日本三大庭木の一つとも言われるもちの木。美しい葉っぱと秋になるかわいらしい実などが魅力的です。しかし、もちの木を育てていても枯れてしまうことがあります。もちの木がなぜ枯れてしまうのか、どのように対策したら良いのか、代表的なものをご紹介します。
目次
もちの木(モチノキ)が枯れる原因は?

もちの木(モチノキ)を育てていると、なぜか枯れてしまうことがあります。モチノキが枯れてしまう原因は、一体どこにあるのでしょうか。その原因を推測して、それに合わせた対策を取ることで、モチノキを次から枯らさずに育てることができるようになります。
モチノキが枯れてしまう原因は様々なものが考えられますが、大きくまとめるといくつかに絞ることができます。どんな原因でモチノキが枯れることがあるのか、自分の庭のモチノキはなぜ枯れてしまったと思われるのか、チェックしてみましょう。
手入れがうまくいかずに枯れる

モチノキは手入れのやり方によって枯れてしまうことがあります。剪定のやり方によって枯れてしまう可能性もありますし、植え替えの失敗によって枯れたり、肥料をあげすぎることによって枯れたりすることがあります。
手入れのしなさすぎも問題になることがありますが、手入れのしすぎもまたモチノキを枯らす要因になり得ます。心当たりがあれば、自分の手入れの仕方を見直してみましょう。
剪定のしすぎ
モチノキは剪定のし過ぎで枯れてしまう可能性があります。モチノキは芽吹く力が強く、多少強く剪定したところで枯れることはあまりありません。
それでも葉っぱの大半を失うような強剪定を何度も行ったら力尽きて枯れてしまう可能性はありますし、環境が悪くて調子が悪いところに強剪定をされると、芽吹く余裕がなく枯れてしまう可能性があります。
頻繁に大量の剪定を行なっているような場合は、少し剪定量を少なくしたほうが良いかもしれません。
植え付け·植え替えの失敗
モチノキを庭に植え付けたり、一度根付いたモチノキを別の場所植え替えたりした場合、そこからうまく根付かずに枯れてしまうことがあります。植え付けや植え替えを行ってから、それほど日が経たないうちに枯れてしまった場合は、こちらが原因かもしれません。
植え付けをしたあと、根付くまでの間は少しお世話する必要がありますし、植え替えを行うには専門的な知識や技術が必要です。
肥料のあげすぎ
肥料をあげすぎてしまって、モチノキが枯れてしまう可能性もあります。動物にご飯をあげるような感覚で植物に肥料を与える方を時々見ますが、植物にとって肥料はそこまで頻繁にたくさん必要になるものではありません。ほとんどの植物の主な栄養源となるのは光合成であるためです。
肥料をあげすぎると、逆に植物が調子を悪くして枯れてしまうことがあります。肥料を湯水のように与えていたという場合は、肥料の量を控えたほうが良いかもしれません。
水のあげすぎ
水をあげすぎてもモチノキが枯れてしまうことがあります。モチノキに頻繁に水やりをしていると、常に土が湿った状態になり、根腐れをしやすくなってしまいます。また、水やりの量が少ないと常に土の表面だけが湿っている状態になり、酸素不足となったモチノキの根っこが地表に集まり、乾燥により一気に枯れやすくなってしまうこともあるでしょう。
モチノキは乾燥には弱くない木ですし、しっかり庭の土に根付いていれば、そもそも人の手による水やりはそれほど必要ありません。モチノキの葉っぱがしおれているのに水をいくらあげても復活しないような場合などは、水やりのしすぎが原因かもしれません。
モチノキの手入れの仕方

