お墓を綺麗にしておきたくてもなかなかお墓に行けず、お盆やお彼岸などお墓参りのたびに草むしりに追われている方も多いのではないでしょうか。
雑草を放置しておくと景観が悪くなる、雑草の種が飛んで周囲のお墓にも広がるなどの問題が起こるのでお墓の雑草対策は非常に重要ですが、毎回草むしりをするのは大変です。
しかし草むしり以外にもお墓の雑草対策にはもっと楽にできて、長期間にわたって雑草抑制に効果のある方法が4つもあります。
この記事ではお墓の雑草対策に効果的な4つの方法や、雑草対策の注意点をまとめました。
ぜひ参考にしてください。
目次
有効なお墓の雑草対策4選とは
お墓の雑草対策に、とくに有効で効果的な方法は以下の4つです。
除草剤 | 防草シート | 玉砂利 | 固まる土 | |
手間 | ◎ 撒くだけなので手軽 | ◎ 施工が楽 | △ 施工に手間がかかる | △ 施工に手間がかかる |
費用 | ◎ 約20~50円/㎡ | ◎ 約50〜5,000円/㎡ | △ 約4,500円~/㎡ | △ 約4,000円~/㎡ |
有効期間 | 数ヶ月~半年 | 約5~10年 | 10年以上 | 10年以上 |
メリット | 足腰の負担が少ない。 手軽にできる。 | 設置が楽にできる。 環境にやさしい。 | 見た目が美しい。 長持ちする。 | 自然な風合いになる。 長持ちする。 |
デメリット | 1回では効果がない。 用法用量を間違えると、健康リスクを招く恐れがある。 | 見栄えがよくない。 劣化が早い。 | 費用が高め。 砂利を運ぶ必要がある。 | 施工に技術が必要。 許可が必要な場合がある。 |
オススメな人 | 年に数回はお墓に行ける人。 手軽に対策したい人。 | 手軽に対策したい人。 あまりお墓に行けない人。 | お墓の外観を重視する人。 あまりお墓に行けない人。 | あまりお墓に 行けない人。 自然な見た目にしたい人。 |
除草剤をまく
雑草に対して薬剤を散布して枯らす方法で、まくだけなので手間のかからない雑草対策をしたい人に向いています。
除草剤には、即効性で効果が約1~2ヶ月程度の液体タイプと、効きはじめは遅いですが約6ヶ月効き続ける顆粒タイプがあります。
液体タイプには希釈して噴霧器やジョウロでまくものと、薄めずに容器から直接まけるものがあり、お墓で使うなら薄めずにまけるものが手軽でオススメです。
メリット
- まくだけなので手間がかからない。
- 立ったまま作業できるので足腰への負担が少ない。
デメリット
- 1回まくだけでは効果が出にくく、1年に数回は散布する必要がある。
- 用法用量を間違えると、健康リスクの恐れがある。
- 霊園や墓地によっては使用が禁止されている。
除草剤による健康リスクを回避するため、まく際には手袋やマスク、長袖の衣類を着用し、周辺環境へ配慮しながら、容器に記載されている用法用量を守って使うことをオススメします。
販売されている除草剤の中には、お墓周りで使うのに向いている製品もあります。
食品由来の成分で作られており、まいたあと土の中で成分が分解されるので環境への負担が小さい傾向にあります。
環境に配慮したい方は、食品由来の除草剤を選ぶとよいでしょう。
除草剤は雑草対策の中では最も安価で、費用は約20~50/㎡です。費用を重視するなら、除草剤を使った雑草対策を検討してみてください。
防草シートを敷く
防草シートと呼ばれる黒いシートを敷いて、日光を遮断し光合成を抑制することで雑草を生やさない方法です。施工が簡単にでき、敷いてからは約5~10年にわたって雑草を抑制できます。
防草シートには素材、織り方、繊維の密度、遮光性の違いなどによってさまざまな種類があります。
お墓にあまり行けない方は、遮光性や密度が高い防草シートを選ぶとよいでしょう。
費用はかかりますが日光を遮断する割合が高く頑丈で、高い雑草抑制の効果が期待でき長持ちするので、お墓に行けない間も安心できます。
メリット
- 施工が簡単にできる。
- 人間や周りの自然環境に悪影響を与えない。
デメリット
- シートを敷いたあとの見栄えが悪い。
- 紫外線にさらされるので劣化が早い。
施工方法
- 施工場所の草や石を取り除き平らにならす。
- 防草シートを敷いたら、50cm間隔で防草シート用の固定ピンを打って、シートを地面に留める。
