玉竜は、小さくまとまった葉っぱがかわいらしいグランドカバープランツです。庭のすき間を埋めたり、地面を覆ったりという用途で植えられることが多いです。しかし、育て方によっては玉竜がうまく育たずに枯れてしまうことがあります。玉竜が枯れてしまう原因やその対策をご紹介します。
目次
玉竜が枯れてしまうのはなぜ?

玉竜が枯れてしまうのには、いくつかの原因が考えられます。枯れてしまった原因を取り除かない限り、また新たに玉竜を植えても枯れてしまうだけです。
手入れの仕方や周りの環境などから、枯れてしまった原因を推測して、対策をしなければいけません。原因によっては、他のグランドカバープランツを植えても枯れてしまう可能性もあるでしょう。
原因を細かく挙げていくとキリがありませんが、周りの環境や手入れの仕方、植え付けてすぐに枯れたかあとから枯れたか、一気に枯れたか少しずつ枯れたか等によっても絞ることができます。
玉竜が枯れる原因として考えられることや、その対策をご紹介します。
玉竜の特徴
玉竜(タマリュウ)は、クサスギカズラ科ジャノヒゲ属のジャノヒゲ(リュウノヒゲ)という植物の園芸品種です。ジャノヒゲよりも、葉っぱが短く小さくまとまるのが特徴です。
地面を覆うように広がっていくので、グランドカバープランツとして用いられています。基本的には葉っぱを楽しむものですが、葉っぱに隠れるように花が咲くこともあります。
乾燥により枯れる
玉竜が枯れる原因の一つとして、乾燥によるものがあります。玉竜の原種のジャノヒゲ(リュウノヒゲ)は日本に元々自生する植物ですが、明るい雑木林などの日陰〜半日陰になる場所でよくみられます。直射日光が長時間あたるような環境や、乾燥しやすい環境は、育つ場合もありますがあまり好みません。
そのため、明るく日が当たる環境に植えていたり、植え付け時に根っこが地面にしっかり張る前に乾燥したり、真夏に雨の降らない日が長期間続いたりすると、枯れてしまうことがあります。
植え付けて1〜2週間ほどですぐ枯れてしまったという場合や、真夏に一気に枯れてしまった場合などは、こちらが原因かもしれません。
根付く前に枯れる
よくあるのが、植え付けてから、庭の土に根っこが伸びて根付く前に枯れてしまうというものです。日本に自生する種類だけあって日本の気候で育ちやすい植物ではありますが、根付く前に土が乾燥しきってしまうとあっさり枯れてしまいます。
玉竜に限らず多くの種類にいえることですが、植え付けしてから暖かい時期で2週間ほどは、土が乾いたらしっかり水をあげるようにしましょう。
水のやりすぎで枯れる
玉竜は水のやり過ぎによって枯れる可能性もあります。常に土が湿っていると、それが原因で根腐れしてしまうことがあるためです。
根付いているのに毎日のように水をあげていて、常に土が湿っている状態になると、それにより枯れてしまうことがあります。
適度な水やりができているか見直してみましょう。
日当たりが良すぎる
玉竜は日当たりの良いところから悪いところまで育つ種類ですが、強い直射日光が長時間あたるような場所だとうまく育たないことがあります。原種のジャノヒゲも、日当たりの良い開けた場所にはあまり生えず、雑木林のような少し日陰になるような場所でよくみられます。
一日のうち数時間日光がよくあたるような場所では問題なく育ちますが、一日中直射日光があたるような場所では弱ったり枯れたりしてしまうかもしれません。
日当たりの良い環境に玉竜を植えていて、葉っぱが黄色くなったり、葉っぱの先から茶色く枯れていったりしている場合はこの原因が考えられます。
そうした場合は、日差しをやわらげるような対処が必要です。
日当たりが悪すぎる
日当たりが良すぎると玉竜はうまく育たないことがありますが、日当たりが悪すぎるのもよくありません。原種のジャノヒゲは森の中などでよく見られますが、一年中暗いうっそうとした森の中にはあまり生えません。
玉竜も、建物や木の枝葉にさえぎられて一日中暗く日の当たらない環境では育たないことが多いです。暗い環境に玉竜を植えていて、成長が極端に遅く徐々に枯れていっているような場合などはこの原因が考えられます。
そのため、玉竜を植えている場所が暗すぎるという場合は日当たりを良くする工夫が必要になります。
土が痩せすぎている
