日本全体の自転車の保有台数は約8.000万台、人口に対する普及率は約54%となっていて、国民の2人に1人以上は自転車を所有している計算になります。
私たちの生活に欠かせない自転車ですが、マンションには当然のように駐輪場や自転車が設置されているのに対し、戸建で自転車を快適に保管できているお宅は少ないように感じます。
自転車を雨ざらしにしているお宅や、玄関ポーチの脇や駐車スペースの隅に追いやるように自転車を停めているお宅は珍しくありません。
自転車を快適に停められるサイクルポートがあれば、風雨や紫外線から自転車を守り、長持ちさせることができます。
サイクルポートはDIYでも作れるのでしょうか?
DIYで設置できれば愛着もひとしおですね。
当記事ではさまざまなサイクルポートについて徹底解説します。
これからサイクルポートの設置をお考えの方は是非最後までお読みください。

目次

サイクルポートにはどんな種類がある?ご自宅に合ったサイクルポートを見つけよう!

壁に貼られた自転車のシルエット

サイクルポートにはどのようなものがあるのでしょうか?
こちらの記事でご紹介する内容を参考に、ご自宅に合ったサイクルポートを見つけましょう。

①ガレージタイプ

ガレージタイプとは、躯体がアルミ形材で作られた本格的なサイクルポートのことを指します。
カーポートの自転車版というイメージです。
頑丈に作られているので、自転車の出し入れを頻繁にされる方やサイクルポートに耐久性を求める方にはおすすめです。

ガレージタイプのサイクルポートはおもに業者を通して発注し、その後設置工事となりますが、Amazonや楽天市場などのネット通販でサイクルポートの部材だけを購入し、DIYで設置することも可能です。
躯体のカラーを選べるのでおうちのデザインに合わせてカスタマイズするのもいいですね。

費用は部材だけの購入なら40,000円台から、施工を業者に依頼するなら80,000円台からが目安です。

②物置タイプ

物置の横にサイクルポートが併設されているタイプです。
サイクルポートは物置のどちら側にでも設置できます。
丈夫でさびにくいのが特徴です。
物置に空気入れなどを収納しておけば、自転車のメンテナンスも効率よくできますね。

サイクルポートの間口は1515㎜~1832㎜まで、奥行は1590㎜~2622㎜まで選択が可能です。
費用は設置工事費込みで263,175円~

③小屋タイプ

サイクルポートとして販売されているものではありませんが、樹脂製の小屋型物置なら間口が広く十分自転車を保管できるサイズがあります。
いかにも自転車を停める場所という感じもなく、目立ちやすい場所に設置していもとてもおしゃれです。

業者に依頼しなくてもDIYで設置可能ですが、一人では難しいので必ず複数人で組み立てましょう。
費用は154,260円~(送料・税込)

④テントタイプ

アルミの骨組みにテントのようなカバーが掛かっているテントタイプは、コストパフォーマンスに優れています。
自転車をすっぽりと覆うので、紫外線や風雨からしっかりガードします。
自転車の出し入れが少ない方、長期間保管したい方にはおすすめです。

ただ骨組みはアルミ製で軽くカバーも布製なので、台風のような強風時には飛ばされたり、大雨でカバーに大量の水がたまり重みで骨組みが歪んでしまったりする可能性は否めません。
強風で飛ばされないためには骨組みを地面に固定する、重りを乗せる、強風の前にカバーを外しておくなど工夫が必要です。
可能であれば風や雨の影響を受けにくい場所やガレージ内などでの使用がおすすめです。

費用はネット通販などで10,000円前後です。

サイクルポートを設置するメリットは?

メリットと書かれた積み木

サイクルポートを設置するメリットをまとめました。
設置の前にあらためて認識しましょう。

①自転車の劣化を防ぐ

サイクルポートは屋根が架かっているので雨がしのげるのはもちろんですが、自転車に直接紫外線が当たるのを防ぎます。
屋外にそのまま停めている自転車は紫外線で劣化します。

鉄部の色褪せやシートのひび割れなど、屋内に停めているものと比べると劣化の度合いは歴然です。
大切な自転車を長持ちさせるためにサイクルポートで守りましょう。

②自転車を盗難から守る

自転車を盗難から守るためにもサイクルポートは有効です。
ガレージタイプや物置タイプはサイクルポートと自転車をチェーンなどで固定できるバーが付属していますし、小屋タイプやテントタイプは自転車を完全に収納するため外部から自転車があることに気づかれることもありません。

最近は高級自転車の盗難が相次いでいると聞きます。
大切な自転車が盗まれないような保管方法をとりましょう。

③自転車の定位置が決められる

自転車が敷地内の空いている場所に雑然と停められている様子を見ることがあります。
見た目によくありませんし、家の周りが散らかっていると、家の中も散らかっているんだろうと勝手に解釈されかねません。

サイクルポートがあればおのずと自転車の定位置が決まります。
外から見たおうちの印象をアップさせるためにも自転車は整然と停車させたいものですね。

サイクルポートを設置する際に知っておきたいポイントあれこれ

オレンジ色のチェックマーク

サイクルポートを設置する前に知っておきたい注意点をまとめました。
設置してから後悔することのないように事前によく確認しておきましょう。

①サイクルポートの最大の敵は風雨。特に風に飛ばされないように注意が必要。

サイクルポートはおもに日光や風雨をよけるためのものですが、屋根と柱だけで構成されているため、台風の際には風にあおられて飛ばされやすくなります。

サイクルポート本体と地面をアンカーボルトなどでしっかりと固定しておくことが大切です。
飛散して通行している人やご近所のお宅に迷惑をかけないためにもしっかり対策しましょう。

