地面を這うように育つグランドカバープランツは、庭の雰囲気を変えたり、雑草対策したりするのに役立ちます。グランドカバープランツは様々な種類がありますが、中でも踏みつけに強いものをご紹介します。

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目次

グランドカバープランツとは?

植えられたグランドカバープランツ

 グランドカバープランツとは、庭に植える植物のうち地面を這うように育つものの総称です。
名前の通り、地面を覆う(カバー)ように育っていきます。

 広範囲に広がっていく育ち方をするので、鉢植えで育てるよりは、庭に地植えして広げていくように使うことが多いです。

どんな場面で使う?

 グランドカバープランツを植えるのには、いくつかの目的があります。
まず一つは景観をつくるというもので、庭一面に広がるので、庭全体の雰囲気や景観づくりに役立ちます。
もう一つは雑草対策で、地面をまんべんなく覆うことで、明るい場所が好きな雑草たちの生えられるスペースが無くなり、草取りの手間が減るというものです。

 他にも、グランドカバープランツに期待される効果はあるかと思いますが、代表的なものはこの2つでしょう。
種類によっては、グランドカバープランツとしての機能を持ちつつ、花や色づいた葉を楽しめたり、ハーブとして使ったりなど、それぞれ用途や魅力があるものもあります。
土がむき出しだったり雑草が生えていたりするよりは、何か他の植物が生えていた方が見た目上も手入れの手間も良いでしょう。

踏みつけに強いグランドカバー6選!メリットとデメリットもご紹介

芝生を歩く人の足元

 グランドカバープランツには様々な種類があり、それぞれの特徴も様々ですが、中でも人による踏みつけに強いものがいくつかあります。
多くのグランドカバープランツは何度も踏みつけると枯れてしまうため、人が頻繁に通る道に植えるのには向きません。

 そのため、庭に飛び石を設置して人はそこを通り、グランドカバープランツはその隙間を植えるように生えるといった育て方をすることも多いのですが、以下にご紹介するグランドカバープランツは踏みつけに比較的強いので、人の通り道にも植えることができます。

 もちろん、どんな植物も基本的に踏まれるのはイヤなので、踏まれる場所とそうでない場所では葉の形や育ち方などに差が出ますが、よほど大勢で何度も踏み続けない限りは生き残るものばかりです。
それぞれの種類と、植えた際のメリットやデメリットについてもご紹介します。

サギゴケ(ムラサキサギゴケ)

ムラサキサギゴケ

 サギゴケは、ムラサキサギゴケとも呼ばれ、鳥のサギのようなかわいらしい花を咲かせるのが特徴のグランドカバープランツです。
販売されていますが、田んぼの畔などに自生していることもあります。
よく似たトキワハゼは花が小さく茎がふつう立ち上がりますが、サギゴケは茎が地面を這い、地面を覆うように育つのが特徴です。

 かわいらしい花を咲かせるので、よく親しまれています。
紫色の花を咲かせますが、白花品種も販売されています。

サギゴケ(ムラサキサギゴケ)のメリット

 サギゴケは日本の道ばたに自生する植物なので、育てるのが難しくないのは大きなメリットと言えるでしょう。
日なたが好きですが、多少日陰でも育って花を咲かせます。

 また、花がとてもかわいらしく、たくさんの花が咲く様子はいつまでも見ていることができます。

サギゴケ(ムラサキサギゴケ)のデメリット

 サギゴケは、本来雑草として扱われる場合もある植物なので、花が無い時期は雑草感がやや強いです。
背が低く、密に育つわけではないので隙間から雑草が生えてくることもあります。

 また、よく生えるのは田んぼの畔などで、あまりに乾燥する場所ではうまく育ちません。
土が踏み固められ、常に黄土色に乾燥しているような場所では根付きづらいので注意しておきましょう。

