秋は落ち葉が出る季節。
落ち葉の掃除はめんどうですが、堆肥をつくって腐葉土にしてしまえば肥料になるし処分の手間も減るし、一石二鳥です。
今回は、初心者でも、誰でも簡単にできる落ち葉堆肥のつくり方をご紹介していきます。
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目次
堆肥を作る理由
庭や畑での植物の生長を助けるだけでなく、日常のゴミを減らすエコな方法でもある堆肥作り。
特に生ごみや野菜くずをはじめ、コーヒーかす、殻などを利用した堆肥作りは、コンポストなどを使って手軽に始められます。
さらに、牛ふんやミミズ、もみ殻などを混ぜることで、より栄養価の高い堆肥をつくることも可能です。
こうした堆肥は液体肥料や2次発酵を経て植物の根を強くし、より健康的な作物を育てる土作りにも役立ちます。
また、堆肥を自作することで、農業やガーデニングに必要な肥料を手軽に手に入れられるのも大きなメリット。
プランター栽培にも活用でき、サスティナブルな庭づくり・畑が実現します。
ここでは、堆肥を作る詳しい理由について下記3つ紹介します。
①ゴミが減ってサスティナブル
②栄養豊富な堆肥が手に入る
③より健康的な作物が作れる
畑や庭に大量に生えてしまった雑草も、米ぬかと土を適当に混ぜ込んで使うと、緑肥として堆肥を作れます。
雑草をゴミとして捨てる手間を省けるほか、無駄にならずに土の質を良くさせるのでおすすめです。
ゴミが減ってサスティナブル
家庭で出る生ごみや野菜くず、コーヒーかすなどをそのまま捨てると、毎日のゴミの量が増えてしまい処理にも手間がかかります。
しかし、これらの生ごみを堆肥として再利用することで、ゴミの量を大幅に減らすことができ、環境にも優しいサスティナブルな生活を実現できます。
庭やベランダーなどでプランター栽培をしているなら、こうした堆肥作りは、家庭で出る不要なものを有効活用する絶好の方法といえるでしょう。
コンポストを利用して家庭での生ごみを分解し、堆肥に変える作業は、とてもシンプルで初心者でも取り組みやすい方法です。
特に牛ふんやもみ殻、ミミズなども活用することで分解が進みやすくなり、栄養がたっぷりの堆肥をつくることができます。
また、堆肥を作ることでゴミ袋の削減にもつながり、処分にかかる手間や費用を節約できるのも大きなメリットです。
さらに、一般のゴミと違って、堆肥は腐敗臭が抑えられます。
肉などの生ごみが腐ると発生する嫌な臭いも、堆肥作りの過程では発酵によって抑えられるため、臭いに悩まされることもあまりありません。
臭いを吸収しやすい成分を含んでいるコーヒーかすや茶殻などを入れると、さらに効果を期待できることも。
堆肥を自作することで、無駄なく資源を活かすことができ、家庭内で循環型の資源利用が実現します。
また、堆肥を使うことで土の状態も改善され、より良い作物作りにつながるというサイクルも生まれます。
庭での作業が少しでも増えると大変に感じるかもしれませんが、まずは簡単なコンポストや堆肥作りを取り入れてみましょう。
長期的に見ても環境に優しく、家庭菜園や庭づくりを楽しむうえで欠かせないものとなるかもしれません。
栄養豊富な堆肥が手に入る
自作の堆肥を使う最大のメリットのひとつは、栄養豊富な土を簡単に手に入れられることです。
落ち葉や生ごみ、野菜くず、コーヒーかすなどの身近な材料を使って作る堆肥には、土壌を豊かにするさまざまな栄養素が含まれています。
これに加え、牛ふんやもみ殻、米ぬかなどを混ぜれば、さらに栄養価が高まり、植物の生長を促進する効果も期待できることも。
市販の肥料でも同様の効果は得られますが、自作の堆肥には特別な利点があります。
まず、自分の庭で育てる植物に合わせたオリジナルの配合が可能です。
例えば、栽培している植物に必要な栄養素を意識し、落ち葉や米ぬか、油かすなどを調整することで、植物に最適な堆肥が作れます。
また、コンポストに投入する材料も自由自在。
プランター栽培や畑作業に使える堆肥を、自分の手で作り上げる楽しさもあります。
さらに、堆肥を使うことで土の通気性や水はけが良くなり、根の生長が促進されるだけでなく、作物の品質も向上するでしょう。
2次発酵が進むことで、栄養素が細かく分解され、植物が吸収しやすい形になります。
乳酸菌や酵母、光合成細菌など、自然界に存在する有用な微生物の集まりである通称「EM菌」など、発酵促進剤を使えば発酵がスムーズに進み、堆肥作りをスピーディに進行させることも可能です。
堆肥作りは時間と手間がかかるイメージがありますが、うまく進めれば半年ほどでしっかりとした堆肥が完成します。
家庭から出る生ごみを有効活用し、簡単に栄養豊富な堆肥を手に入れることができるので、初心者の方でも安心してチャレンジできますよ!
