お庭の雑草は、抜いても抜いても生えてきます。キリのない闘いに疲れてしまっている方も多いのではないでしょうか?雑草を駆除する、生やさなくする方法には様々なものがあります。場面によって使い分けできる雑草対策についてご紹介します。

目次

雑草が生えなくなる最強の雑草対策を解説!

外で両手を広げる女性

 雑草対策には様々な方法があります。農業の現場で活用されているようなものから、インターネットの検索でしか出てこないような、家庭にあるもので手軽にできるものまで多種多様です。これらの方法は、大きく「生えている雑草を駆除する」「雑草を生えづらくする」というものに分けられます。

 雑草を直接駆除する方法では、すでに雑草が繁茂してしまった環境を一度または定期的にリセットするのに役立つものが多く、雑草の種類による特性と駆除方法とがうまく組み合わせれば、それだけで特定の種類の雑草の密度をかなり下げることができます。しかし、多くの場合は定期的に駆除作業をする必要があり、根本的な解決には至らないことが多いです。

 雑草を生えづらくする方法は、長い目で見て雑草対策の労力が減るものが多く、うまくいけば今後雑草がほとんど生えてこなくなるという状態をつくることもできます。ただし、使用できるシチュエーションが限られていたり、見た目が悪いなどのデメリットがあったりと、どんな条件でも使えるわけではないものが多いです。
 お庭の環境や状況を考えて、それぞれ使い分けるようにしましょう。

最強の雑草対策8選!

8の文字

 雑草対策には様々な方法がありますが、中でもお庭の雑草対策に使うことができて、なおかつ効果のあるものを8つまとめました。

 それぞれ、庭の環境や植えている植物によっては使用できないか範囲が限られる場合もありますが、使える場面では一定以上の効果を発揮します。グランドカバーと抜き取りなど、場合によっては2つ以上組み合わせて使うことでさらなる効果を発揮するものもあります。
 庭の環境や生えている雑草、予算などを鑑みて、活用できそうなものを選んで試してみてください。

除草剤

 除草剤は、ただ雑草を枯らすことに関しては最も高い効果を発揮します。除草剤は人が雑草を駆除するために開発した英知の結晶です。商品によって枯らし方、使用方法、枯らす対象などが異なるので、お庭に生えている雑草の種類や、植えている植物などに応じて使い分けることも可能です。
 茎や葉っぱに散布して、地下茎まで浸透するものや、土の中にある雑草の種に対して効果があるものなど、様々なものがあります。

 除草剤に対してあまり良くないイメージを持つ方もいるかもしれませんが、使用方法を守れば環境への負荷は最小限になるようにつくられています。使用の際は、その除草剤が適用範囲内のものであることを確認し、注意書きをよく読んで用法用量を守って正しく使うようにしましょう。

 ただし、植えた植物の間から生えてくるようなものなど、自分で植えた植物にかかる可能性がある場合には、使いづらいこともあります。

グランドカバー

 地面を這って伸びるタイプの植物を植えて、地面を覆うことで雑草を生えにくくする方法です。うまく覆うことができれば、明るい場所で発芽する雑草などが生えるのを抑えることができます。
 グランドカバーとして利用できる植物の種類には様々なものがあるので、自分の好みやニーズに応じて選ぶことができるのも嬉しいところです。リッピアのようにきれいな花を咲かせたり、クリーピングタイムのようにハーブとして利用できたりと、園芸植物としての魅力もあります。

 ただし、グランドカバーが庭に広がるのに時間がかかることや、グランドカバー自身が繁茂しすぎて雑草のようになってしまう場合があること、地下に栄養を貯めるタイプの雑草を駆除しきれない(グランドカバーの間から生えてくる)ことなど、注意しておかなければいけない点も多々あります。

 特に、雑草を駆逐できるほどの繁殖力を持つグランドカバーは多く存在するので、そうしたものを利用する場合は一定以上の手入れが必須であることは間違いありません。手入れする相手が雑草からグランドカバーに変わっただけ、となってしまう可能性もあるので、注意が必要です。様々なデメリットも鑑みて、選んでみてください。

植栽

 グランドカバーと同じように、低木などを植えて日陰をつくり、雑草の生えにくい環境をつくる方法です。ヤマブキやユキヤナギのような、枝を四方八方に長く垂れ下がらせる種類だと、地面近くが日陰になりやすいのでおすすめです。

