生垣のお手入れって、やる範囲が大きい上にどうやったらいいかわからなくて難しいですよね。
今回は、生垣のお手入れについて、剪定の方法や道具などを解説していきます。
慣れれば生垣のお手入れは庭木よりも簡単なので、一つ一つ覚えていきましょう。
目次
生垣からおさらいしましょう
生垣とは、庭と道路の境界線などに同じ種類の木を等間隔に並べて植えるものです。
四角い壁のように仕立てられることが多く、枝葉が密に茂る刈り込みに強い樹種が植えられます。
役割としては仕切りや目隠しなどで、レンガやコンクリートと比べて圧迫感がなく、風通しがあり暑くならないことなどが特徴です。
1mくらいの低木を植えるものから、10mくらいの大きな木を植える高生垣まで、さまざまな形があります。
庭のある家だったら、多くの場合庭の端に生垣がつくられています。
生垣は仕切りを作れる
生垣は、庭と道路や庭の中での仕切りをつくることができます。
仕切りとして使う場合は、圧迫感をなくすために、目線の高さより低い1mくらいの生垣が好まれます。
この高さで生垣として植えられるものには、ドウダンツツジやツツジの仲間などのきれいな花や紅葉などを楽しめるものや、イヌツゲやマサキなどの刈り込みに強く自由に樹形を変えられるものが多いです。
庭の一番外側に来るものなので、見た目が自分好みで、庭のテイストにあったものを選ぶと良いでしょう。
仕切りに使うおすすめの植物はこちら
どんな庭にも合う仕切りにおすすめの植物としては、イヌツゲが挙げられます。
小さな葉っぱが特徴的な樹木で、大きくなると数mにはなりますが、1m前後で低く仕立てられていることが多いです。
イヌツゲは生垣に使われる植物の中でも刈り込みに強く、かなりザクザク刈り込んでも問題ありません。
トピアリーのように好きな形に仕立てることもでき、葉っぱや花の見た目もいい意味で特徴がないので、どんな庭でも植えることができます。
生垣は目隠しとして使用できます
生垣は目隠しとして使うことができます。
主に庭の道に面したところに並べて植えて、家の中や庭が外から見えないようにする役割です。
だいたい高さ2mくらいの木を並べて植えて、枝葉を密に茂らせることで上手な目隠しとなります。
レッドロビンやトキワマンサクなどの木が植えられることが多く、場合によってはシラカシやイチョウのように高木になる木を低く仕立てて植えていることも多いです。
この高さになると防風や防音などの効果も期待できるので、それらの被害に悩んでいる方は、その効果も期待して良いでしょう。
隠しに使うおすすめの植物はこちら
目隠しにおすすめの植物としては、レッドロビンが挙げられます。
新しい葉っぱが真っ赤に染まるのが特徴的な木で、生垣としての使い勝手も良いことから、各地で利用されています。
カイヅカイブキやイヌツゲのように小さい枝葉が密に茂るものではないので、枝をすいて上手に管理すれば、風通しや目隠しの度合いを調整できるのです。
鮮やかな新芽が爽やかな印象を与えてくれます。
ごま色斑点病という病気にかかりやすいので、発生した場合は斑点の出ている葉を土に戻さず焼却処分して対処するようにしましょう。
生垣はガーデニングとして楽しめます
生垣は、ガーデニングとしても楽しむことができます。
生垣として使われている樹種の中には、花や紅葉が美しいものが多くあるためです。
たとえばトキワマンサクのリボンのようなかわいらしい花に、ドウダンツツジの花や鮮やかな紅葉など。
見た目としても美しいものを植えれば仕切りや目隠しとガーデニングを両立できます。
せっかく生垣をつくるのなら、見た目にも美しいものを植えたいですよね。
花木だと剪定時期が限られるものが多いですが、そこさえ守れば扱いやすいものばかりです。
ガーデニングに使うおすすめの植物はこちら
生垣でガーデニングをするなら、ドウダンツツジを植えるのがおすすめです。
葉っぱの展開と同時に咲くかわいらしい花と、秋の鮮やかな紅葉が魅力的です。
ひし形の端正とした葉っぱも美しく、冬芽もマッチ棒のようでかわいらしく、四季折々の姿を見せてくれます。
花を楽しむ場合は剪定時期が花の終わった晩春~初夏に限られますが、基本的には刈り込みにも耐えるし病害虫も少ないので、扱いやすいおすすめの木です。
丸や四角に刈り込まれたものが、よく庭木や生垣で植えられています。