より健康的な作物が作れる
手作りの堆肥を使うことで、より健康的な作物を育てることが可能です。
落ち葉や生ごみ、コーヒーかす、野菜くずなどを使って作った堆肥は、植物に必要な栄養素がバランスよく含まれているため、自然な形で土を豊かにします。
また、堆肥には微生物がたくさん含まれており、土の中で活発に働くことで根の発育を促進し植物全体の健康を支えます。
堆肥作りに、牛ふんやもみ殻、茶殻などを加えると、さらに栄養豊富な土を作ることができ、作物がより健康的に生長する環境を整えることも可能です。
石灰を適切なタイミングで使用することで、土壌の酸性度を調整し、作物にとって最適な環境を作ることができます。
野菜を栽培する場合、堆肥を使うことで、化学肥料に頼らずとも豊かな収穫が期待でき、無農薬で安全な作物を育てることができるでしょう。
さらに、堆肥を使うと土壌の通気性や排水性が良くなり、根が酸素をしっかりと吸収できるようになります。
その結果、野菜や花が丈夫に育ち、病気に強い作物を作ることができます。
例えば、プランター栽培でも堆肥を使うことで土壌が軽くなり、作物の生長に適した環境が整います。
堆肥は、時間はかかりますが、家庭菜園や農業で使える万能な資材です。
しっかりと発酵を進めて作った堆肥は、土壌の栄養バランスを改善し、健康的な作物作りに大きく貢献します。
初心者でも簡単に取り組める堆肥作りで、ぜひ健康な作物を育ててみてくださいね。
落ち葉の堆肥の作り方4種
落ち葉の堆肥作りは、庭の不要な落ち葉を再利用して、栄養豊富な土を手軽に作ることができるエコな方法です。
落ち葉には、土を豊かにする成分がたっぷり含まれているため、牛ふん、コーヒーかす、米ぬかなどを組み合わせると、さらに効果的な堆肥を作ることも可能です。
特に秋に大量に出る落ち葉は、しっかりと堆肥化することで、次のシーズンに向けた土作りにも役立ちます。
堆肥を作るときには、ビニール袋、衣装ケース、穴や木枠、コンポストなど、スペースに合わせて使用する容器を選ぶのがおすすめです。
特にコンポスト以外のビニール袋、衣装ケース、穴や木枠は初心者でも簡単に用意ができ、手軽に堆肥が作れます。
ここでは、下記4種における落ち葉の堆肥づくりを詳しく紹介します。
①ビニール袋
②衣装ケース
③穴や木枠
④コンポスト
それぞれの方法によって、手軽さや堆肥の量、かかる時間が異なるため、庭の状況や目的に応じた方法で選んでみましょう。
堆肥を作る容器は、上記のものだけでなく、段ボール箱とビニール袋を組み合わせたものでつくるのもおすすめです。
ビニール袋:一番簡単に堆肥を作る方法
庭木の数が少なく、落ち葉のゴミが毎年ゴミ袋一つ分もないくらいの場合、ビニール袋でつくるのがおすすめです。
大きなビニール袋を用意して、水分が溜まらないよう底の部分に穴を空けて使用する方法です。
穴を空けたあとは落ち葉を入れて、堆肥化を待ちます。
スペースをとらないだけではなく、容器が柔らかいので後で説明する切り返しがやりやすいのが利点の一つ。
落ち葉の量が多くなっても、すぐに容器を増やして対応できるのも嬉しいところです。
落ち葉ゴミの中には小さな枝など混ざる場合もあり、ビニール袋に穴が空きやすいため、厚手のものを使用するか、二重三重に袋を重ねて使うと袋が破ける心配が少なくなります。
袋を重ねる場合、きちんと水が抜けるように穴は多めに空けるようにしましょう。