 園芸植物的な魅力も抑えつつ、グランドカバーより繁茂しづらい、あるいはコントロールしやすいこと、ある程度の大きさがあればすぐに効果が現れることなどが魅力ですが、グランドカバーのように端から端までカバーするということができません。

 また、背の高い植物を植えてしまうとその範囲は自由に歩けなくなるので、植えるスペースにも限界があります。植えた植物を土台に高く背を伸ばしてしまうので、多年生のつる性雑草などの抑制も難しいです。他の方法に比べてやや補助的になりがちであることに注意しておきましょう。

抜き取り

草とりをする人

 手で地道に雑草を引っこ抜く方法です。初歩的な方法に見えるかもしれませんが、状況によっては高い効果を発揮する場合があります。

 具体的には、狭い面積で他の植物を植えている場所での効果が高いです。除草剤などで駆除することもできず、雑草が生えにくい環境にするにも見栄えが悪くなるのでやりづらい、というような場合などに役立ちます。
 グランドカバーを植えるなどして雑草を生えにくくする環境をつくったあと、それらの方法では対処できない部分の雑草を手で抜き取るというのもアリです。

 また、ナガミヒナゲシのような一度繁殖すると厄介な雑草の場合、庭に侵入して種をつける前に見つけて抜き取ることで、かなりの労力を削減できる場合もあります。
 その他にも、多年生雑草は芽吹きの早い段階で抜き取るなど、やっていくうちにコツが掴めてきて効率的に除草できるようになるので、ただの抜き取りもあなどれません。

防草シート

 地面にシートを敷くことで、雑草の発芽や生育を抑える方法です。黒いビニールのようなシートを張ることが多いです。シートを張った範囲では高い除草効果を発揮し、場合によっては穴を開けてそこに植物を植えるようなこともできます。

 ただやはり見た目はあまり良くないので、使うにしても庭の目立たないところにするなど、やや限定的な扱いになります。気にならなければ良いですが、庭の場合は全面に防草シートを張って雑草対策とするのはあまり現実的ではありません。

 また、施工にもそれなりの手間がかかります。庭で使用するのは、裏手の誰も気にかけない場所に使用するなど、あくまで限定的と考えておくのが良いでしょう。

砂利

 地面に砂利を敷くことによって、雑草を生えにくくする方法です。理屈としてはグランドカバーや防草シートなどと似たもので、地面に太陽の光が当たらないようにすることで、雑草の芽生えや生育を抑制します。

 他の方法と比べ比較的手軽に施工することができ、細かいところまで自由に砂利を敷けるのが良いところです。また、見た目も工夫すればそれほど悪くもならないでしょう。
 ただし、砂利だけでは完全に雑草が生えてくるのを防ぐのは難しく、多くの場合砂利の隙間からところどころ生えてくるようになります。多少雑草の密度は減らせるにしろ、砂利を敷いて終わり、とはいかないことに注意が必要です。完全に雑草を生えなくするものではなく、あくまで密度を減らすものと考えておくようにしましょう。

固まる土

 固まる土とは、防草砂とも呼ばれるもので、任意の場所に敷いた後固めて雑草の発生を抑制できるものです。これにより、見た目を維持しつつ雑草の生えにくい環境をつくることができます。固まる前はサラサラした砂なので、自由に細かい隙間まで埋められるのが良いところです。

 何より見た目が良いので、人目につく庭先でも遠慮なく使うことができます。ただし、それでも端から雑草が生えてくる場合があり、完全に雑草を生えなくすることは難しいことと、施工した場所の環境によっては気生藻(一般にコケと呼ばれる、緑色のくすんだ汚れのようなもの)が生えて汚らしくなる場合があることに注意が必要です。

 一面に生えた雑草を抜くより手間は無いにしろ、全く手入れがいらなくなるわけではないことに注意しておきましょう。また、一度固まる土を敷いた場所に何か植物を植えたくなっても、撤去にそれなりの労力がかかることにも注意が必要です。

タイル

 タイルを敷いて、雑草を生えにくくする方法です。タイルが敷かれた場所からは植物は生えることができないので、何も施工しないよりはよっぽど高い雑草抑制効果を期待できます。
 また、ホームセンターなどに様々な色形のタイルが売っているので、自分の庭の雰囲気に合わせて好きなようにデザインすることができるのが大きな魅力です。雑草を生えにくくする雑草対策の方法としては、一番見た目の良い方法かもしれません。