生垣にお手入れ手法の3つをご紹介
生垣をつくるにあたって、定期的なお手入れは必ずしなくてはいけません。
木も生き物なので、時間が経つと大きくなって枝を伸ばしてくるからです。
生垣として美しい姿を残すためには、必ず剪定によって大きさをとどめておく必要があります。
さらには一本生垣が枯れてしまうと穴が空いたような不自然な形になってしまうので、弱ったり枯れたりしないような管理も必須です。
樹種によって細かい管理方法は違ってきますが、適切な管理方法を知っておくようにしましょう。
水やりのタイミング
生垣に水やりが必要なタイミングは、植え付けてから活着するまでのタイミングです。
植えつけてすぐは根っこが少なく、さらに土とも密着していないので、水が足りなくなりがちです。
植えつけてしばらくして新芽がよく成長するようになったら、それ以降はさほど水やりに気をつかう必要はありません。
ただし、夏によく乾燥し、葉っぱの先の方から枯れてきている場合などは水が足りないサインです。
木の様子を見ながら水をあげるようにしましょう。
肥料のタイミング、種類
肥料は、植え付け時に元肥としてゆっくり効果が出るタイプの肥料をあげるようにしましょう。
それ以降は2~3年に一度根元から少し離れたところに肥料を与える程度でよく、あまり多くの肥料は必要としません。
花や実を楽しむ木の場合はもう少し与えても良いですが、窒素分を与えすぎると枝がよく伸び、病害虫にも弱くなるので、抑えるのがおすすめです。
生垣は多くの場合大きさを抑えるものなので、あまり成長させるのもよくないということですね。
剪定方法や時期
生垣に使われる種類は基本的に強剪定に耐える木ですが、剪定の方法や時期はなるべく木にやさしいものを選ぶのが良いです。
一般的に、落葉樹の場合冬の葉っぱが落ちた時期、常緑樹の場合、春3~4月頃の新芽が芽吹く前が良いとされます。
ただし、生垣をきれいに保つには年1回の剪定では足りないことが多いので、長く伸びてきた頃にもう一度行いましょう。
また、ドウダンツツジのように花を楽しむ木の場合、花芽を切ってしまわないように剪定の時期を考える必要があります。
基本的には花の終わった後の時期が良いですが、種によって違うので調べてみるようにしましょう。
剪定バサミで作業を行う場合
剪定バサミは、基本的に枝を一本一本切るときに使う道具です。
刈り込みバサミのようにいっぺんに切ることはできませんが、太くなってしまった枝を切り戻すときなどに使います。
一気に枝葉を落とせるのでやっていると楽しくなってしまいますが、やりすぎると生垣に穴が空いたようになってしまいます。
そうなると塞ぐのに下手すると数年かかってしまうので、基本的には刈り込みバサミで切れない場合の補助として使うくらいがおすすめです。
植木バサミで作業を行う場合
植木バサミは、剪定バサミのように枝を一本一本切るときに使う道具なので、剪定バサミと同じで一気に刈り込むのには向きません。
ただ、剪定バサミよりも細かいところまで届き、切り口も木にとって優しいものになるのが特徴です。
生垣をトピアリー状に仕立てるなど丁寧で繊細な作業をする場合や、木に少しでも負担をかけたくない場合などに使うのがおすすめです。
ただ、剪定バサミより切れる枝の太さは制限されるのでそこは注意が必要です。
刈り込みバサミで作業を行う場合
刈り込みバサミは、生垣の剪定で最も使いやすく、効率よく形を整えられる道具といえます。
生垣に使われる種は基本的に刈り込みに強い種ばかりなので、ザクザク刈り込んでいって大丈夫です。
ただし、葉っぱがどこまでついているのかは必ず意識しておくようにしましょう。
木は光の当たらない場所には葉をつけないので、枝のある場所から一切葉をつけなくなっています。
そのため、刈り込みすぎると穴が空いたように枝がむき出しになってしまうのもよくあることです。
また、剪定バサミなどとは対照的で繊細な作業はできないので、適宜ほかの道具と使い分けていくようにしましょう。
剪定のこぎりで作業を行う場合
剪定のこぎりは、剪定バサミでも切れない太さの枝を切るときに使います。
基本的にあまり出番はありませんが、大きくなりすぎた生垣を切り戻したい場合や、高さを抑えるために芯止めする場合などは必要になってくるでしょう。
