別名「オオバウメモドキ」。
ウメモドキは、落葉後の赤い果実と枝のみの姿が大変魅力的な低木であり、果実を狙って野鳥がやってくることもしばしば。
3月ごろからの新緑も美しく、庭木や盆栽に人気があり、本州や四国、九州などで自生しています。
こちらでは、ウメモドキの育て方や特徴についてご紹介します。
基本データ
- 分類
- 庭木-低木・下草
- 学名
- Ilex serrata
- 科・属名
- モチノキ科・モチノキ属
- 別名
- オオバウメモドキ
- 草丈・樹高
- 2〜3m
- 栽培可能地域
- 北海道以南
- 花色
- 紫〜白
- 開花期
- 5月〜6月
- 結実期
- 9月〜1月
- 耐暑性 / 耐寒性
- 強い/強い
赤い果実が美しい樹木のウメモドキ
●ウメモドキとは
ウメモドキは数多くの種類があるモチノキの一種であり、冬の時期に赤い果実と枝のみの情緒溢れる姿が魅力的なことから、需要が高まっている庭木です。
中国や日本に分布しており、日本では本州、四国、九州などの山中や湿地で自生しています。
ちなみに、「ウメモドキ」という名前は、葉の形や枝が梅に似ていることが由来とされています。
●ウメモドキの開花と果実
ウメモドキの開花は5月〜6月ごろです。
葉の付け根に淡紫色の花が咲き、花はとても小さいのであまり鑑賞価値はないでしょう。
雌雄異株のウメモドキは、雌株には雌しべのある雌花が咲き、雄株には雄しべのある雄花が咲きます。
雄株には果実がならないので、果実を楽しめるのは雌株だけ。
果実は9月ごろからなり、美しい赤い果実を鑑賞できるでしょう。
●ウメモドキの花言葉
ウメモドキの花言葉には「知恵」「明朗」「深い愛情」があります。
実は、ウメモドキの果実には発芽抑制物質が含まれており、野鳥に食べられた後に糞として排出されることで、ようやく発芽する準備が整います。
このようなタネの性質から「知恵」といった花言葉が生まれたのでしょう。
また、赤い果実からは愛をイメージさせるなどから「深い愛情」の花言葉がつけられたのだそう。
●ウメモドキの種類
黄色い果実がなる種類は「キミノウメモドキ」、白い果実がなる「シロウメモドキ」などがあります。
また、ウメモドキよりも果実が大きい「大納言」といった種類もあり、雌株だけでも実付きがよく、落葉後の姿は存在感を放つでしょう。
ほかに「フウリンウメモドキ」「イヌウメモドキ」「源平ウメモドキ」などの種類があります。
●ウメモドキの果実がつかないのはなぜ?
ウメモドキは暑さ寒さに強く生育旺盛なため、育て方は比較的簡単です。
しかし、育てている人の中には「果実がつかない」といったケースも見られます。
その主な原因は”強剪定”か”雄株を植えてしまっている”、または”雌・雄どちらかの株が近くにない”など。
通常、ウメモドキの剪定は落葉期に行いますが、この時に切り詰めすぎると果実がつかない、または実付きが悪くなるなどの悪影響を及ぼしてしまいます。
そのため、強剪定はなるべく行わず、不要枝などを剪定するのみにとどめることがポイントです。
また、雄株には果実がならないので、果実を楽しむなら雌株を植え替えることが必要になります。
また、雌株であっても近くに雄株がない場合は果実がつかないこともあるので、この場合は雄株を近くに植えて対処してください。
盆栽に人気のウメモドキ、楽しみ方や魅力を紹介
●四季折々の変化が楽しめるウメモドキ
ウメモドキは3月に新緑、9月からは赤い果実と緑の葉のコントラストが楽しめます。
秋を過ぎると次第に落葉していき、冬は果実のみが枝に残ってユニークな姿を鑑賞できるでしょう。
落葉期にも果実を付けている樹木は珍しいので、四季折々の変化を楽しみたい人にぴったりの庭木となるはずです。
●野鳥を庭に呼び込める
ウメモドキの赤い果実は野鳥の食料になるので、結実すると野鳥が庭にやってくるかもしれません。
特に冬の季節は野鳥のエサが少なくなることもあり、庭に遊びにくる可能性もアップします。
定期的に野鳥が遊びに来るようになったら、エサ台や巣箱などを設置して観察するのもおすすめですよ。
●生垣や盆栽におすすめ
低木のウメモドキは管理がしやすいため、生垣に利用することも可能です。
また、ウメモドキは落葉後の姿が魅力的なので、盆栽でも大人気。
自然樹形が美しく、赤い果実がなった時は趣のある姿で魅了してくれるでしょう。
盆栽には雌株だけでも結実しやすい「大納言」の種類がおすすめ。
一般的なウメモドキの場合は、交配用の雄株を用意しておくと、人工授粉で確実に結実します。
●ウメモドキの果実は食べられる?
