生垣は目隠しに使ったり仕切りに使ったりと、庭にはなくてはならない存在です。外からすぐ見える木は、きれいに剪定(手入れ)したいですよね。
この記事では、生垣を自分で剪定する方法や、業者に依頼した場合の費用などを紹介していきます。


自己流の剪定木が枯れるかも

目次

剪定の時期/道具【低木の生垣】

生垣として使える低木には、かなり刈り込みに耐える扱いやすい木が多いです。

葉っぱが小さいものが多いので、発芽して1~2年目くらいの幼木から形を整えておけば、好きな形に仕立てるトピアリー状にすることもできます。

もちろん四角く刈り込んでも丸く刈り込んでも大丈夫なので、好きな形に仕立ててみると楽しいですね。
仕立て方や生垣の状態にもよりますが、刈り込みバサミや電動バリカンで一気に刈り込むのがおすすめです。
高さ1~2mくらいの、庭の仕切りとして使うことができます。

イヌツゲの場合の剪定方法

イヌツゲ

イヌツゲはかなり刈り込みに強い種類です。
葉っぱが小さく芽を出す力も強いので、大きな刈り込みバサミでザクザク刈り込んでも問題ありません。

時期としては6~7月、3~4月頃が適していますが、あまり気にしなくても大丈夫です。
伸びた後に大きく刈り込むよりは、少しずつ頻繁に刈り込んだ方がきれいに仕上がります。
トピアリー仕立てにしたい場合は、幼木のころから形をつくっていくようにしましょう。
生垣としてかなり扱いやすい木です。

マサキの場合の剪定方法

オウゴンマサキ

マサキも刈り込みに強く、生垣として扱いやすい木です。
5~7月の成長期の時期を狙って、刈り込みバサミで好きな形に刈りこむようにしましょう。
剪定すると徒長枝が出てくるので、こまめに刈り込んで形を整えるときれいに仕上がりやすいです。

剪定バサミや植木バサミを使って邪魔な枝を根元からすくように切ることで、自然樹形に近い仕上がりにすることもできます。
雌株で花や実を楽しみたい場合は、5~6月の剪定を避けるようにしましょう。

ウメモドキの場合の剪定方法

ウメモドキ

ウメモドキは、秋になるきれいな実が特徴的な木です。
刈り込みに強く、生垣として使うことができます。

花芽が春から伸びる新芽につくので、実を楽しみたい場合はその前の冬に刈り込むようにしましょう。
冬の間であれば、刈り込みバサミで大きく刈り込んでしまって大丈夫です。

夏に出る徒長枝には花芽がつかないので、これも切ってしまいましょう。
刈り込みすぎるとまた徒長枝が出てしまうので、軽く切り詰めるのがポイントです。

剪定の時期/道具【中くらいの木】

2~数mほどの中くらいの木では、ちょっと管理方法にクセが出てくるものがあります。

ただ刈り込みバサミで刈り込めば良い、というものでは無くなってくるということですね。

ただ、基本的なルールを守れば生垣としては扱いやすいものなので、そこだけしっかり抑えるようにしましょう。

道具としては基本的には刈り込みバサミと、剪定バサミや植木バサミ。
枝が太くなっている場合や大きく切り戻したい場合は剪定のこぎりをつかうようになる、といったところです。

レッドロビンの場合の剪定方法

レッドロビン
レッドロビンは、新しく出た葉っぱが赤くなるのが特徴で、芽を出す力も強いので一年中鮮やかな赤い葉っぱを楽しむことができます。

刈り込みにそこまで強いわけではないので、必要以上に刈り込みしないようにしましょう。
とはいえ放っておくと5mくらいに育つこともあるので、刈り込みバサミで決まったところまで刈り込んだあとは、剪定バサミや植木バサミで芯止めをしておくと良いです。

また、春先に剪定をしなければ、5~6月に花を楽しむこともできます。
レッドロビンにはごま色斑点病という病気が発生しやすいので、症状が見られる場合は剪定した枝葉は土に戻さないようにして、風通しが良くなるように枝葉をすくようにすると良いです。