衣装ケース:ビニール袋よりも大量の堆肥を作れる
落ち葉の量がビニール袋ではおさまらず、まとまった量の堆肥がほしい場合、衣装ケースがおすすめです。
ビニール袋と同じように下に穴を空けて、水が抜けるようにしたら落ち葉を入れて堆肥にします。
酸素が入らないとうまく落ち葉が分解されないので、フタはしないか空気の穴をあけておくようにしましょう。
また、直射日光に当て続けると劣化してしまうので、なるべく日陰に置くとケースが長持ちします。
穴や木枠:さらに大量に作る落ち葉の堆肥
庭が広く、落ち葉のゴミも大量に出る場合、穴を掘ったり木枠をつくったりしてその中に落ち葉を入れる方法もあります。
単純に量が多く入るので、大量の落ち葉を大量の堆肥にすることが可能です。
木枠をつくる場合、3面ないし4面を大きなコンパネなどで囲い、杭で固定してつくります。
費用面から穴を掘って済ませてしまいたくなりますが、穴を掘ってそのまま落ち葉を入れるようにすると、落ち葉が発酵していくうちに土との境界があいまいになり、せっかく掘った穴が小さくなってしまうリスクがあります。
掘った分の土の処理にもお金や労力がかかるので、特に理由が無ければ木枠でつくるのがおすすめです。
いずれにせよ、毎年数回は中に入って落ち葉を切り返す作業が発生するので、つくるからにはそれなりの労力がかかることを覚悟しておきましょう。
ビニールでつくるにしろ、衣装ケースでつくるにしろ、落ち葉堆肥の作り方はある程度共通しています。
最低限落ち葉と一定量の水があればつくれるものではありますが、きちんとしたやり方でつくることでより早く堆肥化ができ、腐敗するようなこともありません。
また、材料ややり方によっては一年で完全に堆肥化しないことも多いので、落ち葉を計画的に堆肥として利用したい場合などは、ちゃんとしたやり方でつくる必要があります。
いずれにせよ手軽にできるものなので、ぜひチャレンジしてみてください。
コンポスト:より効率的に堆肥を作る
コンポストを使った堆肥作りは、堆肥を効率的に作る方法としておすすめです。
コンポストは、通気性や保温性が良いように設計されているため、堆肥化が早く進みます。
生ごみや野菜くず、コーヒーかすなどの家庭で出る有機物を簡単に堆肥化できるので、毎日のゴミの量を減らしながら、栄養たっぷりの堆肥を作ることができます。
コンポストの使い方はとてもシンプル。
生ごみや落ち葉、コーヒーかす、殻などを入れ、適度な水分を加えておくだけで、自然に分解が進みます。
さらに、米ぬかやもみ殻、牛糞などを入れると、発酵が進みやすくなり、より早く栄養価の高い堆肥が完成します。
また、コンポスト内にミミズを入れると、さらに分解が促進され、質の良い堆肥を作ることが可能です。
特に、生ゴミにEM菌などの発酵促進剤を混ぜると、堆肥化のスピードが格段にアップします。
EM菌は微生物の働きを活性化させ、より早く生ごみが分解されるので、初心者でも失敗しにくいです。
また、コンポストは密閉型のものが多いため、臭いの発生を抑えられるのもメリットです。
コンポストを使えば、季節を問わず効率的に堆肥を作ることができます。
特にプランター栽培や小規模な家庭菜園にはピッタリの方法で、作物にとって最適な栄養を持つ堆肥が手軽に手に入ります。
コンポストを使って家庭で出る有機ゴミを再利用し、よりサスティナブルな庭づくりを始めてみてくださいね。
どの堆肥の作り方を選択すべきか?