モチノキの手入れの仕方をご紹介します。庭に木を植えていると何かと手を加えたくなってしまいますが、手入れのしすぎはモチノキが弱ったり枯れたりしてしまう原因となります。
ただし、面積などに限りがある庭で木を育てている以上、ある程度手を加えなくてはいけません。手入れを全くしない方が良いというわけでもないです。適度に適切な手入れができるようにしておきましょう。
剪定のやり方
モチノキの剪定のやり方は、樹形の維持や大きさの調整、病虫害の予防などその目的によって異なります。そのため詳細のやり方については割愛しますが、モチノキの健康を維持するためには、剪定量を多くしすぎないことが大切です。
モチノキは芽吹く力が強いので、強剪定が必ずしもいけないというわけではありません。ただし、芽吹いても成長はそれほど速くないので、頻繁に強剪定したり、ダメージを受けて再生している途中に剪定したりしていると、そのまま力尽きて枯れてしまう可能性があります。
そのため、剪定の目的に合わせて、最小限の頻度、量で剪定を行うようにしましょう。生垣のように刈り込むのでなければ、全体を見ながら、まずは枝を抜くように付け根から切り、一通り終わったら次は枝を枝分かれの部分で切り戻す剪定を行い、そのあと枝を途中から切り詰める剪定を行う、という順序で剪定をすれば、無駄に枝を切ったりバランスを整えるために調整したりする必要が少なくなります。
切っている間は、時々一歩引いて全体を見て、バランスが崩れていないか確認しながら切るようにしましょう。
また、真夏や真冬に剪定を行うと、モチノキへの負担が大きくなるのでおすすめしません。モチノキの元気がない場合も、剪定するのは控えた方が良いです。
植え付け·植え替えの仕方
モチノキの植え付けは、3月中旬~4月中旬に行うのがおすすめです。難しければ、6月下旬~7月上旬、10月上旬ごろに行います。真夏や真冬に作業を行うことは、モチノキへの負担が大きいためあまりおすすめしません。
日当たりの良い場所の、水はけの良い肥沃な土に植え付けます。大きめに堀った植穴に植え付け、腐葉土や鶏糞などを混ぜた土で埋め戻します。その後は水をたっぷり与えながら周りの土を棒などでつっつき、土を根っこに密着させましょう。
そうして植え付けが完了したら、暖かい季節で数えて一か月を目安に、土が乾いたら下まで浸透するようたっぷり水やりを行います。新たな枝葉が伸びて旺盛に生育するようになったら、その後の水やりは基本的に行いません。
また、一度地面に根付いたモチノキを別の場所に植え替える場合は、少し難易度が上がります。モチノキに限らず木の根っこは枝葉の広がりよりもはるか遠くまで伸びているため、ある程度以上に育ったモチノキを植え替える場合は根元付近に根っこを出す「根回し」を行う必要があります。
植え替え作業時に根っこを切るのに合わせて、枝葉を剪定して出ていく水の量を調節しなければいけないことも多いです。
モチノキは比較的植え替えが成功しやすいので、ある程度乱暴にやっても枯れないかもしれませんが、やり方によっては枯れてしまう可能性もあります。失敗したくない場合はプロの業者にお願いするのがおすすめです。
肥料のあげ方
モチノキに肥料を与える場合、冬の間に寒肥として油かす、骨粉などの肥料を与えるのがおすすめです。肥料を与えすぎるとかえってモチノキを枯らしてしまう可能性があるので、あげすぎないようにしましょう。
落ち葉などが十分供給されている場合は、肥料を与えなくても育つ場合もあります。
水のあげ方
モチノキは、比較的乾燥に強い木です。モチノキは日本に自生する木ですが、海からの風が常に吹き付けているような、比較的乾いた海岸によく生えています。そのため、それほど水やりに神経質になる必要はありません。
植え付けや植え替えを行った直後には、根っこが切られていて庭の土に根付いてもいないので、しっかり根付くまでは鉢植えに植えている状態と同じように定期的な水やりを行います。土が乾いたら下まで浸透するようたっぷり水をあげるようにしましょう。
暖かい時期で数えて1か月くらいそのように水やりを行い、新たな枝葉が伸びて旺盛に成長し始めたら水やりを止め、あとは基本的に雨水による水の供給に任せます。
ただし、真夏に長期間雨が降らず、明らかに葉っぱがしおれていて元気がないような場合は、たっぷり水をあげるようにしましょう。
環境が悪くて枯れる

モチノキを植えている場所の環境が悪く、モチノキが枯れてしまうこともあります。モチノキにとって良い環境の場所に植えるか、モチノキを植えている場所をモチノキにとって良い場所に変えていかなければいけません。
日当たりや土などの条件がモチノキの生育に関わります。モチノキにとって良い環境を作り出せているかチェックしておきましょう。
土の物理的環境などが悪い
土の環境が悪いと、モチノキの元気が無くなってしまう場合があります。土の環境というと、栄養分だったりpHなどを想像されることも多いですが、どちらかというと通気性や透水性、保水性などの物理的な環境の方が関係していることが多いです。
特に、周りの土が踏み固められている場合、通気性や透水性が悪くなりますし、土が堅くて根っこを伸ばしづらくもなるので、モチノキの元気が無くなる一因となります。それだけの原因でモチノキが枯れることはあまり無いとは思いますが、元気がなくなる原因にはなるので確認しておきましょう。
日当たりが良くない
日当たりが悪いと、モチノキが弱ってしまう原因になります。モチノキは日当たりの良い環境を好みます。多少日当たりが悪くても生きていられる場合もありますが、病害虫や環境の変化などに対応する余力は無くなるので、何かのきっかけで枯れてしまうこともあるでしょう。
日当たりが悪いと、モチノキの葉っぱが薄く広くなり、成長は遅くなります。そんな様子が見られ、他の大きな木の枝にモチノキが覆われている場合や、周りを建物などに囲われている場合は、できる範囲で改善していくのが良いです。
病害虫が多すぎる
病気や害虫が多いと、モチノキの元気が無くなる原因になります。モチノキに大きな被害を与える病気や害虫は少ないですが、多少なりともついていれば全く被害がないということは考えにくいため、あまりに病気や害虫の数が多い場合や、環境や手入れの仕方など他の要因に問題があると、それに拍車をかける形でモチノキの元気が無くなってしまう可能性はあります。
モチノキにはルビーロウムシのようなカイガラムシが発生することが多いです。また、それらカイガラムシの出す甘い汁にカビが繁殖し、葉っぱが黒いフェルトに覆われたようになるすす病を併発することもあります。
それら単体ではそれほど問題になりませんが、元々あまりモチノキに元気がなく、そこに病気や害虫も発生しているような場合は、対策した方が良いかもしれません。
モチノキの好む環境とその作り方

