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松の木の菰巻きの写真
2022.02.15

庭木を病気から守ろう!枯れる原因や対処法をご紹介!

庭木を育てていると、多かれ少なかれ何かしらの病気になるのは避けられません。
単体で木を枯らすほどの病気はほとんどありませんが、中には重大な影響を与えるものもあります。
こちらでは、病気の種類や対処法などについて解説していきます。
 
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目次

  • 1.庭木の病気の原因はほとんどがカビ。他にも細菌や害虫など
  • 2.松や桜など、よく植えられる庭木に多い病気の種類
  • 3.庭木の病気のご相談はお庭の窓口へ

1庭木の病気の原因はほとんどがカビ。他にも細菌や害虫など

庭木がかかる病気のほとんどは真菌、いわゆるカビやキノコによるものです。
その他に少ないですが細菌や害虫(線虫などを含む)によるもの、ウイルスやウイロイド、藻類によるものなどがあります。
また、それらは伝染性病害と呼ばれるもので、他にも土壌条件や気象条件などによる非伝染性病害と呼ばれるものも。
 
いずれにせよ、人間の病気とは原因になるものが全く違うものがほとんどで、対処法も異なるので、人間の病気のイメージとは切り離して考える必要があります。
ただ、それぞれの性質をよく知っておけば対処法がわかることも多いので、自分の庭木がかかっている病気が何によるものなのか、よく調べてみるようにしましょう。
 
 

カビが原因で発生する庭木の病気

 
 
庭木がかかる病気の多くがカビによるものです。
特に、葉っぱの表面に斑点ができるようなものはほとんどがカビのしわざと考えて良いでしょう。
うどんこ病のように木が死んだら菌も死んでしまうものから、白紋羽病のように急速に木を枯らしてしまうものまで、性質はさまざまです。
 
他に代表的なものとして褐斑病などの斑点性病害、さび病、すす病、炭疽病などがあります。
また、枯れ枝や幹の内部が腐り、キノコが発生するものも材質腐朽病という括りの病気として扱われますが、これらもカビと同じ真菌というものに含まれます。
 
 

カビが原因の庭木の病気の特徴

 
カビによる病気はさまざまな種類があるので、一概にこれが特徴、とは言えないのですが、多く目につくのは葉っぱに斑点ができたり粉を吹いたようになったりと、葉っぱに異常ができるものです。
 
ウイルスの引き起こすモザイク病ともよく似ていますが、カビによる病気の場合、病気の出る部分と出ない部分の境目が比較的はっきりしていることが区別の目安になります。
また、カビは胞子(または自分の分身となる分生子)を放出して増えます。
一定以上病気が進んだあと、特定の時期に雨の日の後などに胞子や分生子を飛ばすための毛羽立ちのようなものができるのも特徴です。
 
 

細菌が原因で発生する庭木の病気

 
細菌によって起こる病気は、カビに比べるとかなり少ないですがいくつかあります。
たとえば街路樹や公園樹に使われるヤマモモの幹にこぶができる「ヤマモモこぶ病」、木の根っこ等にコブができる「根頭がん腫病」などが身近にみられることが多いです。
 
また、ファイトプラズマとよばれる細菌の一群による病気がいくつかあります。
キリがかかる「キリてんぐ巣病」は、同じ場所からたくさん枝が出て、そのうち枯らしてしまうというちょっと怖い病気です。
 
珍しい例だと、園芸店などで売られている背が低くてかわいらしいポインセチアはファイトプラズマによる病気にかかったものです。
本来のポインセチアは背丈が2mを越えるような樹木で、商品価値を高めるためにあえて病気に感染させています。
 
 

細菌が原因の庭木の病気の特徴

 
細菌による病気の場合、幹にコブができるなど植物体が変形したようになるものが多いです。
中でもファイトプラズマが病原の場合、枝葉がちぢれたり黄色く変色したりするものがよくみられます。
ただしいずれの場合も、カビや虫による被害の場合でも似たような症状になる場合が少なくありません。
 
