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ツバキ(椿)の写真
2022.05.26

ツバキ(椿)の育て方や特徴

冬の花木といえばツバキ(椿)を思い浮かべる人も多いだろう。
12月~4月に赤や白の色鮮やかな花を咲かせるツバキは「冬のバラ」と称されることも。
花だけでなく、肉厚でツヤのある濃緑色の葉も美しい。古くから品種改良が盛んで、500以上の品種がある。
 
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基本データ

  • 分類庭木-常緑
  • 学名Camellia japonica
  • 科・属名ツバキ科ツバキ属
  • 別名カメリア、ヤブツバキ(藪椿)、タイトウカ(耐冬花)

豪華な花で冬の庭を彩ってくれる

ツバキとは

 
ツバキは、ツバキ科ツバキ属の常緑高木で、冬の花木の代表種です。
12月から4月くらいまでの間、ピンクや赤、白色の豪華な花を次々に咲かせます。
原産地は日本で、江戸時代にはすでに庭園に植えて鑑賞されていたり、茶花に使われたり、新たな品種が作出されたりと、昔から親しまれていた樹木です。
 

17世紀にアジアからヨーロッパに持ち込まれ、海外でも盛んに品種改良されてきました。
英名では、学名をそのまま使って「カメリア」と呼ばれています。
 

19世紀のヨーロッパの社交界では、ツバキを胸元に飾るのが女性の間で大流行。
フランスの小説家であるアレクサンドル・デュマ・フィス作の『椿姫』の中でも、ヒロインを象徴するモチーフとしてツバキが描かれています。
このことからも、当時の西欧での人気の高さがうかがえます。
 

ツバキの花言葉は、花の色によって異なります。
赤いツバキの花言葉は「ひかえめな美徳」、 白いツバキの花言葉は「最高の愛らしさ」、ピンクのツバキの花言葉は「ひかえめな美」などです。
花に香りがないことから「ひかえめな~」という花言葉をあてられたと考えられています。
 
 

ユニークな葉の姿が名前の由来

 
ユニークなツバキの葉
ツバキの名前の由来には諸説ありますが、光沢のある肉厚な葉が関係しているとする説が有力です。
 

葉にツヤがあることから「艶葉木(つやばき)」、葉に厚みがあるから「厚葉(あつき)」、葉が常緑だから「寿葉木(すはき)」などと呼ばれていたことがあり、それらが転じてツバキになったと言われています。
 

種から採れる椿油は化粧品にも使われる

 
ツバキの種
花が咲いた後にはツヤのある丸い実ができます。
実は秋になると熟し、3つに裂けて種子が露出します。
この実や種は、鑑賞して楽しむことができるうえ、種子からは椿油を採ることができます。
 

椿油は、ヘアトリートメントやシャンプーなどの化粧品や食用油に用いられています。
伊豆大島の特産品でもあります。
 
 

ツバキとサザンカの違い・見分け方

 

山茶花の写真

【サザンカ】


サザンカは、ツバキと同時期に咲き、花や葉の見た目も似ているために混同されやすい樹木です。
 

ツバキとサザンカの大きな違いは、花の落ち方です。
サザンカが花弁を1枚ずつパラパラと落とすのに対し、ツバキの花は、花柄の付け根から花弁も雄しべも一緒にポトリと落ちます。
ツバキの花は離弁花ですが、まるで合弁花のような落ち方をします。
 

そのほかの細かな違いとしては、ツバキの花弁や雄しべはギュッと中央に向かってまとまっていますが、サザンカの雄しべはバラけています。
ツバキの花のほうがひかえめな印象があります。
 

また、サザンカはツバキよりも1~2カ月ほど早く、10月ごろから咲き始めます。
 

どちらもツバキ科ツバキ属の植物で、2種の性質はよく似ています。
別種ではありますが、栽培方法や適している環境はほぼ同じと考えてよいでしょう。
 

ツバキの仲間にはツバキ科ナツツバキ属のナツツバキ(シャラノキ)などもありますが、こちらは落葉樹であり、花が咲くのは夏です。
葉の様子などもさほど似ていません。

シンボルツリーはもちろん生垣にも

生け垣や目隠しとして活用

 
1年中緑を絶やさないうえに葉枝が密集しているツバキやサザンカは、生け垣としても人気があります。
目隠しや隣家、道路との仕切りには最適でしょう。
 

刈り込みには耐えますが、剪定しすぎると花の数が少なくなります。
毎年しっかり剪定して好みの形を維持したい場合は、満開の花は期待できません。
 
 