レッドロビンの詳しい解説はこちら

カイヅカイブキの場合の剪定方法

カイヅカイブキ

カイヅカイブキはまるで炎のようならせん状に枝が伸びるのが特徴の木です。

基本的には剪定量は少なめで、自然樹形を保つように形を整えていくと良いでしょう。
飛び出た枝を剪定バサミや植木バサミで整えていくのがおすすめです。

あまり剪定しすぎると針葉という通常とは違った形の葉っぱが伸びてきてしまうので、幹の方まで辿って切るような剪定はなるべくしないようにしましょう。
また、枝の根元から切って穴が空いてしまうと、塞ぐのに数年かかります。
自然樹形を意識して、剪定は最小限にするのがコツですね。

シラカシの場合の剪定方法

シラカシ

シラカシは大きさを抑えながら整えていくのがポイントです。

本来20mほどに育つ大きな木なので、好きな大きさで芯止めして、上に伸びないようにしましょう。
横枝を剪定して棒のように密に枝葉を茂らせる棒ガシ仕立てがおすすめです。

芽を出す力が強いので、刈り込みバサミで刈り込んで萌芽を促していくと良いですが、あまり密になりすぎないように調整するようにしましょう。
丈夫に育つので、10mくらいの高生垣にしても良いです。

シラカシの詳しい解説はこちら

剪定の時期/道具【ガーデニングで人気の木】

刈り込みに強く、なおかつ花や実が美しい木を植えることで、生垣をつくりつつガーデニングを楽しむことができます。
花や実も楽しみたい場合は剪定の時期がとにかく重要です。

基本的には花が終わった後に花芽をつくるので、花の後に剪定するのが良いですが、種類によっては花芽をつくる時期が違うものもあるのでそれぞれ調べてみるようにしましょう。

生垣として扱いやすいものが多いですが、たくさんの花を咲かせるには少しコツが必要です。

ドウダンツツジの場合の剪定方法

ドウダンツツジ

ドウダンツツジは、春につぼ状のかわいらしい花を咲かせ、秋には鮮やかな紅葉が見られる木です。
刈り込みに耐える強い木ですが、放っておくと3mくらいには育ちます。

花芽が夏までに準備されるので、剪定する時期は花が終わってから夏までの、短い期間に限られます。
花の後に数本伸びる新梢に新しい花芽をつけるので、毎年花数が増えていくのが魅力的です。
夏になってからは、花芽のつかない徒長枝だけ刈り込むようにしましょう。

ドウダンツツジの詳しい解説はこちら

トキワマンサクの場合の剪定方法

トキワマンサク

トキワマンサクは、春先にリボンのような花を咲かせるのが特徴の木です。

花は白とピンク、ピンクのものは葉っぱも赤みがかったものがあります。
小さな葉を密に茂らせるので、生垣としての利用ができる扱いやすい木です。
若木の頃から横枝をよく伸ばすので、枝葉を密に茂らせたあとは刈り込みバサミでザクザク刈り込んで形を整えると良いでしょう。

花芽を夏までにつけるので、剪定の時期は花が終わった5~6月に行うのがおすすめです。
また、北日本のような寒い地方では生育しづらいので注意が必要です。

トキワマンサクの詳しい解説はこちら

ツツジの場合の剪定方法

ツツジ

ツツジの花は、色に形にとたくさんの品種があるので、色々な楽しみ方ができる木です。
刈り込みにも強く、生垣にもよく使われます。

花を多く楽しみたい場合は、花が終わってすぐの1回だけ剪定を行うようにしましょう。
秋に伸びてきた枝を切って整えることもできますが、花数は少なくなります。
ツツジの花が咲かない理由は、多くが花芽を刈り込みで切ってしまっているからです。

刈り込みバサミでザクザク刈り込んでしまって大丈夫ですが、強く刈り込みすぎると葉っぱがなくなってしまうので注意しましょう。

日常行いたいお手入れの仕方とは

生垣を維持するには日々の管理が大切です。

生垣は同じ種類の木を同じ大きさでそろえているから成り立つものなので、1本の木だけ枯れたり弱ったりすると、見栄えが悪くなってしまいます。

また、生垣は挿し木などのクローン繁殖させたものを植えることも多いので、病害虫が発生すると生垣全体に一気に広がってしまうことがあります。
生垣は外から見えるものなので、見た目の美しさがとても大切です。
毎日様子を見て管理するようにしましょう。