土が痩せていてあまりにも肥料分がないと、玉竜が枯れる原因となる可能性があります。原種のジャノヒゲは元々雑木林などに生えるということもあり、極端な貧栄養の環境には耐えられないためです。
植え付け前から今まで肥料分を与えておらず、落ち葉など肥料になりうるものの供給もなく、そのうえで成長が全く進まず徐々に弱っていくような場合は、こちらが原因かもしれません。
また、植物は育つのに必要な栄養分がどれか一つでも足らないと、他の栄養がどれだけ足りていても成長が進まないという特徴があります。そのため、一見土の養分がありそうに見えても、何かの養分が足りていなくて成長できていないという可能性もあるにはあります。
ただし、適切に肥料を与えているのに土の養分が何か一つ足りないということは考えにくいので、安易に目に見えない土に可能性がありそうと考えすぎないようにしましょう。
他の草に負けてしまった
玉竜を育てていると、株と株の隙間から雑草が生えてくることがあります。雑草の種類や状態にもよりますが、雑草が繁茂しすぎると玉竜が負けてしまい、枯れてしまう可能性はあります。
玉竜に覆いかぶさるように育つ雑草や、玉竜よりも大きく育つ雑草がたくさん生えていて、気づいたら玉竜の生える面積が減っている、というような場合は雑草対策をするのがおすすめです。
玉竜の水やり
玉竜を庭で育てる場合、それほど水やりに気を遣う必要はありません。水やりが必要な場面もありますが、あれこれ手をかけてあげようと頻繁に水やりしていると、根腐れして枯れてしまう可能性があるためです。
原種のジャノヒゲは野外で人の手を借りずに生きているということもあり、それほどたくさん水やりをしないようにするのがおすすめです。
具体的には、玉竜の苗を植え付けてから、根付いて新たな芽を出して成長し始めるまでは、土が乾いたらたっぷり水やりをします。それ以降は、基本的に水やりは雨水だけで大丈夫です。屋根などがあってあまりに雨が当たらないような場合は、土が乾いたら定期的に水やりをしましょう。
また、真夏に長期間雨が降らず、葉っぱが萎れてきているような場合は水やりをします。その際は、昼間に水やりすると根っこが傷んでしまう可能性があるので、朝や夕方に水やりするのがおすすめです。
植え付けてから根付くまでが大事
玉竜を庭で育てるにあたって、必ず水やりをする必要があるのは、植え付けてから根付くまでの間です。まだ庭の土に根っこが伸ばせていないうちは、自力で水を確保するのが難しいです。
根付くまでは土が乾いたら、下まで水が浸透するようにたっぷり水を与えます。春から秋の暖かい時期で1週間〜1ヶ月ほどそれを行い、新たな芽が出始めるなどしたら、それを目安に根付いたと判断して頻繁な水やりは控えるようにしましょう。
玉竜の好む日当たり
玉竜は幅広い範囲の日照で育てることができます。その中でも、日当たりの良い環境を好みますが、常に直射日光があたるような場所よりも、明るい日陰や一日数時間日が当たるくらいの場所のほうがよく育つことが多いです。
また、日陰でも育ちますが、うっそうとした常緑樹の下など、あまりに日が当たらない環境では多くの場合うまく育ちません。
そのため、明るい分には基本的には良いですが、明るすぎる場合は少し遮光をして、暗すぎる場合は少し日当たりを良くしてあげると良いでしょう。
日当たり改善の方法
玉竜の日当たりがあまり良くない場合は、改善してあげる必要があります。日当たりが良すぎる場合は、寒冷紗を設置したり、周りに木を植えたりすることで少し緩和することができます。日当たりが悪すぎる場合は、日を遮っている木の枝を剪定するなどして排除すれば、日当たりが良くなります。
また、日陰にある葉っぱは日陰用の性質を持っているので、急に日当たりを良くしすぎると逆に枯れたり葉っぱが焼けたりしてしまうことが多いです。そのため、可能なら1週間間を空けるなどして、少しずつ日当たりを良くしていきましょう。
ただし、日を遮っているものが動かすことのできない建物などの場合、その方法で日当たりを良くすることはできません。そうした場合は、玉竜の方を植え替える必要があります。
芽吹き前の早春ごろに、根っこを掘り上げてほかの場所に移し、植え付け時同様に根付くまでは土が乾いたら定期的に水やりをしましょう。根っこは意外と広い範囲に伸びているので、掘り上げるときは大きめに掘ってあげるのがおすすめです。
玉竜の肥料のあげ方
