庭木には、放っておくとたくさんの害虫がついてしまいます。
葉っぱを食べたり見た目を悪くしたり、場合によっては病気を媒介してしまうことも。
害虫の種類ごとの駆除方法や時期などについてご紹介します!

造園業界No.1店舗数!

剪定・伐採・草刈り・雑草対策等お庭周りのお悩みを解決!
プロの知識と技術で最適なお庭の手入れをご提案します

年間実績
3万件

お見積り後の
キャンセル可

出張料
0円

氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

目次

庭木の害虫の種類

害虫とひとくくりにしても、かなりたくさんの種類があり、それぞれ特徴が違います。
たとえば葉っぱをかじって食べてしまうもの、汁を吸ってしまうもの、目立った害はないがたくさん発生すると気持ち悪い不快害虫と呼ばれるもの、花や果実にのみつく害虫など、さまざまです。
 
虫の属するグループもダニの仲間にガの幼虫にカメムシの仲間にと多岐にわたります。
葉っぱがかじられて穴だらけになってしまったり、葉っぱの汁を吸ってかすれたような色になってしまったり、果実が食べられなくなったりと、被害の形も一言では言い表せません。
代表的なものについて知って、それぞれの対処法を知っておきましょう。
 

ハダニ

 

ハダニに食べられて透けて黄変したバラの葉っぱの写真

ハダニは葉っぱなどの汁を吸うダニの仲間です。
大きさはいずれも1mmに満たないほどで、肉眼ではよく見ないと見つかりません。
大量に発生し汁を吸われると、葉っぱの表面がかすり状になって見た目が悪くなったり、早く落葉してしまったりします。
大量に発生した場合、テントのように糸を張っている姿がみられることも。
かなり小さいからといってあなどれず、大量発生するとやっかいです。
 

生態

 
種類によって異なる場合がありますが、基本的には春から秋まで数を増やし続け、冬になると卵かメスの成虫が冬を越す、という生活史を送っています。
種類や気温によっては年に十数回ほど発生(卵を産んで、新しい成虫が出てくる)することも。
枝先の新芽の部分にいることが多いですが、数が増えてくると全体の葉っぱがかすれたように退色します。
マツやモミ、クリなどにつくトドマツノハダニは乾燥が激しい年に大発生する場合があります。
 

駆除方法

 
発生してしまった場合、見つけて駆除するというのは不可能と言って良いほどなので、薬剤を散布するのが手っ取り早いです。
登録された殺ダニ剤が販売されているので、そちらで対処しましょう。
また、カブリダニというハダニの天敵が生物農薬として販売されているので、それが使用できる場合もあります。
 

ハダニがでてくる時期

 
ハダニは春から秋にかけて発生します。
一般的に秋から気温が低くなってくると越冬体勢になり、卵なりメス成虫なりが樹皮の下などに隠れて越冬するようになります。
ミカンハダニなどはメス成虫で越冬し、その間も休眠しないで活動している場合がありますが、気温が低くなると活動も鈍くなるのでそこまで気にする必要はありません。
 

対策方法とは

 
ハダニの侵入や定着を防ぐことは難しいですが、トドマツノハダニの乾燥すると発生しやすいという性質から、発生が予測される場所では葉に水を散布するという対策が行われています。
また、効果は未知数ですがハダニなどの天敵となるカブリダニ類が自然に発生するように、庭に多様な生態系を創り出しておくということもできます。
 

アブラムシ

 

アブラムシの写真

アブラムシは広い括りでカメムシの仲間に含まれる昆虫で、針のような口を刺して茎や葉の汁を吸ってしまう害虫です。
さまざまな種類がいて多様な生態がありますが、汁を吸われると新芽が縮れて美観を損なったり、すす病を併発したりします。
また、ウイルス病を媒介する場合があるのにも注意が必要です。
 