「この症状が出たら細菌の病気」という統一的なものは無いので、個別に調べていくのが一番手っ取り早いです。
 
 

害虫が原因で発生する庭木の病気

 
害虫によって起こる病気は、フシダニ類によって葉の表皮がビロード状に変形する「ビロード病」が知られています。
虫こぶの一種なので虫害として数えてしまいたいところですが、古くから病害として扱われているようです。
 
その他多くの虫こぶや、毛虫に葉っぱを食べられたり、カメムシに汁を吸われたりするのは病気ではなく虫害として扱われます。
また、害虫そのものが原因でないので前に紹介したカビや細菌が原因の病気とは少し定義が違いますが、汁を吸うタイプの害虫がウイルス病やファイトプラズマを媒介したり、アブラムシやカイガラムシの出す甘い蜜がすす病を発生させたりします。
 
 

害虫が原因の庭木の病気の特徴

 
害虫が原因のビロード病では、葉っぱの表面が毛が密生したようになります。
中にダニが住んでいるようですが、体長1㎜にも満たないとても小さなダニなので、肉眼で見つけることは難しいです。
 
それ以外に、「病気のように見えるけど害虫による被害」という例だと、虫本体や抜け殻がその場にいるのが大きな指標となります。
アブラムシによる被害だと新芽の部分が縮れてシワシワになることがありますが、よく見るとアブラムシがいたりそこにアリが集まっていたり、虫がいなくても大量の抜け殻が残っていたりします。
 
虫こぶの場合も同様で、コブの中や裏側に虫本体や抜け殻が残っているのがポイントです。
ハダニやグンバイムシなどの害虫だと葉っぱが白くすすけていたり、葉の裏にフンがついていたりするところで見分けることができます。
 

2松や桜など、よく植えられる庭木に多い病気の種類

庭木がかかる病気にはさまざまなものがあり、多くの庭木がかかる病気もあれば、特定の庭木しかかからない病気もあります。
また、同じ仲間の病気でも、菌の種類や木の種類が違うと全然違う症状が出る場合も少なくありません。
流通の多い庭木だと、それぞれが挿し木などで増やされた同じ性質のクローンの場合があり、一帯で大発生してしまうこともあります。
 
庭木がかかる病気の中で、いくつかピックアップしたので、対処法と合わせてご紹介します。
 
 

てんぐ巣病

 
てんぐ巣病は、一か所からたくさんの枝が出る病気です。
サクラやツツジ、モミなど、さまざまな樹種で発生します。
原因となる菌はさまざまで、真菌(カビの仲間)の中でも様々なグループのもので発生することがあります。
細菌の仲間といわれるファイトプラズマが原因となることも。
 
最もよく見られるのはサクラ類のてんぐ巣病で、花見のためにあちこちに植えられているソメイヨシノは全て接ぎ木でつくられたクローンなので、一度てんぐ巣病が発生すると周りのソメイヨシノ全てにてんぐ巣病が発生してしまう場合があります。
症状が出ている枝葉はやがて枯れてしまい、サクラの場合てんぐ巣病にかかった枝は花芽がつかずに葉っぱがつくので、観賞価値も落ちてしまいます。
 
 

てんぐ巣病の対処法

 
てんぐ巣病は原因となる菌や細菌の種類が病気によって違うので、それぞれ対処法も異なります。
たとえばサクラのてんぐ巣病は、子嚢菌類に属すタフリナという菌が原因ですが、症状が出始めたころにてんぐ巣状になった部分を切除し、癒合剤を塗るのが良いとされています。
 
モミ類のてんぐ巣病はさび病の一種で、担子菌類に属す菌が原因です。
さび病のほとんどは季節ごとに2種類の植物を渡り歩く性質を持っているので、その片方を周りから無くしてしまえば防げる場合が多いです。
モミ類てんぐ巣病の場合、ハコベやミミナグサなどを周囲から取り除きます。
 
