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アズキナシ 植物図鑑
2021.02.25

アズキナシ

アズキナシ(小豆梨)は、春に白い小花を咲かせ、秋には赤い実を付ける落葉樹。
花や実を楽しめる鑑賞価値が高い庭木として、近年人気が高まっている。
バラ科の樹木としては病害虫に強く、管理しやすいのもアズキナシの魅力である。

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Sorbus alnifolia
  • 科・属名バラ科アズキナシ属
  • 別名ハカリノメ、カタスギ

小さなナシのような赤い実を付けるアズキナシ

アズキナシとは

 
アズキナシは、日本・中国・朝鮮半島などを原産地とする落葉高木です。北海道から九州の山地などに自生しています。バラ科アズキナシ属に分類され、ナナカマド属に含められることもあります。
庭木としてはそれほどメジャーな種類ではありませんが、栽培が容易で花や実も鑑賞できるため、シンボルツリーやサブツリーとして利用されることが増えてきました。病害虫や暑さ・寒さにも強く、栽培管理が簡単な初心者向けの庭木です。
野生のアズキナシは、樹高15m以上になりますが、剪定することで高さをおさえられます。アズキナシの幹は、家具材として利用されたり、樹皮が染料として用いられたりすることも。樹皮は、皮目(ひもく)と呼ばれる斑点模様が目立つザラザラした質感です。
 

梨とそっくりな形をした小さい実

 
アズキナシという名前は、フルーツの梨に形が似ている、小豆のように小さな実が成ることから付けられました。
アズキナシの実は、直径1cm弱の楕円形です。同じバラ科のナナカマドの実と雰囲気が似ていますが、ナナカマドの実は球形で、アズキナシの実は楕円形という点で見分けることができます。
アズキナシが結実するのは、花が咲いたあとの9月~11月。鮮やかな朱赤色に染まった実は、さみしい秋冬の庭に彩りを与えます。葉が落ちたあとも実は残り、長い期間鑑賞できます。
アズキナシの実は、鳥にも人気です。庭に鳥を呼び込みたい方にもおすすめの庭木と言えるでしょう。
 

別名「ハカリノメ」は規則正しく並ぶ葉脈が由来

 
アズキナシの葉には、規則正しく並んだ葉脈が目立ちます。この葉脈がまるで秤の目盛りのように見えることから「ハカリノメ」と呼ばれるようになりました。
アズキナシの葉脈は、葉の裏側からも確認できるほどくっきりと刻まれています。開いたばかりの新葉で特によく目立ち、葉が生長すると共に薄くなっていきます。
一方、アズキナシの樹皮に等間隔に並んだ皮目を秤の目盛りに見立てたとする説もあります。
 

アズキナシとウラジロノキの違い

 
同じバラ科アズキナシ属に分類されるウラジロノキは、アズキナシと見た目がよく似ています。
アズキナシとウラジロノキを見分けるポイントは、葉の裏の色です。ウラジロノキは、名前の通り葉の裏が綿毛で覆われており白く見えますが、アズキナシの葉の裏は白くありません。

ナチュラルな雰囲気の雑木の庭におすすめ

まとまりがよくコンパクトな庭にも適したアズキナシの株立ち

 
アズキナシが庭木として用いられるとき、多くの場合は株立ち樹形に仕立てられます。株立ちとは、根元から数本の幹が立ち上がる仕立て方です。
アズキナシの幹は、まとまりやすく横に広がりにくいため、コンパクトな庭にぴったり。ナチュラルな雰囲気が楽しめるアズキナシの株立ちは、雑木の庭やイングリッシュガーデンにもマッチします。
周りの樹木とも協調する上品な姿は、シンボルツリーとしてはもちろん、サブツリーとしても活躍するでしょう。
 

剪定しなくても樹形が乱れにくい

 
アズキナシは、幹が空に向かってまっすぐに伸びる性質があります。こまめに剪定しなくても樹形が乱れにくいため、忙しい方にも最適な庭木です。
ただし、スペースの都合上あまり大きくしたくない場合は、落葉したあとの1月~3月の休眠期に剪定しましょう。枝が混みあった部分や、中心部に向かって伸びている枝を剪定するようにします。
 

花を楽しむシンボルツリーにも

 
アズキナシの魅力のひとつは、清楚な白い花の美しさです。5月~6月になると、直径1~1.5cmほどの小花が数輪ずつ集まって咲きます。小花の花びらは5枚で、雄しべ・雌しべが長く、アンテナのように突き出ているのが特徴です。
アズキナシの花は、葉の上に咲くため、2階の窓など高い場所からも鑑賞することができます。
 

季節感のある紅葉や落葉を楽しむ

 
アズキナシは、秋の紅葉を楽しめる雑木としても知られています。アズキナシの葉は、落葉する前に鮮やかな黄色に染まります。
また、冬には葉を落とすため、落葉期は樹形を楽しむことができます。庭木を通じて季節感を感じたい方におすすめです。

育て方・管理方法

詳細情報

 

草丈・樹高

5m~15m

 

栽培可能地域

全国

 

花色

 

開花期

5月~6月

 

結実期

9月~11月
 

耐暑性/耐寒性

暑さ・寒さには強い樹木です。どちらかというと寒冷地を好みますが、暖地でもよく育ちます。自生地でもある北海道から九州であれば、夏越しや冬越しの対策は特に必要ありません。

 

育て方

 

植え付け・植え替え

水はけの良い土壌を好みます。植え付けおよび植え替えは、休眠期の1月~3月ごろに行いましょう。
 

肥料

休眠期の1月~2月に寒肥を施してください。油かすや骨粉など有機質肥料を、株の周辺に埋め込みます。
 

剪定
自然樹形を楽しむ庭木です。樹形が乱れにくく横に広がらないため、剪定は基本的には必要ありません。
ただし、高木であるアズキナシは、環境に適応すると高さ15m以上に生長する場合も。庭の大きさに合わせて樹高を低く保ちたい場合は、落葉期の1月~3月に剪定してください。
また、風通しが悪いとアブラムシなどの病害虫が発生しやすくなるので、枝が混みあっている場合には枝の透かし剪定を行いましょう。

 

病害虫

病害虫には強い種類です。ただし、葉にアブラムシが付くことがあるため、春~秋にかけての昆虫が活発に活動する時期は、こまめな観察を怠らないようにします。
アブラムシは、新芽やつぼみなど植物の弱く柔らかい部分に付きやすいので、特に注意してチェックするようにしてください。樹木の周辺の風通しを良くすることも病害虫の対策になります。アブラムシが発生してしまった場合、薬剤散布などですみやかに駆除します。一部の葉枝にのみアブラムシが発生している場合は、その部分のみ取り除いても良いでしょう。

 

日当たり

日向~半日陰で良く育ちます。ある程度の耐陰性はあり、場所を選ばす植え付けられます。
もともと山地に自生しているアズキナシは、強い西日が苦手です。西日が当たる場所は避けるか、ほかの高木の木陰となる場所に植え付けましょう。特に、株の根元に西日が当たる場所は不適です。
 

水やり

よほどの日照りでない限り、水やりは必要ありません。苗の植え付け直後は、しっかりと根が張るまで適宜水をやります。
 

育てやすさ

★★★★★★

出典(引用元)

平野隆久『よくわかる樹木大図鑑』永岡書店
アズキナシ– 庭木図鑑 植木ペディア

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