別名「アラビアンジャスミン」「ピカケ」と呼ばれる半つる性の熱帯植物です。香りの強い純白の花は“香りの王様”とも言われます。花はジャスミン茶や精油、香水などに広く利用され、楽しみ方もさまざま。寒さに弱いので、鉢植えで育てるのが基本です。
基本5データ
- 分類
- 庭木-低木・下草
- 学名
- Jasminum sambac
- 科・属名
- モクセイ科・ソケイ属
- 別名
- アラビアンジャスミン、ピカケ
- 草丈・樹高
- 1.5〜3m
- 栽培可能地域
- 関東以南
- 花色
- 白色
- 開花期
- 7月〜9月
- 結実期
- -
- 耐暑性 / 耐寒性
- 強い/弱い
香りの王様と言われる「マツリカ(茉莉花)」
マツリカ(茉莉花)とは
マツリカの原産地はアラビアから東南アジアで、別名「アラビアンジャスミン」「ピカケ」などと呼ばれる半つる性の熱帯植物です。
花は一日花で、日没から夜にかけて強い香りを放ち、古くから“香りの王様”として親しまれてきました。
マツリカはジャスミンティーに用いられる花としても有名で、ハワイではレイに使われており、精油や香水などさまざまな活用方法があります。
マツリカの特徴
マツリカの花は7月〜9月が開花期です。夕方から朝方にかけて花が咲く1日花。純白の花色が特徴で、八重咲きの品種も流通しています。葉は約4cmと小さめで、先の尖った卵形で対生します。
樹形は半つる性のため誘引して育てられますが、低木状に育てることも可能です。樹高は1.5mから、大きいもので3mほどに成長します。
耐暑性が強く、寒さには弱い傾向があるので、沖縄以外の地域では鉢植えで育て、冬は室内に取り込むのがおすすめ。また基本的には常緑性ですが、寒さで葉が落葉することもあります。
マツリカの種類
モクセイ科ソケイ属に分類されているマツリカですが、ソケイ属には約300もの種類が存在します。ポピュラーな品種は、ハゴロモジャスミンやジャスミンホワイト・プリンセスなど。
ハゴロモジャスミンは4月〜5月が開花期で、花は白く、蕾は赤いのが特徴。見た目がとてもかわいいことから、人気の園芸品種です。
ジャスミンホワイト・プリンセスは、純白の花が5月〜10月ごろまで楽しめます。ハゴロモジャスミンと同じよく似ており、軽やかな枝ぶりが特徴です。
マツリカと見比べてみると、樹形や葉の形などに大きな違いがあることがわかりますね。
花言葉は「愛らしさ」「愛想の良い」
マツリカの花言葉は「愛らしさ」「愛想の良い」などがあります。
純白の可憐な花と豊かな香りで人々を魅了することから、「愛らしさ」「愛想の良い」といった花言葉がつけられたそう。また、「あなたは私のもの」「好色」「肉欲」など、少し怖い花言葉もつけられています。
マツリカのおすすめの楽しみ方
フェンスに誘引して華やかな生垣に
マツリカはあたたかい地域であれば庭植えにして育てられます。フェンスに誘引して育てると、外からの目線を視線に遮ることができ、生垣に活用することも可能です。美しいマツリカの花でフェンスを飾り、自然豊かな景観を作りましょう。
鉢植え栽培は管理がしやすい
鉢植え栽培は、適宜置き場所を変えられるのがメリット。気温が下がってきたらすぐに室内に取り込めるので、冬越しがしやすく、翌年も美しい花姿を鑑賞できます。
また、鉢植えならベランダガーデニングもできるので、マンションやアパート住まいの人もマツリカの栽培を楽しめるでしょう。冬の間は思い切って観葉植物として育て、室内を青々とした緑の葉で飾ってみてください。
花を収穫してジャスミン茶を味わおう
マツリカの開花期にはぜひ花を収穫して、手作りのジャスミン茶を作りましょう。
収穫するときは、咲いたばかりの香りが強い花を選びます。すぐに飲む場合は急須やティーポットに緑茶と花を入れ、約3分ほどしっかり蒸らしてから飲んでください。
たくさん花を収穫できた場合には、乾燥させて長期保存するのがおすすめです。収穫した花は、風通しがよく直射日光の当たらない場所に広げ、よく乾燥させます。乾燥後は保存容器に入れて、冷暗所で保管しましょう。
マツリカの香りを楽しむ
香水や精油などに利用されるマツリカの花。華やかで甘い香りが楽しめることから、世界中の人々から愛されています。開花期が長いので、長期間香りを楽しめるのも嬉しいポイントです。
マツリカの香りを開花期以外にも楽しみたい人は、花を乾燥させてポプリを手作りしてみるのもいいですね。マツリカの心地よい香りを日々のリラックスタイムに取り入れてみてはいかがでしょうか。
マツリカの育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
植え付け・植え替えに適した時期は、5月〜6月または9月です。
水はけがよく肥沃な土壌を好むため、地植えする場合は腐葉土や堆肥などをよくすき込んでから植え付けます。鉢植え栽培では市販の培養土を使用する、もしくは赤玉土7、ピートモス3の割合で配合土を作りましょう。
植え替えは鉢植え栽培で必要です。根詰まりを防ぐために、1〜2年に一度は一回り大きな鉢に植え替えを行いましょう。
しかし、土に水が染み込んでいかない、鉢底から根が飛び出てきた、成長が緩慢になってきたなど、これらの様子が見られた場合にはすでに根詰まりを起こしている可能があるので、できるだけ早く植え替えを行ってください。
肥料
肥料は4月〜10月の時期に与えます。緩効性化成肥料を与える場合は、1〜2ヶ月に1度を目安に与え、液体肥料なら1週間〜10日に1度のペースで規定量を施すといいしょう。
剪定
強剪定は9月〜10月の時期が適しています。コンパクトに育てたい場合は切り戻しをし、樹形が乱れた際には伸びすぎた枝を切り詰めていきましょう。
病害虫
マツリカは病害虫の被害が少ないので、あまり心配する必要はありませんが、アブラムシがついた場合には、薬剤を使って駆除しましょう。ハダニは高温期に発生するケースがあるので、見つけたら水をかけて洗い流すのが効果的です。
日当たり
地植えは降雨のみで問題なく育ちますが、日照りが続くような場合は適宜水やりをしましょう。
鉢植え栽培では、土の表面が乾いたタイミングで水やりをします。このとき、鉢底から水が流れ出るまで、たっぷりと与えることが大切です。夏は水切れに注意し、冬は水受け皿に水を溜めないようにして乾燥気味に管理するといいでしょう。
水やり
地植えは降雨のみで問題なく育ちますが、日照りが続くような場合は適宜水やりをしましょう。
鉢植え栽培では、土の表面が乾いたタイミングで水やりをします。このとき、鉢底から水が流れ出るまで、たっぷりと与えることが大切です。夏は水切れに注意し、冬は水受け皿に水を溜めないようにして乾燥気味に管理するといいでしょう。
愛知県稲沢市生まれ。稲沢市が「日本四大植木産地」であることもあり、幼少期から植木に囲まれて成長。
東京農業大学卒業後、名古屋市内の造園会社に就職。公園の整備工事から国交省事業の国道整備工事における土木及び街路樹等の植栽工事に現場代理人として携わる。