生態

 
アブラムシの生態は種類によりさまざまですが、その多くは春から夏にかけて数を増やし、秋に交尾をして冬を越すための卵を産む、という生活史を送っています。
春に孵化した幹母と呼ばれる大型のメスから、交尾を必要としない単為生殖によってたくさんのメスが産まれ、産まれたメスも単為生殖によって増えて、とネズミ算的に増えていきます。
 
秋になるとオスとメスが産まれ、交尾をして寒さに強い卵を産卵。
また次の春に幹母が産まれるというサイクルです。
 
種類によっては途中で餌の植物を変えるものや、暖かい地方では延々と単為生殖を繰り替えすものも。
他にも虫こぶという部屋をつくり中で繁殖するものや、アリに飼育されているものまで、生態は様々です。
また、余分な糖分をお尻から出し、それをアリに与える代わりに身を守ってもらうという共生関係もあります。
この糖分が葉に落ちると、それを栄養に菌が繁殖し、すす病という病気が起こることもあるので注意が必要です。
 

駆除方法

 
柔らかい新芽の部分に集まっていることが多いので、発生し始めであれば集まった部分を切除して対処ができます。
アブラムシに吸われた部分はしわが寄っていることが多いので、被害がわかりやすいです。
数が増えてきたらそれだけでは対処が難しいので、薬剤などを使った方法が必要になります。
散布するもののほかに天敵のテントウムシが生物農薬として販売されており、薬剤をなるべく使いたくない場合はこちらがオススメです。
 

アブラムシがでてくる時期

 
暖かい地方を除けば、発生時期は春から秋です。
春から初夏にかけての時期が最も数が多く、夏になると数が減るか、餌の植物を切り替えるなどするものが多いです。
種類によっては越夏態という夏を越すための姿をとるものもいます。
冬になると卵になりますが、幹などに産みつけられた卵が見つかる場合もあり、その際はブラシなどでこそぎ落とすことで来年の発生量を減らすことも可能です。
 

対策方法とは

 
風通しを良くすることが大事です。
枝が込み合っている場合は少し軽くしてよく風が通るようにしましょう。
また、アブラムシにはテントウムシやヒラタアブ、クサカゲロウなど天敵が多いです。
虫がいたからといってむやみに薬剤散布せず、天敵の生物がたくさん住めるような環境を整えてあげることも大事です。
 

ナメクジ

 

ナメクジの写真

ナメクジは陸に住む貝類の仲間で、カラをなくしたカタツムリのような姿をしているのが特徴です。
植物の葉などの表面を削り取るように食べるのが特徴で、被害が出るのは庭木というよりは野菜や花などの草本植物が主ですが、庭木でも夜中や雨の日に幹を這いまわっていたりして、不快害虫として扱われることがあります。
 
ナメクジにも様々な種類がありますが、都市部にいるのは比較的乾燥に強いチャコウラナメクジかその近縁種が多く、背中の前3分の1くらいに継ぎ目があるのが特徴です。
また、呼吸孔と呼ばれる穴が体の横にあるのですが、それが必ず右側にあるという特徴もあります。
 

生態

 
ナメクジといえば梅雨に多く発生するようなイメージですが、交尾して卵を産むのは10月から3月ごろ。
気候が良いと2か月くらいで卵は孵化し、そのまま成長していきます。
 
基本的に夜行性なので日中目にすることは少ないですが、夜に木の幹などを照らすと、這いまわっている姿を見ることができます。
キノコや切り株などに集まっていることが多く、歩いたあとにはキラキラした粘液の線ができるのが特徴です。
オスとメスの区別がない雌雄同体で、絡み合うように交尾を行います。
 

駆除方法

 
誘引駆除剤が市販されているのでそれを使います。
隠れている場所を探して直接駆除する場合、日中に石や植木鉢の下など、ナメクジがよく隠れている場所を探して見るのが良いです。
よく塩をかけて退治するというようなことを聞きますが、それなりの量を与えないと殺すことはできず、塩がそのまま雨で流れるなどすると塩害が起こる可能性があるのであまりオススメできません。
 