防草シートはホームセンターや園芸店で購入できますが、素材や性能によって値段が変わるので、費用は約50〜5,000円/㎡と幅広くなっています。
防草シートを地面に固定するピンも忘れずに買っておきましょう。
玉砂利を敷く
丸みを帯びた玉砂利を敷いて土を覆い、光を遮断して雑草が生えないようにする方法です。
雑草対策には3~5cm厚ほど敷くと、10年以上にわたって雑草抑制の効果が期待できます。
防草シートと併用すると効果はさらに高まります。
玉砂利にはさまざまな色のものがあり、お墓の雰囲気に合わせて選べるのが魅力です。
メリット
- お墓の外観が美しくなる。
- 長期間にわたって雑草を抑制できる。
デメリット
- 砂利代などの初期費用がほかの方法より高い傾向にある。
- 施工する際はお墓まで砂利を運ばなければならない。
施工方法
- 施工する場所の草や石を取り除き平らにならす。
- 玉砂利を敷く厚み分の土を取り除き、砂利を均等に敷き詰めて表面を平らにならす。
玉砂利は石材店やホームセンターなどで手に入ります。玉砂利の種類によって値段が変わり、1袋20kg入りで約1,500円〜です。
3cm厚の施工で約4,500円〜/㎡、5cm厚で約7,500円〜/㎡の費用がかかります。
固まる土を使う
砂とセメントが混ざっており、水を含むとカチンコチンに固まる土を敷いて空気や光を遮断し、雑草が生えないようにする方法です。
雑草対策には5~10cm厚ほど敷くと約10年にわたり抑制効果が期待できるので、お墓にあまり行けない人に向いています。
メリット
- 見た目が土に似た自然な風合いのため、景観を損なわない。
- 長期間にわたって雑草を抑制できる。
デメリット
- ムラができると水はけが悪くなるので、真っ平らに施工するには技術が必要。
- 霊園や墓地によっては施工が禁止されている。
施工方法
- 施工場所の草や石を取り除いて地面を平らにならす。
- 固まる土を均等に広げ、表面を平らにする。
- シャワーノズルをつけた散水ホースで、固まる土が湿る程度に水をまんべんなくかける。
- 湿っているうちにコテなどで表面を軽く叩いて平らに固める。
- 2~3日おいて自然乾燥させる。
固まる土は1袋15kgほどで、ホームセンターなどで購入できます。
3cm厚の施工で2~3袋/㎡、5cm厚で4~5袋/㎡必要です。費用は約4,000円〜/㎡かかります。
雑草が成長する時期とは
雑草は5月上旬から7月にかけて急速に成長します。
雑草が好む20℃以上の気温が保たれ、梅雨や夕立の雨で適度に水分が補給されるためです。
成長が早いだけではなく頑丈に育つので、根が土中にしっかりと張ってしまい、草むしりは手間がかかるようになります。
雑草が大きくなると抵抗力が高くなり、除草剤を散布してもなかなか枯れません。
暑い時期に作業をすると熱中症になる恐れもあります。雑草対策は雑草が成長する前に行うのがオススメです。
除草剤を使うなら5月はじめ頃、雑草がまだ小さいうちにまくとよいでしょう。
雑草が小さいので除草剤への抵抗力が弱く枯れやすいほか、除草剤をまく量も少なくて済むので環境への負荷が小さくなります。
防草シート、玉砂利、固まる土を使う雑草対策は、3~4月頃行うとよいでしょう。
雑草が生えないように抑制する方法なので、雑草の種が芽吹く前に行ったほうが施工前の作業が楽にできます。
お墓の雑草対策で避けたほうがよい方法
お墓の雑草対策で雑草に塩をまいて枯らす方法が紹介されていることがありますが、避けたほうがよいでしょう。
雑草を含め植物に塩をまくと塩分が植物の水分を奪うので、植物が軟弱になり最悪の場合枯れてしまうことがあります。青菜に塩の状態です。
しかしその影響はその場の雑草だけにとどまらず、お墓に植えた花や樹木にも影響を及ぼしたり、墓石が劣化したりする可能性があります。
お墓に植えた花や樹木の成長を阻害する恐れがある
雑草対策に塩をまくと、雑草だけではなくお墓の花や植木などの成長を阻害する恐れがあります。
塩分が植物の水分を奪う働きは、雑草だけではなく全ての植物に働くためです。
お墓に植えた花や樹木の生育が悪くなる、弱々しくなるなどの症状が出たり、塩分濃度が濃ければ最悪枯れてしまったりする可能性があります。
塩分は雨などの水分を通じて広がり、隣のお墓の植木にも影響が出る恐れもあります。
