オタフクナンテン(お多福南天)は、ナンテンの園芸品種で、日本の暖地や中国を原産地とする。原種のナンテンのように花や実がつくことはない。背が低い矮性品種で、植え込みや寄せ植えでの利用価値が高い。冬の赤い葉色が特徴的。
基本5データ
- 分類
- 庭木-低木・下草
- 学名
- Nandia domestica 'Otafukunanten'
- 科・属名
- メギ科 ナンテン属
- 別名
- オカメナンテン、ゴシキナンテン
- 草丈・樹高
- 30~50cm
- 栽培可能地域
- 東北南部以南
- 花色
- –
- 開花期
- –
- 結実期
- –
- 耐暑性 / 耐寒性
- 耐暑性:高い 耐寒性:高い
赤い葉色が特徴的な常緑樹
日本や中国が原産のナンテンの園芸品種
オタフクナンテンは、日本の暖地や中国が原産のナンテンの園芸品種です。江戸時代に生み出されたこの品種は、冬の紅葉の美しさが特徴で、カラーリーフとして商業施設や公共施設の植え込みなどに利用されています。
背が低い矮性品種で扱いやすく、少ないスペースでも育てることができるため、冬の花壇や寄植えで人気を得ました。通常のナンテンの場合は樹高2~4mほどに生長しますが、オタフクナンテンは30~50cmと非常にコンパクトです。
花や実はほとんどつかない
ナンテンは赤い実が特徴的ですが、オタフクナンテンの場合は花や実はほとんどつきません。葉の美しさをメインに楽しむの植物といえます。葉は細長い形状をしているものの、ナンテンよりも丸みを帯びており、その丸みのある葉から別名「オカメナンテン」とも呼ばれます。
通常のナンテンの場合は紅葉しても地味な印象ですが、オタフクナンテンの紅葉は非常に鮮やかです。別名の「ゴシキナンテン(五色南天)」は、その鮮やかさに由来しています。
オタフクナンテンは縁起が良い?
ナンテンという名前には、「難転」つまり難が転じるという意味が込められており、さらに「お多福来」と名のつくオタフクナンテンは非常に縁起の良い植物です。
通常のナンテンは鬼門(北東)・裏鬼門(南西)に植えると良いとされているため、オタフクナンテンも同様の方角に植えると良いでしょう。
また、風水において北・北西に赤を置くことは凶となっているため、紅葉の印象が強いオタフクナンテンはこれらの方角を避けることをおすすめします。
なお花言葉には「福をなす」や「私の愛は増すばかり」などがあり、こちらも縁起の良さを感じさせます。
赤を活かして様々な用途に
植え込みやグランドカバーに最適
樹高の低いオタフクナンテンは、植え込みやグランドカバーとして利用するのが最適です。冬場は庭の雰囲気が寂しくなりがちですが、オタフクナンテンの美しい紅葉が明るさをもたらします。育て方も容易で、初心者にもおすすめの植物です。
洋風の庭にもおすすめ
オタフクナンテンは、和風なテイストの庭で利用されることが多い植物ですが、実は洋風の庭にも非常にマッチします。オタフクナンテンは冬の時期に赤く紅葉するため、冬に地味な印象になりがちな植物と一緒に植えてアクセントにしたり、他のカラーリーフとの組み合わせでコントラストを楽しむのが良いでしょう。
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1年間の変化は少なめ
冬に紅葉するオタフクナンテンですが、夏場でも多少葉の赤みは残っています。常緑樹な上に、通常のナンテンのように花を咲かせたり、実を付けることもないため、1年間の変化を楽しみたい方には不向きです。
オタフクナンテン(お多福南天)の育て方と特徴の育て方・管理方法
植え付け・植え替え
オタフクナンテンの植え付けは、3月から4月または9月から10月の間に行います。場所は直射日光が当たらない半日陰が最適です。土は水はけが良いものを好みます。
地植えの場合は根鉢よりも2回り大きい穴を掘り、土に堆肥か腐葉土を2割ほど混ぜ込んでから植え付けましょう。植え付けが完了したら、十分に水やりを行います。
鉢植えにする場合は苗よりも一回り大きい鉢を選び、赤玉土、腐葉土、黒土を4:3:3の割合で混ぜ込んだ土を使用しましょう。
また、鉢植えでは根詰まりを起こす可能性があるため、2~3年に1度を目安に植え替えを行う必要があります。寄せ植えとして他の植物と合わせて植えている場合は、1年に1度が適切です。植え替えの際はそれまでよりも一回り大きい鉢を用意しましょう。
肥料
肥料は2月頃に、油粕などの有機質肥料や緩効性化成肥料を寒肥として施肥します。8月頃に追肥をするのも効果的です。ただし、肥料を与えすぎるとオタフクナンテンが枯れてしまう可能性をある点には、注意しましょう。
剪定
オタフクナンテンは樹高が小さく、それほど枝葉は伸びないため、剪定を定期的に行う必要はありません。強剪定をすると枝の生長が止まってしまうこともありますし、気になる場合はひどく伸びた枝だけを軽く切り戻す程度にしておきましょう。
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病害虫
オタフクナンテンは丈夫な植物ではありますが、カイガラムシの被害には注意が必要です。カイガラムシはオタフクナンテンの養分を吸い取り、最悪の場合枯れる原因にもなります。
幼虫であれば薬剤で対処することができますが、成虫のカイガラムシは殻が硬く薬剤の効果が薄いため、歯ブラシなどでこそぎ落とすようにしましょう。
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日当たり
オタフクナンテンは多湿な土壌を嫌うため、水のやりすぎには注意が必要です。
地植えの場合、水やりはほとんど必要なく、高温になる真夏にのみ少しだけ水を与えます。真夏の水やりは朝夕の気温が低い時間帯に行いましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたのを目安に少しだけ与えます。
水やり
オタフクナンテンは多湿な土壌を嫌うため、水のやりすぎには注意が必要です。
地植えの場合、水やりはほとんど必要なく、高温になる真夏にのみ少しだけ水を与えます。真夏の水やりは朝夕の気温が低い時間帯に行いましょう。
鉢植えの場合は土の表面が乾いたのを目安に少しだけ与えます。
熊本県の海と山に囲まれた田舎で育ち、幼少期からガーデニング好きの祖母を手伝う。高校時代には、音楽を中心に様々な芸術分野に興味を持つようになり、同時に自然の持つ面白さや奥深さに気づく。現在はライターとして活動し、多趣味を活かして幅広いジャンルで執筆。他にもカメラやデザインについて勉強中。自然に囲まれて暮らすのが1つの目標。