クリーピングタイム

クリーピングタイム

 クリーピングタイムは、ハーブとしても使われるタイムの仲間です。
小さな葉を密に広げ、地面を覆うように育つ特徴があります。
葉っぱからはほのかに良い香りがし、ハーブとしての利用もできます。

 花は丸くまとまっていてかわいらしいです。
踏みつけには比較的強く、多少踏みつけるくらいだったら十分生き残ります。

クリーピングタイムのメリット

 クリーピングタイムの魅力は、何よりもハーブとしての利用ができることでしょう。
料理に使うのはもちろんのこと、葉っぱから良い匂いがするので、庭を歩いた際にほのかに良い香りがするのも魅力です。

 また、茎葉を密に広げるため、雑草対策としての効果も高めです。
花もかわいいので、観賞用としても実用としても良いグランドカバープランツといえるでしょう。

クリーピングタイムのデメリット

 クリーピングタイムを植えるうえでのデメリットはあまりありませんが、強いていうなら、庭を歩くたびに香りがするので、その香りが苦手な場合はあまり良くないかもしれません。

 また、乾燥気味の場所を好み、湿気に弱いので、常にジメジメしたような庭や、雨のあとに長時間水たまりができるような庭ではうまく育たない場合があります。

シバ

 シバは、日本で広く植えられる芝生に使われる代表的な種類です。
「ノシバ」などと呼ばれることもあります。
自生しているものもあり、日本の気候に合っているためよく植えられます。

 一面に密に生える細長い葉っぱが特徴で、きちんと管理された芝生は非常に美しいです。
踏みつけにも比較的強く、公園など人がよくやってくる場所にもよく植えられています。
花はあまり目立たず、小さな棒状の穂を出します。

シバのメリット

 シバは、きちんと管理すると一面に広がるグリーンが非常に美しいです。
庭によってはかわいらしい花を咲かせる植物だと雰囲気に合わない場合もありますが、あまり主張のないシバの姿はどんな庭にも合うといえるでしょう。

 また、踏みつけには特に強いので、頻繁に踏まれる場所にも植えることができます。
全国的によく育てられていることもあり、植え方や手入れの方法などのノウハウが蓄積されていて、苗が比較的手に入りやすいことも魅力的です。
また、後に紹介するコウライシバより耐寒性が強いです。

シバのデメリット

 あちこちの公園などで見られるということもあり、没個性的といえるかもしれません。
花も地味なので、華やかとはいえない姿です。

 また、頻繁に芝刈りをしなければならず、手入れが甘いとところどころ剥げたようになったり、間から雑草が生えたり、庭の縁の部分だけやたら繁茂したりします。
冬になると葉が枯れてしまうので、少し寂しいのも悩ましいところです。
手入れのノウハウは調べられるので、こまめな手入れができるかどうかがポイントになるかもしれません。

コウライシバ

 コウライシバは、シバと並んでよく芝生として用いられる種類です。
シバよりも葉が細く、きめ細やかな芝生をつくります。
日本に自生もあり、コウシュンシバという和名が充てられていて、南の方でみられます。

 シバに比べて耐寒性が弱いです。
花の姿はシバとほとんど変わらず、細い棒状の穂を出します。

コウライシバのメリット

 シバと同様に、きちんと管理すれば一面にグリーンが広がり、とても美しいです。
シバよりも葉っぱが細く、きめ細やかな綺麗な印象の芝生になります。
花が目立たないため、どんな庭にも合うというのもシバと同様です。

 また、成長がやや遅いため、シバよりも手入れの頻度が少なめで済みます。

コウライシバのデメリット

 シバよりも手入れの頻度がやや少ないとはいえ、芝刈りなどの手入れはきちんと行わなければいけません。
手入れを怠ると、ところどころが剥げたり、雑草が生えたりします。

 また、花が地味であまり華やかではないというのもシバと同様です。
耐寒性がシバよりも弱いので、寒い地域には植えられないことがあります。

ヒメイワダレソウ(リッピア)