ナメクジがでてくる時期

 
必然的に雨の多い梅雨に見かけることが多くなりますが、春から秋までの間は活動しています。
秋から冬にかけて、石の下にできた土のくぼみなどに丸い卵を見つけることができます。
夜に活動することがほとんどで、昼間には石の下など暗くて湿っている場所に隠れていることが多いです。
 

対策方法とは

 
よく見られるチャコウラナメクジなどの仲間はほかのナメクジにくらべて乾燥に強いですが、それでもやや湿った場所を好みます。
大きな石や放置された植木鉢など、ナメクジの隠れ場所になるものはなるべく庭に置かないようにしましょう。
 

ハマキムシ

 

ハマキムシの巣の写真

ハマキムシは、ハマキガ類とよばれるグループのガの幼虫です。
葉っぱを綴り合せてその中身を食べるのが特徴で、ときに花のつぼみや果実の表面などを食べて農業被害を引き起こすものも。
それ以外には食べられて茶色くなった葉っぱがいつまでも木に残るため、美観を損なうというものがあります。
種類はとても多いですが、リンゴコカクモンハマキやチャノコカクモンハマキ、チャハマキなどの種類による農業被害がよく挙げられます。
 

生態

 
ハマキガの仲間にもたくさんの種類がいますが、餌となる植物の種類が複数ある、広食性のものが多いです。
多くの場合、葉っぱを口から出す糸でつづりあわせて巣のようにし、その葉っぱの表面を食べて成長します。
種類により年間1~5回ほど発生(卵から成虫になること)しますが、3~4回発生するものが比較的多く、条件が合えば爆発的に増える可能性があります。
 

駆除方法

 
被害が少なく、手の届く高さの木に発生している場合は、つづられている葉っぱを中の幼虫ごと除去してしまえば駆除できます。
被害が多く、対処しきれないという場合は登録された薬剤を使用して対処するのがオススメです。
薬剤の効果が高くなるのは幼虫がまだ若い時期なので、小さな幼虫が出てきて少し成長してから使用するようにしてください。
 

ハマキムシがでてくる時期

 
春から秋にかけて出現します。
種類によって発生時期が決まっていて、一年中みられるというよりは年に複数回見られる時期があるというものが多いです。
冬は気温が低くなって基本的には越冬する形になるのですが、リンゴコカクモンハマキの場合は越冬幼虫がナシのつぼみを食害することがあるので注意が必要です。
 

対策方法とは

 
ガの仲間は周囲から飛んでくるものなので、対策という対策も難しいです。
すでに大量発生している場合は難しいですが、発生し始めであれば比較的簡単に対処することができます。
日ごろから庭木をよく観察して、つづられた葉がないかよくチェックしておきましょう。

害虫の被害、病気の種類


庭木の害虫による被害はたくさんありますが、ほかにも菌やウイルスなどによる病害も多いです。
風や雨で媒介されるものが多いですが、種類によっては害虫によって間接的に引き起こされるものも少なくありません。
その多くが、キノコやカビなどが含まれる菌類によって引き起こされます。
庭木でよく見られる病害についてご紹介します。
 

ウドンコ病

 
ウドンコ病は、さまざまな庭木にみられる菌による病害です。
葉っぱの表面が粉を吹いたように白っぽくなるのが特徴で、美観を損ねたり庭木が弱ったりする原因となります。
植物の種類ごとにウドンコ病を引き起こす菌の種類も違っており、そのすべてが寄生先の植物が死んだら菌も死んでしまう、絶対寄生菌と呼ばれる性質があります。
庭木だけでなく草本植物にもよくみられますが、庭木だとマサキやアジサイ、サルスベリなどに発生することが多いです。
基本的には病気にかかっている箇所の切除や、菌のついた落葉を処分することで防ぐことができます。
 

