つ木を選べば、夏場の暑さ対策としても有効的で、節電効果を得られるかもしれません。
さらに、手入れが簡単で成長が早すぎないものを選ぶことで、管理の負担を減らしつつ、美しい外構を維持できますよ。
門柱前
家の入り口を華やかに彩り、第一印象をアップさせるために門柱前に植栽を選ぶこともおすすめです。
訪れる人が最初に目にする場所なので、季節感やおしゃれな雰囲気を演出できる植物を選ぶと良いでしょう。
特にローズマリーやギンバイカなどは、門柱前でも育てやすく、香りや花を楽しめる点がメリットです。
また、門柱前はスペースが限られていることが多いため、コンパクトにまとまる低木や鉢植えが適しています。
手入れが楽で、あまり生長し過ぎない植物を選ぶことで、見た目の美しさを長く維持できます。
さらに、植栽によって門柱を引き立て、建物全体に調和した印象を与えることができるのも魅力的です。
住宅のタイプに合わせて選ぶ
住宅のタイプに合わせた植栽選びは、建物との調和を考える上で大切なポイントです。
戸建てやマンション、和風・洋風の家など、住まいのデザインに合った木を選ぶことで、外観全体が一体感を持ち、より魅力的な空間を作ることができます。
比較的戸建てには、広いスペースを活かせる高木やシンボルツリーが人気。
マンションでは、鉢植えなどを使って限られたスペースでも育てやすい植栽がおすすめです。
また和風の家には、落ち着きのある常緑樹や季節感を楽しめる落葉樹がよく合います。
洋風の家には、オリーブやローズマリーなど、スタイリッシュでモダンな印象を与える植物がぴったりです。
ここでは、「戸建て」「マンション」「和風の家」「洋風の家」と4つのタイプに分けて、それぞれ詳しく解説します。
戸建て
戸建てに植栽を選ぶ理由は、広いスペースを活かして庭全体のデザインを楽しめるからです。
庭にシンボルツリーを植えたり、目隠し用の常緑樹を植えたりと、用途に合わせた多様な選択が可能です。
特に戸建ては、家族でガーデニングを楽しむことができるスペースがあるのが大きなメリット。
また、生長が早い木を選んでもスペースに余裕があるため、伸び伸びと育てることができます。
シマトネリコやソヨゴなどの高木は、シンボルツリーとして庭の中心に植えるのがおすすめです。
四季折々の変化を楽しみながら、広い庭を使って理想のガーデンデザインを実現できるのが戸建てならではの魅力です。
マンション
限られたスペースでも緑を楽しむことができるマンション。
ベランダやバルコニーに置ける鉢植えの植栽は、季節の移り変わりを感じさせてくれるだけでなく、手軽に管理できるのが魅力です。
特に、オリーブやローズマリーなど、コンパクトに育てられる植物は、マンション住まいにぴったりな植栽といえます。
また、マンションのリビングや窓辺から眺める植栽は、室内空間にも彩りを加えます。
鉢植えにすることで移動が簡単で、日当たりや風通しに合わせて場所を変えることができるのも大きなメリット。
手入れが楽な植物を選べば、忙しい日々でも緑のある暮らしを楽しめます。
和風の家
伝統的な美しさと四季折々の風情を楽しめることが多い和風の庭には、シンプルで落ち着いた雰囲気を作り出す常緑樹や、季節の変化を感じられる落葉樹がよく合います。
和風建築の特徴である、シンプルで落ち着いたたたずまいを活かすためには、庭木も自然な形や季節感を楽しめるものを選ぶと効果的です。
イロハモミジやソメイヨシノ、サザンカやマツなど、四季折々の変化を感じられる木々は、和風の家に自然と調和し、庭に風情を与えてくれます。
特になど、紅葉や花を楽しめる樹木は、季節ごとの風景を演出し、和の風情を引き立たせる魅力もあります。
また、和風の家では、自然石や竹垣などと調和する植栽を選ぶことで、庭全体がさらに引き締まります。
常緑のソヨゴやアオキなどは、手入れも最低限で済むため、庭の手入れが難しい初心者でも安心して育てられるのがメリットです。
