竹が庭に蔓延ると、駆除がとても難しいですよね。どこから手を付けて良いかわからず、途方に暮れている方も多いのではないかと思います。竹の駆除方法について、駆除後の利用方法も合わせてご紹介します。

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目次

竹の駆除が難しい理由

困った顔のマークを手に取る人

 竹は一度蔓延すると、駆除するのが一筋縄ではいきません。
竹林を全て伐採してもまた生えてきて、再生してしまいます。

 駆除が難しい理由には、竹の生態や性質が関係しています。
竹の駆除を行う前に、なぜここまで駆除が難しいのかしっかり把握しておきましょう。

繁殖力が強い

伸びた竹林

 竹は繁殖力が非常に強いです。
大きくなった竹は高さ数mにもなり、高い場所を密に枝葉が覆うことで地面に光が届かなくなり、他の植物が生えにくい環境をつくってしまいます。

 竹は大きく成長するだけでなく、成長スピードが速いことでも有名です。
芽吹いたタケノコは一晩で1m成長することもあるといわれ、あっという間に大きな竹の並んだ竹林が広がってしまいます。
非常に強い繁殖力を持っているため、少し伐採したくらいではその生育を止めることができません。


厄介な竹の生態

 竹を駆除する上で厄介なのが、竹の生態です。
竹は花を咲かせることがほとんど無く、実をつけることもほとんどありません。
花を咲かせるまでの期間は種類によって異なりますが、数十年から百数十年に一度と言われ、竹林に一斉に花が咲いたあと、そのほとんどが枯れてしまうと言われています。

 そんな生態をしているため、竹は他の植物と違って花に栄養を使う必要がなく、茎や葉をつくるのに全力を注ぐことができます。
竹の成長スピードの秘密は、そんなところからもきているのかもしれません。


切っても地下茎が残る

 竹を駆除する際に最も厄介な性質といえるのが、地下茎を伸ばして育つという点です。
地上だけでなく地下にも茎を伸ばし、そのあちこちから地上に芽を出して育ちます。
そのため、放っておくと縦にも横にも成長し、生育範囲をどんどん広げてしまいます。

 その性質のため、地上の竹を伐採しても地下に茎が残り、その内部の栄養を使って再び芽吹いてしまうのです。
一度伐採したくらいでは、地下茎に貯めた栄養を使って再び芽吹き、あっという間に竹林が再生してしまいます。

竹を駆除するための方法

竹の切り口

 竹を駆除する方法には様々なものがあります。
除草剤を使う方法もありますが、使わなくても有効な方法もあります。

庭の環境やシチュエーションなどによって使える方法、使えない方法、有効かあまり効果が無いかも変わってくるため、それぞれのやり方と意義をしっかり抑えて自分の庭に合った方法を選んでみましょう。

除草剤

除草剤をまく人

 やはり、植物を枯らすためには植物を枯らすために開発された除草剤が最も手っ取り早いです。
雑草の種類や特性に合わせて様々な除草剤が開発されていますが、竹にも効果のある除草剤がいくつかあります。
使用する場合は、竹に対して登録されている薬剤を使うようにしましょう。

 除草剤と聞くと様々な悪影響を懸念される方もいるかもしれませんが、用法用量を守って正しく使用すれば、周囲への影響は極力無くなるように設計されています。
他の方法と併用もしながら、上手に使っていきましょう。

塩素酸系除草剤

 塩素酸系除草剤は、笹や竹に対して土に撒くことにより枯らす除草剤です。
デゾレートAZやクロレートSなどの商品が販売されています。

春から秋の間に土の上に撒くと、効果があります。
施工に労力が少なく、手軽に使えるのが良いところです。

次に紹介するグリホサート系除草剤と違い、茎に穴を空けるなどしなくても使うことができます。
ただし、竹を伐採した後に散布すると、刈り取った竹の枝葉のせいで薬剤が土まで届かない場合があるので注意しましょう。