剪定バサミや植木バサミでもいえることですが、そうした場合は枝の根元付近で切ると傷が速く塞がれ、病原菌の侵入をできる限り防ぐことができます。
太い枝の方が傷が塞がりにくく、菌が入りやすいので、必ず気をつけたいところですね。
電動バリカンで作業を行う場合
他と比べて値段は高くつきますが、電動バリカンを使うのが作業としては一番楽です。
さらに楽なだけではなく、まっすぐきれいに整えることもできます。
街中で見かけるような、ピッチリした四角い生垣は電動バリカンで仕立てられていることが多いです。
こちらも刈り込みバサミと同じく、ついつい刈り込みすぎないように気をつけるようにしましょう。
また、2mを超えるような高い生垣を電動バリカンで剪定する場合、安全には最大限注意を払うことが大切です。
害虫・病気
生垣は同じ種類の木を同じように並べて植えるもの。
当然ながら一本の木が病気にかかったら他の木も全部同じ病気にかかる可能性が高いです。
生垣のような全てが同じ成長度合いを求められるものには、挿し木のようなクローン繁殖で増やされたものも多いのでなおさらですね。
刈り込みをしていると枝葉が密になりがちなので、その風通しの悪さも病害虫を発生させる要因となります。
薬剤で対処できるのが一番良いのですが、それができない場合は「病気の発生した枝葉をすべてきちんと処理する」「枝葉をすいて風通しを良くする」などの対策をとるようにしましょう。
生垣の剪定を業者に依頼する場合の注意点
生垣を維持するには剪定による管理が必須ですが、適切な時期に適切な剪定をするというのはどうしても難しいものですよね。
剪定がうまくいかない、時間が取れないといった時は、プロの業者に依頼するようにしましょう。
ただし、依頼するにしても業者選びは必要です。
業者の中には、素人相手なのを良いことに料金を多く取ったり、技術があまり良くなかったりするものがあります。
剪定を依頼したら刈り込まれすぎて枝がむき出しになってしまったというのも時折聞く話です。
より正しく業者を選ぶ際のポイントについてご紹介します。
料金が明朗会計な所
料金が明朗会計なところを選ぶようにしましょう。
どこにどれだけの費用がかかって、合計どれだけ請求するか、という詳細な見積もりを出してくれる業者を選ぶのがおすすめです。
料金の内容については、職人1人1日あたりでお金がかかるところと、木1本あたりでお金がかかるところの2パターンのところが多いです。
それに加えて、枝葉の処分費用などの諸経費が追加でかかるようなイメージになります。
木1本あたりにお金がかかるところでは、木の種類や高さなどで、職人1人あたりでお金がかかるところでは、作業時間や人数によって料金が変わります。
生垣の範囲や高さなどに応じて業者を選んでみると良いでしょう。
実績や社歴がある
実績や社歴も選ぶにあたって重要なポイントです。
実績のあるところの方が経験のある職人さんが多く所属しているし、社歴があればそれだけクライアントからの信頼を得ている、つまり良い仕事をしているということになります。
一概には言えませんが、安さだけが取り柄のような業者を選んでしまうと、丸坊主にされるようなひどい剪定をされてしまうこともあります。
後悔の無いように、なるべく実績や社歴のある業者を選ぶようにしましょう。
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まとめ
生垣は、仕切りや目隠しとしての機能のほかガーデニングとして使うこともでき、とても便利なものです。
庭があるなら是非作ってみると良いでしょう。
お手入れは少し大変な面もありますが、自分でやることもできるし、業者にお願いすることもできます。
業者にお願いするときは、見積もりをしっかり出してくれて実績のある業者を探すようにしましょう。
生垣に使える木にはたくさんの種類があります。
自分の庭や家の雰囲気や、お手入れの仕方などを見て、自分の好みにあった木を植えてみてください。
その他生垣にまつわる記事はこちら
◇種類別に生垣の剪定方法や時期、道具、注意点をまとめました
◇庭の目隠しにおすすめな庭木10選~生垣・視線避けの使用法~
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。