植えたばかりのまだ根付いていない木は、非常に不安定なため支柱を付ける必要があります。根っこが伸びて根付くまでの期間は、庭木が特に枯れやすいタイミングでもあります。せっかく植えた庭木を大事に育てていくために、支柱の立て方を覚えておきましょう。
目次
植えたばかりの庭木に支柱が必要な理由
植えたばかりの庭木には、倒れないようにするための支柱が必要になります。庭を作る際に、造園屋さんや植木屋さんがつけてくれることも多いです。
庭木に支柱をつけるのには、いくつか理由があります。いずれも、庭木を健康に育てるために必要なことです。どんな理由で支柱が必要なのか、しっかりチェックしておきましょう。
風で倒れることを防ぐ
植えたばかりの庭木は、庭の土に根っこが伸びていないため、風で倒れやすくなります。台風のような強風で、せっかく植えた庭木が倒れてしまう可能性もあります。
そのため、庭木がしっかり根付くまでの間は支柱で倒れないように支えてあげなければいけません。
苗木が根付きやすくなる
庭木を植えたあと、庭の土に根付くために新しく伸びる根っこは、細くてちぎれやすいです。そのため、庭木が風などで揺れるとせっかく伸びた根っこが切れてしまいます。支柱をつけて庭木を支えてあげることで、庭木が根付くのが早くなります。
庭木を植えてから根付くまでの期間は、庭木が特に枯れやすいタイミングです。そのため、庭木を植えてからしばらくは、支柱をつけるのは必須と言って良いでしょう。
支柱を立てるのに使う道具
庭木に支柱をつけるためには、支柱本体の他にもいくつかの道具が必要になります。
道具の種類や大きさは庭木のサイズなどによって変わる場合もあるので、自分の庭木に合ったものを選ぶ必要があります。
庭木に支柱を付ける前に、これらの道具をまず準備しましょう。
支柱本体
支柱の本体となる柱には、細長く丈夫なものを使います。これに使う素材にはいくつかの種類があるため、植える庭木の大きさに応じて選ぶ必要があります。基本的には竹を使うことが多いですが、他にも選択肢があることを覚えておきましょう。
プラスチックの棒
1mより低いような小さい木であれば、100円ショップの園芸コーナーで売っているようなプラスチックの棒を使うことができます。小さな苗から育てたい場合や、木ではなく草を育てる場合などは、こちらを選択肢に入れてみても良いでしょう。安価で手に入りやすいので、最も手軽に使うことができます。
竹
人の背丈くらいか、それより少し高いくらいの庭木であれば、竹を使うのが良いでしょう。丈夫で太さも長さも十分で、比較的安価に手に入るので、よく使われています。庭に竹林があれば、そこから採って使ってみても良いでしょう。
また、太さは様々なものがあり、笹の茎のように細いものから、人の腕くらいの太さのものまであります。100円ショップでは売っていないことも多いですが、ホームセンターなどで手に入ることがあるので、探してみましょう。
長さはありませんが、使い古した竹ぼうきの柄の部分を再利用して使うこともできます。
木の丸太
5m以上にもなるような大きな木には、木の丸太を使うことがあります。倒れた時に、竹では支えきれないような大きく太い木に対して用いられます。
木の丸太を使う場合、ボルトで支柱同士を固定するなどする必要があり、竹の支柱などに比べると大掛かりな工事になります。基本的には、その大きさの支柱をつける場合は造園屋さんなどのプロにお願いするのが無難です。
麻布と麻ひも
支柱と木をくっつけて固定する際に、麻ひもや麻布を使います。
麻布は、支柱が木の幹を傷つけないために使うため、木の幹にグルッと巻いてからその上に支柱をつける形になります。
素材は必ずしも麻ひもや麻布を使わなくても、他の布や紐でも機能的には問題ありません。
大きな竹で支柱をつくる際には、針金や釘で支柱同士を固定する場合もあります。
