庭木として親しまれるマツ。
凛とした姿は日本の景観に欠かせない存在です。

けれども、病害虫や土壌環境の悪化、剪定の誤りなどで枯れてしまうこともあります。
元気なマツを長く楽しむためには、日々の観察と正しい管理が大切です。

今回は、マツが枯れる原因とその理由、回復させる方法や育て方・剪定のコツについて詳しく紹介します!


自己流の剪定木が枯れるかも

目次

マツが枯れる原因とその対処法

マツ

水やりや肥料やりをしっかりと行っていても、マツは枯れてしまうこともあります。
まずは、枯れる原因とその対処法について知っておきましょう。

1. マツクイムシによる害虫被害

比較的マツが急に元気をなくし、葉が茶色く変わっていくときに多いのがマツクイムシの被害です。
カミキリムシの一種が木の幹に卵を産み、その幼虫が内部を食い荒らすことで、水分や養分の通り道がふさがれてしまいます。

すると枝先まで栄養が届かず、健康だった木でも一気に弱ってしまいます。
葉の先端から全体へと枯れが進むのが特徴で、気づいたころには手遅れになっているケースもあります。

対処法|自治体・専門業者の防除を活用

対処法としては、まず自治体や専門業者の防除サービスを活用するのが安心です。

マツの幹に専用の薬剤を注入する「樹幹注入」は、内部まで届き長期間効果が続く方法です。
初夏から秋にかけての時期には、薬剤を散布して害虫の発生を抑えることも欠かせません。
庭木が大きく自分では管理が難しい場合も多いので、無理せず専門業者に依頼するのがおすすめです。

早めの対処を心がければ、マツの被害拡大を防ぎ、健やかな緑を守ることにつながります。

2. 病気

マツが枯れる原因のひとつに「マツ枯れ病」や「根腐れ病」などの病気があります。

枝先から葉が赤茶色に変わり、やがて全体に広がっていきます。
土壌の状態や水はけの悪さが引き金となることもあり、湿気がこもりやすい場所では注意が必要です。

また、枝葉が混み合って風通しが悪くなると、病気が発生しやすくなります。
初めは部分的な変色やしおれに見えるだけですが、気づかないまま進行すると木全体が弱ってしまうこともあります。

対処法|病葉の早期除去と殺菌剤

病気が見られた葉や枝は、できるだけ早く切り取って処分しましょう。
病葉を残したままにすると感染が広がるため、発見したらすぐに取り除きます。

また、殺菌剤を適切な時期に散布して予防を徹底することも効果的です。
さらに、枝が混み合っている部分を間引き、風通しを良くしておくと病気の再発を抑えやすくなりますよ。

3. 肥料不足

肥料不足によっても、マツが弱って枯れてしまうこともあります。

マツは一見たくましく見えますが、土の養分が足りないと葉の色が薄くなり、枝の伸びも弱々しくなってしまいます。
特に痩せた土地や砂質の庭では、必要な栄養分が不足しやすく、徐々に木全体の活力を失っていきます。

新芽の出方が少なく、古い葉ばかり残っている状態も要注意です。
肥料が行き渡らないまま放置すると、体力を消耗し、やがて枯れにつながることもあります。

対処法|緩効性有機肥料やマツ向け配合肥料を施す

マツを元気に育てるためには、計画的な施肥が欠かせません。
緩効性の有機肥料を中心に、マツ専用の配合肥料を取り入れると効果的です。

春と秋を目安に、根の周囲に均等に施してあげると、じわじわと栄養が行き渡り、健やかな葉色や新芽が伸びやすくなります。

ただし、与え過ぎは根を傷める原因になるので、少量をこまめに繰り返すのがポイント。
土壌の状態を観察しながら適切に肥料を与えることで、マツの生命力を維持し、枯れを防ぐ大切な習慣になります。

4. 深植えによる根の呼吸不良

マツを植え付けるときに深植えになってしまい、根が呼吸不良を起こすことがあります。
根鉢を土の中へ深く埋め込み過ぎると空気が十分に行き渡らず、根が呼吸できずに、そのまま枯れてしまうことも。

本来なら酸素を取り込んで生長するはずの根が窒息状態となり、養分や水分の吸収力が低下します。
その結果、葉が黄ばみ始め、全体が弱っていきます。

特に水はけの悪い土壌では症状が出やすいので、知らないうちにマツを追い込んでしまっているかもしれません。

対処法|植え付け深さの調整・土の入れ替えで根元を浅く保つ

植え付けの深さが適切でないと感じたら、まずは根元の状態を確認し、必要に応じて土を取り除き浅めに整えましょう。
根鉢の表面が少し地上に出る程度に調整すると、根が呼吸しやすくなります。