シンプルでありながらも趣深い庭づくりができるのが、和風の家ならではの魅力です。
洋風の家
洋風の家に合わせた庭づくりでは、建物のデザインを引き立てる植栽選びがおすすめです。
シンプルでモダンな雰囲気が多く、庭の植栽もそのスタイルに調和するものを選ぶと、全体の印象がまとまります。
オリーブやローズマリー、ギンバイカなどは葉の色や形が独特で、洋風の建物になじむ植物で人気です。
洋風のエクステリアと相性が良く、庭にスタイリッシュでおしゃれな雰囲気をもたらしてくれます。
洋風の家でも植栽は、見た目の美しさだけでなく、機能性にもあります。
例えば、オリーブやローズマリーは耐暑性や乾燥に強いため、比較的手入れが簡単で初心者にも育てやすいのが特徴です。
さらに、コンパクトにまとまりやすく、狭いスペースでも美しい庭を作ることができるのも魅力です。
また、鉢植えにしてテラスや玄関周りに置くことで、建物との調和がより高まり、季節に合わせてレイアウトを変える楽しみも生まれます。
シンプルかつモダンな植物を選ぶことで、庭全体の印象がぐっと引き締まり、訪れる人にも好印象を与える空間を作ることができます。
庭造り、外構でよく使われる植栽TOP3
庭造りや外構で使われる植栽は、デザインだけでなく、機能性・手入れのしやすさ・生長スピードも重要なポイントです。
シンボルツリーとして目立つ木や、目隠し・日除けとして活躍する木、さらには観賞用として季節感を楽しめる植栽が人気です。
ここでは、庭のプロが選ぶ、庭造りにぴったりのおすすめ植栽TOP3をランキング形式で紹介します。
- シマトネリコ
- ソヨゴ
- オリーブ
育てやすく管理がしやすい木や四季折々の変化を楽しめる植栽など、庭づくりの目的に合った木を選ぶことが大切ですよ。
1位:シマトネリコ
シマトネリコは、育てやすさと美しさを兼ね備えた常緑樹です。
沖縄や台湾などの暖かい地域に自生し、暑さや湿度に強いのが特徴。
シンボルツリーや目隠しとして人気があり、生長スピードが早いので早めに大きな木を楽しみたい方におすすめです。
樹高は大きくなると10mほどまで生長することもありますが、定期的に剪定することで、コンパクトにまとめることも可能です。
基本的には日当たりと風通しの良い場所に植え付けると良いですが、土壌も選ばず、排水性の良い土であれば、根腐れの心配も少なく元気に育ちます。
耐寒性はやや弱いため、冬の寒い地域では、株周りに腐葉土やウッドチップを敷いたマルチングなど、防寒対策をしっかり行いましょう。
またシマトネリコは病害虫に強く、虫がつきにくいこともポイント。
剪定を適度に行うことで、美しい樹形を保ちながら、庭全体を引き締めてくれます。
初心者でも育てやすく、管理の手間が少ないため、忙しい方にもぴったりの庭木です。
2位:ソヨゴ
常緑性の小高木で、静かに風に揺れる様子が美しいソヨゴ。
日本全域や東アジアの山地や丘陵地に多く自生し、寒さや暑さに強いため、日本の気候に非常に適した木です。
比較的生長スピードがゆっくりで剪定の手間が少なく、長期間美しい樹形を保ちやすいのが特徴です。
ソヨゴは、樹高が3〜10mほどに育ち、葉・花・実を四季を通じて楽しめる木です。
春には新芽の鮮やかな緑が、初夏に控えめな白い花が、秋と冬には赤い実が彩りを添えてくれます。
ただし、オスとメスの木が別々の株に分かれる雌雄異株(しゆういしゅ)なので、実を楽しみたい場合は雌株を選びましょう。
日当たりの良い場所から半日陰まで幅広い環境に適応するため、庭の条件を選ばず育てやすいのも魅力です。
また、ソヨゴは病害虫に強く、手入れが楽なため、初心者の方でも安心して育てられます。
土壌は排水性が良いものが適しており、水はけの良い場所に植えると根がしっかり張り、健康に育ちます。
日陰にも強いため、玄関先や日当たりの悪い場所にもおすすめです。
