日本全国に自生する落葉樹で、その葉はお茶に利用されることがある。胡椒に似た赤い実が特徴。
基本5データ
- 分類
- 庭木-落葉
- 学名
- Ilex macropoda Miq
- 科・属名
- モチノキ科 モチノキ属
- 別名
- コショウブナ、マルバウメモドキ
- 草丈・樹高
- 10~15m
- 栽培可能地域
- 全国
- 花色
- 緑がかった白
- 開花期
- 5月から6月の初夏にかけて
- 結実期
- 9月から11月頃
- 耐暑性 / 耐寒性
- 耐寒性はあるが、耐暑性は低い
アオダモによく似たアオハダとは?
日本全国に自生する
アオハダは北海道や九州を含んだ日本全国に自生する落葉樹です。元々庭木に利用されることはありませんでしたが、爽やかな印象のある枝葉や黄葉、実の観賞価値の高さから注目を集め、庭木として普及しました。特に株立ちのものが人気です。
胡椒に似た赤い実
アオハダの実は葉が青い8月頃から赤くなり、黄葉の時期直前まで枝に残ります。その姿は胡椒の実と良く似ており、アオハダを「コショウブナ」と呼ぶ地域もあります。
アオハダは雌雄異株
赤い実が特徴のアオハダですが、雄花と雌花が異なる個体に咲く雌雄異株です。そのため実をつけた姿を見るには、オスとメス両方の木を一緒に育てる必要があります。購入する際は必ず確認するようにしましょう。
葉はお茶にも利用される
アオハダの葉はお茶として利用されることがあり、新芽は食用にもなります。おひたし等にするのがおすすめです。また、細かい木目が美しい木材は寄木細工にも使用されています。
アオダモとの違い
アオダモとアオハダは、畑等でも近くに植えられることが多く混同されることも多くあります。しかしそれぞれの見分け方は難しくなく、葉や花、実も全く異なります。
最もわかりやすいのは実の違いで、アオハダの実は赤くて丸いのに対し、アオダモの実は豆のような形をしています。
アオハダの楽しみ方
自然な樹形を楽しむ
アオハダは自然な樹形が非常に美しい庭木で生長が比較的遅いため、剪定を無理に行わなくても十分に楽しむことができます。とはいえ大きく育った場合は、古い枝や不要な枝を軽く剪定してあげる必要があります。剪定は元の自然な樹形を崩さないよう意識するのがポイントです。
1年の中で見られる様々な表情
落葉樹であるアオハダは、季節に応じて様々な表情を見せます。特に、夏から秋にかけて見られる葉の緑と鮮やかな赤い実のコントラストは非常に美しく、安らぎを与えてくれます。そのほか、春には葉を、初夏には花を楽しむことができ、秋の黄葉も印象的です。
白色の小さい花
アオハダの花は非常に小さく、丸い花びらが特徴的です。花びらは純粋な白色ではなく、微かにグリーンがかった涼しげな色をしています。雄花は雌花に比べて少し小さく、雄しべが良く目立ちます。それぞれの花の違いを楽しむのも面白いかもしれません。
名前の由来
アオハダは樹皮が薄く、硬い物で表面を擦ると内側の青い皮層が顔を出します。これがアオハダ(青肌)という名の由来です。大きく育つ樹木の中でも、樹皮が薄く、皮層に葉緑素を含んでいる植物は多くはないと言われています。
アオハダの増やし方
アオハダを増やしたい場合には、以下のような方法があります。
・実生:実生は種子を播き、発芽した苗を育てる増やし方です。大量に増やすことができるというメリットがありますが、成木なるまでかなりの時間を要するデメリットもあります。
・株分け:こちらは難易度が低く、確実性の高い増やし方です。落葉樹であるアオハダの場合、生育初期の4・5月と9月頃に行います。大株なら株分けしたい部分だけを掘り出して根を切り離し、小株なら株全体を掘り出してから2~3株に分けます。
ここで紹介した方法以外にも、挿し木や接ぎ木など木の増やし方には様々な方法があります。
アオハダの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
アオハダの植え付けは休眠期の12月から3月ごろに行います。ある程度の日当たりも必要ですが、アオハダは暑さや乾燥に弱いため注意しましょう。半日陰から日向の場所に植えるのが最適です。
植え付けの際には、根回りの土が乾燥しないよう腐葉土を混ぜ込み、保水力を確保しておきましょう。乾燥対策としてはマルチングも適しています。
また、アオハダは根が浅いため、根付くまでは風の影響を受けやすくなります。そのため支柱を立てておくのもポイントの1つです。
なお鉢植えの場合は2年に1度のペースで植え替えが必要です。こちらも休眠期の12月から3月の間に行います。植え替えの際は一回り大きな鉢を用意し、植え替え直後は刺激を与えないよう注意しましょう。直射日光の当たる場所に置いたり、肥料を与えるのも厳禁です。
肥料
アオハダは基本的に肥料がなくとも育ちます。もちろん肥料を与えることで生長を促進できますが、お庭の広さに合わない大きさまで育ってしまったり、黒斑病が発生しやすくなるというリスクもあります。
肥料を与える場合は、2月に寒肥を、開花する前の時期と結実期の秋頃にお礼肥を施肥します。緩効性化成肥料を少量与えましょう。
剪定
アオハダは自然な樹形が美しいため剪定は最低限で十分です。生長して大きくなってきたら、古い枝や伸びすぎている枝、不要な枝を取り除きましょう。剪定時期は休眠期の11月から3月で、1年に1度行うのがベストです。
アオハダ(青膚・青肌)の木の管理方法にて詳しく紹介!
病害虫
アオハダが被害を受ける病害虫はあまりありません。しかし、風通しの悪さや湿度の高さが原因で黒斑病が発生することがあります。雨の多い時期は注意が必要ですが、剪定で枝の密度を調整しておくとこで対策できます。もし黒斑病にかかってしまった場合は、被害が出ている葉を取り除くと良いでしょう。
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日当たり
庭植えの場合、根付いてしまえば水やりは必要ありません。しかし植えたばかりの頃は水を吸い上げる力も弱いため、1年目の夏越しには特に注意しましょう。水は日の出ていない早朝か夕方に、たっぷり与えます。
水やり
庭植えの場合、根付いてしまえば水やりは必要ありません。しかし植えたばかりの頃は水を吸い上げる力も弱いため、1年目の夏越しには特に注意しましょう。水は日の出ていない早朝か夕方に、たっぷり与えます。
出典(引用元)
熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。