キリがかかるファイトプラズマによるてんぐ巣病は対処が難しく、一度かかったら治療も困難です。
発病株から苗木を株分けしないことと、栄養のある良い土に植えれば発病や進行が遅くなるようなので、植える前に良い環境をつくってあげる必要があります。
 
 

うどんこ病

 
うどんこ病は、葉っぱがまるでうどんの粉をまぶしたように白くなってしまう病気です。
さまざまな種類の庭木でみられる病気で、マサキやアジサイ、サルスベリなどでよくみられます。
かかる植物の種類によって菌の種類も違うことが多いですが、どれもうどんこ病菌類と呼ばれるカビの仲間で、性質も似通っています。
 
絶対寄生菌という、ついている植物が死んでしまうと菌も死んでしまう性質を持っていて、植物を活かさず殺さずの状態で栄養を吸い取り続けるのが大きな特徴です。
 
 

うどんこ病の対処法

 
大きく分けて、うどんこ病は胞子で冬を越すタイプと、植物の芽の中に菌糸で冬を越すタイプがあります。
胞子で冬を越すタイプの場合、冬を越すための胞子は病気が出ている部分につくられるので、病気の出ている葉っぱや落葉を処分することで対処ができます。
落葉樹の場合は冬に落ち葉を全て処分してしまうのが手っ取り早いです。
 
菌糸で冬を越すタイプの場合、春先に新芽と共に菌が広がるので、その部分の切除と、同じ時期に登録された薬剤を撒くことで対処します。
それぞれ、菌がついているものはまた次の伝染源になってしまうので、燃やしてしまうか自治体のルールに従ってゴミに出してしまいましょう。
 
 

褐斑病

 
褐斑病は、その名の通り褐色の斑点が葉っぱにできる病気です。
主にカビによっておこるもので、さまざまな種類のカビがさまざまな種類の庭木に引き起こします。
また、名前や原因となる菌などが違うだけで、斑点病、円斑病、環紋葉枯病、ペスタロチア病など、葉っぱに斑点ができる似た性質の病気がたくさんあります。
 
秋になるとサクラの葉っぱに丸い穴がポツポツ空いているのが見られますが、これはせん孔褐斑病と呼ばれる褐斑病の一種で、斑点ができた部分が枯れ落ちたものです。
これらの病気だけで木が枯れることはありませんが、大発生すると見た目が悪くなってしまうほかに、落葉が早くなり、木が弱ってしまうことがあります。
 
 

褐斑病の対処法

 
褐斑病は斑点ができた部分で冬を越す場合が多いので、斑点の出ている落葉や葉っぱを処分してしまうことで、感染源を減らすことができます。
処分する場合は、燃やしてしまうか自治体のルールに従ってゴミとして出してしまってください。
大発生している場合は、登録された薬剤を伝染時期に撒くことで対処します。
 
また、環境条件が悪くて大発生している場合があるので、いくらやっても減らない場合は風通しなど改善できる部分があれば改善してみましょう。
毎年少しずつ斑点が出るだけ、というレベルであれば木に大した影響も出ないので、状況によってはあまり目くじらを立てずにいるのも一つの手です。
 
 

根頭がん腫病

 
根頭がん腫病は、植物の根の部分にゴツゴツしたコブのようなものができる病気です。
細菌が原因となる病気で、コブができた部分から先は根の発達が遅くなり、植物はだんだん弱ってきてしまいます。
 
また、木の幹の少し高いところに別のコブができることもあります。
二次こぶ(二次腫瘍)と呼ばれるもので、ここからは細菌が検出されませんが、根頭がん種病の症状の一つです。
さまざまな種類の庭木が感染し、花木や果樹に比較的多いです。
 
 