水やりのタイミング

水やりは基本的に気を使わなくても大丈夫ですが、植え付けて半年~1年くらいは水やりをするようにしましょう。
まだ根っこが地面に活着していなくて、水を吸い上げづらいためです。

植えつけてから新しく出た葉っぱが元気に成長し始めたら活着したとみて大丈夫です。
その他にも、夏に暑い日が続いて、葉っぱが垂れさがったり先の方が枯れたりしている場合も注意が必要です。
乾燥している可能性が高いので、たっぷり水やりをしましょう。

肥料のタイミング、種類

生垣はあまり大きくなっても管理が大変なので、たくさん成長させて高生垣をつくるなどでなければ、肥料はあまり必要ありません。

最初の植え付けの段階で、植穴の周りにゆっくり効くタイプの肥料を入れるようにします。
花木を生垣にしたい場合は花付きをよくするために肥料をあげるのもありですが、その場合窒素分を多くあげすぎると枝が旺盛に伸びすぎて管理が大変になったり、病害虫に弱くなったりします。

あげるとしてもほどほどにしましょう。

注意したい害虫・病気

植える木の種類によって病害虫の種類は大きく変わりますが、生垣は美観を損ねるタイプの病害虫に特に注意が必要です。
たとえばアブラムシによるすす病や、レッドロビンのごま色斑点病などです。
病気にかかった葉っぱを土に戻さず焼却処分するのはもちろん、枝葉をすいて風通しをよくすることも大切になってきます。

他にも、並んで植える性質上、白紋羽病にも注意が必要です。
根元に白い菌糸膜がつくられ、木が枯れてしまう病気なのですが、土を通って隣の木にも感染していきます。
葉っぱが急速に落葉したりしおれたりして、さらに根元にキノコ臭のする菌糸膜が見られたらその株は除去し、周囲の土ごと入れ替えるようにしましょう。

自分で剪定を行えない場合は業者に依頼しよう

生垣を維持するには剪定による管理が必須ですが、適切な時期に適切な剪定をするというのはどうしても難しいものですよね。

剪定がうまくいかない、時間が取れないといった時は、プロの業者に依頼するようにしましょう。
ただし、依頼するにしても業者選びは必要です。
業者の中には、素人相手なのを良いことに料金を多く取ったり、技術があまり良くなかったりするものがあります。

剪定を依頼したら刈り込まれすぎて枝がむき出しになってしまったというのも時折聞く話です。
より正しく業者を選ぶ際のポイントについてご紹介します。

料金が明朗会計な所

料金が明朗会計なところを選ぶようにしましょう。
どこにどれだけの費用がかかって、合計どれだけ請求するか、という詳細な見積もりを出してくれる業者を選ぶのがおすすめです。

料金の内容については、職人1人1日あたりでお金がかかるところと、木1本あたりでお金がかかるところの2パターンのところが多いです。

それに加えて、枝葉の処分費用などの諸経費が追加でかかるようなイメージになります。
木1本あたりにお金がかかるところでは、木の種類や高さなどで、職人1人あたりでお金がかかるところでは、作業時間や人数によって料金が変わります。
生垣の範囲や高さなどに応じて業者を選んでみると良いでしょう。

実績や社歴がある

実績や社歴も選ぶにあたって重要なポイントです。
実績のあるところの方が経験のある職人さんが多く所属しているし、社歴があればそれだけクライアントからの信頼を得ている、つまり良い仕事をしているということになります。

一概には言えませんが、安さだけが取り柄のような業者を選んでしまうと、丸坊主にされるようなひどい剪定をされてしまうこともあります。
後悔の無いように、なるべく実績や社歴のある業者を選ぶようにしましょう。

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まとめ

生垣として使われる樹種は、多くが刈り込みに強く扱いやすいものですが、樹種によって管理の方法がそれぞれ違います。

特に花や実、樹形などを楽しむものに関しては、ただ刈り込みバサミで刈り込めばいいというものではありません。
生垣はレンガやコンクリートでの目隠しや仕切りに比べ、風通しがよく見た目もやわらかいので、メリットもたくさんあります。
それぞれの樹種の特徴をしっかり把握して、楽しみながら管理するようにしましょう。

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自己流の剪定木が枯れるかも

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。