500以上の品種がある

 
花びらがマーブル模様のツバキ
野生種のヤブツバキをもととして、世界各地で盛んに品種改良されてきました。
世界には500を超える品種があると言われています。
 

花色も豊富で、単色のものだけでなく、マーブル模様が美しい品種や2色咲きの品種も。
海外で品種改良された洋種ツバキも、ゴージャスな雰囲気で人気が高まっています。
 

複数の品種を集めて育ててみるのも楽しいでしょう。
 
 

毒のある毛虫が付きやすい

 
チャドクガの毛虫
ツバキやサザンカには5月~9月ごろにチャドクガの毛虫が発生しやすく、葉を食害されることがあります。
チャドクガの毛には毒があり、毛が皮膚に触れると湿疹やかゆみ、痛みを引き起こします。
 

毛虫に直接触れなくても、チャドクガが付いたツバキの側を通っただけでも症状が出ることがあります。
毛が風にのって飛んでくるので、毛虫の付いているツバキやサザンカを見かけたら近寄らないようにしましょう。
チャドクガの発生は、剪定や消毒で予防できます。
 
 

お見舞いに贈るときは注意

 
雪をかぶるツバキ
切り花としても楽しめるツバキですが、お見舞いや退院祝いに贈るときは気を付けましょう。
花がポトリと落ちる様子が首が落ちることを連想させ、縁起が悪いと捉える人もいるからです。

育て方・管理方法

≪ 詳細情報 ≫

 
草丈・樹高
2m~10m

 
栽培可能地域
東北以南

 
花色
ピンク・赤・白

 
開花期
12月~4月

 
結実期
9月~10月

 
耐暑性/耐寒性
耐暑性も耐寒性も普通にあり、原産地である日本の気候に適しています。
ただし、冬の冷たい風や乾燥には弱いため、北風があまり当たらない場所を選びましょう。

 

≪ 育て方 ≫

 
植え付け・植え替え
植え付けや植え替えは、3月~4月または9月~10月に実施しましょう。
有機質が多く、水はけのよい土を好みます。弱酸性の土が適していて、アルカリ寄りの土だと生育が悪くなることがあります。

 
肥料
寒肥として、2月に油かすや骨粉などの有機質肥料を与えてください。

 
剪定
花をたくさん咲かせるにはできるだけ放任するのが良いです。
剪定するなら花が終わった3月~4月ごろに行いましょう。
花が終わった直後に剪定したとしても、強剪定すると翌年の花が減ります。
花を楽しみたいなら、日常の剪定は不要な枝を落としたり、混み合っている部分の枝をすかす程度にしましょう。

 
病害虫
チャドクガの毛虫やカイガラムシが付きやすいので、定期的な消毒や剪定で予防します。
特にチャドクガの毛虫には毒があり、皮膚に触れるとかゆみや湿疹を引き起こすため気を付けます。
 
病気は、カイガラムシの排泄物が誘発するスス病や、葉の一部が餅のように病変するもち病にかかりやすいです。
スス病は、風通しを良くしてカイガラムシの発生を予防し、もし発生してしまったら初期のうちにすみやかに駆除します。
もち病は、降雨が多く日照時間が少ない気候のときに発生しやすいです。
湿気がこもりがちな場所に植栽しているときは特に気を付けてください。

 
日当たり
日なたから日陰まで適応しますが、半日陰がベストです。
西日が強く当たると葉の色が悪くなることがあります。

 
水やり
植え付けから1~2年ほど経過してしっかり根付いた地植えのツバキには、特に水をやる必要ありません。
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷりと水をやってください。

 

出典(引用元)

平野隆久『よくわかる樹木大図鑑』永岡書店
椎葉林弘『よくわかる庭木大図鑑』永岡書店
小幡和夫ほか『樹木博士入門』全国農村教育協会
草間祐輔『症状と原因が写真でわかる 庭木・花木・果樹の病害虫ハンドブック』家の光協会
草間祐輔『最新版植物の病気と害虫防ぎ方・なおし方』主婦の友社 
濱田豊『花言葉・花贈り』池田書店

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