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ナナカマド
2021.11.25

ナナカマド

日本の山野に自生し、紅葉が美しいことで有名なバラ科の落葉樹。
紅葉以外にも花や果実などが美しく、四季折々の姿を楽しむことができる。
庭木にされる以外にも、北海道などでは街路樹としてよく植えられている。

基本データ

  • 分類庭木-落葉
  • 学名Sorbus commixta Hedl.
  • 科・属名バラ科ナナカマド属
  • 別名オオナナカマド、エゾナナカマドなど

紅葉が美しい、北国で親しまれる木

ナナカマドとは

 
ナナカマドは、北海道から九州の山野に自生するバラ科の落葉樹です。
涼しい山に行くとよく生えているのが見られます。
近縁な種類では、葉の形や毛の状態などで見分けられるサビバナナカマド、ウラジロナナカマド、タカネナナカマドなどがあります。
 
ナナカマドは羽状複葉という鳥の羽のような葉の付き方をしますが、大きな葉っぱが一枚ずつつくアズキナシやウラジロノキとも近縁で、それぞれの雑種のカワシロナナカマド(ナナカマドとアズキナシの雑種)やデワノハゴロモナナカマド(ナナカマドとウラジロノキの雑種)というものも確認されています。
他にも少し類縁は遠くなりますが、似たもので三角錐のように花をつけるホザキナナカマドやニワナナカマドなどもあり、種類が豊富です。
花言葉は「安全」「慎重」など。
 
ちなみにナナカマドという名前の意味は、「七回かまどにくべても燃えない」といった事がよく言われますが、実際はそれほど燃えづらいわけではなく、「七回蒸し焼きにすると良い炭になる」というところから来ているという説もあります。
 

紅葉が美しい

 
ナナカマドは秋が深まると他の木に先駆けて一足早く紅葉を始めます。
葉が真っ赤に染まった姿はとても美しく、モミジカエデに並んで秋の山を彩る代表選手です。
また、紅葉以外にも花や実も美しく、晩春から初夏に咲く花は白い花がアジサイのように集まって咲き、秋になると赤くてきれいな実がたくさんなり、葉っぱが落ちてから冬の間、見る人の目を楽しませてくれます。
春から冬まで、四季折々の姿が楽しめる木です。
 

街路樹として利用される

 
涼しい山によく生える木ということもあり、北海道では街路樹によく植えられています。
関東地方などでよく植えられるケヤキクスノキなどに比べて耐寒性が強いので、北国の街路樹にぴったりというわけです。
秋の紅葉から、冬にたくさん実る果実とそれを目当てにやってくる鳥たち。
季節ごとに違った姿で道行く人の目を楽しませています。

紅葉以外の美しさも楽しめる

紅葉を楽しむ

 
ナナカマドの一番の魅力はなんといっても美しい紅葉。
秋になると目が覚めるような真っ赤な葉っぱが庭を彩ってくれます。
冬が近づくと庭の景色がどんどん寂しくなるということが多いですが、ナナカマドは冬にも真っ赤な果実が残るのでそれも魅力です。
 
ナナカマド以外にもモミジやカエデ、ハゼノキやイチョウなど、紅葉、黄葉がきれいな木をたくさん植えていってみても良いでしょう。
自然樹形を楽しむ雑木風の庭だとそうした種類もそろえやすいのでおすすめです。
日がよく当たった方が紅葉がきれいに色付くといわれているので、紅葉を楽しみたいときは日当たりの良い場所に植えてみてください。
 

四季折々の姿を楽しむ

 
秋の紅葉以外にも、一年中違った姿がみられるのもナナカマドの魅力の一つです。
春の新緑、初夏の白くてきれいな花、真夏の青々とした姿、秋の紅葉、冬の枝いっぱいになる赤くてきれいな実。
どれも魅力的で、季節ごとに違った姿を見せてくれるので見ていて飽きません。
玄関先や、窓から良く見える庭のど真ん中など、よく目につく場所に植えておけば季節の移り変わりをより実感することができます。
 

冬には庭でバードウォッチング

 
ナナカマドは冬になると赤くて小さな果実をたくさんつけるのが特徴。
これを目当てに、鳥たちが集まっている様子がみられます。
やってくるのはカラスのような大きな鳥ではなく、小鳥とよばれるような比較的小さな鳥たち。
小さなくちばしで果実をついばむ姿に心癒されること間違いなしです。
ナナカマドの実はそこまで美味しい実というわけでもないのか、すぐに鳥たちが集まって丸坊主にされてしまうようなこともありません。
 
少しずつ食べていくので、冬の間ずっとバードウォッチングを楽しむことができます。
また、果肉を食べたい鳥は丸呑みに、中の種が食べたい鳥は果肉をくちばしでつぶしながら中の種だけと、鳥の種類によって食べ方がちょっとずつ違っているのもおもしろいところ。
庭で観察できるだけでなく、鳥が来るようになると庭の害虫が減ったり、運が良ければフンから庭木になる木が発芽する場合があるというのも魅力的です。

育て方・管理方法

詳細情報

 
草丈・樹高
6~10m

 
栽培可能地域
全国栽培可

 
花色

 
開花期
5~7月

 
結実期
9~10月

 
耐暑性/耐寒性
耐暑性はやや弱く、耐寒性は強い。

 

育て方

 
植え付け・植え替え
2月~3月上旬ごろに行います。
土質はやや砂質のものがおすすめです。
よく成長するし、紅葉もきれいにでるので、日当たりの良いところに植えるようにしましょう。

 
肥料
ほとんど必要ありません。
気になるようであれば、冬の時期に鶏糞や油かすなどの緩効性肥料を施します。

 
剪定
12月から3月ごろの、葉っぱが落ちている時期に行います。
自然樹形が美しいのと、他の木に比べて芽が出る量が少ないので、剪定するのは最低限にしましょう。
切りすぎるとそこから病原菌が入ったり、新しい芽が出ずに弱ってしまったりします。
混んでいる枝を整理したり、枝先を少し切り戻す程度がおすすめです。

 
病害虫
病害虫の種類としてはあまり多くはありませんが、病害としてレウコストマ胴枯病がよくみられます。
枝や幹の樹皮下に菌が発生し、枝枯れや木の衰弱を起こしてしまう病気です。
細枝が枯れたり樹皮が荒れたりして美観を損なうだけでなく、広がっていくと防ぐのが難しくなり、木が大きく衰弱してしまうことがあります。
発生部分を切除するか削り取るかして傷口に塗るタイプの殺菌剤を塗ることや、冬の間に登録された農薬を散布し予防することなどで対処します。
剪定の痕にできた傷口などから菌が入るので、剪定は最小限にすることや、傷口には殺菌剤を塗ることなどが大切です。
害虫はあまり多くないですが、クロネハイイロハマキなどの虫が発生することがあります。

 
日当たり
良い場所を好みます。
日当たりの良い場所に植えた方がよく成長するし、紅葉もきれいになるのでおすすめです。

 
水やり
植え付け後に新しい枝が伸びて活着するまでは定期的にあげる必要がありますが、それ以外は基本的に必要ありません。
鉢植えに植えるなどして土の量が制限されている場合でなければ、よっぽど乾燥しない限り水やりなしでも大丈夫です。

出典(引用元)

日本樹木医会
「樹木医必携」
村越匡芳監修
「庭に植えたい樹木図鑑」
山渓ハンディ図鑑
「樹に咲く花 離弁花1」
矢口行雄監修
「樹木医が教える 緑化樹木辞典」

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