すす病

 
すす病は菌による病害で、葉っぱの表面が黒くすすけたようになるのが特徴です。
種類によってはウドンコ病のような絶対寄生菌の性質を持つものもありますが、その多くがアブラムシやカイガラムシの出す甘い蜜が葉っぱに付着することで、それを栄養に菌が繁殖することにより発生します。
ひどいときには木全体が真っ黒になってしまい、美観を損ねるだけでなく光合成も阻害してしまいます。
寄生性のものだとまた別ですが、蜜を栄養源に繁殖するタイプの場合、アブラムシやカイガラムシを駆除することが最も有効な対処法です。
 

さび病

 
さび病は菌による病害で、そのほとんどが複数の宿主を季節ごとに行ったり来たりする特徴があります。
たとえばナシ赤星病というさび病の一種は、春から夏にかけてはナシやリンゴなどの植物の葉に病斑をつくり、秋になると胞子を飛ばし、ビャクシンの仲間に移動します。
病気の症状は病気の種類や宿主によって変わり、幹がこぶ状になったり葉に斑点ができたり、一か所から枝が多数出たりと、さまざまです。
ごく一部に中間宿主がいなくても生活できるものもありますが、それ以外では中間宿主を除去することで対処できます。
ナシ赤星病の場合、ナシなどの農業被害を防ぐために、地域によっては区域内のビャクシン類の植栽を条例で禁止している場合があるので注意しましょう。
 

斑点性病害

 
斑点性病害は菌によって引き起こされる病害で、葉の表面に斑点ができるものの総称です。
よく見かけるものでは、カナメモチ(レッドロビンなど)にみられるごま色斑点病などがあります。
大発生しても木が枯れるようなことは基本的にありませんが、美観を損ねたり早く落葉する原因となったりします。
対策は病気の種類によってさまざまですが、病斑のでている箇所を切除して処分すれば対処できるものが多いです。
 

白紋羽病

 
白紋羽病は根に菌が寄生することによって起こる病害です。
病原性が非常に強い病気で、発生すると多くの場合その木は枯れてしまいます。
根に寄生して一気に木を弱らせ、病気が進行すると根元部分に白い膜が張ったようになり、強いキノコ臭がするのが特徴。
病気が急速に進行するので白い膜が確認できた時にはすでに手遅れなことも多く、治療は困難です。
菌が熱に弱いので、一定時間根に温水をかけることにより治療できた例もありますが、特殊な設備が必要なので庭に発生した場合は菌がいるであろう根っこと土を全て処分することで、被害の蔓延を防ぐのが無難でしょう。
 

モザイク病

 
モザイク病はヒイラギナンテンなどがかかる病気で、ウイルスにより引き起こされます。
ウイルスによる病害は数が少なく、菌によるものに比べて罹病部と健全部の境界がはっきりしないという特徴や、アブラムシによって媒介されるのが特徴です。
モザイク病は葉っぱの表面がモザイクがかったような模様になるもので、美観を損ねる場合があります。
ウイルス病は一度かかると治療が難しく、対策は難しいです。
発病を確認したら、他の同種の木に移らないよう、アブラムシ対策をしっかりしましょう。

害虫対策ならsmileガーデン


ここまで害虫の生態や駆除方法について説明してきましたが、とはいえ自分で処理するのは大変ですよね。
見た目にも不快ですし、駆除が大変だったりします。
やはり害虫の駆除はプロに任せるのが安全安心です。
 
全国チェーンのお庭屋さん、smileガーデンだったら害虫の駆除もしていて、見積りまで無料なので安心して相談できます!

造園業界No.1店舗数!

剪定・伐採・草刈り・雑草対策等お庭周りのお悩みを解決!
プロの知識と技術で最適なお庭の手入れをご提案します

年間実績
3万件

お見積り後の
キャンセル可

出張料
0円