3位:オリーブ
地中海沿岸部に自生するの常緑樹のオリーブは、洋風の庭にぴったりな庭木です。
シルバーがかった緑のしゅっと先の尖った葉が特徴的で、スタイリッシュな雰囲気を演出してくれます。
乾燥に強く、日当たりの良い場所でよく育つため、ベランダや庭のシンボルツリーとして人気があります。
地植えでも楽しめますが、鉢植えで観葉植物として育てることも可能です。
オリーブは、生長スピードがゆっくりで樹形が乱れにくいため、剪定の手間が少ないのがメリットです。
日当たりと風通しの良い場所を好むため、南向きの庭やリビングから見える位置に植えるのがおすすめです。
ただし、寒さの耐性はそこまで強くないため、寒冷地では鉢植えにして冬には室内に取り込むと良いでしょう。
また、オリーブは実を収穫する楽しみもあります。
ミッションとルッカなど、2本以上異なる品種を植えることで実が付きやすく、オリーブオイルやピクルスに加工することも可能です。
丈夫で育てやすく、庭のアクセントとしても楽しめるオリーブは、初心者でも安心して育てられるおすすめの庭木です。
庭のプロが厳選!おすすめの植栽
陰に強い木や、生長スピードが遅く手入れが楽なもの、また季節感を感じられる美しい庭木など、選ぶポイントはさまざま。
庭に植える木を選ぶときには、その樹木の特性や育てやすさを考慮することが大切です。
ここでは、庭のプロが厳選した人気の植栽19種類を紹介します。
- ヤツデ
- ソヨゴ
- オリーブ
- ギンバイカ
- ローズマリー
- ユキヤナギ
- シラカシ
- シマトネリコ
- ヤマボウシ
- ハイノキ
- イロハモミジ
- ナンテン
- キンカン
- コハウチワカエデ
- シャラ
- エゴノキ
- コブシ
- キンモクセイ
- ヒイラギ
日の当たらない北側(日陰)でも育つヤツデ
日があまり当たらない場所の植栽には、日陰でも良く育つヤツデを利用してみましょう。
ヤツデは、日光が不足する北側の庭や玄関に良く利用されるウコギ科の低木です。
深い切れ込みが入ったツヤのある大きな葉が特徴で、うちわのようにも見えることからテングノハウチワとも呼ばれます。
陰樹としてのやや暗いイメージのあるヤツデですが、洋風の明るい庭にマッチする斑入り葉の「フクリンヤツデ」「キモンヤツデ」などの品種も出回っています。
ヤツデの生態について知りたい方はこちら➡ ヤツデの育て方や特徴
成長が遅くお手入れが楽なソヨゴ
ソヨゴは、さくらんぼのような赤い実をつけるモチノキ科の常緑小高木です。
フクラシバとも呼ばれます。
ソヨゴの特徴は、生育のスピードがゆっくりで樹形も乱れにくいため、お手入れが楽なこと。
剪定などの手間をなるべく減らしたいという、忙しいご家族にぴったりでしょう。
早く大きくならないソヨゴは、狭い庭や門柱前などの限られたスペースにもおすすめ。
日陰でも比較的良く育ち、病害虫の被害にあいにくく育てやすいのもポイントです。
ソヨゴの生態について知りたい方はこちら➡ ソヨゴの育て方や特徴
洋風でおしゃれな庭にマッチするオリーブ
オリーブは、地中海沿岸地方原産のモクセイ科オリーブ属の常緑樹です。
旧約聖書で平和の象徴とされ、庭木や観葉植物として高い人気があります。
くすんだ深緑色の葉が特徴で、洋風のおしゃれな雰囲気の庭や玄関にぴったりです。
また、鑑賞樹としてだけではなく、他にも楽しみ方があるのがオリーブのいい所。
実は食用とされ、オリーブオイルの原料にもなります。
育てる際には、オリーブは生長が早いため樹形を整えるための剪定はこまめに行うようにしてくださいね。
なお、暖地が原産のオリーブは寒さに弱いので、北海道・東北地方では地植えに向かないとされています。
寒い地方で育てる場合は、冬は室内や軒下に取り込める鉢植えで育てるのがおすすめです。
オリーブの生態について知りたい方はこちら➡ オリーブの木の育て方や特徴
プランターで育てられるギンバイカ