堆肥を作る方法は、住まいや庭の環境によって選ぶのがポイントです。
家庭菜園や庭づくりに堆肥は欠かせませんが、住んでいる場所によっては適した堆肥作りの方法が異なります。
例えば、プランター栽培をしているベランダでは手軽にできるコンポストやビニール袋が便利ですし、広い畑があるなら、より大量に作れる方法が向いています。
また、山林などでは自然の素材を活用した本格的な堆肥作りができる魅力もあります。
どの方法を選んでも、生ごみや野菜くず、落ち葉を再利用して栄養豊富な堆肥が手に入るのが大きなメリットです。
自分の住環境に合わせた堆肥作りを選ぶことで、手軽に取り組めて、無理なく続けることができるでしょう。
ここでは、どの堆肥の作り方を選択すべきか、住まいの環境にあわせて下記3つを紹介します。
①庭やベランダで作る場合
②畑などで作る場合
③山林などで作る場合
まずは、自分の住んでいる環境がどれに当てはまるのか、またはどの場所で作りやすいのかを検討してみてください。
庭やベランダで作る場合
庭やベランダで堆肥を作る場合、限られたスペースを有効活用できる手軽な方法がおすすめ。
ビニール袋やコンポストを使えば、家庭で出る生ごみや野菜くず、コーヒーかすなどを簡単に堆肥化できます。
特にベランダなどのスペースが限られている場所では、大きな容器を使わず、ビニール袋や小型のコンポストを利用することで、手軽に堆肥作りを始められます。
ビニール袋で作る場合、大きなビニール袋の底に穴をあけて水抜きを確保し、生ごみや落ち葉を層状に入れていきましょう。
このとき、米ぬかやもみ殻、コーヒーかすを一緒に入れると発酵がスムーズに進みます。
袋は簡単に移動でき、手軽に堆肥作りができるので、場所を取らずに始めたい方には最適です。
また、ビニール袋は安価で手に入りやすく、誰でも気軽に試せるのもポイントです。
もう少し本格的に堆肥を作りたい方は、小型のコンポストを庭やベランダに設置するのもベスト。
コンポストは通気性がよく、堆肥化が進みやすい構造になっているため、生ごみや落ち葉を効率的に分解できます。
密閉型のものを選べば、臭いも気にならず、ベランダでも快適に堆肥作りができるのがメリットです。
また、ミミズを使ったコンポストであれば、さらに分解が進みやすく、短期間で栄養豊富な堆肥が手に入ります。
庭やベランダで堆肥を作るときは、スペースや生活環境に合わせて無理なく続けられる方法を選ぶことが大切です。
コンパクトな容器でも、生ごみや野菜くずをしっかり堆肥化することで、家庭菜園や鉢植えの植物に使える栄養豊富な堆肥ができあがります。
初心者でも簡単に取り組めるので、ぜひチャレンジしてみてくださいね!
畑などで作る場合
畑で堆肥を作る場合は、広いスペースを活かして大量の堆肥を作る方法がおすすめです。
畑には落ち葉や生ごみ、野菜くずだけでなく、牛ふんや鶏ふんなどの動物由来の肥料を加えることで、栄養豊富な堆肥を作ることができます。
また、畑では大量の落ち葉が手に入るため、堆肥を大量に作り、翌年の栽培に備えることができます。
堆肥作りに使用するのは、木枠や穴を利用した方法が一般的です。
木枠はコンパネや板で3〜4面を囲い、しっかり固定することで、安定した堆肥作りの環境を整えられます。
また、穴を掘って直接落ち葉や生ごみを入れる方法もありますが、堆肥が土に混ざりやすく、管理が難しくなることもあるため、木枠を使う方法がベスト。
堆肥を作るときは、まず落ち葉や生ごみ、動物由来のふん尿などを層状に積み重ねていき、石灰やおがくずを混ぜて発酵を促進します。
石灰は適切なタイミングで加えることで、土壌の酸性度を調整し、堆肥の分解がスムーズに進むのを助けます。
2〜3ヶ月ごとに切り返しを行い、酸素を供給することでムラなく堆肥化が進むように管理しましょう。
また、広い畑ではEM菌などの発酵促進剤を使うことで、堆肥化をさらに効率よく進めることができます。
EM菌は微生物の働きを活性化させるので発酵が速く、良質な堆肥を短期間で作ることが可能です。
畑での堆肥作りは手間はかかりますが、大量に堆肥を作れるため、長期的に土壌改良を行いながら、作物の収穫量を大きく上げることができるでしょう。