 しかし、やはり普通に設置するとタイルの隙間から雑草が生えてきてしまうので、より雑草が生えなくなるにはもう一工夫必要です。目地を埋めてしまうか、タイルを置く間隔を広くとって間にグランドカバーを植えるという方法もあります。
 目地を埋める工夫と、加えて庭の構造によってはどうしてもタイルでは埋めきれない部分があることには注意が必要しておきましょう。

最強の雑草対策まとめ

 庭の雑草対策の方法をまとめてみましたが、どの方法にも共通していえるのは、いずれもメリットとデメリット、特性があるということです。

 雑草を直接駆除する方法は、定期的に駆除作業を行う必要があり、雑草を生えにくくする方法は、まず見た目や施工のしやすさに方法ごとの違いがあり、それぞれ共通して、全体で完全に雑草が生えてこないという状況をつくることは非常に難しいです。

 「これだけやればどんな場所でも雑草は生えてこない!」という万能で便利な方法は無く、自分の庭にどんな方法が合っているのかは自分で判断する必要があります。うまく庭の状況や自分のニーズと雑草対策方法の特性がかみ合えば、手軽に雑草が生えてこなくなるということもできるかもしれません。場合によっては、2つ以上の方法を組み合わせてみるのも良いでしょう。色々試しながら対策をしてみてください。

雑草対策をケース別に解説!

描かれた電球のイラスト

 庭の雑草対策をするにあたって、一本たりとも雑草を生やしたくない場合や、見た目が悪くなる雑草対策はしたくないなど、それぞれの求める方向性があるかと思います。理想とする庭の状態や、日ごろ庭の手入れにかけられる労力、庭の手入れにかけられる予算など、人によって様々です。

 ここでは、それぞれのどんな雑草対策の方法が有効か、ケースごとにご紹介していきます。自分の庭の状態や自分のニーズに近いものを参考にして、雑草対策をしてみてください。

とにかくコスパ重視【雑草対策ケース1】

 雑草対策にはなるべくお金をかけたくない、見た目は多少悪くても良いのでコスパよく解決したい、という方は、砂利や固まる土などで対策するのがおすすめです。見た目が多少悪くても、施用するだけで雑草の生育を抑えることができます。

 グランドカバーも苗自体は安いものが多いので単純な費用だけ見るとコスパがよく思えますが、グランドカバーが庭を覆うまでに時間がかかり、枯れた場合の補充する苗や肥料が必要になることと、グランドカバーが庭を覆ったあとも永続的に手入れが必要になるので、時間や手間もコストととらえるならあまりパフォーマンスはよくありません。
 手軽に雑草を枯らすだけなら除草剤が一番ですが、雑草は何度も生えてくるので、毎年のように除草剤を使用することを考えると、雑草の生えにくい環境を作ってしまったほうが長い目で見たコスパは良くなります。

 ちなみに、除草剤の代わりに安く手軽に済む方法として重曹が挙げられることがありますが、除草剤に比べて効果は劣ることと、一度植物体を傷つける必要があって手間がかかることなどから、あまりおすすめはできません。塩や熱湯なども同じような理由でおすすめしづらいです。

おしゃれにしたい!【雑草対策ケース2】

 雑草は駆除したいけどそのために見た目の悪い庭にはしたくない、というおしゃれ重視の方には、グランドカバーや植栽、タイルなどがおすすめです。グランドカバーを植えることにより、雑草対策とガーデニングを同時にすることができます。

 タイルは商品により様々なデザインのものがあるので、自分の好きなようにレイアウトして、楽しみながら雑草対策することが可能です。それぞれ組み合わせて、タイルとタイルの間にグランドカバーを植えたり、植栽した箇所以外にタイルを敷き詰めたりしてみても良いでしょう。
 グランドカバーや植栽は日々の手入れに手間がかかり、タイルも完全に雑草を生えなくすることはできないので、いずれも施工して放置というわけにはいかないのですが、何もしないよりよほど雑草は生えづらくなるので、おしゃれと雑草対策を両立した方法と言って良いでしょう。

