常緑低木は、花壇や庭の緑化に役立ち、シンボルツリーやサブツリーの株元、花壇の狭いスペースにも植えられるとても使い勝手のいい庭木です。しかし、「常緑低木を植えたいけれど、どんな庭木を選べばいいのかわからない…」と悩んでいる方も多いはず。
そこで今回は、装飾園芸の普及に努める筆者が、庭の雰囲気や環境にぴったりの常緑低木をご紹介します。一年を通して緑が豊富な庭づくりを、一緒に始めてみましょう!
目次
常緑低木とは?
「常緑低木」とは、一年を通して葉が枝や幹についており、樹高の低い樹木のことを指します。
しかし、住宅で使われる「低木」とは、自然界の樹木の基準とは異なるため、明確な分類分けがされておらず曖昧です。
したがって、こちらの記事では2m以下の庭木を低木と位置付けてご紹介していきます。
なお、常緑低木には下記のようなメリットがあります。
・冬の間も緑で明るく彩る
・庭木の株元や狭いスペースにも植栽できる
・草花と組み合わせて寄せ植えが楽しめる
・剪定や手入れがしやすい
また、樹形は種類によって、1本立ち、株立ち、枝垂れる、生垣になる、横に広がって成長するなど大きく異ります。
そのため、どのように成長していくのかを確認したり見極めたりすることも、植栽計画では重要なポイントとなります。
場所や環境に合わせた常緑低木のまとめ
いざ、常緑低木を選ぼうと思い立っても、種類が豊富でどれを選んだらいいのか悩んでしまいますよね。
性質によっても環境に合う合わないがあるため、選ぶのは一苦労だと思います。
そこで、「耐寒性が強いもの」「日陰でも育てられるもの」「シンボルツリーになるもの」など、悩みやシーンごとに、筆者がおすすめの常緑低木をピックアップしました。
環境や雰囲気にふさわしいお気に入りの常緑低木を見つけて、我が家らしいガーデニングづくりの参考に役立ててください。
洋風のお庭づくりに使われる常緑低木
シルバープリペット
洋風のお庭には常緑低木の中で人気の高い、シルバープリペットがおすすめです。
葉に白色の斑が入り、緑と白のコントラストが美しく、洋風のお庭をさらに美しく演出します。
萌芽力が高いため、強い刈り込みや剪定に耐え、生垣にも活用できます。
花壇ではカラーリーフとして寄せ植えを楽しむのもいいでしょう。
フィリフェラオーレア
フィリフェラオーレアも洋風のお庭にぴったりの常緑低木です。
細く鮮やかな黄緑色の葉がしなやかに伸び、冬の閑散とした時期にも庭を明るく彩ります。
簡単な剪定で低く仕立てられるので、庭木の株元や花壇のグラウンドカバー向けの常緑低木です。
日向で育つ常緑低木
シャリンバイ
シャリンバイは日当たりがいい場所を好み、暑さに強い特徴を持つことから、日向の緑化に適しています。
葉は光沢があるので、陽の光を浴びるとさらに輝きが増すでしょう。
また、塩害や大気汚染にも耐えられることから、道路脇や沿岸部の地域でも植栽が可能です。
5月〜6月ごろには白色の可愛らしい花が見頃となり、庭が華やかな雰囲気へと変化します。
葉が小さいヒメシャリンバイや、ピンク色の花が咲くベニバナシャリンバイなどの種類も、日向を好む性質が強く魅力的です。
日陰に強い常緑低木
ヤツデ
ヤツデは耐陰性が高く、シェードガーデンでは代表的な常緑低木の一種です。
葉は大型で深い切れ込みが入り、独特な形が目を引くため、インパクトは絶大です。
日陰に緑を添え、一段とおしゃれな雰囲気にしてくれるでしょう。
なお、ヤツデは古くから縁起がいい植物としても親しまれていたので、庭に植えたり、鉢植えで玄関先を飾ったりと、運気UPにも期待できますね。
栽培環境は西日と乾燥を嫌うため、半日陰〜日陰の湿潤な環境に植え付けて育てると、生育がよくなるでしょう。
イングリッシュガーデンに用いられる常緑低木
ローズマリー
ローズマリーはイギリスのガーデニングに多く用いられている常緑低木です。
ハーブならではの爽やかな香りが庭を漂い、紫色の花がイングリッシュガーデンを優しく彩ります。
また、ローズマリーは庭木として観賞するだけでなく、料理の臭み消しやハーブティーとして楽しめるのも嬉しいポイントですね。
ただし、ローズマリーは種類によって次のように成長の仕方が異なります。
・立性…枝が上に伸びていく
