緑のじゅうたんのような美しい芝生。
お庭を美しくしてくれるだけでなく、子どもやペットが伸び伸びと過ごせる場所にもなります。
芝生にはどんな種類があるのかを解説したうえで、管理のしやすい品種や、お手入れ方法のコツをご紹介します!

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 小原らいむ

植物が大好きなライターです。小学校の自由研究は「雑草の研究」でした。忙しい毎日でも無理なく楽しめるガーデニングを日々研究しています。雑草&野草・カラーリーフ・球根植物・100円ショップの園芸グッズ。

目次

芝生の種類


芝生には、日本芝・西洋芝の2種類があり、性質により暖地型・寒地型に分けることができます。
まずは、それぞれの違いや特徴を確認しましょう。
 

日本芝

 
日本芝は、もともと日本に自生しているノシバや高麗芝、姫高麗芝などの品種です。
暑さに強い暖地型芝草(夏芝)に分類され、関東以西の一般家庭や公園などで主に用いられています。
 

高温多湿の日本の夏にも適応し、病害虫や乾燥にも耐えるタフさが魅力。
西洋芝と比べると葉は太く硬めで、チクチクした手触りです。
 

気温が10度以下になると「冬枯れ」し、地上部が茶色く枯れ込みます。
日本芝で常緑を目指すには、夏芝に冬芝の種をまいて季節ごとに芝生を切り替える「オーバーシード」という管理方法があります。
 

高麗芝をはじめとする日本芝の芝生は、マット状の切芝を張ってつくる方法が一般的です。
ノシバなど、種まきで栽培できる品種もあります。
 

西洋芝

 
西洋芝は、海外から導入された冷涼な気候を好む芝草です。
ブルーグラス類・ベントグラス類・フェスク類・ライグラス類などの寒地型芝草(冬草)のほか、バミューダグラスやティフトンなど暖地型に分類される品種も西洋芝です。
 

西洋芝の代表品種であるケンタッキーブルーグラスは、北海道や東北地方で広く利用されています。
 

西洋芝の葉は、日本芝よりも細くて柔らかく、緑色が濃い傾向にあります。
種まきで育成することができ、張芝で育てる日本芝よりも初期コストを安く抑えられるのがメリットです。
 

成長が早いため、芝刈りや水やりの手間がかかるのが難点と言えるでしょう。
また、暑い時期の管理が非常に難しく、日本の夏では「夏枯れ」する恐れも。
東北以南の地域や、園芸の初心者が管理するときには注意が必要です。

芝生のメリット・デメリットとは?

天然芝を植えるメリットとデメリットを、人工芝やコンクリート、砂利といった他の選択肢と比較しながら解説します。
 

メリット

 

芝生で遊ぶ子供の写真

■質感や見た目が良い
生きた植物ならではの温かみや高級感を出せることが、天然芝を使う一番のメリットでしょう。
木々や花壇の草花など、周囲の植物ともよく調和します。
暖地型芝草であれば冬には枯れ込み、芝生を通じて四季の移ろいを感じられることも、人工芝や他の建材にはない特徴です。
 

■導入コストが安い
芝草の品種や施工方法にもよりますが、天然芝にかかる初期費用は人工芝の約10分の1と言われています。
コンクリートやタイルと比べても、導入コストを安く抑えられるでしょう。
 

■足腰に優しい
芝生は、コンクリートやアスファルトより格段に柔らかく、足腰に負担がかかりにくいこともメリットです。
フカフカした芝生の上なら、ペットや子どもが走り回って転んでも大きなケガになりにくく、安心して遊ばせられます。
 

■照り返しが弱い
芝生は、コンクリートやアスファルトなどと比べると太陽の照り返しが弱く、夏場でも暑さを感じにくいことがメリットです。
直射日光がガンガン当たるお庭や、暑い地域にお住まいでも、芝生なら快適に過ごせます。
 