グリホサート系除草剤

 グリホサート系除草剤は、多くの雑草類に対して広く使われる除草剤です。
竹に対しては、茎に穴を空けて原液を注入することによって効果を発揮します。
ラウンドアップのように、ホームセンターなどで簡単に手に入る商品が多いです。

 竹に対しての効果は、夏から秋の間に茎に穴を空けて原液を注入し、その穴を塞ぐことで、時間をかけて枯れるというものです。
塩素酸系除草剤に比べて労力がかかりますが、竹林の中に他の植物も生えていて、竹だけ枯らしたいなどの場合に使うことができます。

 また、グリホサート系除草剤は様々な雑草類に効果のある除草剤なので、わざわざ新しい除草剤を買わなくても家にあるもので対応できる場合もあります。

何度も伐採する

伐採後の竹

 竹を何度も伐採して枯らす方法です。
一度伐採しただけではすぐに芽吹いてきて再生しまうので、何度も伐採して地下茎の栄養を使い果たさせます。
数年単位で対応しなければならず、かなりの労力になる場合もありますが、非常に効果のある方法でもあります。

 これを実施する場合には、日頃から竹林の状態を気にかけ、芽吹いてからなるべく早く伐採しなければいけません。
芽吹いてから時間が経てば経つほど、竹が光合成で栄養をつくって再び地下茎に貯めてしまうためです。

 また、同じ理由から刈り残しが無いようにしなければならず、敷地外から地下茎が伸びているような場合は、敷地の境目で地下茎を切ったあと、後で紹介するシートなどで地下茎を制限する方法をとり、栄養を供給されないようにする必要があります。

細い芽生えもしっかり刈り取る

 竹を何度か伐採すると、そのうち細い笹のような枝葉が出てくるようになります。
一度すべての竹を伐採すると細い枝が無数に伸びてくる場合もあります。

 背が低く小さいからと言ってこれを放置してしまうと再び地下茎に栄養を貯め、再生してしまうので、しっかり刈り取るようにしましょう。
小さな枝葉でも光合成できる部分は細かく刈り取って、栄養を貯めさせないことが大切です。

地下茎を掘り取る

スコップで土を掘る人

 シンプルですが、確実に効果のある方法です。
地中に埋まっている地下茎をスコップなどで掘り起こします。
地上部を刈り取ったときに再生するのは地下茎からなので、やった範囲内に限っては確実に駆除することができます。
他の厄介な外来植物のように、茎葉や細い根の欠片から再生することもありません。

 しかし、言うは易しで、実際にこれを竹林で行うのには莫大な労力がかかります。
重機などを使えるならまだしも、人力で行うのはあまり現実的ではないでしょう。
狭い範囲のみ駆除したい場合や、他の方法と併用して無理のない範囲で行う場合などに使える方法です。

シートなどで地下茎を制限する

 地中にシートを埋め込み、そこから先に地下茎を伸ばせないようにする方法です。
一定の範囲に竹林を残しておきたい場合や、隣の敷地から地下茎が伸びてくるのを防ぎたい場合などに使えます。

 竹の地下茎はあまり深くないので、1mくらい下までシートを埋め込めば概ね侵入を防ぐことができるはずです。
また、シートを埋め込まずに溝を掘るだけでも効果があります。

 ただし、竹の地下茎は細いところに入っていけるので、シートの継ぎ目をしっかり塞いで、絶対に出られないようにしなければいけません。
施工後に様子を見るなどして、地下茎がシートを越えてくるかしっかりチェックしておきましょう。

巷でよく言われる方法は?

