ツリバナは、日本全国に自生する落葉低木。
樹高は3~6mほどで、花や実が吊り下がるように付く。
5月頃に咲く花はそれほど目立たないが、9月頃から付く実は鮮やかな紅色が美しい。
紅葉も美しく、シンボルツリーとしても利用されている。
基本5データ
- 分類
- 庭木-落葉
- 学名
- Euonymus oxyphyllus
- 科・属名
- ニシキギ科 ニシキギホ属
- 草丈・樹高
- 3~6m
- 栽培可能地域
- 全国
- 花色
- 淡い緑色、紅色
- 開花期
- 5月
- 結実期
- 9月から11月にかけて
- 耐暑性 / 耐寒性
- 耐暑性:高い 耐寒性:高い
吊り下がるような花や実が特徴
日本全国に自生する落葉樹
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ツリバナは、九州から北海道に至るまで日本全国に自生している落葉低木です。その名の通り、花や実が枝から吊り下がるように付きます。
花は緑色や紅色をうっすらと帯びた小さいもので、葉脈から10cmほどの柄を伸ばします。花弁は5枚で、開花時期は5月頃です。大きさは1cmにも満たないためそれほど目立ちませんが、木から釣り下がる姿は可愛らしい雰囲気を演出します。
美しい赤色の実
ツリバナは花が終わり、9月頃になると赤い実を実らせます。
大きさは1cmほどです。
熟してくると5つに割れ、中の種子が剥き出しの状態になります。種子も含めてその赤色は非常に濃く、まるで燃えるような色をしています。
しかし見た目の美しさに反して、ツリバナの実にはアルカロイドと呼ばれる毒が含まれています。
僅かな量でも口にしてしまうと嘔吐や下痢を引き起こし、量が多いと筋肉麻痺や心臓発作に繋がる危険な毒です。小さなお子さんやペットがいるご家庭では注意しましょう。
野鳥が集まる木
ツリバナには、ヒヨドリやエナガ、ルリビタキなど様々な鳥がやってきます。ツリバナはこうした野鳥に種子を食べて貰い、野鳥が離れた場所で糞をすることで、子孫を残していきます。
実や紅葉の美しさが魅力
ツリバナをシンボルツリーとして
ツリバナは日本全国に自生する落葉樹であり、ガーデニング初心者であっても育てやすい植物です。樹高もそれほど大きくならず、シンボルツリーとしても楽しめます。枝が細く軽やかな印象があり、和風、洋風どちらのお庭にもマッチするでしょう。
本来は庭木として利用される樹木ではありませんでしたが、雑木林のような雰囲気を演出できることから注目されるようになりました。加えて病害虫に強く土を選ばないため、近年は商業施設や公共施設の植栽としてもその姿を見ることができます。
紅葉を楽しむ
ツリバナは紅葉も楽しむことができる植物です。
地域によっては黄葉になる場合もありますが、どちらも風情があります。また、葉が落ちた後でも赤色の実がのこるため、落葉樹ながら冬でもその姿を楽しめます。
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マユミとの見分け方
マユミは、ツリバナと同じニシキギ科ニシキギ属の植物で、非常に見た目が似ています。
混同されることの多い2種類ですが、見分けるには花や実を見比べるのが1番確実です。
ツリバナの花弁は5枚で、熟した実が割れる際も5つに別れますが、マユミの場合は花弁が4枚なので実も4つに割れます。
挿し木で増やすことも可能
ツリバナを剪定したあとは、切り落とした枝を利用して挿し木にチャレンジしてみましょう。
枝は10cm~15cmほどの長さが最適です。約2時間ほど水に漬け、挿し床に挿しておきます。後は日当たりと風通しの良さを両立した場所に置いておき、根が生えたのを確認したら好きな場所に植えましょう。
ツリバナの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
地植えの場合は、広さ・深さともに根鉢から2回りほど大きい穴を掘り、腐葉土や堆肥を混ぜ込んでから植え込みましょう。植え込みが完了したらたっぷりと水を与えます。
鉢植えの場合は、根鉢より2回りほど大きい鉢を用意します。植え付けの適期は秋から春までですが、ツリバナは弱い樹木ではないため、それほど気にする必要はありません。
植え替えを行う場合は、それまでの鉢より大きいものを用意します。根詰まりを起こしていたら、植え替えが必要です。日頃からチェックしておきましょう。適期は、休眠期の1月から2月にかけてです。
肥料
肥料は寒肥として、2月頃に油粕や化成肥料といった緩効性肥料を施肥します。
剪定
ツリバナの剪定は葉が落ちた冬に行いましょう。
邪魔な枝を切り除く程度に留め、自然な樹形を崩さないよう注意します。
また、あまり剪定しすぎると花芽を落としてしまうため控えた方が賢明です。
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病害虫
ツリバナは病害虫に強い植物なので、それほど神経質になる必要はありません。
しかし全く病害虫が発生しない植物は存在しないため、日頃から十分に観察しておきましょう。
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日当たり
水やりは根付いてしまえばほとんど必要ありません。自然の降雨だけでも十分育ちます。
ただし真夏の暑い日が続くような場合は、水切れを起こさないよう適度に水やりを行いましょう。
水やり
水やりは根付いてしまえばほとんど必要ありません。自然の降雨だけでも十分育ちます。
ただし真夏の暑い日が続くような場合は、水切れを起こさないよう適度に水やりを行いましょう。
熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。