敷地の中で駐車場は建物の次に面積が広い部分です。外から見た時に一番に目につく場所でもあるので、機能性だけでなくおしゃれなデザインにもこだわりたいもの。
当記事では駐車場のコンクリート目地をおしゃれにするコツをお伝えします。コンクリート目地とはコンクリートのひび割れを防ぐために入れられた切れ目のことです。エクステリアの中では脇役のような目地ですが、工夫次第でおうちの外観のアクセントになりますよ。コンクリート目地の入れ方によっておうちの外観のおしゃれ度が左右されると言っても過言ではありません。
おうちの外観が素敵だと毎日の気分も上がるはず。これからご新築やリフォームで外構工事を検討されている方はぜひ参考にしてださい。
目次
知っておきたい!駐車場のコンクリート目地をおしゃれにするコツ3つ。
駐車場のコンクリート目地をおしゃれにするポイントをお伝えします。コンクリート目地はただの「溝」や「切れ目」ではなく、駐車場に個性を持たせるポイントです。
駐車場の目地をおしゃれにするコツ①:目地の素材を目的から選ぶ。
コンクリート目地にはさまざまな仕上げがあります。仕上げはおもに、
・レンガやピンコロ石など「デザイン性」の高い仕上げ
・ドライテックやプラスチック成型伸縮目地材など「機能性」を重視した仕上げ
・砂利など「コストパフォーマンス」を重視した仕上げ
に分かれます。
「デザイン性」の高い素材を採用すれば自然におしゃれになると考えがちですが、おしゃれはバランスや組み合わせも大切です。まずはこの「デザイン性」、「機能性」、「コストパフォーマンス」の中から何を重視したいかを考えましょう。
駐車場の目地をおしゃれにするコツ②:目地と建物のコーディネートを考える。
建物の外観とコンクリート目地のコーディネートを考えます。極端な例を挙げると和風の外観に素焼きのレンガの目地はあまり合いません。外壁の色や外観の雰囲気に似合うコンクリート目地を選びましょう。
駐車場の目地をおしゃれにするコツ③:目地の入れ方にこだわる。
駐車場のコンクリート目地は面積なら約10㎡、幅なら約3mで区切る必要があります。
必要な目地の数をピッチどおりに入れるのではなく、コンクリート目地を斜め方向に入れたり、あえて不規則なピッチで入れたりすると見た目がさらに個性的になります。
特に目地をレンガやピンコロ石などで装飾する場合は目地が際立つので、目地の入れ方をあえて不規則にするなど工夫が大切です。
駐車場の目地をおしゃれにするコツ④:インスタグラムなどSNSで目地のお気に入り施工例を見つける。
「百聞は一見に如かず」とはよく言ったもので、施工例を参考にすればどんな駐車場にしたいか、イメージが具体的になります。
業者の施工例はもちろん、最近はインスタグラムなどにもたくさんお手本があります。ぜひ参考にしましょう。業者に工事を依頼する際にも画像などを見せて「こんな感じにしてください」と伝えると、口頭で伝えるよりもずっとわかりやすいはずです。
駐車場のコンクリート目地を入れる時に注意するポイント。
コンクリート目地のイメージができたら、そのアイデアがご自宅に合っているものかどうかを考慮しましょう。ここではポイントをまとめました。
目地を入れる時に注意するポイント①:コンクリート目地が雨水桝の位置を妨げないようにする。
コンクリート目地を入れる場所を考える前に雨水枡の位置を事前に確認しておくことが大切です。雨水枡にかかる場所やその近くに目地を入れるとコンクリートの強度が下がり、ひび割れの原因になることもあるので注意しましょう。
目地を入れる時に注意するポイント②:デザインだけでなく駐車場の周辺環境も考慮してコンクリート目地を選ぶ。
屋外にある駐車場のコンクリート目地は雨や風の影響を受けやすいものです。水はけのよくない駐車場では透水性の高い素材、周辺に落葉樹がたくさんあるような駐車場では掃き掃除しやすい素材を選ぶなど、駐車場の環境を考慮してコンクリート目地の素材を選ぶことも大切です。
目地を入れる時に注意するポイント③:普段の車の動線を考慮する。
2台、3台など複数の車を停める駐車場ではコンクリート目地を車の駐車位置に合わせて入れると便利です。レンガやピンコロ石で仕上げると見た目が華やかなだけでなく運転者からも認識しやすいのでおすすめです。
こんな駐車場の目地はイケてない?後悔しない目地のデザイン。
駐車場のコンクリート目地はエクステリアの「細部」です。しかし外からよく見える場所なので丁寧に選びましょう。ここではコンクリート目地で後悔しがちなポイントをまとめました。
後悔しない目地のデザイン①:目地は十字に入れない。
コンクリート目地は伸縮によるひび割れを防ぐためのものです。しかし外からよく見えるポイントになるためデザイン性を兼ね備える必要があります。