■リフォームしやすい
芝生の撤去は、コンクリートや砂利の撤去より安価でお手軽です。
お庭のイメージチェンジがしやすいことも芝生のメリットと言えるでしょう。
今後、庭やエクステリアをリフォームする可能性がある場合には、撤去しやすい芝生を検討してみてください。
 

デメリット

 

枯れた芝の写真

■芝刈り・施肥などの手入れが大変
芝生は生き物なので、美しく維持するにはそれなりの手間がかかります。
芝生が生育する春~夏には、芝刈りや施肥などの定期的なお手入れが必要です。
お庭のメンテナンスに時間をかけられない人は、人工芝や砂利を検討するか、比較的管理が楽な改良型品種の芝草を選びましょう。
 

■冬には枯れる
日本で広く使われる暖地型の芝草は、冬には茶色く枯れ込み、夏と冬では景色がガラっと変わります。
かといって、常緑の芝生の管理は温暖な地域では難しく、オーバーシードも手間やコストがかかります。
1年を通して同じ景観を保ちたいなら、人工芝やその他の素材も検討してみてください。
 

雑草が生える
芝生には、砂利や人工芝と比較すると雑草が生えやすいこともデメリットです。
雑草取りが面倒な人や、除草剤を使いたくないという人には、管理しきれないかもしれません。
 

■害虫が発生する
雑草と同じく、芝生の庭では害虫が発生しやすくなります。
コガネムシの幼虫、蛾の幼虫、アリなどの昆虫の住処になるため、虫が苦手な人は注意してください。
 

■部分的に剥げたり枯れたりする恐れがある
踏みつけなどで強く圧がかかったところが、部分的に剥げたり、すり減ったりすることがあります。
また、犬のおしっこや、西洋芝では夏の暑さにより枯れるトラブルも。
きれいな芝生を維持するためには、細かく気を使ってあげる必要があります。

簡単に手入れできる芝生4選!


ここからは、芝生の中でも手入れが簡単な品種4選を紹介していきます。
 

高麗芝(コウライシバ)

 
■特徴
暖地型・日本芝
お庭用の芝生としては最もポピュラーな品種。
ホームセンターなどでマット状の切芝として販売されているものの多くが高麗芝です。
冬になると茶色く枯れ込みます。
 
日本の気候に合っていて、高温や乾燥、肥料不足にも耐える丈夫さが魅力。
一般的な高麗芝よりも生長が遅く、芝刈りが年1~2回で済む「TM9」などの改良品種も販売されています。
 
葉幅が1~4mm程度と細く、緻密で美しい芝生をつくれます。
「姫高麗芝」は、高麗芝よりもさらに葉が細い品種です。
 

■費用
1㎡あたり800~1200円程度(工事費別)
TM9の場合、1㎡あたり1500~2000円程度(工事費別)
 
■こんなお庭におすすめ
・東北以南~沖縄
・鑑賞に適した、きめ細やかな美しい芝生を楽しみたい
・コンパクトなお庭
・ポスト下など小さなスペース
・季節ごとに違う表情を味わいたい(冬枯れ)
・マット状の切芝から育成する
 
■お手入れ
生育期の芝刈り・施肥・水やりなどは、一般的な芝生と同じように管理します。
芝刈りは、5月~6月には月1~2回、7月~8月には月2~3回、10月には月1回を目安に、草丈2cm~3cmくらいまで刈り込みます。
 
芝刈りの回数を減らしたいときは、生育の遅い「TM9」などの改良型品種がおすすめです。
冬場の休眠期には、特に手入れは必要ありません。
 

野芝(ノシバ)

 
■特徴
暖地型・日本芝
公園や河川敷、ゴルフ場のラフなどに使用されることの多い、日本原産の芝草です。
日本芝の中では耐寒性があり、北海道北部を除くほぼ日本全国で栽培できます。
踏みつけや病害虫に強く、耐陰性に優れた品種です。
 
葉が4mmほどと太くて硬く、高麗芝と比べると粗い印象になります。
狭いお庭で鑑賞用として植えるのには不適でしょう。
ある程度広さのある庭なら、ノシバでも美しい緑のじゅうたんのように見えるかもしれません。
 