虫眼鏡とクエスチョンマーク

 他にも、巷でよく言われる駆除の方法がいくつかあります。
いずれも、家庭にあるもので手軽にできたり、効果の出る理屈が想像しやすかったりするので、誰でもすぐにできる方法として紹介されることもあります。

 しかし、これらの方法は実際には効果が薄かったり、別の危険性や悪影響があったりすることも少なくありません。
巷でいわれる駆除方法が実際にはどれくらいの効果があるのか、やるならどのようにすれば良いのかなどご紹介します。

塩を撒く

盛塩

 塩を撒いて竹を萎れさせる方法です。
塩をかけることにより浸透圧の影響で茎葉から水が出てきて、萎れてしまうというものです。
たしかに、雑草を駆除する上ではこの方法で枯らすことができる場合もあります。
しかし、塩は周囲への悪影響が大きいので、やるべきではありません。

 庭で他に植えている植物が枯れるくらいならまだ良いのですが、そこから雨で流れて敷地の外に流出し、広範囲に悪影響を与える可能性もあります。
除草剤などよりも、よほど環境への悪影響が大きいです。
周囲の農産業などに被害を与えた場合、賠償を請求される可能性もあるので気をつけましょう。

 さらに、竹の駆除の場合、塩はあまり効果が無いとされています。
実際に竹林に施用した例では、竹はほとんど枯れないという結果になりました。
参考:「広がる竹林をどうしよう?という時に」(国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所)

石灰を撒く

 消石灰や苦土石灰などを撒く方法です。
竹は酸性の土が好きなため、アルカリ性の土に変えれば弱りそう、という理屈のようです。
たしかに、日本の森林土壌は多くが酸性〜弱酸性なので、森林に生えている竹は酸性土壌が少なくとも苦手ではないといえます。

 しかし、だからといって少し石灰を撒いてアルカリ性に傾けたところで竹林が枯れるような、単純な話でもありません。
実際に竹林に石灰を施用した事例では、ほとんど効果がありませんでした。
参考:「広がる竹林をどうしよう?という時に」(国立研究開発法人 森林研究・整備機構 森林総合研究所)

 日本は雨の多い国なので、アルカリ成分は頻繁に流されます。
環境にもよりますが、竹林が弱るほどのアルカリ性を保つには、大量の石灰を定期的に撒くようなことをする必要がありそうです。
それをするくらいなら、他の方法を取ったほうが労力的にも経済的にもまだましでしょう。

熱湯をかける

外に置かれたやかん

 熱湯をかけることで、熱により竹を枯らす方法です。
こちらは特に何か道具を買う必要も無いので手軽にできそうです。

 しかし、竹林全体の、地下茎の深さまで熱湯を届けるには、かなりの量の熱湯が必要になります。
やかんで沸かしたお湯程度では、何十回、何百回お湯を沸かせば良いかわかりません。

 熱湯をかける際の危険性もありますし、他の木の根っこが竹林の中に伸びてきていたら、そちらにも悪影響が出る可能性もあります。
駆除したいのがやかん数杯で済む程度の範囲なら、別の方法を取ったほうが良いでしょう。
水道光熱費もばかになりませんし、あまりおすすめできない方法です。

1mの高さで切る

 冬の間に竹の幹を高さ1mくらいの高さで切ることで、竹林を丸ごと枯らすことができるという方法です。
理屈としては、地際ではなく高さ1mの位置で切ることで、竹の地下茎が切られたことに気づかず、春に際限なく水を上げてやがて枯れてしまうというもののようです。

 その理屈が正しいのかはさておき、確かに冬に1mの高さで切るとその幹は枯れることがありますが、地下茎まで丸ごと枯らすというのは難しいようです。

 しかし、噂レベルでは少ないながらも地下茎まで枯れたという成功例があるようで、ひょっとしたらまだわかっていないだけで何か成功条件があるのかもしれません。
伐採するついでに、ものの試しにいくつかやってみても良いかもしれません。

一番良いのはどの方法?

