「砂利を敷いているのに雑草が生えてくる」そんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
こんなときには、防草シートを利用するのが有効です。
今回は防草シートの種類や、砂利と防草シートを一緒に敷く方法などについて解説します。

目次

庭に雑草が生えるお悩みを防草シートで解決

庭のお手入れの中で、特に面倒なのが雑草の処理。
「どれだけ抜いてもすぐに生えてきてしまう」「中々手入れする時間が取れない」そういった方も多いのではないでしょうか。
除草剤を使うにも、植えている庭木への影響を考えると慎重にならざるを得ません。

そんな悩みを解決してくれるのが、防草シートです。

シートを庭に敷くことで、雑草が成長するのを抑え、お手入れにかかる手間を大きく減らしてくれます。

「ゴザやブルーシートじゃダメなの?」そう疑問に思われる方もいるかもしれませんが、少しでも隙間があったり太陽光が差し込んでしまうと、雑草は簡単に伸びてきてしまいます。

防草シートは太陽光をしっかりと遮断し、チガヤやスギナといった強い雑草も貫通させないよう作られています。
またブルーシートは、雨が降るとシート上に水たまりが出来てしまい、そこで雑草の種子が発芽してしまう可能性があるのです。
防草シートは透水性があり、水たまりが出来ないよう工夫されています。

砂利だけでは雑草は生える?

中には防草シートではなく、お庭に砂利を敷いている方もいるのではないでしょうか。

しかし砂利を敷いただけでは、雑草を完全に抑えることは出来ません。

砂利は人や車が通ったり、雨が降ったりすると、隙間が空いたり地面に埋没します。
こうなると砂利は意味を成さず、すぐに雑草が伸びてきてしまいます。

「砂利をより厚く敷けば、雑草を抑えられる」という意見もありますが、抑えられるのは最初だけです。

時間経つにつれて砂利は地面に埋没していくため、いつかは雑草が生えてきてしまいます。

素材や材質による防草シートの違い

防草シートには様々な種類がありますが、今回は3種類のシートについて紹介します。
それぞれ素材や価格、性能が異なるため、目的に応じて最適な防草シートを選ぶようにしましょう。

織布タイプ

織布タイプの防草シートは、繊維を織り込んで作られています。
ひっぱり強度が高く、他のシートに比べて安価に入手出来るというメリットがあります。

しかし、スギナやチガヤといった雑草は繊維同士の隙間から突き抜けてくることがあるため、防草力は他のシートに劣ります。

また、繊維がほつれてしまうとそのまま穴が大きくなってしまうことにも注意が必要です。

不織布短繊維タイプ

こちらは織布タイプと異なり、繊維を織らずに作られたシートになります。

経年劣化に強く、どの方向から引っ張られても一定の強度を保ちます。

また和紙のように繊維が絡み合っているため、隙間が出来ることはありません。
織布タイプに比べて高い防草力を持ちますが、その分価格が高いというデメリットがあります。
効果を重視したい場合におすすめです。

不織布高密度タイプ

不織布短繊維タイプをより高密度にしたのが、この不織布高密度タイプです。

スギナやチガヤといった突き抜けやすい雑草に最も効果的なシートになります。

防草シート交換の目安

防草シートを交換するタイミングですが、これは敷いている場所の環境や施工の仕方によって変わります。

人や車の行き来が多い場所や、雨風の影響を受けやすい場所ではそれだけ早くシートが傷みます。
3ヶ月に1度はシートの状態を確認し、傷みが酷いようなら補修・交換を行うようにしましょう。

一部だけ穴が空いているような状態であれば補修で問題ありませんが、ピンがしっかりと固定出来ないほど傷んでいる場合は交換が必要です。

また、防草シートを施工する際は、雑草の処理を入念に行う必要があります。
雑草を処理せずにシートを施工してしまうと、シートと地面の間に隙間が生まれてしまい、風が吹き込んだり擦れやすくなります。
面倒な処理ではありますが、この状態ではシートの寿命を大きく縮めてしまうため注意しましょう。

自分で防草シートと砂利を敷くときの方法

この項目では、防草シートと砂利を自分で敷く場合の方法について解説していきます。

正しい方法で施工しなければ、すぐに雑草が生えてきてしまったり、防草シートの寿命を縮めることに繋がります。
自分で施工したいと考えている方は、是非参考にしてください。

雑草・石の処理

まず初めに、防草シート敷きたい場所の雑草と石を処理します。

先程解説した通り、雑草がそのままになっているとシートと地面の間に隙間が出来てしまいます。
必ず処理するようにしましょう。

また、石が残っていると隙間が出来る上、引っかかってシートを傷つける原因になります。

地面の整地

雑草や石を取り除いたら、次は地面を平らにしていきます。

ここでもシートと地面の間に隙間が出来ないよう意識しながら、できるだけ平らに整地するようにしましょう。
平らになったら地面を踏み固めます。

可能であれば、川砂などの植物が生えにくい土材を撒いておくことをおすすめします。

防草シートを敷き、ピンで固定

地面を整地したら、いよいよ防草シートを敷いていきます。
防草シート同士の間に隙間が出来ないよう、10cmほど重ねていきましょう。
重ねた部分は接着剤やテープを使って貼り合わせ、種子などが入り込まないようにします。

シートを敷き終わったら、ピンを打ち込んで固定しましょう。
可能であればピンは25cmごと、最大でも50cmほどの間隔で打ち込みます。
これ以上開けてしまうと、隙間から雑草が伸びてくる可能性があります。

砂利を敷き詰める

あとは砂利を敷き詰めれば完成です。
砂利はシートが見えなくなるよう、厚さ3~5cmほどにすると見栄えも良くなります。

防草シートの値段と種類を徹底比較!庭のプロが選抜しました

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 Matsuri.

熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。