また、周囲の土を一部入れ替えて排水性を良くしておくと、根の健全な生長につながります。
土が固く締まっている場合は軽くほぐし、新しい培養土や腐葉土を混ぜて通気性を確保するのもおすすめです。
根元を浅く保つことで、マツは再び活力を取り戻しやすくなります。

5. 土壌の踏み固めによる酸欠

庭での作業や人の出入りが多い場所では、知らないうちにマツの根元の土が硬く締まり、空気が入りにくくなってしまいます。

根は土の中で酸素を取り込みながら水分や養分を吸収していますが、踏み固められた状態では呼吸が妨げられ、根が徐々に弱っていきます。

表面上は元気に見えても、内部では根が衰えていることも少なくありません。
やがて枝葉の色が悪くなり、生長が止まり、枯れにつながることもあります。

対処法|表層改良と有機物のすき込みで通気・排水を改善

土が硬く締まっていると感じたら、まずは根元周りの表層を軽く掘り起こし、空気の通り道をつくることが大切です。
浅く耕すだけでも地中に空気が入りやすくなり、根が呼吸しやすくなります。

さらに、腐葉土やバーク堆肥などの有機物をすき込むことで、通気性や排水性が高まり、ふんわりとした土へと改善できます。

固まった土を一気に深く掘り返す必要はなく、少しずつやさしく土をほぐすことがポイントです。

6. 除草剤のまきすぎ

雑草を抑えたい一心で除草剤を多く散布してしまうと、地中に薬剤が浸透し、マツの根まで吸収してしまうことがあります。
根は水分や養分と一緒に薬剤を取り込み、徐々に弱っていきます。

その影響は葉の変色や新芽の萎縮となって現れ、気づいたころには全体の元気がなくなってていることも。
特に根が浅く広がる性質をもつマツは影響を受けやすく、過剰な薬剤使用は枯れにつながる大きなリスクになります。

対処法|マルチングや手取りに切り替える

除草剤に頼らずマツを守るためには、マルチングや手作業での除草に切り替えることがベスト。
株元にバークチップやウッドチップ、腐葉土などを敷き詰めれば、雑草の発生を抑えながら土の乾燥防止にもつながります。

また、根に負担をかけずに済むので健全な生育が保てます。
小さな雑草はこまめに手で抜き取ったり、定期的に草刈り機で除草したりすれば、薬剤を使わずとも十分に管理できます。

少し手間はかかりますが、マツにとって安全で庭全体の環境改善にも役立つ方法です。

7. 剪定の失敗

マツの剪定は芽の動きや生長のリズムに合わせて行うことが大切ですが、時期を誤って枝を切ると、新芽や葉を失い木が大きな負担を受けます。

また、必要以上に枝を落とし過ぎると光合成の力が弱まり、木全体の体力が低下してしまいます。

逆に切る場所を間違えて枝が込み合ったまま残ってしまうと、風通しが悪くなり病害虫を招くことも。
適切でない剪定は、マツを枯らす大きな要因のひとつです。

対処法|適期の軽剪定を徹底し、弱った木への強剪定は避ける

剪定は必ずマツの生長リズムに合わせ、適期に軽めに行いましょう。
特に新芽が動き出す前後は負担が大きいため避け、枝先を整える程度にとどめると安心です。

また、弱っている木に対して強剪定をしてしまうと回復が追いつかず、さらに体力を奪ってしまいます。
枝を大きく落とす必要がある場合でも、数年に分けて少しずつ進めるのが理想です。
マツの状態をよく観察しながら無理のない剪定を徹底することで、美しい樹形と健やかな生長を保つことができますよ。

マツを枯らさない育て方のコツ

マツ

ここでは、マツを枯らさないための育て方について紹介します。

Point1. 日当たりの確保

マツは日差しを好む樹木なので、しっかりと日当たりを確保してあげましょう。
日照が不足すると枝がひょろひょろと間延びしてしまったり、葉の色が薄くなってしまったりします。
特に若木のうちは光をたっぷり浴びることで根もしっかり張り、丈夫な樹形へと育っていきます。

庭に植える場合は建物の陰や他の高木に遮られない場所を選ぶことが大切です。
日当たりが確保できれば、マツ本来の力強さが引き出され、病害虫にも負けない健やかな姿を保てます。

