アオダモの枯れる原因とは？対策や枯れた判断など徹底解説

【大前提】植物が枯れる原因の３要素とは

原因は一つではなく複合的であることが多く、「確実にこれが原因で枯れた」と言い切るのは難しいこともありますが、推測される原因としては似通ったものが多いです。

庭木が枯れる原因に多いものを3つにまとめてご紹介します。

管理方法によるもの

森の中で自然に育つ木と違って、庭に植える木は自分で管理をしなくてはいけません。

庭のスペースに合わせて剪定したり、病害虫を駆除したり、掘り上げて植え替えたりといった管理をして木を育てていきます。

その分管理方法が木の健康に与える影響は大きく、間違った方法で管理を続けるとと庭木が枯れる原因となることがあります。

植え付け時など、水管理

水をあげたりあげなかったり、水やりの方法で枯れてしまうパターンです。

鉢植えの場合だとまた別ですが、庭に地植えする場合、根付いてからは基本的に水やりをしなくていい樹種が多いです。

ただ、植え付けてから暖かい時期で数週間、新しく芽が出て旺盛に成長するまでは定期的に水をあげなければいけません。

そこを怠ることによって、植え付けてすぐに枯れてしまうことがあります。

逆に、根付いてからも頻繁に水やりをしていると、根っこが地表近くに集まって生え、夏場の乾燥で一気に枯れてしまうこともあります。

元々乾燥に弱い樹種や、地植えでも雨がほとんど当たらない場所に植えてある場合、真夏に長い間雨が降らなくて枯れることなどもあるので一概には言えませんが、水関係で枯れる場合があることを覚えておきましょう。

剪定のやり方

剪定は木が大きくなりすぎないようにしたり、樹形を整えたり、風通しを良くしたりと庭木を管理するうえで必要なことですが、そのやり方によって木が枯れてしまう場合もあります。

本来光合成する器官である枝葉を切ってしまうことは、基本的には多少なりとも木にダメージを与えることだからです。

たとえばコニファー類など、芽吹く力が弱かったり、芽吹いても再生するのが遅い木の場合、丸坊主になるような剪定をするとそのまま枯れてしまうことがあります。

また、一般的に落葉樹より常緑樹の方がたくさんの栄養を使って葉をつくるので、葉の大部分を失うような剪定は大きなダメージになり得ます。

剪定単体では問題無くても、それによって水を吸い上げる力が弱まり、幹に日が当たることによって乾燥してしまうなど、連鎖的に影響が出て枯れてしまう場合も少なくありません。

ただしこれは樹種による部分が大きく、剪定で枯らす方が難しいような木もあります。

深植え

樹木でよく問題になるのが深植えという行為。

植え付けた根元にさらに土を盛るようなイメージで、本来よりも深く植えてしまうことを言います。

これによって根っこに酸素が生き届かなくなり、根腐れしたり根っこが弱ったりしてしまいます。

公園や街路樹の大きな木でもみられ、根元の張り出している部分が無く、寸胴のような幹になっているものは深植えされていることが多いです（全てではありません）。

これも、深植えされたから高確率で枯れる、というものではなく、いくつかの原因が重なって枯れる場合の原因の一つとなるような感じです。

その他の管理方法の影響

それ以外にも、周りの土が踏み固められて根っこが伸ばせなくなったり、肥料をあげすぎたり、熱帯生まれの木だと寒さ対策が必要だったり、珍しいものでは犬のマーキングスポットになっていて枯れたりと、管理の方法が枯れる原因となる場合があります。

庭木が何度植えても枯れてしまうという場合は、原因を探ったうえで、管理方法をまず疑ってみましょう。

日照浴びすぎ・浴びなさすぎ

植える場所の日当たりが良すぎたり、逆に悪かったりすると枯れてしまうことがあります。

庭木の種類によって、とにかく日当たりの良い場所が好きなものから、鬱蒼とした木の陰で育つようなものまであり、それらの条件が合わないと弱ってしまうためです。

その木が本来好む環境より日照の強い場所だと、葉っぱが黄色っぽくなったり、葉先や縁から枯れていったりするのが目安になり、逆に日照の弱い場所だと、全然成長しなかったり、間延びしたような樹形になったりします。