根頭がん腫病の対処法

 
まだ謎の多い病気で、一度かかったら確実に対処できる方法はありません。
なので、かからないよう予防することが大事です。
根頭がん種病を起こす細菌は、土の中に生息していて、苗木の植え付けや移植の際に根っこにできた小さな傷から感染します。
植え付け時に根っこが傷つかないように、注意するようにしましょう。
 
根頭がん種病を発病した木が植わっていた場所に再度植える場合、地中に残った根に細菌が残っていることがあり、そこから感染する可能性があるので特に注意が必要です。
 
果樹やバラでは植え付け時に根を消毒できる生物農薬(バクテローズ)があり、それによって感染を予防できるのでできれば利用していきましょう。
 
 

ならたけ病

 
ならたけ病は、ナラタケというキノコの菌糸が根っこに感染して起こる病気です。
 
キノコなので、カビと同じ真菌に分類されます。
発病すると木全体が弱って早いうちに落葉し、のちに枯れてしまいます。
病原性が比較的強く、注意が必要な病気です。
感染した根っこの樹皮をはがすと菌糸の束が見られるので、そこで確認することができます。
 
現在ナラタケには10数種あるとされていますが、特に病原性が強いのがナラタケとオニナラタケといわれており、似たような病気を引き起こすナラタケモドキとはキノコの傘の下につばがないところで判別できます。
ナラタケモドキも木を弱らせてしまいますが、ナラタケやその仲間に比べると病原性は比較的低いです。
 
 

ならたけ病の対処法

 
一度感染したら治療が難しく、また根っこに感染するので気づきづらいです。
なので、基本的には予防することや、拡大を防ぐことが重要になってきます。
一度発生したら周りの木にどんどん感染が広がっていくので、発病したらすぐに根っこごと処分して対処します。
 
地中に根っこが残っているとそこで菌が長く生き残って次の伝染源となってしまうので、周りの土ごと入れ替えるつもりで対処しましょう。
 
また、この病気は土壌が極度に湿っていたり乾燥していたりすると発生しやすいです。
どうやっても発生が止まらない場合は環境条件を見直してみると良いかもしれません。
 
 

白紋羽病

 
白紋羽病は、木の根っこにカビが感染して、枯らしてしまう病気です。
病気が進むと葉がしおれたようになり、やがて枯れてしまいます。
根元に白い菌糸の膜ができて、キノコの匂いがするのが大きな特徴です。
広葉樹を中心にかなり多くの樹木に感染するため、注意が必要な病気の一つです。
 
ただ、梅雨の時期などに地表から、木の根元が白いカビが発生して、まるで白紋羽病の症状のようになることがあります。
木が弱っていなかったり、地面の広範囲にカビが広がっていたり、キノコの匂いがしないか、少ないかなどの場合は別のカビなので、気にする必要はありません。
 
 

白紋羽病の対処法

 
他の根に発生する病気と同じで、一度かかったら治療することは難しいため、予防あるいは拡大を抑える対処法がメインとなります。
 
病気が発生すると、枯れた木を伐採しても根っこに菌が残っていて、別の木を植えると同じように感染してしまいます。
そのため、白紋羽病で木が枯れたら、土をまるごと入れ替えるつもりで、細い根っこまで全部取り去るようにしましょう。
また、土の中に枯れ枝などの有機物が残っていると、その中で菌が長い間生き残り、感染源となる可能性があるので注意が必要です。
 
別の方法としては、発病した木を除去した後に植える木を、針葉樹などの感染しづらい樹種にするというものもあります。
一応、治療法として「温水治療」というものがあります。
白紋羽病菌は熱に弱いので、4~6時間にかけて50℃のお湯を少しずつ土に染み込ませて殺菌するという方法です。
 
正しく行えば菌を死滅させることができますが、地温が高くなりすぎると木が枯れてしまうし、長い時間同じ温度のお湯を少しずつ出すには、それなりの設備が必要なので、個人の庭でやるのはあまりおすすめできません。

3庭木の病気のご相談はお庭の窓口へ

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