生長スピードは遅めで、芝刈りが楽というメリットがあります。
高麗芝と同様、冬になると地上部が枯れます。
切芝からも種からも育てられます。
 
■費用
1㎡あたり800~1200円程度(工事費別)
 
■こんなお庭におすすめ
・北海道以南の日本全土
・面積の広い庭
・人の出入りや踏みつけが多い
・犬や子どもが走り回る
・日当たりがいまいちなお庭
・季節ごとに違う表情を味わいたい(冬枯れ)
・芝刈りの頻度を抑えたい
・マット状の切芝から育成する
・種から育てる
 
■お手入れ
他の品種と比べると管理が楽な芝草です。
生育期の5月~10月には、伸び具合を見ながら、月に1回~4回ほど芝刈りしましょう。
肥料不足にも耐えますが、美しい芝生を保つには、夏の生育期に芝生用肥料を2回ほど施してください。
 

バミューダグラス

 
■特徴
暖地型・西洋芝
西洋芝の中では、暑さや乾燥に強い暖地型の品種です。
踏みつけや擦り切れからもすぐに回復する丈夫な葉を持っていて、グラウンドや公園にも利用されます。
 
暑さに強い夏芝ながら、西洋芝ならではの葉の柔らかさをあわせ持っているのがバミューダグラスの魅力です。
 
芝草の中でも生長速度が早いため、こまめに芝刈りする必要があります。
改良型品種の「ティフトン」は、より葉が細く、踏圧耐性のある品種です。
 

■費用
種から育て、撒く密度で濃さを調整するので、一概に面積当たりの値段を出すことは難しい。
 
■こんなお庭におすすめ
・関東以西の本州
・人の出入りや踏みつけが多い
・犬や子どもが走り回る
・素足で歩けるソフトな芝生にしたい
・こまめに芝刈りができる
・季節ごとに違う表情を味わいたい(冬枯れ)
・種から育てる
 
■お手入れ
生育が早く、6月~9月ごろまでは週1回ほどの定期的な刈り込みが必要です。
一方、暑さや乾燥にはあまり気を使わなくても大丈夫でしょう。
施肥や水やりなどは、他の品種と同様の頻度で行ってください。
 

ケンタッキーブルーグラス

 
■特徴
寒地型・西洋芝
西洋芝の中で特に人気の高い品種で、北海道では一般家庭から公園までさまざまなエリアで利用されています。
耐寒性があり、日本の冬でも枯れない常緑の芝草です。
一方で、耐暑性では日本芝に劣ります。
 
西洋芝としては太めの葉を持っていて、踏みつけや擦り切れに強いのが特徴です。
 

■費用
1㎡あたり2000~3000円程度(工事費別)
 
■こんなお庭におすすめ
・北海道や東北北部など寒い地方
・人の出入りや踏みつけが多い
・犬や子どもが走り回る
・素足で歩けるソフトな芝生にしたい
・1年中緑を楽しみたい
・マット状の切芝から育成する
・種から育てる
 
■お手入れ
寒地型芝草の管理では、夏枯れを予防するための暑さ対策が重要になります。
6月~8月は、毎日早朝に水をたっぷりやるようにして温度上昇を予防しましょう。
ただし、水のやりすぎも根腐れや病害虫発生の原因になるため、梅雨時期や雨が続いたとき、気温がさほど高くない時期は、水やりの頻度を調整してみてください。

芝生の作り方


芝生の作り方にはいくつかの方法がありますが、「切芝を張る方法」「種まきで育成する方法」の2種類がポピュラーです。
それぞれのメリット・デメリットと、簡単な手順も紹介します。
 

切芝を張る(張芝法)

 