山林などで作る場合
山林などの広大な場所で堆肥を作る場合は、その環境を最大限に活かし、大量に落ち葉や枝を使って堆肥を作るのがベスト。
山林では落ち葉が自然に積もるため、そのまま放置しておくだけでもゆっくりと自然分解が進み、自然の力を活かしながら、無理なく続けられます。
広い場所を有効に使い、大量の堆肥を作ってみましょう。
ただし、効率的に栄養豊富な堆肥を作るには少し工夫が必要です。
まず、山林での堆肥作りには、木枠やコンポストを使う方法が便利です。
山から集めた落ち葉や枯れ草、生ごみ、さらに動物由来の牛ふんやもみ殻を一緒に積み重ね、コンポストや木枠の中に入れていきます。
特に山林では、豊富な自然素材が手に入りやすいので、EM菌やおがくず、発酵促進剤を加えることで、堆肥化をさらに早めることができます。
また、山林では広いスペースを活かして大きな堆肥山を作ることも可能です。
この方法なら、1度に大量の堆肥を作れるだけでなく、手間をかけずに自然発酵が進むのがメリットです。
積層の途中で米ぬかや石灰を加えると、栄養バランスが整い、土壌改善にも役立つ質の高い堆肥ができあがります。
山林で作る堆肥は、植物の根を強くし、より健康的な土壌を作るためにも最適です。
広い環境のため臭いの問題も少なく、周囲に迷惑をかけることなく自然な形で堆肥作りを進められます。
堆肥が完成するまでには半年から1年ほどかかることが多いですが、その分、できあがった堆肥は豊かな栄養を含んでおり、山林の生態系を保ちながら農業や庭作りに役立てられるかもしれません。
落ち葉の堆肥を上手に作る方法
落ち葉の堆肥作りは、自然のサイクルを活かしながら、庭や畑の土に栄養を与える画期的な方法です。
堆肥作りのコツを押さえれば、落ち葉がただのゴミではなく、栄養豊富な肥料に変わります。
特に、広葉樹の落ち葉や米ぬかなど、分解を促進する材料を使うと、より早く良質な堆肥が完成します。
また、適切な水分管理や空気の流れを確保することで、堆肥化が順調に進むのもポイントです。
作業はシンプルですが、途中で切り返しを行ったり、材料を層状に重ねたりと、少しの工夫で効率よく堆肥を作ることができます。
季節ごとの庭の手入れや収穫のタイミングに合わせて堆肥が完成すれば、庭全体がより健康的になり、植物が元気に育つこと間違いなしです。
ここでは、落ち葉の堆肥を上手に作る詳しい方法について下記7つの手順を紹介します。
①腐葉土に向いているのは広葉樹の落ち葉
②余分な水分を抜くため底は穴を開けるか切れこみをいれる
③落ち葉と米ぬかを層を作るように交互に入れる
④米ぬかがない場合は油かすや鶏糞、発酵促進剤を入れよう
⑤水をたっぷりかけてふたをする
⑥袋やケースの中が混ざるように切り返し
⑦半年〜1年間ほぼ放置すると落ち葉の堆肥化が完了
腐葉土に向いているのは広葉樹の落ち葉
木の種類によって、落ち葉堆肥にしやすいものとしづらいものがあります。
大雑把に言えば炭素の比率が少なくて柔らかく、微生物のはたらきを邪魔する成分が入っていない落ち葉が堆肥にしやすいです。
たとえば、落葉樹のコナラやケヤキなどは堆肥化しやすい部類に入り、マツやモミなどの針葉樹全般や、広葉樹の中でもツバキやヤツデなど葉っぱの厚い常緑樹や、落葉樹でもサクラ、カキノキなどは堆肥化しづらいです。
また針葉樹でも広葉樹でもありませんが、イチョウ、ヤシ、ソテツなどの葉は堆肥化しづらいといわれています。
ただしそれらの葉っぱを入れてはいけないというわけではなく、少し時間はかかりますがどの葉っぱも同じように土に還ります。
落ち葉堆肥のメリットはゴミの削減や肥料の節約などがあるので、よっぽど効率的に堆肥をつくらなければいけないというのでなければ、あまり気にせずそのまま堆肥化するか、気になるなら堆肥化しやすいものと分けて堆肥をつくるくらいで問題ありません。
余分な水分を抜くため底は穴を開けるか切れこみをいれる
落ち葉堆肥をつくるには水分が必要不可欠ですが、水分がありすぎてもよくありません。
水でビシャビシャになってしまっては酸素不足で発酵がうまくいかず、腐敗してしまいます。