土の量が限られているプランターや鉢植えで植栽を楽しみたい場合は、乾燥に強いギンバイカがおすすめです。
ギンバイカは、夏に白く可憐な花を咲かせるフトモモ科の常緑低木です。
乾燥や夏の暑さに強く、プランターでも育てやすい植栽のひとつです。
病害虫の心配がほとんどないため虫が苦手な方にもおすすめ。
反面、寒さにはやや弱いので、寒冷地で育てる場合は防寒対策をしましょう。
またギンバイカはハーブとしても利用され、葉を指で擦ったり揉んだりするとユーカリのような爽やかな香りを楽しむことができます。
なお、ギンバイカは生育が旺盛なため、地植えにすると樹高3mほどに成長することも。
プランターや鉢植えでの栽培なら、大きくしすぎずに育てられるのもメリットです。
門柱前にぴったりなローズマリー
ローズマリーは、シソ科の常緑低木です。
ハーブとして人気が高く、アロマテラピーや肉料理の臭み消しに良く用いられます。
門柱前の花壇は、土の量が少ないうえに乾燥しやすく、植物にとっては過酷な環境。
門柱前に植え付けるのには乾燥に強く強健な植栽がおすすめですが、ローズマリーは乾燥に強く暑さ・寒さにも対応する丈夫な植物です。
夏場に強い西日が当たる玄関や、半日陰の玄関でも大きく育ってくれるでしょう。
春から夏にかけて青紫色の花を咲かせ、季節の花々とのコーディネートも楽しめます。
なお、ローズマリーは成長が早いので、適宜切り戻しや剪定をすることをおすすめします。
切り戻した枝は、ハーブとして利用することもできますよ。
ローズマリーの生態について知りたいかたはこちら➡ ローズマリーの育て方や特徴
低木で人気の高いユキヤナギ
ユキヤナギ(コゴメバナ)は、バラ科シモツケ属の低木です。地面に向かってアーチ状に枝垂れる細い枝に、白い小花を咲かせます。
4月の満開時には枝全体が花で覆われているように見えるので、観賞価値の高い庭木のひとつです。
花を楽しめる低木をお探しの方におすすめです。
また、ユキヤナギの樹高は1~2mほどとそれほど背が高くならないため、日陰を作りたくない場所にぴったり。
ただし、横に広がって成長していく性質があるので、あまり大きくしたくない場合は花が咲いたあとに枝を刈り込みましょう。
高木で目隠しになるシラカシ
植栽は、道路や隣家からの視線を遮る目隠しとしても活躍します。
植栽で目隠しするなら、1年中葉を茂らせる常緑樹を選びましょう。
常緑広葉樹のシラカシは、葉が密生していて目隠しとしてぴったりなブナ科の高木です。
庭や玄関前の植栽として人気があると共に、公園や防風林でもよく利用されています。
10~20mほどまで大きく育つ木なので、十分なスペースを確保できる場所に植えましょう。
また、どんぐりがなるため、隣家との境や人通りの多い道路沿いに植える場合は注意が必要です。
シラカシの生態について知りたい方はこちら➡ シラカシの育て方や特徴
庭の植栽として代表的なシマトネリコ
シマトネリコは、庭木として高い人気を誇るトネリコ属の常緑高木です。
丈夫で育てやすいうえあらゆる植物とマッチする上品な姿をしており、シンボルツリーとしても人気です。
6月ごろには小さな白い花を咲かせるため、花を楽しめる庭木をお探しの方にもおすすめ。
病害虫が付きにくいのも、シマトネリコの人気の秘訣です。
すっきりした単幹仕立てと、ナチュラルな雰囲気が楽しめる株立ち仕立てのどちらでも楽しめます。
成長スピードが非常に早いため、樹高10m程度まで成長する場合もあります。
コンパクトな庭にシマトネリコを植える場合、こまめに剪定することを心がけましょう。
台湾や沖縄など暖かい地方が原産地なので、耐寒性はやや弱いのがデメリットです。
シマトネリコの生態について知りたい方はこちら➡ シマトネリコの育て方や特徴
庭に季節感を与えるヤマボウシ
春から初夏にかけて咲く風車のような白い花と秋にフルーティーな味わいのある赤い実が楽しめるヤマボウシ。