CHOICEの文字

 様々な方法を紹介してきました。
この中で、結局どの方法が一番効果的なのか、という疑問が出てくるかもしれませんが、状況によって効果的な方法は変わってきます。

 除草剤を使うにも、竹林のすぐ近くに育てている植物がある場合や、諸般の事情により除草剤が使えないということもあるでしょう。
また、どれくらい労力をかけられるか、どんな竹がどれくらい繁茂しているか、という条件もケースバイケースだからです。

 そのうえで敢えて言うならば、基本的には除草剤の使用が最も手っ取り早く、それが難しければ何度も伐採して弱らせる方法、ごく小規模ならば伐採と地下茎の掘り出し、といったところでしょうか。

 状況によりシートでの地下茎の制限も行うなど、複数の方法を組み合わせて行うのも有効です。
自分の庭の状況や使える方法を整理して、駆除方法を選んでみてください。

竹を駆除するのにかかる期間

木目の机に置かれた砂時計

 竹を駆除するのにかかる時間は、規模や環境、竹の種類や状態などによって様々です。

 しかし、基本的には数年以上かかる長い闘いになることが多いです。
状況や取れる方法によっては、10年近い時間がかかる可能性があることも覚悟しておきましょう。

駆除した後の利用・処分方法

切られた竹

 大きく丈夫な竹を伐採した際に、残った竹が少しもったいない気がしますよね。
竹は、様々な方法で活用することができます。

 駆除の際には膨大な量の竹が出るので、全て利活用するのは現実的ではないかもしれませんが、駆除した竹の中から少しでも何かに使えれば得した気になれますよね。
竹の利活用方法のなかで、いくつか有益に使える方法をご紹介します。

竹炭にする

 竹で作った竹炭には、様々な効果があります。
脱臭や除湿のほか、土づくりや生ごみの分解など、その用途は様々です。
ご家庭で竹炭をつくるためにはいくつか方法がありますが、一斗缶や空き缶などに竹を詰めて空気穴を空け、下から熱することでつくることができます。

 竹炭は用途によってはかなりの長期間効果を発揮するものもあるので、駆除のついでに少しつくってみても損は無いでしょう。
つくる際には、煙で周辺のお家に迷惑がかからないように配慮することや、竹が爆発しないよう必ず割ってから熱することなどに注意が必要です。

加工して使う

竹細工

 竹は丈夫な素材なので、加工して様々な用途で使うことができます。
DIYに使っても良いし、容器やインテリアなどに使うこともできるし、細いものなら他の植物の支柱として使うこともできます。

 編みかごや工芸品など、加工に高い技術が必要なものも多くあり、それらは少し難しいかもしれません。
しかし材料費はタダなので、興味があればチャレンジしてみても良いでしょう。

土壌改良に使う

 竹は土壌の条件を改良するのにも使うことができます。
主に踏み固められて通気性や水はけが悪くなった土に対して、物理条件を良くすることに使うものです。

 ある程度の太さがある1~1.5mほどの竹を用意し、2つに割って節の部分を破壊し、紐などで結んで再度1つにします。
これを竹の長さに掘った縦穴に入れ、周りの隙間にバークたい肥などを詰めれば完成です。

 竹の節を破壊したことで竹が一本のパイプのようになり、土の下の方まで空気が通るようになります。
たとえば樹木などでは、土壌を全面的に改良する必要は無く、局所的に改良した部分をつくってあげればそこに根っこが伸びていくため、このようなスポット的に行う方法でも効果があります。

 バークたい肥を使う理由としては、土が締め固められて弱った木には、栄養分の比較的少ない肥料を与えた方が回復しやすいためです。
縦穴を空けるのにダブルスコップなどの道具を用意する必要はありますが、デメリットがほとんど無く(少し土が乾燥しやすくなる程度)、効果が出やすいので、もし元気の無い木が庭にあったら使ってみるのがおすすめです。

まとめ

竹林の風景

 竹の駆除には様々な方法がありますが、庭の環境条件や竹の繁茂度合いなど、シチュエーションに応じてそれに合わせた方法をとっていく必要があります。

 どんな方法で駆除すれば良いか自信が無い、手入れする時間が無いなどの場合は、smileガーデンなどのプロに依頼してみるのも一つの手です。
実際に手をつける前に、プロの技術を見て学んでから取り組んでみるのも良いでしょう。

造園業界No.1店舗数!

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瀬尾 一樹
監修者 樹木医 瀬尾 一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。