後者の場合は植えた後に他の木の枝葉が伸びてきて陰になることもあるので難しいですが、庭木を地植えする際はどんな場所に植えるかが非常に重要です。

庭や公園などで同じ種類の木が元気に育っている場所を見つけたら、それを再現するイメージで考えてみると良いでしょう。

また、植替えや他の木の剪定などで急に日当たりが変わると、対応しきれず一気に枯れる場合もあるので注意が必要です。

病害虫の影響

菌による病害や、害虫の被害によって枯れる場合もあります。

ただ、意外とこれら単体で木が枯れることは少なく、美観が悪くなるだけで木の健康にさほど問題は無かったり、原因は別にあって、弱ったところを追い打ちする形で枯らしてしまったりということが多いです。

問題になりやすいのは幹や根に害を与える病気や害虫で、たとえば木が若いうちはカミキリムシの幼虫に幹を食べられて水が上げられなくなったり、木が大きくなっても根っこに害を与えるナラタケや白紋羽病などが発生するとそれ単体で枯れてしまう場合もあります。

また、近年問題になっているナラ枯れやマツ枯れ、クビアカツヤカミキリ、沖縄など亜熱帯地域では南根腐病など、単体で木を枯らすほどの害があり、なおかつ対処が難しい病虫害もあります。

原因は一つでは無いことも多い

庭木が枯れる原因を一つに特定できず、複合的な要因が重なり合って枯れてしまう場合も多いです。

木が弱ると自然淘汰されるような形で病虫害が多く発生したり、通常なら問題にならない要因が複数重なって枯れる原因になったりします。

たとえば「剪定しすぎて水を吸い上げる力が弱くなって幹焼けし、そこから菌が侵入」だったり、「日当たりが悪い+深植えにより衰弱し、根腐れした部分から病原菌が侵入」など、考えられるパターンはいくつもあります。

また、普段は害を与えず樹体内に存在するが、木が弱ると病気を発生させるという性質の菌も多いです。

単体では枯れるほどではない原因が、重なり合うと木を枯らすことがあるというのを覚えておきましょう。

アオダモの枯れる原因もほぼ３要素

アオダモの枯れる原因も大きく３つに分けられます。

いずれも管理方法を改善すれば枯れないことが多いので、原因がハッキリすれば対処も比較的容易と言って良いでしょう。

もちろん、この3つ以外の原因で枯れることもあるので、心当たりがない場合は他の原因を検討する必要があります。

夏の強い日差しやそれに伴う乾燥

強すぎる日差しと乾燥がセットになって枯れてしまうパターンです。

葉っぱをつけたまま急速に枯れるような場合はこちらが原因かもしれません。

日差しが当たって葉っぱの温度が上がると、木は蒸散（葉っぱなどから蒸気を出すこと）をたくさんして温度を下げようとします。

そのため水を大量に吸い上げようとするので、土が乾燥していると一気に枯れてしまうというわけです。

アオダモの自生地は他の木がたくさんある森の中で、落ち葉もある程度積もっているような場所です。

暑くなりやすい街中で、土がむき出しの状態でアオダモのみが植えてあるような場合、乾燥で弱ってしまうかもしれません。

植え付け直後の水やり不足

植え付けや植え替えをした後に水やりをせず、地面に根が張るまでに枯れてしまうパターンです。

植えてから数か月くらいで枯れた場合はこちらが原因かもしれません。

ほとんどの木に言えることですが、庭に直接植え付けや植え替えをしてからしばらくは、定期的に水やりをする必要があります（鉢植えの場合は根が伸びてからも水やりが必要です）。