の写真
の写真

マット状の切芝を規則的に並べて張っていく方法です。
高麗芝などの日本芝は、おおむねこの方法で育成します。
 

すき間をあけずに切芝を並べる「べた張り」、芝と芝の間隔をあける「目地張り」など数種類の張り方があります。
 

■メリット
・生え揃うまでが早い
・目地張り、ベタ張りなど予算や好みによって張り方を選べる
 
■デメリット
・張り方によってはコストが高くなる
・西洋芝など切芝として流通していない品種がある
 
■手順
芝生を張るのに適した時期は3月~6月です。
 
用意するもの:切芝・砂・培養土・目土・スコップ・レーキ・ほうき
 
下地を数cm掘って平らに整える→砂を暑さ5cm程度になるように敷く→スコップやレーキで平らにならす→散水して土を踏み固める→切芝を等間隔に敷いていく→目土をかぶせる→ほうきで目土を馴染ませる→たっぷりと散水する
 

種まきする(播種法)

 
種から芝生を育てる方法では、張芝よりも初期コストを大幅に抑えられます。
 

種子の発芽率が低い高麗芝は切芝から育てるのが一般的ですが、ケンタッキーブルーグラスをはじめとする西洋芝や、ノシバなどの一部の日本芝は種も流通しています。
 

■メリット
・初期費用を安く抑えられる
・種子の品種は切芝よりも豊富
 
■デメリット
・生え揃うまで時間がかかる
・生育初期は水やりや動物よけなどの手間がかかる
 
■手順
用意するもの:芝の種・砂・培養土・目土・スコップ・レーキ・ほうき
 
下地を数cm掘って平らに整える→砂を暑さ5cm程度になるように敷く→スコップやレーキで平らにならす→散水して土を踏み固める→レーキで土をひっかいて1cmほどの溝をつくる→種をまく→再度レーキを使って種に土をかぶせる→目土をまく→たっぷりと散水する

種まきに適切な時期、種まきのまき方のコツ


■暖地型芝草
日本芝のノシバ、西洋芝のバミューダグラスなどの暖地型芝草の種は、発芽適温が20度~30度です。
4月~9月上旬ごろまで種まきが可能ですが、真夏は避けましょう。
 

■寒地型芝草
ケンタッキーブルーグラスをはじめとする寒地型の西洋芝の発芽適温は、15度~25度です。
寒冷地では5月~6月の春まき、温暖地・暖地では9月〜10月の秋まきがおすすめ。
暖地での春まきは、夏枯れのリスクがあるためです。
 

なお、発芽するまでの間や芽が1cm以上になるまでは、水や光を通す農用不織布で覆って保護しておくと、鳥獣の食害や水で種が流出するのを予防できます。

おすすめの芝刈りグッズグッズ3選!

最後に、芝生のお手入れに活躍するグッズを紹介します。
 

広範囲に最適な芝刈り機

 

芝刈り機の写真

広範囲の芝生のお手入れには、一気に芝を刈れる芝刈り機がマストです。
 

家庭用の芝刈り機には、手動式・電動式がありますが、10坪までの小さな庭なら手動式で十分でしょう。
手動タイプは、1万円以下のリーズナブルなお値段で購入でき、軽量かつコードレスなので取り回しやすいのも魅力です。
 

10坪以上の広い芝生では、パワーのある電動式の芝刈り機を検討してみてもいいかもしれません。
 

細かなお手入れに最適なハサミタイプ

 

ハサミの写真

花壇周りや壁際など、芝刈り機を取り回しづらい細かい場所や、入り組んだ芝生のお手入れには、芝刈りハサミが活躍します。
 

芝刈りハサミには、片手で使えるタイプと、両手で使うタイプがあるので、お好みで選んでみてください。
近年では、水平方向にも垂直方向にもカットできる回転式のハサミも流通しています。
 

持ち運びに最適なバリカンタイプ

 

バリカンの写真

持ち運びしたいときや、ちょっとしたスペースの芝生を刈りたいときには、ハンディタイプのバリカン芝刈り機が役に立つでしょう。
充電式のコードレスタイプや、女性や高齢者にもうれしい軽量タイプもあります。
 

バリカンタイプの芝刈り機は、芝刈りだけでなく、草刈りにも使える一石二鳥のアイテムです。

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