Point2. 通気・排水性の良い土壌づくり

マツを長く健康に育てるためには、通気性と排水性の良い土壌を整えてあげましょう。
水はけが悪いと根が呼吸できずに弱り、株が枯れる場合も。
植え付け前に土を掘り返し、赤玉土や川砂、腐葉土を混ぜて土質を改良すると効果的です。

固い土の場合はそのまま植えるのではなく、必ずふんわりとした状態に仕上げておきましょう。
根がしっかりと伸びられる環境をつくれば、栄養や水分が行き渡りやすくなり、四季を通して元気な姿を楽しむことができます。

Point3. 季節変化に沿った無理のない管理

まず、春はマツの新芽が動き出す大切な時期なので、しっかり日当たりを確保して活力を引き出します。
夏は乾燥が強くなるため、土の状態をよく観察し、必要なときだけ水を与えましょう。
秋は養分を蓄える時期なので、軽めの施肥で冬に備えます。

最後に冬は寒風や霜で弱りやすいので、防寒対策を忘れないことが大切です。
四季に応じた手入れを続けることで、マツの美しい姿を長く楽しめます。

Point4. 若木は定着まで気長に見守る姿勢

マツの若木を育てるときは、根がしっかりと定着するまで気長に見守ることが大切です。
植え付け直後は環境に慣れるまで時間がかかり、枝葉の伸びが遅かったり、色合いが薄く感じられることもありますが、焦らずに育てていきましょう。

水やりや施肥も過剰にならないよう控えめにし、根の生長を優先させることがポイントです。
数年かけて根が安定すれば、ぐんと生育が良くなり、樹形も力強く整っていきます。

Point5. 日常観察で早期の異変察知

日常の観察で小さな異変を早めに見つけることも、マツを元気に保つために必要な作業の一環です
葉の色が少し黄ばんでいたり、新芽の伸びが止まっていたりするのは不調のサインかもしれません。
普段から枝ぶりや葉色を意識して眺める習慣をつけましょう。

害虫や病気も、初期のうちなら簡単に対処できることが多いです。
落ち葉や樹皮の変化など、細かなポイントを見逃さないようにすることで、マツを健康な状態で育て続けられます。

マツを回復させるための方法

マツ

ここでは、弱ってしまったマツを回復させる方法について解説します。

弱ったマツの樹勢回復策

弱ってしまったマツを回復させるには、まず環境を整えて樹勢を取り戻すことが大切です。

根元の土が硬く締まっている場合は軽くほぐし、通気と排水を改善しましょう。
養分が不足しているときは緩効性の有機肥料を少量ずつ与え、急激に負担をかけないよう心がけます。

また、込み合った枝葉を少し間引き、風通しを良くして光をしっかり取り込めるように整えます。

焦らず時間をかけて管理を続けることで、徐々に元気を取り戻し、美しいマツの姿に近づいていきます。

新芽を早く出させるための工夫

マツに新芽を早く出させたいときは、まず日当たりをしっかり確保しましょう。
十分な光を浴びることで光合成が活発になり、新しい芽を出す力が高まります。

さらに、土の状態も重要です。
硬く締まったままでは根がうまく働けないので、腐葉土や赤玉土を混ぜて通気性を良くしておきましょう。
施肥は一度に多く与えるのではなく、春と秋に少量ずつ分けて与えるのがおすすめです。

枝先を軽く透かして風通しを確保すると、芽吹きが促されてマツがいきいきとした姿を見せてくれますよ!

若木の定着を助ける育て方

植え付け直後はマツの根の働きが不安定なため、水分管理がとても大切です。
乾きすぎないように気をつけながら、過湿にならないように加減しましょう。

また、強い風で揺さぶられると根が安定しにくいため、支柱を立てて固定すると安心です。肥料は控えめにして、根の生長を優先させるのがポイントです。
数年は無理に形を整えず、自然な生長を見守る姿勢で育てていきましょう。

マツ枯れを防ぐための注意点

マツ

マツを枯らさないためにも、育てる場所や土の質など、植え付け前段階の準備をしっかりと整えることが大切です。

枯れを防ぐための具体的な注意点を紹介します。

剪定の失敗で枯らさないために

基本的にマツは、新芽が動いている時期に枝を大きく切ってしまうと、木に大きな負担がかかり弱りやすくなります。
枝を落とすときは全体のバランスを見ながら、光と風が通る程度に軽く整えるのがベスト。
勢いよく伸びすぎた枝や樹形を乱す枝だけを切り、葉を残して光合成の力を確保しましょう。

