春にカラフルな花を咲かせるラミウムは、葉の色や形もさまざまで、種類も多く1年中色を楽しめる草花。
カラーリーフとして寄せ植えや、グランドカバーにも向いているほか、初心者でも育てやすくておすすめ。
ラミウムの特徴や品種、育て方などを紹介します。
基本データ
- 分類
- 草花
- 学名
- Lamium
- 科・属名
- シソ科・オドリコソウ(ラミウム)属
- 別名
- オドリコソウ、スポッテッド デッド ネトル
庭の花壇のグランドカバーや、植木鉢でカラーリーフとして寄せ植えに向いたラミウム
ラミウムとは?
ラミウムは、日本全国に自生している「ホトケノザ」の仲間です。
花や葉と姿、形が非常に似ていますが、葉に斑入りや色が入るため、カラーリーフとして楽しむ園芸品種。
生育旺盛で、茎もよく伸びるので、庭のグランドカバーにもなり、華やかな庭づくりができます。
葉だけでなく、花も楽しめる草花
葉が緑や黄緑、黄色とあり、白やシルバーの斑が入るため、鑑賞価値がとても高く、1年中色を楽しめます。
また、葉だけではなく、春から初夏にかけて咲く、小さな花も、ピンクや白、紫色とさまざまな色があるので、とても可愛らしい姿が鑑賞できますよ。
寒さに強いカラーリーフで、グランドカバーにも
ラミウムは耐寒性が強く、日本の冬でも難なく越すことができるので、カラーリーフとして寄せ植えや、花壇のグランドカバーと、それぞれの場面で、とても貴重な植物になります。
ただし、土も凍ってしまうような場所では、霜に当たって枯れてしまうこともあるので、庭に植えるときは、バークチップなどを敷いて、冬越し対策をすると良いですよ。
育て方は簡単で、初心者にもおすすめ
ラミウムは、地植え、鉢植えともに植え付けた後も、管理の手間がかからず、育て方がとても簡単。
育てる環境が良ければ、肥料を多く必要とせず、適度な水やりで、元気よく生長してくれますよ。
ラミウムにはどんな種類があるの?葉や花の色や違いや、ハーブにもなる品種
ラミウムの仲間であるホトケノザは、子どものころに花の蜜を吸って遊んでいた記憶のある方も多いでしょう。
ラミウムにも毒性はなく、ハーブになる品種もあります。
ラミウムやホトケノザに似た「ムラサキケマソウ」は、全草が毒なので、絶対に口にしないよう注意してください。
ラミウム・マクラツム(Lamium maculatum)
淡いピンクの花を咲かせ、斑入りの濃い緑色の葉を持つ「ラミウム・マクラツム」は、地中海沿岸部に自生し、さまざまな園芸品種があります。
どんどん横へと広がり、開花時期には豪華な花姿を披露してくれますよ。
ラミウム・マクラツム’スターリングシルバー’(Lamium maculatum ‘Sterling silver’)
開花時期には紫色の花を咲かせる「ラミウム・マクラツム’スターリングシルバー’」は、シルバー色の斑入りの濃緑の葉を持ち、可愛さを持ちつつ、上品な花姿もあるので、ナチュラル感のあるシックな洋風の庭を演出してくれるでしょう。
ラミウム・マクラツム’オーレウム’(Lamium maculatum ‘Aureum’)
黄色の葉に、白の斑が入る「ラミウム・マクラツム’オーレウム’」は、明るくて、華やかな庭を演出しやすいです。
春には紫色の花を咲かせますが、カラーリーフとしても十分色を楽しめるので、寄せ植えにも向いた品種。
ラミウム’ホワイトナンシー’(Lamium ‘White Nancy’)
葉に白の斑が大きく入り、真っ白な花を咲かせる「ラミウム’ホワイトナンシー’」は、ハーブとしても楽しめる品種。
その白さから、清楚ある美しさを持ち、上品な庭づくりができます。
ラミウム・ガレオブドロン‘ハーマンズ・プライド’(Lamium galeobdolon ‘Harmann’s Pride‘)
黄色の花に、鋭くギザギザと尖った形で斑入りの葉が特徴の「ラミウム・ガレオブドロン‘ハーマンズ・プライド’」は、ラミウムの中でも、際立つ存在です。
発色の強い花と、個性ある葉が、明るくてユニークな庭を演出してくれるでしょう。
ラミウムの育て方と特徴の詳細情報
- 草丈・樹高
- 20〜40cm
- 栽培可能地域
- 全国栽培可
- 花色
- 白・ピンク・黄・緑・紫
- 開花期