規定のピッチどおり3mおきに十字に入れると「とりあえず目地を入れた」というイメージが否めません。目につく場所だからこそこだわりを持ちたいものですね。
後悔しない目地のデザイン②:コンクリート目地と車の停車位置に関係性を持たせる。
2台以上の駐車場ではコンクリート目地を車の停車位置に合わせて入れると機能性が上がります。反対に停車した車の真下や車に対して斜めに目地が入っていると、停車の際に混乱しかねません。駐車場にどのように車が停車するのか簡単にイメージできるコンクリート目地が理想的です。
後悔しない目地のデザイン③:コンクリートを施工する範囲をケチらない。
工事費用を抑えるため駐車場のタイヤが載る部分だけコンクリートを打設すると、コンクリート以外の部分のメンテナンスに手間がかかります。
広い面積に砂利を敷くと散らばることも多く、砂ぼこりの原因にもなります。人工芝はメンテナンスフリーと言われていますが、半永久的にもつコンクリートに比べると劣化が早いため交換が必要です。
コンクリートは一度打設するとやり直すことはほぼありません。のちの生活で不便を感じないように施工することも大切です。
スタイル別!駐車場におすすめのコンクリート目地。
おしゃれはバランスが大切です。外観のスタイル別におすすめのコンクリート目地をご紹介します。
おすすめ①【シャープな印象】スタイリッシュモダンな外観に合うコンクリート目地。
●プラスチック成型伸縮目地材(エキスパンタイなど)
エキスパンタイなどプラスチック成型伸縮目地材は。形状そのものがスタイリッシュです。どのような外観も引き締まった印象にしてくれますよ。
●レンガ
レンガにはさまざまな色や種類がありますが、直線的なデザインは引き締まったイメージを演出できます。コンクリートと目地が平滑に仕上がる点もスタイリッシュです。
●ドライテック
ドライテックとは水を通すコンクリートです。目地をしっかりと埋め固めても水はけがいいので、デザイン性と機能性を兼ねて施工できますよ。カラーバリエーションが豊富でデザイン性にも優れています。
おすすめ②【あたたかみのある印象】ナチュラルな外観に合うコンクリート目地。
●レンガ
レンガは「格好よさ」も「可愛さ」も演出できるエクステリアの優れものです。ナチュラルな外観にもよく似合います。ナチュラルな外観には素焼きのような質感や色味のあたたかいものが特におすすめです。
●ピンコロ
ピンコロの石特有の凹凸はやさしげでナチュラルな外観によく似合います。目地以外にもアプローチなどに敷き詰めるとヨーロッパの石畳のような趣を演出できます。ピンコロにも色や種類がたくさんあるので、外観とのコーディネートを楽しみましょう。
●植栽
ナチュラルな外観には天然の植栽がよく似合います。無機質なコンクリートに植物が加わるだけで殺風景な感じもなくなります。タマリュウや多肉植物のセダムなど、耐陰性が強く水やりの手間がかからない植物をおうちの外観に合わせて選びましょう。
おすすめ③【趣のある印象】和モダンなどクールな外観に合うコンクリート目地。
●砂利・玉石
砂利や玉石は「和」を演出するのにぴったりな素材です。黒など濃い色の外観にあえて白い玉石を採用してコントラストを楽しむなど、工夫の幅は無限です。砂利や玉石はコンクリートの目地に入れて均すだけなので施工が簡単でDIYも可能です。砂利や玉石が散らばっていつの間にか減って、そこから雑草が生えてしまうということもあります。数年に一回程度は補充などのメンテナンスが必要です。
●ピンコロ
ピンコロはエクステリアに高級感や重厚感を出してくれます。ピンコロの並べ方によって洋風だけでなく和風にもよく似合う素材です。コンクリート目地だけでなく駐車場の間口のあたりにピンコロで模様を描くとおしゃれに仕上がりますよ。
●プラスチック成型伸縮目地材(エキスパンタイなど)
エキスパンタイなどプラスチック成型伸縮目地材は素材そのものがスタイリッシュなのでどんな外観にも似合います。コンクリートの目地を主張したくない場合にはコンクリートの色に近い白やグレーを選ぶと目地が目立ちません。雑草も生えず、ゴミが溜まることもなく、仕上がりに凹凸ができないなど機能性にも優れています。
まとめ
当記事では駐車場のコンクリート目地をおしゃれにするコツをお伝えしました。コンクリート目地はひび割れを防ぐためのものですが、おしゃれにこだわることで無機質なコンクリートに表情が生まれます。そしておうちの外観をグレードアップしてくれます。エクステリアはおうちの中の設備や内装に比べると検討する時間が短い傾向にあります。しかしエクステリアはおうちの中に比べて圧倒的に多くの人の目に触れる場所です。細部までこだわりを持ってご自宅によく似合う外観に作りあげましょう。
静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。