無理に一度で形を整えようとせず、数年に分けて少しずつ調整することがマツを枯らさない剪定のコツです。

環境の悪化を避けるポイント

根元の土が踏み固められると酸素不足になりやすいマツ。
歩く場所を避けたりマルチングを活用して保護したりすると安心です。
排水の悪い場所では水が溜まりやすく、根腐れの原因になるので、植え付ける前に必ず水はけを確認しておきましょう。

さらに、周囲に化学薬剤をまきすぎないことも大切です。
日当たりと風通しを意識して環境を整えることで、マツは健やかに生長し、枯れを防ぎます。

マツを枯らさないための剪定のコツ

マツ

剪定ができていないと、マツは大きくなり過ぎて、管理が大変になってしまいます。
適切な剪定時期と方法を知って、作業を行ってみてください。

3〜4月と11〜12月上旬に軽めの剪定する

マツの剪定は、3〜4月と11〜12月上旬がベスト。
この時期は生長が落ち着いているため、木への負担が少なく済みます。

春先は冬を越して伸びすぎた枝を整え、夏に向けて風通しを良くしておくと健やかに育ちます。
秋の剪定では不要な枝を軽く間引いておくことで、冬の寒さに備えて木の体力を保ちやすくなります。

ただし、一度に多く切り過ぎると弱りやすいため、形を整える程度にとどめましょう。
年2回の軽剪定を意識すれば、美しい姿を保ちながら元気なマツを育てられますよ!

不要な枝を優先的に切る

マツを剪定するときは、まず不要な枝を優先的に切ることを心がけましょう。
枯れ枝や内向きに伸びている枝、重なり合って風通しを悪くしている枝は、木にとって大きな負担になりやすいです。
取り除くだけで日当たりや風通しが改善され、病害虫の発生も防ぎやすくなります。

また、勢いよく伸びすぎた徒長枝も放置すると樹形を乱すため、早めに切り戻しておきましょう。
一度に多くを落とす必要はなく、全体のバランスを見ながら少しずつ整えるほどがいいです。

枝の切り方を正しく行う

枝の途中で無理に切ってしまうと、マツは切り口から枯れ込みが広がりやすくなります。
必ず枝分かれしている付け根部分で切り落とし、切り口をすっきり仕上げることが大切です。

太い枝を落とすときは、一度に下から軽く切り込みを入れてから上から切ると、幹を傷つけずに済みます。
細かい枝は切り過ぎず、全体のバランスを見ながら少しずつ整えていきましょう。

新しい芽の管理を行う

春に伸びる新しい芽は勢いが強く、そのまま放置すると枝ぶりが乱れたり、全体のバランスを崩しやすいです。
芽が伸びすぎないうちに長さを揃えたり、必要のない芽を摘み取ることで、マツの樹形を美しく整えることができます。

また、新梢を間引くことで日当たりや風通しも改善され、病害虫の予防にもつながります。
生長の様子をこまめに観察しながら、適度に手を入れてあげましょう。

古葉を間引き風通しを確保する

枝先に古い葉が溜まったままだと、湿気がこもりやすく病気や害虫が発生しやすいマツ。
特に内側に密集した古葉は、光も通りにくくなるため、新芽の生長を妨げてしまいます。

手で軽くむしるように取り除けば、枝の先端に光と風が届きやすくなり、マツが持つ本来の力を発揮できます。
見た目もすっきりと整い、美しい樹形が際立つので、定期的に古葉を整理してあげましょう。

マツを枯らさない剪定はsmileガーデンへ

マツ

マツの剪定は時期や方法を誤ると弱らせてしまうことがありますが、smileガーデンなら安心です。
全国No.1の実績を持ち、経験豊富なスタッフが正しい知識と技術で対応してくれるので、枯れを防ぎながら美しい姿に仕立ててくれます。
土日対応や無料見積もりも便利で、料金も明確なので初めての方にもおすすめです。


自己流の剪定木が枯れるかも

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 柴﨑光一

リゾートガーデンスタイル専属の庭師×Webコンテンツクリエイター。 カナダのトロントで造園士を、その後日本で花屋のバイヤー・鉢物の管理・アドバイザーを経験した後、ヤシの木を主体とするリゾート・ドライガーデンの造園士に。 現在は、リゾートガーデンスタイルの社会福祉施設・DOG CAFEの専属庭師に加え、畑の開拓・管理、SNSも兼務。 植物を専門とするWebコンテンツクリエイター、ガーデニング商品の監修者としても活躍中。

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