モチノキが、周囲の環境によって弱ったり枯れたりしてしまっている場合、その環境を改善する必要があります。そのためには、まず何の環境がモチノキを弱らせたり枯らしたりする原因になっているのか、その可能性が高そうなのか、推察してみましょう。
モチノキを弱らせたり枯らしたりする原因のうち、大きく効いていそうなものを優先して改善していきます。どのような方法で改善できるのか、チェックしてみましょう。
土の環境
土の環境は、どの部分がモチノキに悪影響を与えているのかによって対処方法が異なります。栄養分が足りていない場合は、肥料を適切に与えて対処しましょう。通気性や透水性、保水性のような物理的な原因が効いていそうな場合、そちらの改善を行う必要があります。
いずれの場合も、改善のために周りの土を掘り、土壌改良資材を混ぜて埋め戻すという方法があります。ただしこれは、どのような土壌改良資材をどのような配合で使うのか、施工時期や穴を掘る範囲などをどのようにするかなど、専門的な技術や知識が必要になる作業です。
やり方が悪いと逆にモチノキを枯らしてしまう可能性もあるので、自身が無ければプロの業者にお願いするようにしましょう。
比較的簡単な方法では、モチノキの根元周りに1m~1.5mほどの縦穴を空けて、そこに縦に割って節を破壊して再び束ね、パイプ状にした竹を挿し込んで埋め戻す方法(割竹挿入法)があります。これを行うことで通気性や透水性の改善になります。
こちらもそれなりに大変な労力を必要とする作業ではありますが、土が固められて通気性や透水性が悪い場合、デメリットはさほどないので試してみても良いかもしれません。
日当たり
日当たりを改善する場合は、日を遮っているものを排除する必要があります。他の木の枝葉がモチノキへの日当たりを遮っている場合は、その枝葉を剪定しましょう。上を覆っていなくても、周囲に生えている木の枝葉も日差しを遮っている場合があるので、可能なら除去するのがおすすめです。
また、剪定する場合は間引く程度ではなく、しっかり日が当たるようなるべく多くの枝葉を除去すると効果があります。木ではない他のものが日当たりを遮っている場合も同様に、可能な範囲で移動させ、モチノキに日が当たるようにします。
ただし、木の枝葉を剪定するにしてもその木の枝をなるべく切りたくない場合もあるでしょうし、日を遮っているものが建物などで、動かしようがない場合もあるでしょう。
そうした場合は、モチノキ自体を植え替えてしまうという方法も取れます。ただし、先述したように一度土に根付いた木を別の場所に植え替えるのは、専門的な技術や知識が必要な、失敗して枯らしてしまう可能性のある作業です。
まだ小さなモチノキなら成功する可能性もありますし、モチノキ自体植え替えに弱くは無い木ですが、心配ならプロの業者にお願いするようにしましょう。
病害虫対策
病気や害虫の対策をする場合は、カイガラムシ対策を中心に行うことが多くなるかと思います。モチノキにつく病気や害虫はそれほど多くなく、カイガラムシ類を見かけることが多いためです。また、カイガラムシにより併発するすす病も、カイガラムシがいなくなれば発生しなくなります。
見かけたら、対処可能なうちはブラシなどでこそぎ落とします。量が多すぎる場合は適用のある薬剤などを使って対処しましょう。モチノキに使えて、カイガラムシに効果のある薬剤はあまり多くないので、よく確認してから使うようにしてください。
他にも、枝葉が密になっていて風通しが悪い場合は、カイガラムシ類の発生源となることがあるので、枝を間引いて風通しを良くすることで予防になります。
原因は複数あることも多い

モチノキが枯れることに対して考えられそうな原因を挙げてみましたが、モチノキが枯れてしまう原因は一つとは限りません。単体ではモチノキを枯らす要因にならなくても、いくつかの原因が関わりあいながらモチノキを弱らせていき、最終的に枯れてしまうということもあります。
一つの原因を改善しただけでは良くならない場合もあるので、様々な角度から枯れてしまった原因を探るようにしましょう。
まとめ

モチノキが枯れてしまう原因には様々なものが考えられます。手入れの仕方や環境など、それぞれ改善していけばいずれは枯らさずに育てられるようになるでしょう。
もしちゃんと手入れや改善をする自信がなかったり、何から手を付けていけば良いかわからなかったりする場合は、smileガーデンのようなプロの業者にお願いしてみるのもおすすめです。自分でやってみたいという方も、一度プロの技術をお手本として見せてもらうことで参考になることも多いでしょう。ぜひ検討してみてください。
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。




