イチイ

小さな葉っぱがかわいらしい針葉樹。
刈り込みに比較的強いので、単木の庭木だけでなく生垣として利用されることもある。
赤い実は外側の部分は甘くておいしいが、内側の種の部分には毒があるので注意が必要。

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氏永 勝之
監修者 smileグループCEO
株式会社ガーデンメーカー 代表取締役
愛知農園植木苗木株式会社 専務取締役
一般社団法人ガーデンビジネス協会 代表理事
氏永 勝之

愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

基本データ

分類
庭木-常緑
学名
Taxus cuspidata Siebold et Zucc.
科・属名
イチイ科イチイ属
別名
オンコ、アララギ

古くから日本で親しまれてきた、唯一無二の木

イチイとは

イチイは、イチイ科イチイ属に属する常緑の針葉樹です。
変わった名前ですが、元々昔の高官が使った笏(しゃく)の材料として使われており、その官位になぞらえて名前がついたといわれています。
高めの山や北国など、寒い地域に自生しており、山に行くと見かけることがあります。
春ごろになると葉っぱの脇に目立たない花を咲かせ、秋になると赤い果肉のようなもの(仮種皮)に包まれた変わった形の果実をつけるのが特徴的です。
赤い仮種皮の部分は甘くておいしく、果実酒などに使われることもあるのですが、真ん中の種の部分は毒があるので、間違っても噛んだり飲み込んだりしてはいけません。
花言葉は「高尚」「哀しみ」など。

カヤなどとの見分け方

イチイには、日本の山にも自生するものでキャラボク、イヌガヤ、カヤなどよく似たものがいくつかあります。
イチイの変種であるキャラボクは、葉が水平につくイチイに対してらせん状に葉がつくことで見分けられ、イヌガヤは葉っぱが少し長く、イチイよりさらに葉っぱが平面に並ぶこと、カヤは葉っぱにツヤがあり触ると明らかに硬いことなどで見分けることが可能です。
これらは古い庭や神社など、人里でも見かけることが多く、よく観察してみるとそれぞれの違いがわかってきます。

生垣などにも利用

北国などでは、庭木だけでなく生垣として利用されることがあります。
針葉樹は刈り込みや強剪定に弱いものが多いですが、イチイは比較的強く、生垣として仕立てることができます。
ただし、成長は他の広葉樹などと比べて遅いので、きれいに仕立てるには少しテクニックが必要です。
他にも盆栽として育てられることもあります。
松のような荘厳な雰囲気を持ちながら、小さな葉っぱがかわいらしく、独特の雰囲気がある木です。

いろいろな植え方で楽しめる

シンボルツリーとして

イチイは成長が遅いですが、とても大きな木になります。
天然記念物になるような大木を育てるにはとても人間の寿命では足りませんが、大きな苗木が手に入ったらシンボルツリーとして庭の真ん中に植えてみても良いかもしれません。
見上げるような大木になったイチイはとてもかっこよく、美しい木になります。
毎年少しずつ成長するのを見守り、秋には果実を収穫して、日々の生活とも関わる家族のような木になること請け合いです。

生垣として

イチイをたくさん並べて植えて、生垣にしてみても良いです。
葉が小さくてかわいらしいイチイの生垣は、他の木では出せない雰囲気を持っています。
剪定の際に出た枝葉を使って挿し木をし、生垣をつくるのを目標にたくさん増やしてみても良いでしょう。

果実酒をつくる

イチイの実の仮種皮(赤い果肉のような部分)で果実酒をつくることができます。
作り方は他の果実酒と同じようにホワイトリカーと氷砂糖に漬けるだけ。
種や枝葉に毒があるので取り扱い注意ですが、木が大きくなれば実もたくさん取れるので、果実酒もたくさん作れます。
もちろん、仮種皮をそのまま食べても甘くておいしいです。

イチイの詳細情報

草丈・樹高
10~20m
栽培可能地域
全国
花色
淡黄色・緑
開花期
3~5月
結実期
9月
耐暑性 / 耐寒性
どちらも強い

イチイの育て方・管理方法

植え付け・植え替え
芽吹き前の2月下旬から4月ごろに行います。
強すぎる日差しに弱いので、半日陰くらいの場所に植えるのが良いです。
乾燥や過湿にも弱いので、水はけがよく、乾燥しすぎない場所を選びましょう。
また、植え替えは失敗することもあるので、大きくなってから別の場所に植え替えする場合は根回しなどの処置をしっかりしてから行うようにします。
肥料
2~3月ごろに寒肥として油かすなどを与えます。
剪定
生垣にされることもあるので、剪定には比較的強いです。
時期は基本的に3月の芽吹き前に行い、生垣や仕立てものにする場合はそれに加えて真夏や真冬を避けた6月や9月に行うようにします。

透かし剪定を意識して、枝葉の密度を下げるように剪定を行います。
幹から直接枝分かれしているような太い枝は、元に戻るのに時間がかかるのでなるべく手を出さないのがおすすめです。
また、いくら刈り込みに強くても剪定しすぎると弱ってしまうことがあるので、半分以上枝葉を失ってしまうような無理な剪定は避けましょう。
病害虫
比較的病害虫の少ない木です。
病気としては根腐病があります。
根腐病はべん毛菌類によって引き起こされるもので、5~6月ごろから木の元気がなくなってきて、それから梅雨後にかけて根っこが腐っていき、やがて枯れてしまう病気です。
隣接した木に感染するので一度発生したらきちんと対処しなくてはならず、発病株の根っこを周りの土ごと取り除き、処分することで感染を防ぎます。
また、土の排水性が悪いと発生しやすいので、イチイを植える場所の水はけは良くしておきましょう。

害虫は、カイガラムシの仲間がつく場合があります。
大発生すると木が弱ってしまうし美観も損ねるので、発生初期のうちにブラシでこそぎ落とすか薬剤で対処しましょう。
剪定により風通しを良くするのもおすすめです。
日当たり
植え付けしてからしばらくは、土が乾いたらたっぷり水をあげるようにします。
地植えの場合でも乾燥のしすぎが枯れる原因になる場合があるので、植え桝のような土の少ない場所に植えている場合や夏の乾燥が激しい場合などは、様子を見ながら水をあげるのがおすすめです。
水やり
植え付けしてからしばらくは、土が乾いたらたっぷり水をあげるようにします。
地植えの場合でも乾燥のしすぎが枯れる原因になる場合があるので、植え桝のような土の少ない場所に植えている場合や夏の乾燥が激しい場合などは、様子を見ながら水をあげるのがおすすめです。

出典(引用元)

日本樹木医会
「樹木医必携」
山と渓谷社
「山渓ハンディ図鑑5 樹に咲く花 合弁花・単子葉・裸子植物」
村越匡芳監修
「庭に植えたい樹木図鑑」
岩谷美苗著
「散歩が楽しくなる木の手帳」

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3万件

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