季節や条件にもよって変わりますが、目安としては一週間から一か月くらいして、枝葉が新しく伸び始めるくらいまでです。

水やりしているつもりでも下まで水が届いていないこともあります。

かなり下まで浸透するよう大量に水をあげるようにしましょう。

また、真夏の時期に植え替えや植え付けすると、より水不足で枯れやすくなります。

その他管理方法の影響

他の管理方法によって枯れてしまうこともあります。

考えられるパターンとしては、木の元気がないときにむやみに剪定して復活できなくなったり、肥料をあげすぎて枯れてしまったりなどです。

庭木を植えるとあれこれ構いたくなる気持ちもわかりますが、木は手を加えなくても案外よく育ちます。

もちろん、生育環境などにもよるので一概にいえませんが、あまり構い過ぎないように意識しておきましょう。

知っておきたいアオダモの枯れたかどうかを見分ける方法

アオダモの様子がおかしいとき、単純に元気がないのか枯れているのか見分け方が難しいですよね。

アオダモが枯れたのかそうでないのか見分け方をご紹介します。

木が枯れる場合、他の部分は元気でも一部の枝や葉っぱだけが枯れるということも少なくありません。

枝が枯れたからといって木全体が枯死したとは限らないので、落ち着いて全体を見るようにしましょう。

単純に元気がない場合

枯れているのではなく元気がない場合は、葉っぱの様子が元気なものと違っていることが多いです。

しおれていたり、紅葉の時期でもないのに色が黄色っぽくなっていたり、徐々に落葉していったりなど、普段と違った様子になります。

まだ緑の葉っぱが残っていたり、枝先を曲げても折れずにしなったり、冬芽が残されていたりすればまだ枯れていない可能性が高いです。

疑わしいときは、葉っぱの様子に注目してみましょう。

枝葉がしおれてパリパリになる

枝や葉っぱがしおれていて、手で力を加えるとパリパリ崩れてしまう場合、枯れている可能性が高いです。

枝が生きている場合、普通多少なりとも水が通っているので曲げるとしなるようになりますが、枯れていると硬くなり、パキッと折れてしまいます。

また、葉っぱが落ちずにパリパリになっている場合、何らかの原因で水の供給がなくなり、落葉する間もなく急速に枯れた可能性が考えられます。

木全体が枯れていなくても、原因を探るようにしましょう。

復活するときは芽が出てくる

もし一部でも生きていて復活する可能性がある場合、枝や幹から芽が出てきます（あるいは残っています）。

芽をちょっと押してみてパリパリ崩れなかったら、まだ生きているかもしれません。

多くの樹木では樹体のあちこちに休眠している芽があり、葉っぱが少なくなったときにそれらを芽吹かせて補います。

ひこばえや胴吹きと呼ばれるものです。

芽はできたものの芽吹かず枯れてしまう場合もありますが、たとえ葉っぱが全部落ちても復活する場合があるということを覚えておきましょう。

アオダモを枯らさないための対策とは

アオダモを枯らさないためには、特徴をよく理解し、それに合わせた育て方を行っていく必要があります。

庭木として人気の木なので、育成の難易度はそこまで高いものではありません。

どのように育てるのが良いか、チェックしておきましょう。

アオダモの特徴を理解

アオダモ（コバノトネリコ）は、日本では北海道から九州に分布する落葉高木です。

野外だと10ｍ以上にもなる高木ですが、それより高い木もいるため、森の中層部分に生育していることも多いです。

日当たりの良い場所が好きで、極端な乾燥や過湿にはやや弱いです。

水やりの頻度

庭に地植えする場合、植え付け直後から根付くまでの間には水やりを行いますが、それ以降は基本的に考えなくて良いでしょう。

ただ、乾燥しやすい条件下で長期間雨が降らず、木が真夏に落葉したり葉っぱが先から枯れてきたりする場合は一時的に水やりを行います。

いずれの場合も、かなり下まで浸透するように大量の水やりを行うのがおすすめです。

ジョウロなどでプランターに水やりする感覚で水をあげると、逆効果なこともあるので注意しましょう。

日照の程度

日当たりの良い場所を好みます。

ただし、葉っぱが黄色くなっている場合や、地面にも日が当たり乾燥しやすくなっている場合などは、植え替えたり寒冷紗を設置したりしてやや遮光するのもアリです。

一日中日陰の場所に植えるとうまく育たないことが多いので、基本的には日なたに植えます。

病害虫がつかないようにするためには

病気や害虫を完全に防ぐことはほとんど不可能です。

木を元気に保ったり、混みあった枝を剪定して風通しを良くしたりと、かかりづらくすることを意識しましょう。

また、病気や害虫が発生したら、斑点や害虫のついている部分を切除して、早めに対処を行います。

被害が広がってからでは対処しきれない場合もあるので、広がる前に対処するのが重要です。

まとめ

植物を育てていると、どうしても枯らしてしまうことはあります。

大事なのはそこから枯れた原因を推測して、次に育てるときに枯れないよう努められるということです。

一度枯らしたからといってあきらめずに、ぜひまた育てるのにチャレンジしてみてください。