自宅や周辺のお墓の大切な花や植木を守るためにも、雑草対策に塩をまくのは避けたほうがよいでしょう。
墓石を劣化させる恐れがある
塩分は墓石の劣化を促進させ、耐久性の低下を招く恐れがあります。
墓石に多く使われている御影石は鉄分を含み、塩分に弱いためです。
塩分によって御影石の鉄分が錆びると、劣化やひび割れを起こすことがあります。
お墓の基礎部分には鉄筋コンクリートが使われています。
塩分によって鉄筋が錆びて墓石の耐久性が低下すると、少しの振動でも墓石が倒壊してしまう恐れもあるでしょう。
お墓を長く美しく保つためにも、塩を使う以外の雑草対策をオススメします。
美しいお墓を保つために雑草対策で重要なこととは
美しいお墓を保つためには、雑草対策で次のポイントを意識しておくことが重要です。
- 除草剤をまく際は墓石にかからないようにまく。
- 防草シート、玉砂利、固まる土を施工する場所は下地づくりを丁寧に行う。
除草剤は墓石にかからないようにまく
除草剤をまく際は、墓石にかからないように注意しましょう。
除草剤には塩分やアルカリ成分など墓石に悪影響を与える成分が含まれており、墓石のひび割れの発生や表面の光沢が失われるなど、外観を損なう恐れがあるためです。
除草剤をまく際は墓石にかからないよう、雑草の近くでまくように心がけます。墓石にかかってしまったらそのまま放置せず、真水で洗い流しておきましょう。
雑草対策をする場所の下地づくりは丁寧に行う
防草シート、玉砂利、固まる土を施工する際は、施工場所の下地づくりを丁寧に行うことが大切です。下地となる地面がデコボコしていたり草や石が残ったままだったりすると、せっかく施工しても効果が出ない場合があります。
たとえば地面が平らでないと、防草シートを敷いても地面とシートの間に隙間ができ、隙間から虫が入り込む、光が入って草が生えてくるなどの問題が起こりやすくなります。
久しぶりにお墓に行ったら、雑草対策をしたはずなのに隙間から草が生えていた、ということも少なくありません。
施工する際は、下地となる地面から草や石を取り除いたあと表面を平らにならし、しっかりと踏み固めましょう。
下地づくりを丁寧に行ってから施工すると雑草対策が有効に働き、長期にわたって雑草を抑制して美しいお墓を保てます。
業者に雑草対策を依頼した方がオススメなケースとは
雑草対策は自分でできるものがほとんどですが、次のようなケースは業者に依頼することをオススメします。
- 施工時の廃棄物の処分に困りそうな場合。
- 施工が難しいと感じた場合。
雑草対策をした場所からは除去した草や石、土などが出る場合があります。
自分で雑草対策をした場合は廃棄は自分で行う必要があり、自治体のルールに従って処分します。
少量であればよいですが、大量に出る場合は処分に困る恐れがあるでしょう。
業者に雑草対策を依頼すれば廃棄物の処理も行ってくれるので、大量の土や石の処分に頭を悩ませることがありません。
防草シートや固まる土などの施工が難しいと感じたら、無理をせずに業者に依頼するとよいでしょう。業者は施工経験が豊富で知識と技術を持っているので、雑草抑制効果を十分に発揮しつつ、高品質な仕上がりが期待できます。
下地となる地面を平らにならすのは、転圧機など専用の道具があれば楽にできる場合が多いですが、お墓の雑草対策のためだけに自分で道具を用意するのは、費用の面で難しいでしょう。
業者に施工を依頼すれば道具を用意する必要はなく、プロの知識と技術で美しい仕上がりの雑草対策をしてもらえるメリットがあります。
まとめ
お墓の雑草対策で効果的な方法は、除草剤、防草シート、玉砂利、固まる土を使う4つの方法です。
どの方法も費用を抑えながら自分で行えますが、「施工が難しそう」「廃棄物の処分に困る」と感じたら、業者に雑草対策を依頼するのも一つの手です。
豊富な経験で培った技術と知識で効果的に雑草対策を行い、長期にわたって雑草に悩まされない美しいお墓に仕上げてもらえるでしょう。
smileガーデンではお墓に効果的な、さまざまな雑草対策を承っております。
見積り・現地調査は無料ですので、お墓の雑草でお困りの方はぜひ一度ご相談ください。
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。