 植栽やタイルの隙間から生えてきた雑草は、手で抜き取って対処します。雑草と植栽の種類によっては、除草剤が使える場合もあります。

絶対に雑草を生やしたくない【雑草対策ケース3】

 多少見た目が悪かったりお金がかかったりしても構わないので、一本も雑草を生やしたくないという場合、除草剤や防草シート、固まる土などの組み合わせがおすすめです。
 単に枯らすだけなら除草剤を使うと良いでしょう。同じ除草剤を何度も使っていると除草剤抵抗性をもった雑草が現れることがあるので、成分や作用の違う複数種類の除草剤をローテーションで使って駆除するのがおすすめです。

 雑草を生えなくするためには、覆える範囲は防草シートで、防草シートが張りづらい箇所には固まる土などを施用しましょう。それでも隙間から生えてくる雑草や、地下に貯めた栄養を使って何度も再生する多年生雑草が出てくる場合があるので、その際には除草剤や抜き取りなどで駆除します。
 多年生雑草では一度庭から駆除したら新たに侵入することが少ないものが複数存在するので、地下茎まで浸透するタイプの除草剤で枯らせばそれ以降は生えてこない場合も多いです。

 隣の敷地から根っこや地下茎が侵入してくるという場合は、敷地の境目の地下50cm〜1mほどに板を埋め、侵入を防ぐ方法もあります。雑草を完全に駆除するのはなかなか難しいですが、雑草の特性を知り、それに合わせた方法を取ることで上手に対策できる場合もあります。

雑草対策のよくある失敗例

枯れた植物

 雑草対策をするうえで、失敗してしまうことも度々あります。行った対策が庭にはびこる雑草の性質に合っていなかったり、庭に植えている他の植物に影響を与えてしまったりするためです。
 もちろん、失敗したら新たな対策を立てられるので、失敗することが悪いことではありません。しかし、よくある事例を抑えておけば、失敗を未然に防ぐことができます。雑草対策をするうえで、よくある失敗例を3つご紹介します。

間違った・効果の少ない除草方法を使ってしまう

 間違った雑草対策の方法や、あまり効果のない方法を使ってしまう例です。雑草対策をする際には、庭で問題になっている雑草について、性質や特徴などを知っておくのが望ましいです。必須ではありませんが、より理解することで効率的で効果的な対策を取りやすくなります。
 たとえば、主に地下茎で繁殖する雑草に対し土の中の種に効果がある薬剤を使うなど、庭で問題になっている雑草の性質とかみ合わない対策を取ってしまうと、いくら手間やお金をかけても雑草がろくに減らない、ということになりかねません。

 それ以外にも、たとえば塩や熱湯など、一見すると安く手軽に済みそうな方法を見つけて失敗する場合もあります。それらの方法全てが悪いわけではありませんが、手軽に見える方法が本当に効くのか、お金や手間をかける方法と比べてどうなのか、1つのサイトだけではなく複数サイトや書籍を参考にするなどして精査するのがおすすめです。

植えた植物も枯らしてしまう

 雑草を駆除したかったのに、植えた植物も誤って枯らしたり弱らせたりしてしまう例です。雑草も庭木も花壇の花も、それぞれ性質は違えど同じ植物です。雑草対策の方法によっては、一緒に駆除してしまう可能性があります。

 たとえば、雑草と植えた植物の両方に効果のある除草剤を誤って植えた植物にかけてしまったり、雑草の生えにくい環境をつくろうとして植えた植物も育ちづらい環境をつくってしまったりといったところです。

 除草剤の場合は、効果のある植物と効果のない植物、施用方法と雑草を枯らすメカニズムなどが記載されているので、それを鑑みて植えた植物に影響のない方法を取るようにしましょう。
 雑草の生えにくい環境をつくる際は、その方法がなぜ雑草の生えにくい環境をつくるのかよく理解しておくことで、植えた植物への影響を最小限にすることができます。

放置して取り返しがつかなくなってしまう

 「これくらいなら対策しなくて良いか」と雑草を放置してしまうことで、後から取り返しがつかなくなってしまう例です。
 たとえば、「まだ庭に少ししか生えていなかったり、まだ芽生えの状態だったりという理由で放っておいて、後からそれらの雑草が庭の中で大繁殖してしまう」。「雑草がきれいな花を咲かせていたからそれだけ抜き取らずに残しておいたら、そのうちその花だけが大繁殖してしまう」といったものです。