②サイクルポートの設置場所の地面の状態を確認する。

サイクルポートは地面が土でも設置することは可能です。
特にDIYで木材を使ってサイクルポートを設置する時などは、土の上に設置することも多いようです。

しかし、土や砂利敷きの地面は自転車を出し入れを繰り返すと、必ずと言って良いほどタイヤの跡で凹みます。
凹んだ地面は雨上がりにぬかるみを起こし、自転車のタイヤを汚して足元を悪くします。

長く快適にサイクルポートを使いたい場合や自転車の出し入れが頻繁にある場合は、地面に土間コンクリートを打設したりタイル敷きにしたりすることをおすすめします。

③もし台風や大雨でサイクルポートが破損したら火災保険で補償できる

万が一、台風や大雨でサイクルポートが破損した場合、火災保険で補償が受けられることがあります。
火災保険は補償内容が「建物と家財」「建物のみ」「家財のみ」に分けられていて、サイクルポートは「建物」に含まれます。

これは業者が設置したものでもDIYで設置したものでも、設置にかかった費用の中で補償されます。
請求の前にはご自身が加入されている火災保険の補償内容を確認しておきましょう。

④サイクルポートの中で自転車が整然と並ぶアイテム。

サイクルポートの中にサイクルラックを設置しておけば、自転車を整然と並べることが可能です。
サイクルラックとは自転車の停車時に前輪を入れて立たせるものですが、自転車が風で倒れてしまうことを防げますし、停める位置がわかりやすいのでサイクルポートの中で自転車が乱れることがありません。

サイクルラックはネット通販で4,000円前後から販売されています。

サイクルポート設置後のよくある失敗

頭を抱える女性

サイクルポートを設置した後、人によっては失敗したと感じることもあるようです。
そんな失敗談をまとめました。
同じ轍を踏まないためにも参考にしてください。

①自転車の台数が増え、サイクルポートのスペースが足りなくなった。

自転車を停めるのに必要な幅は1台あたり約60cmとされています。
3台用のサイクルポートを設置しようと思えば幅は約2m必要です。

サイクルポートの設置時にお子様が小さいと自転車も小さく、サイクルポートの幅ももう少しせまくて大丈夫なように感じるかも知れませんが、お子様が大きくなってもサイクルポートが大きくなるわけではありません。

サイクルポートは、一度設置すると撤去しない限り何年も使用するものです。
サイズには余裕を持って設置しましょう。

②サイクルポートをDIYで設置したものの、見た目のチープさが否めない。

サイクルポートをDIYで設置される場合は、コスト面だけを考えるのではなくデザインにもこだわって作りましょう。
「せっかく苦労して作ったのに、見た目が安っぽくて気に入らない…。」ということになると、悲しすぎます。
コスト・機能性・デザイン性、すべてが備わってはじめて満足のいくDIYになると言えるでしょう。

③サイクルポートへの動線が悪くいまいち使いづらい。

敷地の広さに余裕がない場合、サイクルポートを設置できる場所は限られてしまうかも知れませんが、自転車を乗り入れる動線、自転車から降りて家に入る動線は必ず確認しましょう。

自転車には左側から乗り降りします。
サイクルポートのすぐ左側に塀や外壁があると自転車を停めづらく、使いづらく感じてしまうかも知れません。

このように実際に自転車を停める時の動作、自転車に乗り降りする動作・動線を事前に確認することで、使いやすいサイクルポートになるでしょう。

サイクルポートのご相談はsmileガーデンへ

並んだ自転車

今回はサイクルポートについてお伝えしました。
サイクルポートは簡単に採用できて、風雨をしのげるなどたくさんのメリットがあるのでおすすめのエクステリアです。

DIYでも設置できるものが多いサイクルポートは、比較的採用するハードルが低いと言えます。
ですが、自分で実際にサイクルポートを設置するのは、労力とお金がかかり予想以上に大変です。
smileガーデンでは、見積もキャンセル料も無料ですので、一度問合せてみるのはいかがでしょうか?

サイクルポートがベストな形で設置されるように、この記事がお役に立てば幸いです。

高杉 有希子
監修者 エクステリアプランナー 高杉 有希子

静岡県御殿場市の土建屋に生まれ、大型重機が大好きな子供時代を送る。
建築に憧れ、三重短大で住環境を学ぶ。新卒でハウスメーカーFC工務店の「インテリアプランナー」に応募するも、社長の勘違いで募集したかったのはなんと「エクステリアプランナー」!!
ハウスメーカーで個人住宅のエクステリアを担当。その後、ゼネコン住宅事業部のインテリアプランナー、植木屋の外構プランナーを経て、現在は(株)ガーデンメーカーで営業設計を務める。

執筆者 らいち

大阪生まれ大阪育ち。古めの建築物が大好きです。暇さえあれば、団地建て替えの現場を見物に行って萌えています。