ヒメイワダレソウ

 ヒメイワダレソウは、薄ピンクに黄色いアクセントがかわいらしい花を咲かせるグランドカバープランツで、庭などによく植えられています。
踏みつけに強いので、芝生のような形で人がよく踏むスペースに植えられていることが多いです。

 その強さのためかしばしば野生化もしていて、野外でも道ばたや草地などで広がっているのを見かけます。
よく似たイワダレソウは日本に自生する種類で、海岸などによく生え、ヒメイワダレソウより花数が少なく、花の集まり(花序)がやや高く伸びるのが特徴です。

ヒメイワダレソウ(リッピア)のメリット

 かなり強い踏みつけ耐性と共に、見た目のかわいらしい花を咲かせる点が魅力的です。
花は遠目に見るとタイムにも少し似ていますが、ヒメイワダレソウは薄ピンク色の花を咲かせ、中心部に黄色い点が入り、他の花とはちょっと違ったかわいらしさがあります。
花の色が濃いものなど、園芸品種もあります。

 特に人が踏む場所では花数が少なくなりますが、そうした場所では葉っぱを小さくして耐えており、なかなか枯れることがありません。
成長も早いので、手っ取り早く庭のスペースを埋めることができます。
茎葉を密に広げるので、雑草対策としての効果も高めです。

ヒメイワダレソウ(リッピア)のデメリット

 繁殖力が強いので、しばしば庭の外に野生化します。
庭の外に広がると手が付けられなくなるので、敷地から出ていないかよく目を光らせていなければいけません。
庭の外に限らず、庭の中でもあらぬところに広がるのを防ぐために、暖かい時期はよく手入れをする必要があります。

 また、周辺でよく野生化している場合、それを庭で育てていると、雑草が庭でも繁茂していると勘違いされるかもしれません。

シロツメクサ(クローバー)

シロツメクサ

 シロツメクサは、クローバーの名前で親しみがあるグランドカバープランツです。
古くから野生化したものが全国で増えており、公園の芝生はもちろん、道ばたの草地や河川敷などにもよく見られる身近な雑草です。

 生えているのは草丈の低い場所で、そうした場所は人がよく踏む場所でもあるので、踏みつけにはかなり強いです。
花が赤紫色で、よく似たアカツメクサ(ムラサキツメクサ)も草地などで見られますが、シロツメクサよりは草丈の高い場所でよくみられます。

シロツメクサ(クローバー)のメリット

 シロツメクサは明るい草地でよく増えるので、環境ができれば容易に増やすことができます。
採取して問題の無い場所か確認する必要はありますが、河川敷などで採取したものを植えることもできるため、タダで入手できる場合もあります。
また、あまりに身近すぎて意識されづらいですが、花もかわいらしいです。
葉や花の赤いものや、四葉のできやすいものなど、園芸品種が豊富にあるのも魅力です。

 また、踏まれる場所には四つ葉が比較的できやすいので、よく踏まれる場所に植えることで四つ葉のクローバー探しができるかもしれません。
それ以外にも、花の冠づくりなど、お子様と一緒に遊ぶこともできます。

シロツメクサ(クローバー)のデメリット

 日本の風景に馴染みすぎたためか、一面に生えているとまるで雑草を育てているかのような気分になることがあります。
あちこちに生えているため、シバと同様に没個性的ともいえるかもしれません。

 また、パッチ状に自分の茎葉を広げることはしますが、一面にシロツメクサだけが生えているという状態をつくるには、他の雑草を抜きながら育てるなど、少し手間がかかる場合があります。

踏みつけに強いグランドカバーに共通する特徴

置かれた虫眼鏡

 踏みつけに強いグランドカバープランツにはいくつかの種類がありますが、多くの場合よく踏まれる場所では小さく変化させた葉っぱを出すなど、姿を変えて耐えられるものが多いです。
踏みつけに弱いグランドカバープランツの多くは、踏まれるとその場所の茎葉がそのまま再生せず枯れたり、ちぎれるだけで終わったりします。