季節ごとに異なる表情を見せてくれる庭木で、花・実・紅葉と、四季を感じながら楽しめる庭づくりにぴったりです。
ヤマボウシは、日本全域をはじめとする東アジアの山野に自生する落葉高木です。
花のように見える部分は実際には総苞片(そうほうへん)と呼ばれる葉が変形したもので、その清楚な美しさが庭全体に爽やかな印象を与えてくれます。
赤い実が成りはじめる秋には、紅葉も鑑賞できるため、一年を通して色や姿の変化が楽しめるのが魅力です。
ヤマボウシは日当たりの良い場所から半日陰まで適応しますが、湿気が多い場所や風通しが悪い場所は避けましょう。
基本的には排水性の良い土壌を好み、水はけの良い環境であれば、根腐れの心配も少なく健康に育ちます。
病害虫に強く手入れも楽なため、初心者にもおすすめの庭木です。
剪定も控えめで済み、自然な樹形を楽しむことができます。
庭に優雅な雰囲気を与えるハイノキ
春には白い小花を咲かせ、控えめながらも上品な美しさで庭を彩るハイノキ。
細く繊細な枝と光沢のある小さな葉と梅のような白い花が相まった姿は、庭に優雅な雰囲気を与えてくれます。
ハイノキは、日本の南部から東南アジアにかけて広がり、特に湿潤な場所を好む常緑小高木です。
生長スピードがゆっくりで、庭木としては手入れが楽な点も魅力です。
比較的日陰でも育つため、日当たりが悪い場所でも問題なく植えられます。
ただし風通しの良い環境を好むので、植え場所を選ぶときは湿気のこもらない場所を選びましょう。
土壌は排水性の良いものが適しており、水はけが悪いと根腐れの原因になるので注意が必要です。
また、寒さにも比較的強いため、冬場の防寒対策も大掛かりなものは必要ありません。
庭木の中でもハイノキは病害虫に強く、手入れの頻度が少なくても自然な美しさを保てるため、初心者でも育てやすいおすすめの庭木です。
四季折々の美しさを楽しめるイロハモミジ
四季折々の美しさを楽しめる落葉樹であるイロハモミジ。
日本全域に自生しており、春の新緑、夏の青葉、秋の紅葉と、季節ごとに変化する葉の色が美しいです。
特に秋の紅葉は、庭全体に鮮やかな彩りを加え、見る人の目を楽しませます。
繊細な葉の形も特徴的で、涼しげな雰囲気を作り出すのがイロハモミジの魅力です。
イロハモミジは、日陰から半日陰までの環境で育つ植物で、強い直射日光を避ける場所に植えると葉焼けを防ぎ、元気に育ちます。
湿度が高く、排水性の良い土壌を好むため、水はけの良い環境を整えることがポイント。
風通しの良い場所に植えることで、病害虫の予防にもなり、健康的に生長します。
また庭木としては、剪定の手間が少なく、自然な樹形を楽しめるのがメリットです。
適度な湿度を保つために、腐葉土などでマルチングを施すとさらに生長を助けます。
初心者にも育てやすく、四季を通じて変化を楽しむことができるため、庭に季節感を与えるには最適な木です。
縁起の良い庭木として人気のナンテン
ナンテンは、縁起の良い庭木として古くから親しまれてきた常緑低木です。
日本や中国を自生地とし、「難を転ずる」という言葉にちなんで、厄除けや福を招く木として庭に植えられることが多いです。
特徴は、鮮やかな赤い実と美しい葉。特に秋から冬にかけて実を付け、その実が冬の庭に彩りを与えてくれます。
ナンテンの育つ環境としては、日陰から半日陰まで対応できるため、比較的場所を選ばずに植えられるのが魅力です。
比較的土壌の質も選ばず、排水性さえ確保できれば丈夫に育ち、耐寒性も高いので、寒冷地でも植栽可能です。
さらに病害虫に強いだけでなく、剪定をしなくても自然な樹形を保てるため、放任しても問題ありません。
手間がかからないので、初心者でも安心して育てられます。
シンプルでありながら存在感のあるナンテンを玄関先や和風の庭に植えることで、縁起を担ぎながら美しい庭を楽しむことができるかもしれませんね!