玉竜には、窒素分を多く含む肥料を与えるのがおすすめです。量や頻度は肥料のパッケージに書いてあることを参考にしながら、月に1回程度を目安に与えるのがおすすめです。
よく育つからと肥料をあげすぎると、かえって肥料の濃度が高くなりすぎて枯れてしまうことがあるので注意が必要です。
玉竜の雑草対策
玉竜を育てていると、隙間から雑草が生えてくることがあります。そうした雑草たちは、玉竜の得るはずだった土の養分を奪ってしまうし、玉竜が得るはずだった太陽の光を遮ってしまいます。また、見栄えも悪くなってしまうので、定期的に抜き取りなどの対策を行わなければいけません。
原則として、雑草対策はなるべく早めに行う必要があります。面倒だからと放っておくと、どんどん広がって玉竜の生育を邪魔してしまいますし、何年にもわたり発芽し続ける種を残してしまうものもあります。見かけたらなるべく早めに対処するようにしましょう。
玉竜を育てていると出てくることのある雑草と、その対策をご紹介します。
ヘクソカズラ
ヘクソカズラはつる性の木本で、フェンスなどに絡みついて大きく育つ植物です。鳥が果実を食べて種を運ぶので、玉竜の株と株の間からも生えてくることがあります。
放っておくとどんどんつるを伸ばして広がり、周りに絡みつくものがないと地面を覆うように広がっていくので、玉竜が負けて枯れてしまう可能性は十分にあります。見つけたらなるべく早めに抜き取るのが大事です。
ある程度大きくなったヘクソカズラは、本拠地のような太い根っこから、多数のつるを四方八方に伸ばして広がります。伸びてきたつるを根元までたどって、本拠地を見つけたら引き抜いてしまいましょう。この本拠地となる根っこを抜くことができたら、そこから繋がるかなりの量を減らすことができます。
ヒメムカシヨモギやオオアレチノギク
ヒメムカシヨモギやオオアレチノギクなどの、綿毛が風に乗って遠くから飛んでくる雑草が隙間から生えてくることもあります。狭い隙間でも40cmくらいに伸びることは珍しくなく、光や養水分を奪われてしまうだけでなく、見た目はあまりよくありません。
これらの雑草たちは、花を咲かせて種をつける前に抜き取ってしまいましょう。小さな種でかなりの距離を飛ぶことができるので一通り抜いても再び飛んでくる可能性が高いのですが、この手の種は周囲数十cmの範囲に散らばることが多いので、一度種ができてしまうとそこから周りでどんどん増えていってしまう可能性が高いです。根っこはそれほど強くないので、見かけ次第抜き取ってしまいましょう。
メヒシバやコメヒシバ
周りの花壇などから、メヒシバやコメヒシバなどのイネ科雑草が生えてくることもあります。これらは地面を覆うように育ち、夏から秋ごろに穂を出して種を落とします。
色々な隙間から生えてきて、一度定着すると大変なので、見かけたらなるべく早めに抜き取りましょう。
抜いたつもりでもまだ茎や根っこの一部が残っていて再生することもあるので、抜き残しがないように丁寧に抜き取るのがおすすめです。
原因は一つではないことも多い

玉竜が枯れることについて、原因は一つではないことも多いです。いくつかの原因が複合的に作用して、結果的に枯れてしまうというものです。
たとえば日当たりが悪くて調子が良くない時に、耐陰性のある雑草が生えてきて負けてしまったり、根付くまでに水やりがされておらず、そのうえ日当たりが良すぎて枯れてしまったりといったものです。
これらの”枯れた原因”も状況からの推測でしかないので、わからない部分は仮説を立てて一つ一つ試していくしかありません。大変に思うかもしれませんが、それが結局一番の近道ですし、やっていくうちに原因が推測できるようになってきます。
生き物を相手にする以上確実な正解はないので、根気強く確かめていきましょう。
まとめ

玉竜が枯れてしまうのには、いくつかの原因が考えられます。それらの原因を推測し、取り除くことができれば、次は枯らさず育てられるはずです。手入れの仕方や環境条件を見直しながら育ててみましょう。
色々試しても玉竜が枯れてしまうという場合や、難しくて育てる自信がないという場合、色々手入れしたいけどする時間がないという場合などは、Smileガーデンなどのプロの業者にお願いするのも一つの手です。結果的にそれが一番安く済むこともあるので、ぜひお気軽にご相談ください。
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。