しかし、たとえばビニールひものような自然に分解されない素材だと、長くつけっぱなしにした場合に木の幹にひもが食い込んでしまうおそれがあります。麻ひもも麻布も安価で手に入りやすいので、基本的にはこれらの素材を使うようにしましょう。
その他の道具
その他に、作業時につける軍手や、支柱を立てる部分の土を掘るためのスコップ、麻布や麻ひもを切るために使うハサミといった道具が必要になります。これらは、自分が普段使っているものなど使いやすいものを用意すれば問題ありません。
支柱設置の手順
道具が準備できたら、いよいよ支柱を設置します。庭木が倒れないように支柱をつけるのに、支柱がうまく固定されていなかったら意味がありません。しっかり手順を踏んで支柱をつけるのがおすすめです。どんな手順で作業を行うのか、チェックしておきましょう。
支柱を立てる場所を決める
まずは、支柱を立てる場所を決めます。支柱は、木の大きさに応じて斜めに1本つけるか、八の字に2本立てるかなどの立て方があります。
1mほどの小さな木の場合は1本、人の背丈より高い木の場合は2本あれば安心です(木の丸太の支柱をつける場合、3本立てたり神社の鳥居のような形の支柱をつくったりといったやり方もあります)。
角度は30~45度くらいで、庭木が倒れそうなときにしっかり支えられる角度にしてください。
また、幹が一本立ちのものは幹の途中で一か所支柱と交差すれば良いですが、株立ちの木の場合、たくさんの幹の中でとくに太いものと2か所交差させるのがおすすめです。
いったん仮置きして、どのように設置するのかイメージしてみてください。
土を掘る
支柱を立てる箇所の土を掘ります。支柱を立てる角度に合わせて、40㎝くらい掘るようにしてください。実際に支柱を置いてみながら作業するのがおすすめです。土が掘れたら、支柱の根元を埋めて軽く踏み固めておきます。
支柱と木を固定する
支柱を木を固定します。木の幹を傷つけないように、幹の支柱をつける位置に麻ひもを1~2周巻き付け、その上に支柱を取り付けて麻ひもで固定します。結び方に指定などはありませんが、外れないようにしっかりと結んでおきましょう。
土を踏み固める
支柱を埋めた土をしっかり踏み固めます。支柱が動いてしまっては庭木を支えられないので、念入りに踏み固めておきましょう。ただし、周りの土すべて踏み固めてしまうと庭木の成長に影響が出てしまうので、踏み固めるのはあくまで支柱を埋めた土の周りだけにとどめるのがおすすめです。
大きな木の場合
5mを超えるような大きな木を植え付ける際に支柱をつける場合、個人で見様見真似で行うのはあまりおすすめしません。支柱がしっかり固定できていないと、木が倒れてくる危険性もありますし、支柱自体が大きく重いので、作業自体も危険な場合があります。
竹の支柱では支えられないような大きな木に支柱をつける場合、プロに相談して施工してもらいましょう。
根付いたら支柱は外す
せっかくつけた支柱ですが、いつまでもつけておくのは木にとってあまりよくありません。木の幹は自分の体が適度に揺れるのに反応して太くなるので、いつまでも支柱を付けておくとそれに甘えて木が成長しなくなるためです。
木の支柱など大きなものでは、支柱から上の、風で揺れる部分の幹だけ太って変な樹形になってしまうこともあります。
そのため、木がしっかり根付いたら支柱は外してあげるようにしましょう。
ただし、外すのが早すぎて庭木が倒れてしまっては元も子もないので、1~2年くらいを目安に、しっかり根付いて枝葉も旺盛に成長するようになったのを見て外すのがおすすめです。
困ったらプロに相談!
支柱を上手につける自信が無い、支柱をつける時間が無いなどの場合は、smileガーデンのようなプロに相談するのがおすすめです。
一度プロの技術を見ておくことで、自分でやってみる際の参考にもなります。
植え付け作業なども含めてお願いしてみても良いでしょう。必要に応じて相談してみてください。