鮮やかな実が楽しめるキンカン
鮮やかなオレンジ色の実が楽しめる常緑低木のキンカン。
主に中国南部や東南アジアに自生し、日本でも古くから庭木や果樹として親しまれています。
小ぶりながらも美しい樹形と光沢のある葉が特徴で、特に冬にかけて実が色づき、庭に彩りを添えてくれます。
観賞用としても楽しめるだけでなく、食用として収穫できるのも魅力です。
キンカンは、日当たりの良い場所で育てるのが理想的です。
排水性の良い土壌を好み、やや乾燥気味に育てることで根腐れを防ぐことができます。
また耐寒性はありますが、寒冷地では防寒対策が必要で、適度な肥料と水やりを心がけることで、毎年元気に実をつけます。
病害虫にも強く、剪定も比較的簡単で自然にまとまった樹形を維持できるので、手入れの手間が少ないのも初心者におすすめのポイント。
玄関先や庭のアクセントとして、また果実の収穫を楽しむための庭木としてキンカンを植えるのも素敵ですね。
紅葉が美しいコハウチワカエデ
手のひらのように広がる葉と、その鮮やかな紅葉が美しいことで知られるコハウチワカエデ。
秋になると、鮮やかな赤や黄色に染まる葉が庭に彩りを与え、四季の移ろいを感じさせてくれます。
自生地は日本全域の山地で、特に寒冷地に多く見られ、樹高は3〜5mほどの落葉高木です。
庭では比較的小ぶりなため、庭木としても使いやすいです。
コハウチワカエデは日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育つため、庭の条件に合わせて選びやすいのが魅力です。
湿気が多過ぎる場所は避け、排水性の良い土壌を選ぶことで健康的に育てられます。
耐寒性が高いため寒冷地でも元気に育つほか、病害虫にも強く、比較的手入れが楽な木です。
自然な樹形を楽しむことができ、剪定の手間も少ないため、初心者でも育てやすいです。
秋の紅葉を楽しむ木として、和風・洋風問わず、庭に季節感を与えるのにぴったりのコハウチワカエデです。
涼しげな花が魅力のシャラ
別名ナツツバキの名前を持つシャラは、涼しげな白い花をたくさん咲かせる落葉高木。
夏になると清楚な白い花を咲かせ、涼感を与えてくれるのが魅力的です。
花は朝に咲いて夕方には散ってしまう一日花ですが、その儚さが庭に上品な風情を加えます。
自生地は日本や中国の山地で、樹皮は滑らかで美しく、季節を問わず庭を引き立てる存在です。
シャラは日当たりと風通しの良い場所を好みますが、半日陰でも育つため、北側など庭の条件に柔軟に対応できます。
ただし、水はけの良い土壌を好み、湿気がこもる場所では根腐れのリスクがあるので、風通しの良い場所に植え付けましょう。
比較的生長スピードが遅いので手入れの手間も少なく、剪定は2〜3年に1回程度でOK。
病害虫にも強く、育てやすいシャラは、初心者でも安心して育てられる庭木です。
夏の暑い時期に美しい花を咲かせ、庭全体に涼しげな雰囲気を演出します。
シンボルツリーや和風の庭にもぴったりで、季節ごとの変化を楽しめる魅力的な木です。
可憐な白い花を咲かせるエゴノキ
5〜6月にかけて、小さなベル型の白い花を下向きに咲かせる姿が特徴的なエゴノキ。
可憐な白い花は、涼しげで清楚な雰囲気を持ち、庭全体に優雅さを添えてくれます。
秋には小さな果実を付け、季節ごとの変化を楽しむこともできるので四季を感じられます。
日本各地や東アジアの山地の湿潤な場所に多く見られるエゴノキは、日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも元気に育つ落葉小高木です。
風通しの良い場所で育てると、病害虫の発生も抑えられるためおすすめです。
エゴノキは、比較的水はけの良い土壌を好み、湿り過ぎる場所では根腐れのリスクがあるので注意しましょう。
耐寒性があり、冬の寒さにも強いため、特別な防寒対策は不要です。