・ほふく性…地面を這うように成長するため、グラウンドカバー向け
・半ほふく性…立性とほふく性の両方の性質を持ち、横に伸びてから上方向に伸びていく
ローズマリーを選ぶときは、周囲とのバランスを考慮しつつ、用途に合う種類を選ぶようにしましょう。
おしゃれで目隠しにもなる常緑低木
アベリア
葉の色合いがおしゃれで綺麗なアベリア。
葉が密につくので、道路からの目隠しや生垣におすすめです。
日当たりがいい場所では花付きがよくなり、5月から11月の長い期間可憐な花が咲き誇るでしょう。
萌芽力が強いことから、いつでも剪定をして整形ができるのもメリットです。
クチナシ
ピンポイントの目隠しには、枝がよく分岐するクチナシが最適です。
葉は濃い緑色で艶があり、和洋問わずに植えられます。
庭をおしゃれに飾ってくれるのも、上品なクチナシならでは。
また、クチナシは三大香木のひとつとしても人気があるので、ぜひ植栽して花の香りに酔いしれてみてはいかがでしょうか。
シンボルツリーにぴったりな常緑低木
ナンテン
ナンテンは繊細な枝ぶりと葉が美しく、縁起物としても知られていることから、シンボルツリーにぴったりの常緑低木です。
株元から新たな幹が生えてくるので、自然と株立ち状に育ちます。
秋には鮮やかな紅葉と赤い実が見られ、季節の移ろいが実感できます。
また、ナンテンは名前が「難を転じる」に通じるとされ、災いを避けるとの意味合いから古来より庭木に重宝されてきました。
正月のおせち料理や赤飯などに、ナンテンの葉を飾る習慣があるので、料理に彩りを添えたり、縁起物として飾ったりと、楽しみ方もさまざま。
さらに、病害虫に強く、育て方が簡単といった特徴も、シンボルツリーにおすすめしたいポイントです。
耐寒性のある常緑低木
マホニアコンフューサ
マホニアコンフューサは、常緑低木で着実に人気が高まってきた種類のひとつです。
性質は丈夫で耐寒性が強く、冬の寂しげな庭を緑で優しく彩ってくれるでしょう。
枝は柔らかくしなやか。
葉は細長く互生に付き、秋には黄色い花が開花します。
エキゾチックな雰囲気で、モダンな家やアジアンテイストのお庭によく馴染みます。
成長が遅いため、それほど大きくならず、他の植物とのバランスを乱しません。
枝がよく分岐して伸びてくるため、庭や花壇の広いスペースでのびのびと育てると美しくまとまります。
常緑低木で花が咲く種類
アセビ
花が咲く常緑低木をお探しの方には、スズランのような花が咲くアセビを選んでみてはいかがでしょうか。
白、ピンク、赤色の花が早くて2月の下旬ごろから4月の時期に開花し、春の訪れを知らせてくれます。
さらに、アセビは性質も丈夫で、塩害や公害、乾燥にも耐えることができ、さまざまな環境に適応します。
萌芽力が高いため、剪定や刈り込みにも負けません。
アセビの花が鈴なりに咲く姿は圧巻の一言。
春の到来が待ち遠しくなりますね。
手間いらずで育てやすい常緑低木
マンリョウ
「あまり手間をかけたくない」「放任でも育つものがいい」という方には、マンリョウが適任です。
日本の温暖な地域で自生していることから、環境や気候に順応しており、手間いらずで簡単に育ちます。
成長が遅いことから、手入れや管理がしやすいことも利点です。
また、秋から冬にかけてできる赤い実にも観賞価値があります。
お正月の時期は枝ごと切り取り、床の間を飾ったり、料理を彩ったりと、縁起物として楽しむのもいいでしょう。
ベランダに置ける常緑低木
レウコフィルム
レウコフィルムは、シルバーリーフと紫色の花が綺麗な常緑低木です。
耐暑性がとても強く、耐寒性もマイナス5度くらいまで耐えられるため、鉢植えやベランダでの栽培が容易です。
しかし、加湿にはあまり強くないので、雨の日はベランダの軒下に置いて管理し、雨よけをしましょう。
花は真夏と真冬を除いて、つぎつぎと開花します。
家の中からは華やかで綺麗なレイウコフィルムが見られ、銀色に輝く葉がベランダを明るく照らしてくれるでしょう。
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愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。