- 5〜6月
- 結実期
- −
- 耐暑性 / 耐寒性
- 弱い/強い
ラミウムの育て方と特徴の育て方・管理方法
- 植え付け・植え替え
- 適期は3〜6月、10〜11月の初春から初夏の間と、秋で、株に大きなストレスを与えずに済みます。
暑さには弱い植物なので、夏場の猛暑日や、真冬の寒さが株にダメージが当たるような日には、植え付け・植え替えは避けましょう。
肌で快適だと感じる気温の日に作業するのが良いです。
ラミウムは、水はけが良く、通気性、保水性のある土が大好き。
粘土質な土壌や、石や砂利などが多い硬い土壌では育ちにくかったり、枯れやすかったりするので、堆肥などを混ぜ込んで、土壌改良を行いましょう。
庭などの地面に直接植え付ける場合は、土に腐葉土などの堆肥を混ぜ、排水性、通気性、保水性のある土壌にします。
また、緩効性化成肥料を元肥として混ぜておくと、追肥をする必要がなくておすすめです。
植木鉢やプランターなど鉢植えで育てる場合は、草花用の培養土で育てるのが簡単ですが、赤玉土と腐葉土を混ぜて用土をつくることもできますよ。
また、たくさん増えて、鉢がパンパンになっていたら、根詰まりが起きないよう、株分けをして5~6号サイズのポットに植え替えをすると、生長も損なわず育てられます。 - 肥料
- 生育旺盛なラミウムは、用土がしっかりと栄養バランスが取れていたら、肥料を与える必要はありません。
逆に多く与えてしまうと、増え過ぎて管理が大変になってしまうことがあるので、注意が必要です。
地植えの場合は、植え付けのときに緩効性化成肥料与えておくだけで大丈夫です
鉢植えの場合は、暖かくなる4月以降に、緩効性化成肥料を株元にパラパラとまいておくと、花つきも良くなるでしょう。
また、水やりの代わりとして、液体肥料を与えるのもおすすめ。
育て方も簡単になり、管理が楽です。 - 剪定
- 生長期の春〜夏は、株が大きく生長し、茎もどんどん伸び続けます。
鮮やかなカラーリーフが地面を覆いかぶさって、見応えのあるグランドカバーになるラミウムですが、放置して、増えすぎて困ることも。
伸び過ぎている箇所、深く混み合った箇所などを摘芯して、日頃のこまめなチェックをしましょう。
ラミウムは5〜6月の開花時期に、たくさんの小さな花を開花させます。
6月末には花は枯れ始めるので、花がらを摘み取ってきれいにします。
花がらを放置しておくと、カビや病気の発生に繋がることもあるので、咲き終わったら手で取り除きましょう。 - 病害虫
- ○病気
・斑点病:株の下部の大きな葉に、褐色の斑点が現れることがあります。
風通しの悪さや、高温多湿な状態が続くと、発生しやすく、葉が枯れてしまったり、株自体が弱ってしまうことも。
病状が見られた場合は、すぐに傷んでいる葉を摘み取ります。
空気の流れがなく、多湿な環境になりやすい場所は、気温の変化によって、カビやウイルスが発生しやすいので、場所を移動できない場合などは、水やりの頻度を減らして調節しましょう。
○害虫
・ナメクジ:雨が続くような梅雨時期などに、ナメクジによる葉の食害があります。
発見次第、捕殺しますが、置き型の防虫剤をまいて、あらかじめ対策をとるなどもおすすめ。
多湿な環境、水の与え過ぎによっても発生しやすくなるので、乾きやすい環境づくりをしましょう。 - 日当たり
- 暖かい時期を迎える4月以降、真夏と真冬を除いて、ラミウムは生長が活発になります。
土の表面が乾いて、白っぽくなっていたら、水をたっぷりと与えましょう。 - 水やり
- 暖かい時期を迎える4月以降、真夏と真冬を除いて、ラミウムは生長が活発になります。
土の表面が乾いて、白っぽくなっていたら、水をたっぷりと与えましょう。
建築・インテリア学科卒の造園士×Webコンテンツクリエイター。 東京で建築、カナダのトロントで造園、その後カナダのハリファックスの大自然で植物と戯れながら、植物・庭・ガーデニングのWebコンテンツクリエイターを開始。 現在はヤシの木を主体とするドライガーデンの造園士とWebコンテンツ・ガーデニング商品の監修者としても活動中。日本での建築とカナダでの造園の経験に加え、趣味の植物やコケの収集、植物アート作りを生かして、 みなさんに植物や庭の魅力をお届けします。