 雑草対策は、早めに行った方が長い目で見て高い効果を発揮できるものがあります。雑草には、環境が良ければ一気に繁殖するという特性を持つものが多いです。種類によっては、大株に育つと一株で数千、数万、数十万もの種をつけるものが少なくありません。

 それらの種が一斉に庭に散布され、場合によっては土の中で何年も休眠して少しずつ発芽して、となると、一株の雑草を残したことによる弊害が数年以上の単位で続いてしまう場合があります。

 また、もともと花壇の花として日本に持ち込まれ、それが野生化して外来植物として猛威を振るっている例がいくつもあります。綺麗な花だからといって残しておいた雑草が、凶悪な繁殖力を持っているということは全く珍しくありません。

 基本的に雑草対策は早いうち、被害の少ないうちに取り組んでいくのが、長い目で見て駆除の労力を減らすことにつながっていきます。

花壇の雑草対策とは

花壇の手入れをする人

 花壇には、植えた植物以外にたくさんの雑草が生えてきます。人に踏まれず、栄養がある土で日の当たる環境という、多くの雑草にとって良い環境が花壇には存在しているためです。
 こうした環境には、花壇の草花より背丈の大きくなるものから隙間でこっそり育つもの、強い光が好きなものからやや湿った土が好きなものまで、様々な雑草が生えてきます。花を植える土の状態によっては雑草の種が混じっていて、そこから発芽する場合も多いです。

 花壇の雑草には、ウッドチップ、防草シートなど土のむき出しになった部分を埋めるような対策が取れます。ただし、雑草を完全に防ぐことは難しく、ウッドチップの隙間から雑草が生えてくるようなこともあります。それらの雑草は手で地道に抜き取るなどして対策するのがおすすめです。
 また、条件次第ではありますが、植えている植物や繁茂している雑草の種類があまり多くない場合、「植えている植物には効かず特に繁茂している雑草には効く除草剤」が見つかることもあるかもしれません。そうした場合は、除草剤により駆除ができることもあります。

 いずれにせよ、植物を育てつつ雑草のみを駆除するというのはなかなか難しいもので、地道に手で抜き取って対処するような場面もたびたびあることを意識しておきましょう。

駐車場の雑草対策とは

自宅の駐車場に置かれた車

 駐車場には、砂利やアスファルトの隙間などから雑草がよく生えてきます。屋根付きの駐車場でもない限り上を遮るものがない場合が多く、日がよく当たる雑草にとって良い環境になる場合が多いためです。
 砂利を敷くことで雑草対策になるとご紹介しましたが、あくまで何もしないより生えにくくするというもので、砂利のみで雑草が全く生えてこなくなるということはありません。こうした環境には、高温や乾燥に強く、強い日光を好み、車に踏まれても生き残れる雑草が多く生えてきます。
 特に周りに育てている植物やこだわりなどがなければ、除草剤を使って駆除するのがおすすめです。雑草の生えてくる範囲が少なければ、手で抜き取ってしまっても良いでしょう。

 生えてくる場所は、アスファルトにヒビが入っていたり、砂利の密度が薄かったりと、雑草が生えてきやすい環境が局所的につくられてしまっている場合もがあります。そこをピンポイントで塞ぐ対策を取れれば、少ない労力で雑草を生えづらくすることもできるかもしれません。

雑草対策は自分で出来る?DIYのメリットデメリット

芝生に書かれたクエスチョンマーク

 防草シートや砂利などの施工作業の必要な雑草対策について、「自分でやってみようかな」と思われた方も多いのではないでしょうか。実際にDIYとして自分で雑草対策を行うことは可能ですが、それぞれメリットとデメリットがあります。

 自身で施工するにあたって、メリットやデメリットをそれぞれ把握しておくことがおすすめです。勢いのまま自分で材料をそろえて施工してしまうと、結局プロの業者に頼むより高くついてしまったり、膨大な労力がかかってしまったりといったことが考えられます。
 もちろん、同じような施工の経験があり、慣れていれば自身でDIYしてしまうのが一番良いでしょう。そうでない場合は、一度どんなメリットやデメリットがあるのかおさらいしておいた方が良いかもしれません。

メリット

 雑草対策をDIYで行うことのメリットとしては、安く済むことがあげられます。材料はホームセンターで手に入るものが多いし、業者に頼むより自分でやった方が施工費が浮くので、お金は比較的かかりません。