また、生長スピードが比較的早いものの、剪定は控えめで自然な樹形を楽しむことができます。
早春に花を咲かせる落葉樹のコブシ
コブシは、早春に美しい白い花を咲かせる落葉高木です。
日本各地の山地に自生しており、春の訪れを知らせる花木として親しまれています。
花は3月から4月にかけて咲き、まだ葉が出ていない枝に大きな白い花がつく姿が特徴的。
華やかさと清楚さを併せ持ち、庭に明るさを与えてくれる存在です。
日当たりの良い場所を好むコブシは、風通しの良い環境で元気に育ちます。
湿度が高過ぎる場所や、排水の悪い土壌では根腐れのリスクがあるため、植え付け場所には注意が必要です。
耐寒性が強く、寒冷地でも育てられるため、日本全国で楽しめる庭木です。
生長スピードは比較的早いですが、自然な樹形を保ちながら育てることができ、剪定の手間も少ないのが魅力です。
花が終わった後に、剪定を軽く行うことで、樹形を整えることができます。
コブシは、早春に庭を華やかに彩り、季節の移り変わりを感じさせてくれる落葉樹として、和風・洋風を問わずおすすめの木です。
秋に甘い香りを放つキンモクセイ
秋になるとオレンジ色の小さな花が枝先にびっしりと咲き、周囲に甘い香りを放つ常緑性のキンモクセイ。
香りは遠くまで届き、庭全体を秋らしい雰囲気に包んでくれます。
中国南部に自生するキンモクセイは、日本でも庭木として広く親しまれ、日当たりと風通しの良い場所を好みます。
半日陰でも育ちますが、日光がよく当たる場所のほうが花付きが良くなります。
水はけの良い土壌を選び、湿気が多過ぎる場所は避けましょう。
耐寒性もあるため、寒冷地でも比較的安心して育てられます。
大きくなると樹高が5mを超えることもあるキンモクセイは、生長スピードが比較的早く、定期的な剪定が欠かせません。
しかし、比較的剪定もしやすいため、自然な樹形を楽しむことができます。
花が終わった後に剪定を行うことで、次のシーズンに備えた新しい枝を伸ばしやすくなります。
手入れも楽で、香りと彩りを同時に楽しめるキンモクセイは、初心者にもおすすめの庭木です。
防犯にも役立つ植物ヒイラギ
尖った葉が特徴的な常緑樹のヒイラギは、防犯効果が期待できる庭木です。
自生地は日本や中国、朝鮮半島で、古くから庭木として親しまれています。
特に若木のころは、葉に鋭いトゲがあり、外からの侵入を防ぐ効果があるため、防犯対策としても利用されてきました。
モクセイ科のヒイラギは、冬には小さな白い花を咲かせ、控えめな甘いフローラルな香りが漂います。
日当たりの良い場所から半日陰まで元気に育つヒイラギは、湿気を嫌い、水はけの良い土壌に植え付けるのがベスト。
耐寒性もあり、日本全国で育てやすい庭木です。
特に剪定の手間が少なく、自然な形で育てることができます。
生長スピードもゆっくりで、庭のデザインを長く保ちたい場合に適した庭木です。
また和風庭園にぴったりの木であり、縁起の良い木としても親しまれています。
庭の防犯効果を高めながら、季節ごとの色や姿の変化も楽しめるヒイラギは、手入れが簡単で、初心者にも扱いやすい庭木です。
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植栽を植えるといっても、実はただ土に埋めるだけでは元気に育ちません。
植え付けの仕方が上手くいっていないと根付きが悪く木に栄養も水も行きわたらないため、せっかく木を買っても枯れてしまうおそれがあるのです。
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愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。
植物が大好きなライターです。小学校の自由研究は「雑草の研究」でした。忙しい毎日でも無理なく楽しめるガーデニングを日々研究しています。雑草&野草・カラーリーフ・球根植物・100円ショップの園芸グッズ。