ウメモドキの果実には毒はないので、食べることもできます。
とはいえ、ウメモドキの果実の大部分は種でできていることから、果肉は少なく食用には向きません。
ウメモドキの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
植え付け・植え替え時期は、2月〜3月と10月〜11月が適期です。
地植えする場合は、土に腐葉土や堆肥などを混ぜ込んでください。
鉢植えにするなら、赤玉土6〜7:腐葉土3〜4の割合で基本用土を作るか、市販の培養土を使用するといいでしょう。
植え替えは鉢植えで育てている場合に必要になります。根詰まりを防ぐために、少なくとも2年に1回は一回り大きい鉢に植え替えるのがおすすめです。
肥料
肥料は2月〜3月の間に肥料を与えます。
肥料は緩効性化成肥料を与えるか、油かすと腐葉土、堆肥を一緒に与えるのがおすすめです。他の時期は基本的に肥料を与えなくて問題ありません。
剪定
剪定は12月〜3月の落葉期に行います。
ウメモドキは自然樹形が美しいため、基本的には徒長枝や不要枝などを剪定するだけでOK。
また、よほど樹形が乱れていない限り、強剪定は必要ないでしょう。枝先をカットする程度に抑えれば、春の果実にも期待できます。
病害虫
ウメモドキはあまり病害虫の被害が見られない丈夫な樹木です。
ただし、いつの間にか大量発生してしまったカイガラムシによって、すす病になるケースもあります。
カイガラムシは薬剤が効きにくいことから、見つけ次第ブラシなどを使ってこそぎ落とすことが大切です。
また、予防のためにウメモドキの風通しをよくしておくと、カイガラムシが発生しにくくなるでしょう。
日当たり
地植えの場合、ウメモドキが根付いてしまえば水やりは不要です。
植え付けたばかりの頃はまだ根が張っていない状態なので、土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。
根付いた後も、夏の時期は水が乾きやすいので水やりを行います。
鉢植え栽培では、水切れによりウメモドキが枯れるリスクも。こちらも土の表面が乾いたタイミングで水を与えますが、夏の時期は朝か夕方の涼しい時間帯に1日1回は水やりをするように気をつけてください。
冬場は水やりを控えめにし、土の表面が乾いて2〜3日ほど経過してから与えるといいでしょう。
水やり
地植えの場合、ウメモドキが根付いてしまえば水やりは不要です。
植え付けたばかりの頃はまだ根が張っていない状態なので、土の表面が乾いたタイミングで水やりをしましょう。
根付いた後も、夏の時期は水が乾きやすいので水やりを行います。
鉢植え栽培では、水切れによりウメモドキが枯れるリスクも。こちらも土の表面が乾いたタイミングで水を与えますが、夏の時期は朝か夕方の涼しい時間帯に1日1回は水やりをするように気をつけてください。
冬場は水やりを控えめにし、土の表面が乾いて2〜3日ほど経過してから与えるといいでしょう。