 仕事でもともとそうした作業をすることに慣れている方などは、自分でやってしまっても良いでしょう。一回でうまく施工することができれば、安い金額で庭の雑草対策を行うことができます。

 また、実際に自分で考えて手を動かすことで、自身の良い経験にもなります。その経験を庭の他のDIYにも活かすなどして活用できるかもしれません。雑草対策の施工に慣れている場合や、多少失敗しても今後の自分の経験としたい場合などは、自分で施工することにメリットがあります。

デメリット

 デメリットとしては、自分だけだとうまくいかない場合があることや、うまくいかなかった場合に施工のし直しが大変という点です。

 どのような方法でどれくらいの施工をすれば最もコスパよく雑草を減らせるかは、ある程度の知識や経験が必要になります。いざやってみてうまくいかなかった場合、自分で施工した部分を取り除いてもう一度施工して…となると、二度手間となってしまうだけでなく、費用がかさんでしまう場合もあるでしょう。さらに、再度施工してもうまくいかず、もう一度撤去して施工して…となってしまう場合も考えられます。結果的に、業者に依頼した方が安く済む場合もあるかもしれません。

 プロの業者は雑草対策の現場を何度も見て施工してきているので、多くのノウハウや経験を持っています。何度も失敗して技術を身に着けたいというのなら、自分で施工する方法を取るのが良いかと思いますが、うまくやる自信が無い場合や、何度も施工しなおす時間や気力がない場合は、プロの業者に頼んでみるのがおすすめです。

厄介な雑草の種類

伸びた雑草と手袋

 庭に生える雑草の中には、特別厄介な種類とそうでない種類があります。
 特に問題になりやすいのは、ヤブカラシやスギナ、ドクダミなどの、主に地下茎や根っこで繁殖する種類です。これらの種類は抜いても抜いても地中に地下茎や根っこが残るので、いつまでたっても駆除しきることができません。繁殖力が強いものが多いので、放っておくと庭がそれらの種類に覆いつくされてしまうこともあります。

 ヒメムカシヨモギやハルジオンなど、種が風で飛んでくる種類も厄介です。これらの種類は種が長距離を飛ぶので、いくら対策して駆除しても付近に種の供給源と庭に良い環境があると何度も種が飛んで生えてきます。種をつけると短い距離に種が多数落ちる場合もあるので、庭で種をつけられてしまうと一気に増えてしまう可能性もあります。
 スズメノカタビラやコニシキソウなど、狭い範囲に生える小さな雑草も厄介です。これらの雑草はちょっとした隙間でも生きられるので、どれだけ雑草が生えにくい環境をつくっても、端っこの方から生えてきてしまうなど、駆除しきるのがなかなか難しいです。

自宅の庭で雑草対策する際の注意点

芝生に置かれた家の模型

 自宅の庭で雑草対策する際の注意点として、特に「庭に生えている雑草の種類の特性をよく知ること」「なるべく早めに対策をすること」の二点が重要です。

 雑草対策をする際に、特に猛威を振るっている雑草の種類や、その種類がどのように繁殖しているか、種がどれくらい土の中で眠るのかなど、特性をよく知ることでそれに合わせた対策を取れるようになります。農地で問題になるような種類であれば、ネット上でもその種類に対する研究論文や、農薬メーカーの出している記事などが出ている場合もあります。敵と戦うにはまず敵を知ることが重要なので、特に多い雑草1,2種類くらいは把握しておくと、それらの対策が取りやすくなるでしょう。

 「なるべく早く対策すること」については、できるだけ早い段階、可能なら庭の造成直後から雑草対策をしておくことが大事になります。雑草は、種類によっては数週間の短い期間で子孫を残すようなものや、一株で何十万もの種をつくるものなどがあります。対策を後回しにすればするほど、それらの雑草に繁殖する時間を与えてしまうのです。長い目での労力を考えて、早め早めの対策を取ってみてください。

まとめ

手入れされた庭

 庭で問題になっている雑草を駆除あるいは生えにくくするのには、様々な方法があります。それぞれ、メリットやデメリット、かかる費用や施工後の見た目など、方法によって特性が異なります。自分の庭の理想の状態や使える予算などを考えて、最もマッチするものを選んでみましょう。
 また、どのように対策したらよいかわからない、自信がない、あるいは作業できる時間がないといった場合には、smileガーデンなどのプロにお願いしてみるのもおすすめです。

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。