グランドカバーの育て方

庭に置かれたガーデニング用品

 踏みつけに強いグランドカバープランツを育てるには、まずはグランドカバープランツが根付いて育つ環境をつくらなければいけません。
まずは土を耕してたい肥を混ぜるなどして土をつくり、そのあと苗を植えます。
定期的に水やりをして根付いたら、周りの雑草を抜きつつ真夏の乾燥時に水やりをするなどして育てます。

 踏みつけに耐える(再生する)ためには、まずはグランドカバープランツが健康でなければいけません。

踏みつけに耐えるようにするには

 グランドカバープランツが踏みつけに耐えるようにするには、まずは踏まれる(今後踏まれるであろう)場所にあらかじめグランドカバープランツの茎葉を茂らせる必要があります。
よく踏まれる場所は、踏みつけの衝撃があるだけでなく土が踏み固められるので、いかに踏みつけに強いグランドカバープランツといえど、そうした場所に自分の地下茎や根を伸ばして進出していくのはなかなか難しいです。
茎葉が伸びていくことはあるかと思いますが、そこからさらに成長していくのには時間がかかります。

 そのため、一度グランドカバープランツを茂らせ、一通り地下茎や茎を広げさせてから、人が踏みつけるというプロセスを踏むのがおすすめです。
グランドカバープランツが茂るまでは他の道をつかったり、同じ場所を何度も踏まないようにしたり、すでにグランドカバープランツが生い茂っている場所を踏むようにしたりと、工夫をする必要があります。
すでに広がっているグランドカバープランツがあるなら、そこの土ごと苗を移植してしまうのも手です。

手が付けられない!野生化に注意

頭を抱える女性

 グランドカバーを育てる上で気をつけなければ行けないのが野生化です。
繁殖力の強いものが多いグランドカバーには、野生化すると手を付けられなくなってしまうものが多いです。
野生化してしまう原因には、「茎が外まで伸びる」「種や茎の欠片が足について運ばれてしまう」などのものがあります。

 グランドカバーには種をつけない種類も多いですが、伸びた茎から根が出て新しい株になったり、ちぎれた茎や葉の欠片が靴や手入れの器具などにくっついて遠くへ運ばれ、野生化してしまう場合もあります。

 野生化すると近所迷惑になる可能性があるだけではなく、付近の生態系や景観に悪影響を与えたりして、結果的にその種類の販売が規制されたりすることに繋がるので十分気をつけましょう。

広がっていくグランドカバーの抑え方

 グランドカバーは、放っておくと際限なく成長して庭の内外にどんどん広がっていってしまいます。
野生化を防ぐためだけではなく、庭のレイアウト的にもしっかり制御した方が良いでしょう。

 こまめに手入れできるならそれが一番良いですが、それができない場合、グランドカバーが登れない高さの壁や段差を設置したり、日陰になるように他の植物を植えたりするのがおすすめです。
低木や背の高い草程度でも、境界線に並べて植えるだけである程度抑えられる場合もあります。

 どの方法でどの程度抑えられるかは、グランドカバーの種類や庭の環境によって変わるので、色々試してみましょう。

まとめ

植木鉢の植物と庭道具

 グランドカバープランツには様々な種類がありますが、踏みつけに強い性質を持つ種類もいくつかあります。
それぞれ、メリットやデメリットがあり、特徴や魅力も様々です。
自分の好みや理想の庭に近いものを選んでみましょう。

 また、苗の植え付け方や育て方、選び方などに自信が無い、作業を行う時間が無いなどの場合、smileガーデンなどのプロに依頼することを検討してみるのもおすすめです。

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瀬尾 一樹
監修者 樹木医 瀬尾 一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。

執筆者 瀬尾一樹

樹木医です。木も草も大好きで、将来は自分だけの森を持ちたいと思っています。木の美しさや育てる楽しさだけでなく、生きものとしての生態的な面白さも伝えていきたいです!好きな木はケヤキです。