落ち葉堆肥をつくる入れ物には必ず水抜き用の穴を空けておきましょう。
小さな穴をポツポツ空けたくらいでは水が抜けきらない場合があるので、落ち葉がこぼれない程度にたくさん空けておくのがおすすめです。
特にビニール袋の場合、角の部分に水が溜まりやすいので、角の部分はハサミで切り落とすくらいでも問題ありません。
水は後からでも足せるしビニール袋なら別のもので取り返しも効くので、ものは試しでやってみるようにしましょう。
落ち葉と米ぬかを層を作るように交互に入れる
落ち葉をそのまま入れるだけでも堆肥化はできますが、米ぬかを入れた方がより早く堆肥化が進みます。
米ぬかを入れることで微生物が増え、落ち葉の分解速度が速くなるためです。
落ち葉を入れ物に入れる過程の中で、落ち葉をある程度入れたら米ぬかを薄く入れて、また落ち葉を入れたら米ぬかを入れて、というようにサンドイッチする形で米ぬかを入れていくとムラなく堆肥化が進みます。
このときの米ぬかの量は全体の数%くらいのわずかな量で問題ありません。
米ぬかはご近所の精米機から自由に持っていける場合が多いので、お近くの無人精米機を探してチェックしてみましょう。
米ぬかがない場合は油かすや鶏糞、発酵促進剤を入れよう
ただし、都市部などでは無人精米機が近くになかったり、あっても米ぬかが自由に持っていけない場合があります。
また、車が無くて運ぶに運べないという場合もあるでしょう。
ネットなどで米ぬかを買うこともできますが、肥料に使う油かすや鶏糞、市販されているコンポスト用の発酵促進剤などでも代用できます。
市販されている米ぬかは量がキロ単位のものが多く、使いきれなかったり、送料込みで1,000円以上かかってしまったりします。
そのため、ホームセンターや100円ショップでも手に入る油かすなどの肥料の方が安上りです。
代用したものを使う場合、微生物を増やすという目的は一緒なので、米ぬかと同じように落ち葉とサンドイッチするような形で大丈夫です。
水をたっぷりかけてふたをする
落ち葉を入れ物いっぱいに入れたあとは、水をたっぷりかけてフタをします。
水は目安として力を加えたときに少し染み出るくらいで、まんべんなく水が行き渡るようにたくさんかけましょう。
手間でなければ、落ち葉と米ぬかをサンドイッチする段階で少しずつ水をやっていくのがおすすめです。
水を掛け終わったら雨除け用にフタをします。
このときに、密閉状態にならないようにゆるくフタをするようにしましょう。
ビニールなら上から別のビニールをかぶせたり、衣装ケースならフタを完全には締めずに石などで重しをするくらいにしておきます。
袋やケースの中が混ざるように切り返し
水をやってフタをしたらひとまず作業は完了するのですが、それからも時々切り返しを行う必要があります。
切り返しとは、一番下の落ち葉を一番上に持ってくるようにかき混ぜること。
これをすることによって全体に新鮮な酸素が行き渡り、ムラなく堆肥化が進みます。
落ち葉を入れてから2か月くらい経ったら最初の切り返し、そこからは月に1回、できれば週に1回くらいのペースで切り返しをしていきます。
ただし、ビニール袋でつくる場合はサイズが小さいので、そこまで気にせずに外側から堆肥化の状態を確認しながら袋を揉んで調整するくらいで大丈夫です。
また、切り返しの際に乾燥していたら水を足すようにしましょう。
半年〜1年間ほぼ放置すると落ち葉の堆肥化が完了
このように時々切り返しをしながら放置しておくと、半年から1年もすれば堆肥化が完了しています。
この時に大事なのが、落ち葉の原型が完全になくなり、土になっているかよく確認することです。
分解が不十分な状態の落ち葉堆肥は、病原菌の巣窟。
植物にとってかえって悪影響を与えかねません。
切り返しをするにしろ袋を揉むにしろ、酸素を行き渡らせることで堆肥化をまんべんなく進められるので、安全で質の良い堆肥にするために必要な作業というわけです。
せっかくつくった堆肥で植物が枯れてしまっては元も子もないので、完全に堆肥化できているかきちんと確認しましょう。
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